母さんがどんなに僕を嫌いでもの紹介:2018年日本映画。小説家・漫画家・エッセイストの歌川たいじが自らの体験を基に執筆した同名コミックエッセイを映画化したヒューマンドラマです。幼少期から母に虐待を受けてきた主人公が仲間たちとの交流を経て母と真正面から向き合おうとする姿を描いていきます。
監督:御法川修 出演者:仲野太賀(歌川タイジ)、吉田羊(歌川光子)、森崎ウィン(キミツ)、白石隼也(大将)、秋月三佳(カナ)、小山春朋(歌川タイジ(少年時代))、斉藤陽一郎(タイジの父)、おかやまはじめ(ばあちゃんの弟)、木野花(ばあちゃん)ほか
映画「母さんがどんなに僕を嫌いでも」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「母さんがどんなに僕を嫌いでも」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
母さんがどんなに僕を嫌いでもの予告編 動画
映画「母さんがどんなに僕を嫌いでも」解説
この解説記事には映画「母さんがどんなに僕を嫌いでも」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
母さんがどんなに僕を嫌いでものネタバレあらすじ:起
東京都墨田区に住む小学生・歌川タイジ(小山春朋)にとって母・光子(吉田羊)はその美貌から尊敬の的であり、世間からも評判の高い自慢の母親でした。
しかし、それは表向きの顔であり、その裏では常に情緒不安定で気性の荒い光子は夫(斉藤陽一郎)との喧嘩が絶えず、太っていることで学校でいじめられていたタイジを罵り、手を上げることは日常茶飯事でした。そんなタイジを哀れに思う近所のばあちゃん(木野花)は彼の唯一の味方であり、常に本当の肉親のようにタイジに優しく接してきました。
そんなある日、夫との離婚問題を抱えていた光子は独断で、タイジを児童保護施設に預けることを決めました。そのことを知ったばあちゃんはタイジには母の存在が必要だと反対しますが、光子は全く聞く耳を持ちませんでした。
ばあちゃんはタイジに自分の住所をこっそりと教え、施設に入れられたタイジにとってばあちゃんとの手紙のやり取りが生きる支えとなっていきました。
1年後、タイジが施設を出た時には既に光子は夫と離婚していました。タイジはばあちゃんとの再会を果たせぬまま、光子と姉・貴子(山下穂乃香)とと共に新しい家に引っ越すことになりました。光子は男と遊びに出かけるなど不安定な生活を送り、タイジへの虐待も更にエスカレートしていきました。
母さんがどんなに僕を嫌いでものネタバレあらすじ:承
時は流れ、17歳になったタイジ(仲野太賀)は相変わらず光子から暴力を受けてきました。この日も男と遊んでいた光子はタイジに包丁を突きつけ、「産まなければよかった」と怒鳴りつけてきました。腕に傷を負ったタイジは遂に母との決別を決意、家を出て精肉工場で住み込みで働き始めました。
翌年、タイジはようやくばあちゃんの居場所を知り、弟(おかやまはじめ)と暮らしているばあちゃんと再会を果たしました。ばあちゃんはタイジとの再会を喜びましたが、既に身体は弱っており、タイジはばあちゃんの弟から彼女がもう長くはないことを知らされました。ばあちゃんから励まされたタイジはこのことを胸に夜間学校に通い始め、一流企業の営業職に就職することができました。
ある日、社会人劇団の見学に行ったタイジは、そこでキミツ(森崎ウィン)という男と知り合いました。実家が金持ちで毒舌家のキミツにタイジは振り回されますが、タイジは反発しつつもキミツと友情を結んでいきました。
やがて劇団に入ったタイジの元に会社の同僚・カナ(秋月三佳)が恋人・大将(白石隼也)を連れて見学に訪れ、これを機にタイジ・キミツ・カナ・大将はすっかり意気投合していきました。タイジは生まれて初めて“友だち”と呼べる存在に巡り会ったのです。
タイジはキミツ・カナ・大将と共に温泉旅行に行くことになりましたが、そこに突然決別したはずの光子から電話がかかってきました。光子は4年前に再婚したのですがその再婚相手が亡くなり、その葬式に出てほしいということでしたが、タイジはこれに応じず電話を切りました。そしてタイジは仲間たちに母から虐待を受けてきた事実を打ち明け、仲間たちからの温かい気持ちを受け止めて涙しました。
母さんがどんなに僕を嫌いでものネタバレあらすじ:転
それから程なくしてばあちゃんが亡くなり、ばあちゃんの弟と共に遺品整理をしていたタイジはその中から自分が幼い頃にばあちゃんに書いた手紙を見つけました。そこには「母さんがどんなに僕を嫌いでも、僕は母さんのことが大好きです」と書かれてありました。
これを機に母と向き合う決心を固めたタイジは光子の再婚相手の葬式に行き、そこで光子と久しぶりの再会を果たしました。
姉・貴子はアメリカで暮らしており、光子は相も変わらず「親族が誰もいないと恥をかくところだったから助かった」とだけ言い放ちました。タイジは光子に自分のことを産まなければ良かったと言ったことを覚えているかと尋ねたところ、光子はタイジを身籠った時の話を打ち明けました。
元々子は一人で十分だと考えていた光子は当時の夫からもう一人産むよう求められましたが、タイジを身籠っていた時に夫の浮気が発覚、そのことを知った光子はタイジを堕ろそうとまで考えていたことを明かしました。
深く落ち込んだタイジでしたが、キミツやカナが自分の子を身籠ったことを知った大将から背中を押され、母を変える前にまず自分が変わろうと決意しました。
タイジはもっと母のことを知ろうと光子の妹・真由(宮田早苗)を訪ね、彼女の口からこれまで知ることのなかった事実を打ち明けられました。元々母子家庭に育った光子は、自分もまたタイジと同様に母から虐待を受けていたのでした。
母さんがどんなに僕を嫌いでもの結末
タイジは毎日のように光子の家を訪れ、食事を作ったり家事をするようになりました。そんなある日、タイジは掃除中に借金の督促状を見つけてしまいました。それは光子の再婚相手が作った莫大な借金であり、光子はその借金をも受け継いでしまっていたのです。
タイジは光子に自己破産を勧めますが、光子はみっともないという理由で拒否、タイジと口論となってしまいます。その時、光子はその場で倒れてしまい、病院に搬送されました。
脳梗塞と診断された光子は二度と顔を見たくないとタイジを病室から追い出してしまいますが、負けてたまるかとばかりにタイジはキミツと共に舞台の衣装を着て、光子の病室から見える位置にある駐車場で精一杯に踊りました。みっともないからやめろという光子に、タイジは「みっともなくても良いじゃないか、僕なんかみっともないと言われながらそれでも生きてきたんだ。だから母さんも頑張れ」と大声で叫びました。
やがて退院した光子は初めてタイジに「ありがとう」と感謝の意を伝えましたが、それから程なくして光子はこの世を去りました。
そして現在、タイジは自宅にキミツ、カナ、大将を招き、光子の遺影を前に母が作ってくれた味と同じ混ぜご飯を振舞いながら亡き母との思い出に浸っていました。
以上、映画「母さんがどんなに僕を嫌いでも」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する