青くて痛くて脆いの紹介:2020年日本映画。『君の膵臓をたべたい』で知られる住野よる原作の同名小説の映画化。人とあまり関わりたくない主人公楓と、楓を誘いサークルモアイを立ち上げた秋好。時が経ち、変わってしまったモアイを作り直そうとする楓を演じるのは吉沢亮。2019年『キングダム』での演技が評価されたほか、2021年大河ドラマ『青天を衝け』での主演が決まっている。一方秋好を演じたのは杉咲花。2020年後半のNHK連ドラ主演が控えている。そのほか岡山天音、森七菜、柄本佑など脇を固める俳優陣の演技も光る。
監督:狩山俊輔 原作:住野よる 主題歌:BLUE ENCOUNT「ユメミグサ」 キャスト:吉沢亮(田端楓)、杉咲花(秋好寿乃)、岡山天音(前川董介)、松本穂香(本田朝美)、清水尋也(天野巧)、森七菜(西山瑞希)、茅島みずき(川原理沙)、光石研(大橋)、柄本佑(脇坂)ほか
映画「青くて痛くて脆い」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「青くて痛くて脆い」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
青くて痛くて脆いの予告編 動画
映画「青くて痛くて脆い」解説
この解説記事には映画「青くて痛くて脆い」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
青くて痛くて脆いのネタバレあらすじ:起
田端楓(吉沢亮)は他人に近づきすぎない、否定しないがモットーの大学1年生。ある日、授業中にいきなり質問した女子がいました。世界平和を説く痛い彼女は、学食で食事をしている楓のとなりに強引に座って話し始めました。
秋好寿乃(杉咲花)と名乗る彼女は理想主義者の意識高い系女子で、楓は関わらないよう避けますが寿乃はグイグイ距離を詰めてきます。寿乃は周囲にヤバい人といった目で見られ、一緒にいる楓まで噂されてしまいます。
自分に合うサークルがないとぼやく寿乃に楓が軽い気持ちで「自分で作れば?」と言うと、寿乃は目を輝かせて「いっしょにやろう!」と言い出します。目立つことはしたくない楓でしたが、秘密結社みたいにして“なりたい自分になろう”と寿乃は盛り上がります。「楓が嫌がることはしないから」と寿乃は言い、サークル名を『モアイ』と決めました。
早速張り切ってチラシを配る寿乃でしたが誰も相手にしてくれません。それでも明るく前向きな寿乃。いつも横断歩道の白い部分だけをぴょんぴょんと渡る寿乃は、そうすれば願いがひとつずつ叶うのだと言います。でも、そう笑っていた彼女はもうこの世界にはいない…
青くて痛くて脆いのネタバレあらすじ:承
三年後。
内定が決まった楓は友人の前川董介(岡山天音)と飲みながら、いまや大きな就活サークルと化したモアイの連中を苦々しく見つめています。そして今はいない、かつていっしょにモアイをつくった友だちのために今のモアイをぶっつぶす!と宣言し、董介も面白がって協力することになりました。
かつて寿乃とふたりで部室をつくり、海岸のゴミ拾いなど地道に、でも楽しく活動していた楓。今その部室には多くの人間が出入りし、大学外のOBOGや企業の人間を巻き込んで大きな就活イベントを催す注目のサークルになっています。その中心人物テン(清水尋也)は女グセが悪いという噂を聞き、楓はその証拠をつかもうと動き出します。
董介の後輩女子ポン(松本穂香)がモアイの部員だというので、董介はポンとイベントに参加します。スマホで録画しながら裏へ潜入し、参加企業の名簿などを盗撮する董介。怪しんだテンが近寄ってきてスマホを手に取りますが、「同じスマホケース!」と叫び、一気に董介に気を許したテンはすぐに連絡先を交換するのでした。
以前のモアイでは、寿乃と楓がふたりでフリースクールの手伝いをしていました。その活動に興味を持った大学院生の脇坂(柄本佑)が介入することで部員は増え、そこのお祭りの運営もモアイがするようになっていました。寿乃は人数が増えてから楓が楽しそうでないことが気になっていましたが、楓本人は「寿乃が楽しいならいい」と言って自分の意見は言いませんでした。
不登校の瑞希(森七菜)は以前より明るくなっていましたが、担任教師の大橋(光石研)が無理やり学校に連れ戻そうとしてトラブルになり、はずみで楓がケガをしてしまいます。落ち着いてから瑞希は楓に、「(脇坂に)寿乃を取られちゃうよ」と冷やかすのでした。
その後、寿乃は楓になにかを相談したそうにしていましたが、寿乃と脇坂がつき合っていると知った楓は寿乃から距離を置くようになり、それきりになってしまいました。
