映画「ドラえもん のび太の地球交響楽」解説
この解説記事には映画「ドラえもん のび太の地球交響楽」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ドラえもん のび太の地球交響楽（シンフォニー）のネタバレあらすじ：起
遠い昔、クロマニョン人の少年が白鳥たちの美しい鳴き声を聴いていたところ、そこに謎の飛行物体が落下してきました。物体の中には赤ん坊がいました・・・。
・・・そして現代。のび太のクラスは秋の音楽会に向けてリコーダー演奏曲の練習をしていました。しかし、リコーダーが苦手なのび太は通常のドレミの音階にはない「ノ」の音を吹いてしまい、クラスメイトたちの笑いものになってしまいました。
帰宅したのび太は、ドラえもんがひみつ道具「あらかじめ日記」を使って大好物のどら焼きを手に入れたことを知りました。のび太はこの日記さえあれば学校での音楽の授業がなくなり、リコーダーの練習をしなくてもすむと思いつきました。そこでのび太はあらかじめ日記と自分の日記をすり替え、「今日わ、音楽がなかった。たのしかった」と書き込みました。
翌日。のび太の願い通りにある音楽の授業が中止になりましたが、日記のすり替えに気づいたドラえもんは世界中から音楽そのものが消滅したことに気づきました。のび太は全く意に介しませんでしたが、やがて街は混乱に陥り、人々はいらつき始めました。のび太から泣きつかれたドラえもんは日記のページを破り取ることで再び世界に音楽を取り戻すことに成功しました。
その頃、宇宙科学研究所では宇宙から帰還した探査機が持ち帰った石や砂から謎の黒い生命体が湧き出していました。黒い生命体は分裂しながらどこかへと移動を始めました。
ドラえもん のび太の地球交響楽（シンフォニー）のネタバレあらすじ：承
のび太が河原でリコーダーの練習をしていると、そこに美しい歌声を持つ謎の少女が現れました。少女はいつしか姿を消し、その周囲には小さな光の粒子が舞っていました。
翌日、のび太はしずか、ジャイアン、スネ夫と共に河原でリコーダーの練習をしていると再び昨日の少女が現れました。そこに現れたドラえもんはひみつ道具を使い、のび太たちは少女と共に音楽を奏で合いましたが、少女はまたもや姿を消してしまいました。
その夜、のび太のもとに「今夜、学校の音楽室でお待ちしています」という謎の手紙が送られてきました。音楽室に向かったのび太たちは謎の空間にある建築物「ファーレの殿堂」へ誘われ、そこで河原で出会った謎の少女と出くわしました。
少女は宇宙の彼方にある「惑星ムシーカ」からやってきたミッカで、世話係のロボット・チャペックを伴っていました。ミッカはのび太たちこそがムシーカで音楽を意味する「ファーレ」を極めた達人である「ヴィルトゥオーゾ」と見込んでおり、エネルギー不足で休眠状態にあるファーレの殿堂を復活させるために呼び出したのです。のび太たちはミッカに協力することにし、ひみつ道具「運命の赤い糸」「音楽家ライセンス」でそれぞれの担当楽器を決めました。のび太はリコーダー、しずかはボンゴ、ジャイアンはチューバ、スネ夫はバイオリンとタッグを組み、殿堂を復活させるため外に飛び出しました。
一行は音楽家ロボットのモーツェルやバッチと会い、楽器を演奏することで“ファーレエネルギー”を生み出し、枯れた川を蘇らせることに成功しました。その後、一行は「音虫の森」で墓守りをしている音楽家ロボットのタキレンと出会いました。この墓はロボットたちの主であるムシーカ人たちの墓であり、タキレンは遥か昔に故郷ムシーカは大厄災で滅びたこと、殿堂はわずかなムシーカ人とロボットたちを乗せた救命ボートであったこと、そしていまやミッカこそがムシーカ人の最後の生き残りであることを明かしました。
ドラえもん のび太の地球交響楽（シンフォニー）のネタバレあらすじ：転
一行は街で目覚めたロボットたちとファーレを奏でていき、殿堂を蘇らせていきました。その時、ジャイアンとスネ夫は謎の黒い生命体を見つけました。黒い生命体たちは合体して巨大な生命体“ノイズ”と化し、ファーレも効きませんでした。ジャイアンとスネ夫はのび太たちと合流して一旦地球に引き上げることにしました。
夏休みに入り、のび太はひみつ道具「ハッスルねじまき」を使って大急ぎで宿題を片付ける一方で風呂場でリコーダーの練習を続けていました。そんな時、寝ていたドラえもんの体内に黒い生命体が入り込みました。
翌日、ドラえもんは体調に違和感を感じつつも、のび太たちと共に「どこでもドア」で殿堂に向かいました。のび太はうっかりリコーダーを忘れてしまっており、やむなく「時空間チェンジャー」で時間と空間を一時的に入れ替えてリコーダーを取りに戻りました。
