合葬の紹介:2015年日本映画。江戸風俗研究家でもある杉浦日向子の同名漫画を映画化した時代劇ドラマです。幕末を舞台に、時代の波に翻弄される彰義隊の若き隊士たちの儚い青春の日々を描いています。
監督:小林達夫 出演者:柳楽優弥(秋津極)、瀬戸康史(吉森柾之助)、岡山天音(福原悌二郎)、門脇麦(福原砂世)、オダギリジョー(森篤之進)ほか
映画「合葬」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「合葬」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
合葬の予告編 動画
映画「合葬」解説
この解説記事には映画「合葬」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
合葬のネタバレあらすじ:起
1868年(慶応4年)4月、徳川幕府将軍・徳川慶喜(飴屋法水)は新政府に江戸城を明け渡し、水戸に蟄居しました。これにより約300年に渡って続いた江戸時代は終焉を迎えましたが、幕府に忠誠を誓い江戸の治安維持を担ってきた有志集団「彰義隊」はこれに不満を抱いていました。彰義隊の一員であり、将軍に忠誠を誓う秋津極(柳楽優弥)とその婚約者・福原砂世(門脇麦)、砂世の兄・悌二郎(岡山天音)、は幼馴染同士でしたが、極は突然砂世との婚約解消を申し出てきました。悌二郎はこれに納得出来ず、極を問い詰めたところ、二人は共通の友人である吉森柾之助(瀬戸康史)と遭遇しました。彰義隊と運命を共にすると誓っていた極は家督を弟に譲り、自分は親族に害が及ばぬよう上野の彰義隊の屯所に身を隠すと言うのですが、悌二郎は彰義隊は新政府から反政府集団とみなされているとして無意味だと主張、両者は一歩も譲りませんでした。極と悌二郎、柾之助は写真館に行き、三人で写真を撮りました。写真の現像中、極は柾之助を彰義隊へ勧誘、養子先を追い出されて行き場を失っていた柾之助はやむなく彰義隊に入ることにしました。
合葬のネタバレあらすじ:承
悌二郎は極と柾之助を除隊させるべく彰義隊の屯所を訪れました。極は不在で、代わりに応対した森篤之進(オダギリジョー)から極の決意の固さを告げたうえで逆に悌二郎を彰義隊に勧誘してきました。約3千人を超える彰義隊の隊員の中には極のような新政府打倒を訴える強硬派がおり、穏健派である森は強硬派を抑えるために悌二郎に白羽の矢を立てたのです。その夜、森は極らと共に料亭に出向きますが、偶然にも薩摩藩士と出くわし、斬ってしまいます。階段から転がり落ちた極は料亭の女将の姪・かな(桜井美南)の介抱を受け、付き添う柾之助はかなに一目惚れしますが、かなは極に心を奪われていました。やがて悌二郎は正式に彰義隊に加入、柾之助はかなのために簪を買いましたが彼女から極に宛てた手紙とお守りを託されてしまい、柾之助は手紙を破り捨てました。
合葬のネタバレあらすじ:転
徳川家は今後一切彰義隊との関わりを持たないと決定、隊は江戸警護の任からも外されてしまい、新政府との全面抗争はいよいよ避けられなくなってきました。彰義隊士らは深川の遊郭へ出向き、遊女を抱きました。柾之助はかなに渡すつもりだった簪を遊女にあげました。一方、穏健派の幹部は戦いを望まぬ隊士に脱退を勧めることを提言しますが、森は隊士への裏切り行為と批判しました。森は勝ち目のない戦いに臨む隊士を思い、せめて互角に戦わせたいと戦法を提案しますが一蹴され、除隊を言い渡たされた森は強硬派の隊士に斬り殺されてしまいます。治安が悪化の一途を辿る江戸はいよいよ全面戦争の機運が高まり、別の男へ嫁ぐことになった砂世はせめて一目だけでも極に会いたいと悌二郎に懇願しますが、極は頑なに拒みました。
合葬の結末
遂に彰義隊と新政府軍との間で“上野戦争”が勃発しました。彰義隊は圧倒的な戦力を誇る新政府軍の前に次々と打ち破られていき、悌二郎は流れ弾に当たって死亡しました。やがて極も撃たれ、柾之助は近くの小屋へ極を運びました。瀕死の極は腹を切り、柾之助に介錯を頼みますが柾之助はできずに逃げ出してしまいました。翌日、柾之助は息絶えていた極を埋葬、極の遺した包みの中から以前に極や悌二郎と一緒に撮った写真を見つけました。
上野戦争から2ヶ月後、元号は“明治”と改められ、江戸は“東京”へと改名しました。自決を図ろうとした砂世は夫・尾関(小市慢太郎)に止められ、自分のついた嘘によって兄が死んだことを打ち明けると涙を流しました。その1ヶ月前の満月の夜、笛の音に誘われた砂世は極の幻を見ていました。
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