蛇の道の紹介:2024年フランス, 日本, ベルギー, ルクセンブルク映画。黒沢清監督が1998年に手がけた同名映画をフランスに舞台を移してセルフリメイクしたサスペンス映画です。フランス在住の日本人精神科医の女が娘を殺された父親の復讐に手を貸し、犯人を追ううちに思いがけもない事実に辿り着く過程を全編フランスロケで描いていきます。
監督:黒沢清 出演者:柴咲コウ(新島小夜子)、ダミアン・ボナール(アルベール・バシュレ)、マチュー・アマルリック(ティボー・ラヴァル)、グレゴワール・コラン(ピエール・ゲラン)、西島秀俊(吉村)、ビマラ・ポンス(ローラ・バシュレ)、スリマヌ・ダジ(クリスチャン・ジラール)、青木崇高(新島宗一郎)ほか
映画「蛇の道(2024年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「蛇の道(2024年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「蛇の道(2024年)」解説
この解説記事には映画「蛇の道(2024年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
蛇の道のネタバレあらすじ:起
フランス・パリの高級アパート付近。日本人精神科医の新島小夜子はアルベール・バシュレという男と共に入口を見つめていました。アルベールは愛娘のマリーを誘拐されて殺害されており、マリーがピアノを弾く様を映したホームビデオを観ながら「もうすぐだ」と呟きました。
小夜子とアルベールはアパートに突入し、ティボー・ラヴァルという人物に襲いかかってスタンガンで気絶させました。そして小夜子とアルベールはティボーを寝袋に入れて車のトランクに乗せ、人気のない廃工場に連れて行きました。
ティボーは手足を鎖で繋がれて拘束され、アルベールが用意したテレビでマリーのホームビデオを見せ付けられました。アルベールはマリーの検視結果を読み上げ、マリーは全身に刺し傷があり臓器が摘出されていたことを告げました。
ティボーは「ミナール財団」の一員であり、アルベールは財団がマリーを誘拐して臓器を売買したとしてティボーを問い詰めましたが、ティボーは自分は会計士でありマリーの件には関与しておらず、財団も既に解散しているとして否認しました。アルベールはティボーに拳銃を突きつけましなが、小夜子は「時間は沢山ある」とアルベールを制し、ひとまず倉庫から離れることにしました。
小夜子は職場の病院に行き、フランス駐留の商社マンで自身の患者である吉村の診察を行いました。吉村は異国の地で周囲とのコミュニケーションがうまくとれず、精神に不調をきたしていたのです。小夜子は海外で生活していると吉村のような症状は出ることがあると語りました。
蛇の道のネタバレあらすじ:承
アルベールが小夜子と組んだのは、マリーを喪った哀しみから精神に不調をきたしたことで小夜子の病院を受診したことがきっかけでした。小夜子は自ら名乗り出てアルベールに接触したのです。
廃工場に監禁されたティボーはトイレに行くことも許されず、小夜子が用意した食事を目の前でトレイごと落とされる仕打ちを受けました。やがてティボーはアルベールが財団の一員であったことを証言しました。アルベールは小夜子にそのことを認めると、自分の本職はジャーナリストであり、財団の組織である児童福祉のサークルで人身売買の疑いがあるとして潜入調査し、その際に財団の一員に成りすましたものの結局証拠は掴めなかったと証言しました。
ティボーは財団の中心人物であるピエール・ゲランが事情を知っているかもしれないと語り、アルベールは財団の秘密を知ったことで見せしめでマリーが誘拐されたのではないかと言いました。
小夜子とアルベールはゲランが暮らす森の小屋に向かい、狩猟から戻ってきたゲランを拘束して廃工場に連れ帰りました。ゲランはティボーの隣に鎖で拘束され、ティボーと同じようにマリーのビデオを見せられました。ゲランはマリーについては知らないと供述しましたが、アルベールも同じ組織にいたことを証言しました。