ドラえもんたちは殿堂の中心部にある神殿で、機能を停止していた音楽ロボットのリーダー、マエストロ・ヴェントーを発見しました。ドラえもんに修理されて復活したヴェントーは事の成り行きを語り始めました。
かつてムシーカは人間とロボットが共存し、ファーレエネルギーで栄えていました。しかし、ファーレエネルギーを独占する者たちが現れた結果、私的なファーレの演奏は禁じられてしまい、その結果星を食らうノイズの襲来を受けてムシーカは滅ぼされてしまったのです。ヴェンドーはドラえもんに取り付いた黒い生命体はノイズの胞子であり、ノイズは地球に狙いを定めていることを告げました。以前のび太があらかじめ日記で世界から音楽を消した際、宇宙科学研究所の宇宙からの回収物に混ざっていたノイズの胞子が弱点であるファーレのない地球で密かに増殖し、そのうちのひとつがドラえもんの体内に入り込んでいたのです。
ノイズを退治するためには殿堂を完全に復活させなければならず、その鍵となるメインスイッチを起動させるにはムシーカの縦笛でつ5つの音を吹き鳴らす必要がありました。縦笛はムシーカが滅びた4万年前、脱出ポッドで地球に送られたミッカの双子の妹に持たせたといい、しずかが音楽の授業で教わった世界最古の楽器である白鳥の骨で出来た笛こそがムシーカの縦笛ではないかと考えました。
白鳥の骨の笛は上野の博物館にあり、一行は調べてみましたがそれはムシーカの縦笛ではありませんでした。一行が行き詰っている時、スネ夫はワールドツアーで来日中の世界的歌姫ミーナの歌声がムシーカの子守歌に似ていると気づき、ミッカは早速ミーナのもとを訪れました。ミーナは実はミッカの妹の子孫であり、祖母からのお守りとしてムシーカの縦笛を譲り受けていました。ミーナはミッカに縦笛を貸し出しました。
ドラえもん のび太の地球交響楽（シンフォニー）の結末
ノイズの胞子に浸食されていたドラえもんはとうとう機能停止してしまいました。のび太たちはドラえもんを蘇らせようと演奏を始めましたが上手くいかず、一時は仲間割れを起こしそうになりました。それでものび太はドラえもんを復活させるべく一生懸命にリコーダーを吹き、しずかたちものび太に合わせて演奏を再会しました。ミッカも歌い、ドラえもんの体内からノイズの胞子を撃退することに成功しました。
復活を果たしたドラえもんはのび太たちと共に殿堂に向かいましたが、ムシーカの縦笛は一部が欠けており、5つの音のうち1音が足りませんでした。のび太は必死にリコーダーを吹きましたが、どうしても「ド」の音は「ノ」の音になってしまいました。その時、突然殿堂が復活しました。最後の1音とはのび太が発し「ノ」の音だったのです。
ドラえもんたちやミッカ、音楽ロボットたちは地球に向かうノイズを撃退すべく、チャペックが地球で作曲していた「地球交響楽（ちきゅうシンフォニー）」を演奏し始めました。一時はノイズを弱体化させるも倒すことはできず、ノイズは復活して一行を無音の宇宙空間へ飛ばしてしまいました。ところが、音のないはずの宇宙空間に音楽が鳴り始め、一行は宇宙空間で演奏を再開してノイズを撃退することに成功しました。
無音のはずの宇宙空間で音が響いたのはドラえもんのひみつ道具のおかげでした。ドラえもんがノイズに対抗しようと「四次元ポケット」の道具を探し回っていた際に偶然にも時空間チェンジャーが起動し、のび太が忘れたリコーダーを取りに行った昨夜の風呂場と入れ替わっていたのです。さらには空間のサイズ調整は滅茶苦茶になっており、地球を含む周辺の宇宙空間が風呂場にポッカリと浮かぶ形となっていたのです。そして一連の出来事はのび太が夏休みの宿題を片付けていた時、自分の日記帳だと勘違いしてあらかじめ日記に「今日わ、みんなでお風呂に入った。たのしかった」と書き込んだことで引き起こされていたのです。
ミッカたちが奏でたファーレの影響で、ミッカの他にもムシーカを脱出した別の船があることが明らかになりました。ミッカはミーナに縦笛を返し、チャベックらロボットたちや殿堂と共に地球を飛び立っていきました。
夏休みが終わり、のび太たちの学校では音楽会が催されました。のび太の吹いた音はどうしても「ノ」のままでしたが、それはファーレエネルギーとなって空に舞い上がっていきました。
以上、映画「ドラえもん のび太の地球交響楽（シンフォニー）」のあらすじと結末でした。
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