青くて痛くて脆いのネタバレあらすじ:転
テンと仲良くなった董介はバーベキューに招待されます。楓はテンになかば強引に連絡先を交換させられました。その日は楓のバイト先の後輩川原(茅島みずき)もいました。楓と董介はテンが女の子を口説いているところを撮影しようとしますが、なぜかポンにジャマされ失敗。その後、その場にモアイの代表者がやってきました。川原が心酔するその人物はなんと、秋好寿乃でした。楓は急いでその場から立ち去ります。「ウソつき、ウソつき、ウソつき」とつぶやきながら…。
楓はモアイを中傷するビラを部室や大学中に撒きます。でも寿乃は「ウソは気にしないで、片付けよう」と前向きです。
フリースクールのお祭りには久しぶりに瑞希が顔を出し、大学に行こうと思ってると報告します。楓を探しているようでしたが「今はいっしょに活動してない」と寿乃は言います。
董介の家で楓、ポン、川原の四人で飲んでいます。川原はテンや寿乃を尊敬し、董介もなんだか最近テンと仲良さそうです。楓は川原を駅まで送り、携帯電話に残された寿乃のメッセージを聞きます。「話したいことがある」と入っていましたが楓はすぐ消去します。
董介の家に戻った楓は、最近企業からの迷惑メールが多いこと、それがテンと連絡先を交換してからであることに気づき、テンが個人情報を横流ししているのでは?と考えます。以前盗撮した企業の名簿を使って、テンとの関係を突き止めようと楓は提案。モアイをつぶそうとしている楓たちの会話を、寝たフリをしていたポンは聞いていました。
翌日、証拠をつかんだ楓は興奮気味に董介の家へやってきます。そこでこれをネット上にバラして炎上させると息巻く楓に董介は、「もうやめないか?」と言い出します。董介とポンが男女の関係になったことに気づいた楓は、董介の翻意に怒り、自分ひとりでやろうと決意します。告発記事をつくり、一文をつけてついにネットに投稿する楓。
青くて痛くて脆いの結末
またたく間にニュースは広がり、モアイは窮地に立たされます。活動は休止となり、代表である寿乃は説明会を開くことになりました。その教室にいち早くやってきた楓。そこに寿乃がやってきます。
久しぶりに対面するふたり。投稿された文章から、それは楓が書いたものだと気づいていた寿乃は単刀直入にたずねます。事実を認めた楓は下品に変わり果てたモアイを、「なりたい自分になれていないじゃないか」と寿乃を責めます。しかし寿乃は、夢を実現させるためには今の現実的なやり方も必要だと反論します。噛み合わないふたりの会話。
かつて寿乃は楓を気づかい、楓が望むようにモアイの活動を進めようと考えていました。でも寿乃が脇坂とつき合ったことにより楓は離れ、二度と歩み寄ることはなかったのです。自分は疎外されたと感じた楓。そんな楓に寿乃は思わず「気持ち悪っ!」と言ってしまいます。
「私のことが好きだったの?」という寿乃に対し楓は思いっきり「は?」と返します。さんざんふたりは自分の意見をぶつけ合い、最後に楓は「お前がいない方が幸せだった」と吐き捨てて出ていきます。怒りであきれていた寿乃でしたが、やがて泣いてしまいます。
夜、楓は自分の部屋で、謝罪する寿乃の隠し撮り動画をみています。その中で寿乃はモアイをつくった頃の思い出を語りだし、そしてモアイは解散しますと告げました。
それを見た楓は急に立ち上がり走り出します。大学へやってきた楓は寿乃の姿を探してあちこち走り回りますが、あわてるあまり転んでケガをしてしまいます。すがるような思いで脇坂の研究室をたずねる楓。寿乃とは一年くらいで別れてしまったという脇坂は、楓の告白を聞き、驚くでも責めるでもなく受入れ、その後悔に対してアドバイスするのでした。
楓は自らの写真をネットに上げ、こいつがモアイをつぶした犯人だとして自分を告発します。しかし反応は薄く、特に何かが変わるということはありませんでした。
一年後。
川原に再会した楓は、彼女たちが再建した新しいモアイ“MOAI”の展示を見学します。地球環境や平和を目指すその活動展示の中でかつてのモアイの映像が流され、その中で寿乃が「世界を変えるよ」と笑いかけています。
外に出た楓は、横断歩道をぴょんぴょん渡る人の姿を発見しました。「今度こそ。」楓は必死にその姿を追いかけます。そしてその人物を追い越し、振り向き、向き合います。
楓は心の中で自分を奮い立たせます。
「ちゃんと傷つけ!」
以上、映画「青くて痛くて脆い」のあらすじと結末でした。
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