君の膵臓をたべたいの紹介:2018年日本映画。2017年に実写映画も公開された住野よるのデビュー作『君の膵臓をたべたい』が待望の劇場版アニメ化。主人公「僕」は、映画やテレビドラマなどで注目される若手実力派俳優の高杉真宙が声優を務める。難しい役どころの桜良には、アニメや吹き替えで活躍中の人気声優Lynn。監督はスタジオヴォルンの牛嶋新一郎。初監督作とは思えない巧みな演出と美しい映像で珠玉の作品が出来上がった。人気上昇中のバンド“sumika”が3曲を提供しているのも話題となっている。
監督・脚本:牛嶋新一郎 声優: 高杉真宙(「僕」、志賀春樹)、Lynn(山内桜良)、藤井ゆきよ(恭子)、内田雄馬(隆弘)、福島潤(ガム君)、田中敦子(「僕」の母)、三木眞一郎(「僕」の父)、和久井映見(桜良の母)ほか
映画「君の膵臓をたべたい(アニメ版)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「君の膵臓をたべたい(アニメ版)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
君の膵臓をたべたい(アニメ版)の予告編 動画
映画「君の膵臓をたべたい(アニメ版)」解説
この解説記事には映画「君の膵臓をたべたい(アニメ版)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
君の膵臓をたべたい(アニメ版)のネタバレあらすじ:起
雨の夜。山内桜良の通夜の式場で泣き崩れている親友の恭子。参列していない主人公の「僕」は部屋に閉じこもったまま、最後に送った「君の膵臓をたべたい」というメールを桜良が読んだのか、考えています。
ある日「僕」は大きな病院で、カバーの中に“共病文庫”と書かれた日記を拾います。その持ち主、膵臓の病気で余命わずかの山内桜良がやってきて「秘密にして」と笑います。桜良はクラスメイトにも親友にも病気のことを知らせず、毎日明るく過ごしています。そして唯一秘密を知ってしまった「僕」に、桜良も図書委員となって近づき、死ぬまでにやりたいことに付き合わせてあげるといいます。大好きなホルモンを食べたり、スイーツ食べ放題の店に行ったり…。人気者の彼女と一緒にいるところを目撃され、「僕」はクラスで噂になります。親友の恭子に目の敵にされ、「僕」は桜良になぜ恭子に話さないのかたずねると、「言ったら泣いちゃうでしょ。そんなの楽しくない」と答えるのでした。
君の膵臓をたべたい(アニメ版)のネタバレあらすじ:承
強引に旅行に連れ出される「僕」。名前の漢字を聞かれ、日記に名前を残してほしくない「僕」に構わず桜良は書きます。博多に着いた二人は手違いで一つの部屋に泊まることに。普段通り冷静に過ごす「僕」はやがて、はしゃいでいる桜良が本当は死ぬことをとても怖がっていることを悟ります。そして帰り際、今度は冬に旅行しようと約束するのでした。
学校で、恭子に責められる「僕」。その日は雨が降っていて、放課後、桜良は『星の王子さま』の本を貸すからと家に誘います。ゲームばかりしているので「僕」が帰ろうとすると、突然桜良が抱きつき顔を近づけてきます。すぐに「冗談♪」と笑い飛ばす桜良を「僕」はベッドに押し倒します。泣いて嫌がる桜良から離れ「僕」が家を出ていくと、外にはクラス委員 隆弘の姿。桜良との関係を問いただす隆弘に、「前の彼氏みたいにしつこいのは嫌いだって」と言うと激昂して殴りかかってきました。止めに入った桜良は隆弘を拒絶し「僕」を気遣います。そして「あと少し一緒にいてほしい」と言うのでした。
君の膵臓をたべたい(アニメ版)のネタバレあらすじ:転
やりたいことリストを次々つぶしていく二人。しかし夏になると桜良は入院してしまいます。慌てて病室に行くと桜良はダンスを踊っていて、安心した「僕」と桜良はトランプやゲームをして過ごします。そして「生きるってどういうこと?」という「僕」の問いに桜良は考えて「誰かと心を通わせること…」と答えます。「僕」は桜良によって自分が変わってきたことに気づきます。抱き合う二人。そこに恭子がやってきて、怒られる前に「僕」は退散するのでした。
ある晩、二人は病院を抜け出し、小高い山の展望台にやってきます。今日じゃなきゃダメなの、という桜良。突然打ち上がる花火。美しい光景に二人は自然と抱き合うのでした。
