十三人の刺客の紹介:1963年日本映画。江戸時代後期、明石藩藩主の暴君ぶりは幕府にまで届いていた。将軍の弟である幕閣たちは厳しい対処ができず悩んでいたが、ついに斉韶の暗殺を決意。島田新左衛門に暗殺の命が下り、11人の仲間を集める。 斉韶の参勤交代を狙う計画だった。用意周到な計画だったが、松平斉韶には切れ者の側用人がついていた…。1963年から64年にかけて流行した東映集団抗争時代劇の代表作。ラスト30分の大掛かりな殺陣の場面は圧巻。2010年にはリメイクされ、ジェレミー・トーマス製作、三池崇史監督が製作した。
監督:工藤栄一 出演:片岡千恵蔵(島田新左衛門)、里見浩太郎(島田新六郎)、内田良平(鬼頭半兵衛)、丹波哲郎(土井大炊頭利位)、嵐寛寿郎(倉永左平太)、西村晃(平山九十郎)、月形龍之介(牧野靭負)、丘さとみ(おえん)、三島ゆり子(牧野千世)、藤純子(加代)、河原崎長一郎(牧野妥女)、水島道太郎(佐原平蔵)、加賀邦男(樋口源内)、沢村精四郎(小倉庄次郎)、阿部九州男(三橋軍次郎)、山城新伍(木賀小弥太)、原田甲子郎(浅川十太夫)、春日俊二(日置八十吉)、明石潮(小泉頼母)、片岡栄二郎(大竹茂助)、北龍二(丹羽隼人)、香川良介(老中)、菅貫太郎(松平左兵衛督斉韶)、和崎俊哉(石塚利平)、水野浩(三州屋徳兵衛)、小田部通麿(仙田角馬)、堀正夫(大野多仲)、高松錦之助(間宮図書)、汐路章(堀井弥八)、ほか
映画「十三人の刺客(1963年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「十三人の刺客(1963年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
十三人の刺客の予告編 動画
映画「十三人の刺客(1963年)」解説
この解説記事には映画「十三人の刺客(1963年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
十三人の刺客のネタバレあらすじ:起
弘化元年(1844年)の江戸。紋付袴姿の侍が、ある武家屋敷の前で切腹。その前には訴状が残されていました。侍は明石藩の江戸家老を勤める間宮図書。その武家屋敷は筆頭老中・土井利位のもので、訴状には藩主である松平左兵衛督斉韶の暴虐極まる素行について詳細に記されています。この不祥事は幕閣を震駭させました。
斉韶は現将軍である徳川家慶の弟で、翌年には老中職に抜擢される予定です。これほどの愚人が要職に就いてしまうと政道が乱れることは必至で、土井としてはその前に手を打つ必要があります。土井がその手段として選んだのが信頼できる人物を選び、あくまでその個人による凶行として斉韶を亡き者にするというものでした。
十三人の刺客のネタバレあらすじ:承
その選ばれた人物が、直参旗本の島田新左衛門です。「斉韶様を暗殺せねば天下の政は乱れ、災は万人に及ぶ」と聞かされた新左衛門は「侍として良き死に場所」と答え、この依頼を引き受けます。さすがにこのような仕事を一人で行うのは無理で、新左衛門は自分とともに死んでくれる侍たちを探し始めます。
集まったのは11名。その中には新左衛門の甥の新六郎もいました。家来たちが堅固な警備で守っている斉韶を暗殺するためには、屋敷にいる間は不可能。藩の領地に戻る参勤交代の時を狙うよりほかありません。
新左衛門は同志とともに計画を立て、一行が中仙道の川を渡るところを襲うことにします。ところが明石藩には切れ者の鬼頭半兵衛という側用人がいて、新左衛門たちの動きを事前に察していました。川を渡る時が危ないと考えた半兵衛は駕籠を2つ用意し、どちらに斉韶が乗っているのか分からないように偽装。手勢の少ない新左衛門側はこれには手も足も出ず、一旦は江戸に引き返さざるを得ません。
十三人の刺客のネタバレあらすじ:転
斉韶の一行はやがて本庄宿、高崎宿を過ぎ、江戸から30里も離れてしまいます。同志たちが苛立つ中、新左衛門は街道の絵図面を見ながら沈思黙考。ようやく妙案が閃きます。それは御陣屋詰めの役人に協力を仰いで木曽の上松宿を通行止めにし、美濃の落合宿に追い込んで襲撃しようという計画です。
計画に従って早馬を飛ばし、新左衛門たちは落合宿へ。そこで宿そのものを買い取って砦に改造してしまいます。地元の郷士をひとり仲間に加え、襲撃人数は13人に。
十三人の刺客の結末
やがて斉韶一行が落合宿へやってくると、橋を落とし、退路を断った上で新左衛門たちは斉韶に襲いかかります。迷路のように改造された村を右往左往する明石藩の侍たち。彼らを徐々に倒していくうちに、斉韶は一人きりに。新左衛門が満を持してその前に立ちはだかると、袈裟懸けに斉韶を斬り殺します。
そこへ駆けつけた鬼頭半兵衛の剣を受けて新左衛門も死亡。半兵衛も新左衛門の仲間に倒され、結局、双方ともほとんどの者が討死することになります。
幕府では斉韶は参勤交代の途中で発病し、国元に着いてから病死と発表。多数の犠牲を出しながらも、土井の謀は果たされたのでした。
以上、映画「十三人の刺客」のあらすじと結末でした。
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