愛の風景の紹介:1992年スウェーデン,デンマーク,フランス,イギリス,ドイツ,イタリア,ノルウェー,フィンランド,アイスランド映画。テレビ用だった作品を劇場用に再構築して作り上げたのが本作。神学生の貧しい青年と上流階級の娘が愛し合い、結婚し互いの価値観の違いという壁を乗り越え、やがて理解し合うという美しい姿を描いています。カンヌ国際映画祭で最高賞「パルム・ドール」を受賞。別題は「ベスト・インテンション/善意ある人々/ベスト・インテンション」
監督:ビレ・アウグスト 出演:サムエル・フルーレル(ヘンリク)、ペルニラ・アウグスト(アンナ)、マックス・フォン・シドー(ヨハン)、ギタ・ナービュ(カリン)、M・マルム、ほか
映画「愛の風景」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「愛の風景」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
愛の風景の予告編 動画
映画「愛の風景」解説
この解説記事には映画「愛の風景」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
愛の風景のネタバレあらすじ:起
裕福な育ちのアンナ(ペルニラ・アウグスト)は、ある日開いたパーティーで兄が連れてきたヘンリク(サミュエル・フレイレル)と出会います。ヘンリクは神父になるために神学校に通う貧しい青年でした。
生きてきた世界がまるで違う二人でしたが、互いに一目会ってすぐに惹かれ合っていきますが、アンナの母親はそれを快く思っていませんでした。
しかし、ヘンリクにはフリーダという彼女がおり、さらに婚約していて、一緒に暮らしていたのです。それでも諦めきれないアンナは、兄を使ってヘンリクと会い、さらに互いの気持ちを深めていきます。
ヘンリクは度々アンナの家にやって来ることがありました。アンナが不在の日に、アンナの母親がヘンリクに言います。「あなたのことは調べて知っている。婚約者がいることも。」
驚くヘンリクに母親は、アンナに別れの手紙を書くようにと言いました。それに従いヘンリクは別れの手紙を書いて、立ち去っていきます。
別れの手紙を読んだアンナは酷く悲しみ「もう会わない」と決心します。しかしヘンリクはアンナへの想いを諦める事が出来ず、アンナに会いに行きますが、アンナはヘンリクに会うことを拒否します。ヘンリクはショックを受け、立ち去って行きました。
愛の風景のネタバレあらすじ:承
あれからしばらくして、アンナの元にヘンリクの婚約者だったフリーダがやってきます。アンナと離れてからヘンリクの落ち込み方が酷く、悔しいがどうすることもできないフリーダは、アンナを頼るしかなかったのです。
ヘンリクの深い愛を再確認したアンナは、閉じ込めていたヘンリクへの想いを再燃させるのでした。
しかし、この頃からアンナの具合が悪くなっていきます。結核でした。アンナの兄は「アンナの病状とその療養のために家を離れることになるのでもう会うことはない」、とヘンリクに伝えました。
スイスで療養しているアンナ。ヘンリクへの想いは日ごとに増しています。アンナは兄への手紙の中にヘンリクへの手紙を同封し、兄に渡してもらおうと考えますが、不在の兄に変わって父がその手紙を受け取ってしまい、ヘンリクへの手紙があることに気づいてしまいます。
父はアンナの気持ちに寛大でしたが、どうしてもヘンリクの事を認められない母が手紙を勝手に読み、焼き捨ててしまいました。
愛の風景のネタバレあらすじ:転
そしてそのことをアンナに知らせず、母はアンナと療養を兼ねた周遊の旅に出掛けます。しかしその旅の途中で父が倒れ、亡くなってしまいました。
急な父の訃報に悲しむ二人。母はその帰り道、良心の呵責に耐えきれずアンナのヘンリクへの手紙を勝手に読み捨ててしまった事を告白します。ショックを受けたアンナでしたが葬儀後ヘンリクに会いに行きます。
ヘンリクの宿舎は引き払っていて誰もいませんでした。しかし、偶然荷物を取りに来たヘンリクに会うことが出来たのです。アンナとヘンリクはここでようやく互いの愛を確かめあい、結婚することを約束したのです。
田舎町に引っ越しすることになっていたヘンリクに、アンナもついていきました。そして田舎町の自らが作り上げた小さな教会で結婚式を挙げた二人に、やがてダグという子供が生まれます。
この頃ヘンリクに、宮廷つきの教会牧師に推薦されたという話が舞い込んできます。大喜びのアンナをよそに、小さな田舎町だが今の生活を捨てることができず気乗りのしなかったヘンリクは、その話を断ってしまったのです。
愛の風景の結末
そこから村人たちの態度は一変し、アンナにとっては居心地の悪い日々が続きます。そしてついに我慢できなくなったアンナは、ダグを連れて実家に帰ることを決意します。実家に帰ることに反対だったヘンリクでしたが、ここでは子供は守れないとアンナに押しきられてしまいます。
アンナたちは出ていきました。ヘンリクは村で牧師の仕事を続けています。しかし、家族への思いを断ち切れないヘンリクはアンナの実家へアンナたちを迎えにいきます。
そして、宮廷牧師に赴任することができたらやり直したいとアンナに告げます。「もう戻れない」と話すアンナに「もう戻らなくていい」とヘンリク。
無事家族は元通りになり、アンナとヘンリクとダグ、そして新しく生まれてくる子供と家族四人で、新しい生活をやり直していくことになりました。
以上、映画「愛の風景」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する