ある日、いつものCAFÉ SPRINGで桜良を待っている「僕」。桜良からのメールを待ち望むようになっていた「僕」は、遅れている彼女と軽快なやりとりを続けています。私を褒めなさい、という桜良に「僕」は「君の膵臓がたべたい」と返信します。しかしそれを最後に桜良からのメールは途絶え、閉店を迎えた店をあとにします。
そして家に着いた「僕」は、テレビのニュースで桜良が通り魔によって命を奪われたことを知るのでした。
君の膵臓をたべたい(アニメ版)の結末
葬式に参列できなかった「僕」は意を決して桜良の家に向かい、桜良の母に“共病文庫”を見せてほしいと頼みます。母は驚き、そして生前桜良から、あなたが来たら日記を渡してほしいと頼まれていたと告げます。日記を読む「僕」。あの旅行のときの名前は消されていました。二人の関係は、恋とか友情とかを超越したものだと確信する「僕」。二人は正反対で、互いに憧れ、影響しあっていたのです。桜良は日記に、いろいろな人への手紙をしたためていました。「僕」にあてた手紙には、「君の爪の垢、煎じて飲みたいくらい」と書かれていました。それは「僕」が桜良に向けたメールの文面と同じもの。でも「僕」はその一文を消し、「君の膵臓をたべたい」と打ち直したのでした。慌てて桜良の携帯電話を借りて確認する「僕」。そのメールを桜良は読んでいました。そしてお互いに、君と出会うためにいろいろなことを選択して生きてきたんだ、ということを理解したのです。まるで“桜”が“春”を呼び込むように…。
「もう、泣いていいですか」桜良の母の前で号泣する「僕」。帰り際、名前を聞かれた「僕」はしっかりと「志賀春樹です」と答えるのでした。
桜良の遺志を受けて、他人と関わると決めた春樹は、恭子を呼び出し日記を見せます。しかし納得できない恭子は、春樹と和解するまで一年かかりました。
一年後、一緒に墓参りする春樹と恭子。二人を見送るように、季節外れの桜の花びらが舞っていました。
以上、劇場版アニメ「君の膵臓をたべたい」のあらすじと結末でした。
「君の膵臓をたべたい(アニメ版)」感想・レビュー
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原作の小説が発売されているとき、タイトルが気になってさらっと読んだことがありましたが、活字が苦手なこともあって感情移入できず、「セカチューに似ている」程度の感想しか抱きませんでした。たまたま最近アニメ版が地上波(NHK教育)でやっているのを観て、こんなに心が動かされると思いませんでした。咲良役の声優さんが、風前の灯火である女子高生の放つみずみずしさを切なく演じていました。「時をかける少女」や「君の名は」など、死をテーマにした良作アニメ映画は最近多いですが、こちらもさらりと描いていて、しかも考えさせられる良作でした。また原作を読み返してみようと思っています。
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『君の膵臓をたべたい』この言葉の意味を理解したとき、流れる涙を止められなかった。恋人、家族、友人、そんな簡単な表面的なつながりでは無く、もっと深い2人だけの特別な関係を表す言葉。愛している、大好き、、そんな言葉では表現出来ない言葉。原作の衝撃を受け入れられないまま鑑賞しましたが、とても忠実に表現されていてキャラクターの持ち味も十分に活かされています。最後のエンディングは原作とは違っていましたが、こちらもまた良いですね。図書館に差し込む光、香りがしてきそうな焼肉店、鮮やかで美しい音楽がそれらを際立たせています。これほどまでに魅了されたアニメ作品は初めてでした。感謝。
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「友達」や「恋人」、そんなありふれた言葉で言い表せない2人の関係にとても感動しました。エンディングで流れる「春夏秋冬」の歌詞が「僕」の桜への想いや、これからの「僕」の歩みといったものが表されていて、すごくよかったです。
映像も音楽も綺麗な作品です。友達でも恋人でもない主人公の「ぼく」と咲良の関係。インパクトのあるタイトルですが、その言葉の意味が分かった時に涙が止まらなくなりました。sumikaの楽曲もストーリーに合っていて、さらに盛り上げています。