夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風の紹介:2019年日本映画。福岡県遠賀郡芦屋町が地域おこしの一環として立ち上げたプロジェクト『芦屋町で映画を作ろう』により製作されたオムニバス作品集です。幼なじみとの恋に揺れる女子中学生が主人公の『ナツヨゾラ』、ボクシングで大学への推薦入学を目指す高校生の行く末を描いた『時々もみじ色』、自らの才能に悩む女性革職人を描いた『冬のふわふわ』、余命わずかな妻のために仕事を辞めた小学校教師を描いた『桜咲く頃に君と』といった、四季をテーマにした4話の短編で構成されています。
監督:向井宗敏 出演者:『桜咲く頃に君と』市原隼人(古賀尚也)、平田薫(古賀真奈)、池田旭広、大谷史土、松本一沙、一木花漣ほか 『ナツヨゾラ』齊藤なぎさ(田中ゆみ)、宮世琉弥(小杉亘)、萩原護(高橋圭)、岩佐真悠子(小杉美江)、荒井敦史(吉村先生)ほか 『時々もみじ色』鈴木伸之(中島大和)、モロ師岡(安田剛志)、松田るか(橋本美咲)、麻木玲那(山川佳奈子)、安井順平(小林博史)ほか 『冬のふわふわ』飯豊まりえ(菊池綾子)、袴田吉彦(修二)、原日出子(貴子)、こくぼつよし(横山敦)ほか
映画「夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風の予告編 動画
映画「夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風」解説
この解説記事には映画「夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風のネタバレあらすじ『ナツヨゾラ』
夏の福岡県遠賀郡芦屋町。芦屋中学校に通う女子中学生の田中ゆみ(齊藤なぎさ)は、幼馴染の同級生・小杉亘(宮世琉弥)に密かに淡い想いを寄せていました。
ゆみは毎日、放課後になるときまって亘の実家のお好み焼き屋に足しげく通う日々を過ごしていましたが、なかなか想いを伝えることができないままでいました。
そんなある時、亘の母・美江(岩佐真悠子)の再婚をきっかけに、亘は芦屋町から遠く離れた土地に引っ越すことになってしまいます。
しかし、亘はそのことをゆみになかなか言い出すことができず、二人は互いに想いを口にすることのないまま時間だけが流れていきました。
亘の出発が近づくなか、ゆみと亘は美江から「4日後に打ち上げられる花火に願いごとをすると叶う」という話を聞きつけました。しかし、その日は亘が引っ越す前日でもありました。
一大決心をしたゆみは思い切って亘を誘い、一緒に花火を見にいきました。やがて夜空に花火が打ち上げられるなか、ゆみはなかなか想いを打ち明けられずにいましたが、その時、亘の方からゆみに愛の告白をしてきました。二人は一緒に大輪の花火を見つめていました。
翌日、亘は芦屋町から旅立っていきました。ゆみは離れ離れになった今でも亘のことを想い続けています。
夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風のネタバレあらすじ『時々もみじ色』
毎日ケンカに明け暮れ、警察に補導された過去を持つ不良高校生の中島大和(鈴木伸之)は、ボクシングのコーチ・安田剛志(モロ師岡)にその非凡な才能を見出され、日々ボクシングの練習に打ち込んでいました。
やがて全国に通用するレベルにまで上り詰めた大和は高校3年生の秋を迎え、卒業後の進路を考え始める時期なりました。そこで安田はボクシングでの推薦入学の話を持ちかけ、話に乗った大和は推薦を受けることを決めました。
ところが、大和が安田と共に推薦先の大学での面接で対面したボクシング部顧問の小林博史(安井順平)は、かつて大和が暴力を振るった因縁の相手でした。小林は安田の娘・橋本美咲(松田るか)の友人・山川佳奈子(麻木玲那)にストーカー行為を働いており、何度もやめさせようとしたものの未だにストーカー行為をしていたのです。
大和は自分のために推薦入学の枠を用意してくれた安田への恩義と小林への怒りで揺れ動き、悩み抜いたあげく推薦入学を辞退することにしました。
大和は美咲と共に小林のストーカー行為を止めに行き、その結果、行為を止めさせることに成功しました。大和はプロボクサーを目指す決意を固め、安田と共にプロを目指して歩き出しました。
夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風のネタバレあらすじ『冬のふわふわ』
東京で工房を営む革職人の菊池綾子(飯豊まりえ)は仕事に悩んでいました。自信を持ってデザインしたせっかくの商品は客から良い評判を聞かれず、コンペにも落選、自分には何が足りないのか日々思い悩む日々を送っていました。
冬のある日。綾子は亡き父の三回忌で故郷・芦屋町に帰省しました。綾子の父も同じ革職人であり、綾子は父の影響で今の仕事を始めたのです。綾子は母の貴子(原日出子)や叔父の修二(袴田吉彦)に仕事の悩みを打ち明けたところ、修二は自分の財布を直してほしいと依頼してきました。
この財布は綾子の亡き父が作ったものであり、財布を修理した綾子は修二から「誰のことを考えて直したか?」と問いかけられました。この時、綾子は自分は今まで使う人のことを考えて製品を作ってきていなかったことに気付かされました。
東京に戻った綾子は一度は依頼を取り下げられそうになったオーダーメイドの財布作りに取りかかり、ようやく初めて客が満足してくれるものを作ることができました。
夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風のネタバレあらすじ『桜咲く頃に君と』
冬も終わりに近づいた頃。小学校教師の古賀尚也(市原隼人)は、病気で余命宣告されている妻の真奈(平田薫)の介護に専念するために仕事を辞め、海沿いの家で静かに暮らしていました。
そんなある日、二人は尚也のかつての教え子から贈り物として手作りの桜の木やビー玉で作った花火をもらい、それに生きる勇気をもらった真奈は花火を見るまでは死ねないと固く誓いました。
しかし、真奈の病状は更に悪化していき、尚也はまだ桜が咲いていないにも関わらず「桜を見たい」という真奈の願いを叶えるため病院から彼女を連れ出しました。
二人が目にしたのは紛れもなく満開の桜でした。この桜は二人の強い想いが見せたものであり、桜に満足した真奈は尚也の腕の中で静かに息を引き取りました。その表情は満面の笑みに包まれていました。
やがて春になり、仕事に復帰した尚也がいたのは真奈と最期に見た桜の木の下でした。
以上、映画「夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風」のあらすじと結末でした。
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