鋼の錬金術師の紹介:2017年日本映画。「鋼の錬金術師」は2001年から約10年間『月刊少年ガンガン』に連載された荒川弘の大人気コミック。アニメ化もされているこの作品が満を持して実写化された。監督は、「ピンポン」でもコミック実写化に成功している曽利文彦監督。錬金術は、物質を分解して新たなものに作り替える魔法のような術。物語はその錬金術が存在している19世紀ヨーロッパ風の世界が舞台。幼い兄弟が錬金術によって失った身体を取り戻すため、“賢者の石”を求めて旅をする壮大なファンタジーである。
監督:曽利文彦 キャスト:山田涼介(エド)、本田翼(ウィンリィ)、ディーン・フジオカ(マスタング大佐)、蓮佛美沙子(ホークアイ中尉)、佐藤隆太(ヒューズ中佐)、小日向文世(ハクロ将軍)、大泉洋(ショウ・タッカー)、夏菜(ロス少尉)、水石亜飛夢(アル:声)、松雪泰子(ラスト)、本郷奏多(エンヴィィ)、内山信二(グラトニー)、國村隼(ドクター・マルコー)、石丸謙二郎(コーネロ)、原田夏希(ヒューズ中佐の妻)ほか
映画「鋼の錬金術師」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「鋼の錬金術師」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
鋼の錬金術師の予告編 動画
映画「鋼の錬金術師」解説
この解説記事には映画「鋼の錬金術師」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
鋼の錬金術師のネタバレあらすじ:起
草原の中の一軒家に住む幼いエド(山田涼介)とアル(水石亜飛夢)のエルリック兄弟。優しい母が突然亡くなり二人きりになってしまった兄弟は、母に会いたい一心で絶対にやってはいけないと教えられていた人体錬成の術に手を出してしまいます。いつもとは違う激しい竜巻が起こり、家は壊れ、飛ばされてしまう弟…。数年後。兄エドはコーネロ(石丸謙二郎)という赤い指輪をしたイカサマ教主を追っています。指輪の力で巨大な石の柱や獣を出して攻撃するコーネロですが、エドも軽い身のこなしで追い詰めていき、やがて軍が現れ騒ぎはおさまります。実はエドは最年少の国家錬金術師で、右腕と左足がオートメイル(機械鎧)のため「鋼の錬金術師」と呼ばれています。弟アルは大きな鎧の姿をしているものの性格はやさしく、破壊された街を錬金術で直していきます。そして彼らと行動と共にする幼なじみのウィンリィ(本田翼)は、オートメイル技師として兄弟を支えている活発で明るい女の子です。エドたちが軍のマスタング大佐(ディーン・フジオカ)と東方司令部に到着すると、そこにはマスタングと同期のヒューズ中佐(佐藤隆太)が何やら密命を帯びて中央からやって来ていました。また物腰柔らかなハクロ将軍(小日向文世)も登場し、エドや軍が探し続けている“賢者の石”について情報交換をしたのです。
鋼の錬金術師のネタバレあらすじ:承
その夜エドたちはヒューズの家に泊めてもらうことに。夜中に一人目覚めたエドがドア開けると、白いあの世のような世界に大きくて重厚な扉があり、モヤっとした人影が見えます。「探していたもの、真理を見せよう」と扉の中に引きずり込まれるとそこには母親らしき姿が。それはかつて行った禁忌の錬金術の記憶のようです。幼い兄弟が集めたものでは人体錬成にはとても足りなくて錬金術の等価交換が行われず、化物のような母親が出来上がってしまいました。エドは左足を失って血だらけになりながらも、連れ去られそうな弟アルを救うため、自らの右腕と引き換えに魂だけを取り戻し、そこにあった鎧に定着させたのです。何度も見ているこの夢から目覚めると、そばには心配するアルがいました。
エドはアルの身体を取り戻すための情報を求めて、将軍から紹介されたキメラ(合成獣)の権威タッカー(大泉洋)の家を訪れます。妻が出ていってしまってからは散らかっていて…というタッカーの家には、可愛い女の子と大きな白い犬がいました。彼は今年結果を残さないと軍公認の資格が剥奪されてしまうと焦っている様子です。研究のためアルを残し、エドとウィンリィは以前軍の研究所に所属していたドクター・マルコーを探しに出かけます。ようやく会えたマルコーは、研究所のことは何も話したくないと銃撃してきました。さらに、現れたホムンクルス(人造人間)、ラストの鋭い爪の攻撃でマルコーは殺されてしまいます。彼の遺した言葉、「第5研究所」を調べるため、エドはウィンリィを残して急いで戻ります。
