ブレス しあわせの呼吸の紹介:2017年イギリス映画。『アメイジング・スパイダーマン』のアンドリュー・ガーフィールドと、今作が監督デビューとなる『ロード・オブ・ザ・リング』のアンディ・サーキスがタッグを組んで贈る人間ドラマです。今作の製作を手掛けたプロデューザーのジョナサン・カヴェンディッシュの父ロビン・カヴェンディッシュ(1930~1994)の実話を基に、ポリオ感染症で全身麻痺となった主人公・ロビンが家族とともに困難を乗り越えていく姿を描き上げています。
監督:アンディ・サーキス 出演者:アンドリュー・ガーフィールド(ロビン・カヴェンディッシュ)、クレア・フォイ(ダイアナ・カヴェンディッシュ)、ディーン=チャールズ・チャップマン(ジョナサン・カヴェンディッシュ)、トム・ホランダー(ブロッグス/デヴィッド(二役))、ヒュー・ボネヴィル(テディ・ホール)ほか
映画「ブレス しあわせの呼吸」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ブレス しあわせの呼吸」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ブレス しあわせの呼吸の予告編 動画
映画「ブレス しあわせの呼吸」解説
この解説記事には映画「ブレス しあわせの呼吸」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ブレス しあわせの呼吸のネタバレあらすじ:起
1956年頃のイギリス。当時26歳だったロビン・カヴェンディッシュ(アンドリュー・ガーフィールド)は、後に妻となるダイアナ(クレア・フォイ)と運命的な出逢いをしました。ダイアナの双子の兄、ブロッグス(トム・ホランダー)とデヴィッド(トム・ホランダー)は、貧しいロビンと妹の結婚に反対しましたが、ダイアナは反対を押し切ってロビンとの結婚に踏み切りました。それからというもの、ロビンは茶葉の仲買業という仕事柄、ダイアナを伴ってケニア・ナイロビへ移り住み、豊かな大自然のもとで愛を育んでいきました。やがて、ダイアナのお腹の中にはロビンとの子が宿りました。
しかし、幸せの絶頂にあったロビンを襲ったのは、感染症“ポリオ”への感染でした。最初は右腕から、次第に全身が麻痺状態に陥り、人工呼吸器なしでは生きられない体となり、医師からは余命3ヶ月という宣告をされてしまいました。時にロビン28歳の時でした。
ブレス しあわせの呼吸のネタバレあらすじ:承
すっかり生きる希望を失くしたロビンは絶望しきって死を望み、見舞いに訪れたダイアナは必死で励ましました。やがて長男・ジョナサン(ディーン=チャールズ・チャップマン)を出産したダイアナは、ロビンを連れてイギリスへと帰国しました。ロビンは当時最先端の医療設備が整った病院へと転院、そこで自分と同じように人工呼吸器に繋がれた全身麻痺の患者たちの姿を目の当たりにしました。ロビンは病院から出たいとダイアナに本心を打ち明け、ダイアナは主治医のエントウィッスル医師(ジョナサン・ハイド)に相談しましたが、自宅での介護など無謀だと一蹴されました。しかし、ロビンの意志を汲み取ったダイアナは全財産をつぎ込んで中古の一軒家を買い、人工呼吸器の操作方法や介護方法などを学ぶなど着々と準備を進めていきました。そしてダイアナは医師の反対を押し切ってロビンを連れて帰り、ようやく家族と一緒に暮らせることになったロビンは次第に笑顔を取り戻していきました。
ブレス しあわせの呼吸のネタバレあらすじ:転
そんなある日、ダイアナが目を離した隙に飼い犬が誤って人工呼吸器のコンセントを抜いてしまいました。ロビンは苦しみながらも舌で音を鳴らし、間一髪でダイアナが気付いて事なきを得ました。その日以来、ダイアナの兄たちや友人も介護の手伝いに加わるようになっていきました。
ある日、ロビンはジョナサンのベビーカーを見るなりアイデアを思いつき、友人でオックスフォード大学教授のテディ・ホール(ヒュー・ボネヴィル)やドン・マックイーン医師(ベン・ロイド・ヒューズ)らに手伝ってもらって人工呼吸器付きの車椅子を開発してもらいました。やがて車椅子は幾度も改良を重ねて性能も向上していき、ロビンはダイアナや義兄らの協力を得て、車椅子に乗って家族と共にスペイン旅行へと出発しました。これに勇気をもらったロビンは、自分と同じように重度の障害に苦しむ人たちのために車椅子の量産を計画、資産家の未亡人の協力を得て遂に量産化にこぎつけました。
ブレス しあわせの呼吸の結末
人工呼吸器付きの車椅子を普及させたロビンの次なる活動は、自分と同じ重度の障害を患う人々の生活の質を高めることでした。協力者たちとともにドイツの学会に出席したロビンは、会場に集まった医師たち「ただ呼吸するだけでなく、人間らしく生きたいんだ。重度の障害を持った患者たちが幸せに生きられるよう協力してほしい」と訴えかけました。やがてロビンの活動は実を結び始め、彼の周りには数多くの賛同者たちが集まりました。
1994年.かつて余命3ヶ月と宣告されたロビンはそれから40年近くも生き長らえていました。しかし、長年使いつづけてきた人工呼吸器の管との摩擦によって大量の出血を繰り返すようになり、自らの死期が近いことを悟ったロビンは協力者の医師に安楽死を依頼、ダイアナとジョナサンに感謝の言葉を伝えました。ロビン・カヴェンディッシュは64年の生涯に幕を降ろし、またポリオ患者として最も長く生きた人物となりました。
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