小夜子は再び吉村の診察をしました。小夜子の処方した精神安定剤が効かなかったと訴える吉村に、小夜子は一度日本に帰国することを勧めました。しかし、吉村は日本に戻れば自分は終わりだと愚痴をこぼしました。
蛇の道のネタバレあらすじ:転
小夜子は日本にいる夫・宗一郎と時々パソコン通信で連絡を取り合っていました。しかし、二人の会話はどこかぎこちないものでした。
その夜、小夜子はティボーとゲランのもとに出向きました。小夜子はアルベールがいない時に彼には不信感を抱いていることを明かし、他の誰かを犯人にでっち上げれば解放すると持ちかけました。ティボーとゲランは口裏合わせし、暴力的で変態な主任警備員のクリスチャン・ジラールを犯人に仕立てようと話しました。小夜子はティボーとゲランの前に銃弾が1発入った拳銃を置き、どちらが生き残るか決めるよう促しました。ゲランはティボーを射殺し、クリスチャンに関する資料が財団の倉庫にあるかもしれないと証言しました。アルベールがゲランを車に乗せている間、小夜子はティボーの死体を何度もナイフで突き刺していました。
小夜子、アルベール、ゲランは財団の倉庫に到着しました。ゲランは資料の中からクリスチャンの写真を見つけ、小夜子に見せました。アルベールは倉庫の棚に幼児たちの臓器の標本がホルマリン漬けで保管されているのを発見しました。アルベールはゲランが臓器を売ったとして、怒りにまかせてゲランを射殺しました。
小夜子とアルベールは写真を手がかりにクリスチャンが通うスポーツジムを突き止め、そこにいたクリスチャンを格闘の末に気絶させて廃工場に連れ帰り、マリーの映像を見せました。
病院に戻った小夜子は吉村が自殺したことを知りました。帰宅した小夜子は宗一郎とネットで連絡を取り、宗一郎は小夜子に日本に戻ってくるよう勧めましたが、小夜子ははぐらかしました。
クリスチャンはマリーのことを知っていること、そして財団の創始者であるデボラという人物が臓器売買を主導していることを告白しました。アルベールはデボラのもとに妻ローラがいるかもしれないと語りました。
蛇の道の結末
小夜子とアルベールはクリスチャンを連れ、マリーの遺体が発見された場所の近くの廃遊園地に向かいました。クリスチャンは自分がデボラと交渉すると言い出し、小夜子はクリスチャンに5分だけ与えると許可しました。しかし、アルベールはクリスチャンがマリー殺害の様子を撮影していたことを知って激怒、クリスチャンを射殺しました。
アルベールと小夜子はデボラのアジトに突入し、手下と交戦しながら進みましたが、途中で小夜子は姿を消しました。アルベールは沢山のテレビが置かれている部屋に入り込みましたが、そこに小夜子の声で「私の娘はここで殺された」と流れてきました。
アルベールは小夜子も自分と同じ境遇だったことを知り、さらにアジト内を進むと、ローラが沢山の子供たちと共にいました。ローラは既にデボラは死亡しており、自分が財団を継いだことを明かすと、アルベールはマリーのことを愛していなかったのでデボラに相談したところ自分に預けるよう言われたと告げました。アルベールは襲い掛かってきたローラを射殺しました。
全てが終わったと感じたアルベールは小夜子と合流しましたが、小夜子は「残ったのはあなただけ」と告げてアルベールを気絶させました。気が付くとアルベールは廃工場で鎖で拘束されており、小夜子はアルベールの財団での役割を問いただし、アルベールはクリスチャンが撮影した映像を販売したことは認めたものの中身は見ていないと言い訳しました。小夜子はアルベールにマリー殺害の様子を映した映像を見せ、「あなたが一番嫌い」と言い放ってその場を後にしました。
帰宅した小夜子は宗一郎とオンラインで通信しました。小夜子はフランス語で宗一郎に「娘を売ったのはあなたね」と言い放ち、宗一郎は表情を曇らせました。
以上、映画「蛇の道」のあらすじと結末でした。
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