鋼の錬金術師のネタバレあらすじ:転
アルを迎えにやってきたエドにタッカーは、キメラの生成に成功したと告げます。しかし、それは娘と犬を合成させたものでした。出ていったという妻もかつて同じように実験台にしたと認めたタッカーをエドは殴りつけ、軍に引き渡すのでした。ヒューズとロス少尉、エドはそれぞれ「第5研究所」の捜査を始めます。なかなか研究所を見つけられずいら立つエドと、自分の存在について疑問を持つようになったアルは殴り合いのケンカを始めてしまいます。本音をぶつけ合った二人はウィンリィの仲裁で、お互いを何より大切に思っているということを再認識し仲直りするのでした。その後、軍の迎えで司令部に到着したエドは、なぜかホークアイ中尉とともに軟禁されてしまいますが、二人は協力して脱出に成功します。一方ヒューズは地図を見ながら研究所の秘密に気づきますが、ラストに襲われてしまいます。何とか逃げ出し公衆電話からマスタングに連絡しますが、目の前に自分の姿をしたホムンクルス、エンヴィが現れ射殺されてしまいます。さらにエンヴィはマスタングに変身し、彼に罪を着せるのでした。異変に気づいたマスタングは捕虜収容所跡に向かいます。すると部下を従えたロス少尉が立ちはだかりますが、「焔の錬金術師」である彼は手から炎を発生させロスを火だるまに。するとロスの姿がエンヴィに変わり、あと少しというところで逃げられてしまいました。
鋼の錬金術師の結末
ついに、軍が進めていた秘密実験施設を突き止めるエド。そこにはウィンリィが捕らえられていました。すると逮捕されたはずのタッカーが現れ、ここで軍によるひどい人体実験が行われていたことを語り始めますが、ラストが口封じのため彼を殺してしまいます。実はラストたち、ホムンクルスを操り実験を進めていたのはハクロ将軍だったのです。人間の命を犠牲にして作り出された“賢者の石”。将軍はそれを使って大量の一つ目戦闘人形を作り出していました。そして今それを解き放ったのです。笑顔で出迎える将軍に襲いかかる人形たち。たちまち将軍は食い殺されてしまいました。こんなものを街に出すなとマスタングに命令されたホークアイは、後方に下がり得意の銃で人形の頭部を攻撃、マスタングも火炎錬成で対抗します。アルは土塊で檻や壁を作り、人形たちが外に出ないようにします。エドはラストたちを追いますが、何度も再生するホムンクルスに逆に追い詰められてしまいます。しかし、エンヴィの再生が遅くなっていることに気づき、ホムンクルスがそんなに何度も生き返れないと見抜いたエドは、激しい戦いの末、ようやくラストを倒すことに成功しました。真理の扉のある白い世界、成長したアルの姿があります。エドは結局、人間の命で作られた賢者の石は使わないと決め、アルの身体を取り戻す別の方法を探すことにする、とアルに謝り、再び旅に出るのでした。
エンヴィの遺体から小さな生き物が逃げ出しました。どうやら死んでいないようです。
「鋼の錬金術師」感想・レビュー
-
前評判が悪かったけど、個人的には世界観がとても丁寧に作られていたと思う。特に松雪泰子さんのラスト役はめちゃくちゃ美しくてあの3人セットのホムンクスルチームはアニメそのものだったんじゃないかな?松雪さん見るだけでも価値あるし、マスタング役にディーン・フジオカさんも超絶かっこよかった!!アニメに忠実に物語は進んでいくし、兄弟愛ではちょっと泣けるし、映像も迫力あったので楽しめました♪
-
いや、面白かったです。少しだけストーリーを知っていて見たのですが、そでれも最後まで楽しめました。ストーリーが比較的単純な分、俳優さんたちの演技が楽しめた感じです。山田涼介さん、ディーン・フジオカさん、本田翼さん、蓮佛美沙子さん、佐藤隆太さん、カッコよかったです。みなさん雰囲気がありました。ストーリーは単純でしたが、それでもダークな部分等もあり起伏はあったかと・・ただ、ちょっと間延びした感もありました。松雪泰子さんの悪女ぶりもドハマりな感じでした。また、風景や人物の映像がとても美しかったです。見てよかったです。
大人気漫画のまさかの実写化。前評判は散々だったが、言うほど悪いものではなかった。良くもなかったけど。大泉洋が演じたタッカーは映画の世界観をよりダークに引き立てたし、見た感じアレだったホムンクルスも動くと良い味を出していた。なんやかんや楽しめたので個人的には見てよかった。ただ、これだけは言わせてほしい。何故、マスタング大佐をミッチーにしなかったのか。