昼顔の紹介:2017年日本映画。2014年放送のテレビドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(全11話)の続編として製作された劇場版「昼顔」。不倫に手を出してしまった紗和と裕一郎は、お互い2度と会わず、連絡先、会話すらしてはいけないと誓約書を書かされる。それから3年後、偶然再会した2人は許されない行為と分かっていながら再び惹かれ合っていく。映画版「昼顔」ではテレビドラマに引き続き紗和を上戸彩、裕一郎を斎藤工が演じる。紗和と裕一郎の不倫愛は衝撃のラストを迎えることとなる。
監督:西谷弘 キャスト:上戸彩(木下紗和)、斎藤工(北野裕一郎)、伊藤歩(北野乃里子)、平山浩行(杉崎尚人)、黒沢あすか、萩原みのり、志賀廣太郎、三浦誠己、渋川清彦、松居大悟、中村育二、ほか
映画「昼顔」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「昼顔」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「昼顔」の予告編 動画
映画「昼顔」解説
この解説記事には映画「昼顔」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
映画「昼顔」のネタバレあらすじ:起
北野裕一郎(斎藤工)との不倫が原因で友人も仕事も失った木下紗和(上戸彩)は、知人が1人もいない三浜という街でひっそりと暮らしています。紗和は生活費を稼ぐために海辺の飲食店「ショアブレイク」でオーナーの杉崎尚人(平山浩行)の下、働くことになります。頼れる知人も居ない紗和はいつものように孤独に夕食を食べていると、カナブンが飛んできて机の上のチラシに止まります。紗和がチラシに目をやると蛍に関する講演会のお知らせが記されていました。その講師として元不倫相手の「北野裕一郎」の名前がありました。行ってはいけないと理性が働きますが、紗和はついに講演会に足を運んでしまいます。会場のドアを開けると懐かしい裕一郎の姿がありました。紗和は裕一郎に見られないように身を隠そうとしますが、前席に座っていた子供が質問したことにより、遂に目が合ってしまい、裕一郎は激しく動揺します。講演会の帰り、1人バスに乗っていた紗和が窓の外に目をやると、偶然にも裕一郎の姿がありました。紗和はバスの窓から顔を出して「北野先生!(裕一郎の苗字)、北野先生!」と叫びます。紗和の声に気付いた裕一郎は必死にバスを追いかけますが、紗和がバスを降りた頃には彼の姿が見えませんでした。そして、お互いを必死に探す2人でしたが、その日は結局再会することは出来ませんでした。裕一郎が帰宅すると妻の乃里子(伊藤歩)が顔を出します。乃里子は裕一郎の不倫騒動を忘れようと、表向きでは幸せな生活を築こうとしています。一方、紗和はバイト先の「ショアブレイク」で飲み明かしていたら、オーナーの杉崎尚人が話しかけてきます。杉崎は妻を過去に亡くし、今は独り身だと話し、紗和を口説こうとしているようにも見えます。翌日、紗和は裕一郎に会えるかもしれないという微かな希望を持って「三浜自然の森」へ足を運びます。すると裕一郎が蛍の幼虫を探して歩いてきます。遂に再会してしまった2人ですが、会話をしてはいけないと誓約書を交わしていたので、お互い独り言という事にしてぎこちなく会話をします。その日以降、2人は週に1度は密会するようになりますが、お互いの距離が近づく毎に罪悪感も募っていきます。ある日、紗和は「会うのはこれきりにしよう」と持ちかけます。裕一郎も同意し、最後に駅まで送ります。
映画「昼顔」のネタバレあらすじ:承
しかし、駅には裕一郎の妻の乃里子が待ち伏せしていました。乃里子は裕一郎の行動が怪しいと感づき、駅で張り込んでいたのです。乃里子は紗和と裕一郎をビジネスホテルに連れ込み、激しく問いただします。しかし、分が悪い紗和は逃げるようにホテルの部屋から出ていき、それを裕一郎も追っていきます。部屋に一人残された乃里子は悔しさと悲しみで涙します。数ヶ月後、裕一郎は紗和のアパートで同棲していました。2人で蛍を見に行きますが、蛍は見れず、空を見上げると満点の星空が広がっていました。2人は抱き合い倒れ込みます。その日の夜、2人は結ばれ、紗和が裕一郎に「好き」と伝えます。裕一郎はけじめをつける為に乃里子と離婚し、紗和と籍を入れると言います。三浜は小さな街なので紗和と裕一郎がデートしていた事が町中に広がります。そんな中、杉崎に心を許し始めた紗和は、不倫した事を告白します。ある日、紗和は裕一郎の職場の大学から送られてきたFAXを見て、裕一郎が大学に行っていない事に気付きます。疑った紗和は裕一郎を尾行する事にします。裕一郎は大学ではなくマンションに入っていき、数時間後、車に乗って出ていきます。彼の隣には乃里子が座っていました。笑顔の2人に嫉妬した紗和は立ち尽くします。帰宅した紗和は裕一郎が信じられなくなり、ベッドで涙を流します。翌日、紗和がバイト先に顔を出すと皆がよそよそしい態度をとります。杉崎と「ショアブレイク」のホームページ用に写真を撮っていた紗和でしたが、杉崎は紗和とボードに乗って沖合に出てから、「不倫の噂を広めたのは自分だ」と話します。杉崎は「妻を亡くしたのは嘘で、本当は不倫された。自分勝手な人間が許せない。」と語ります。その日の夜、いつまで待っても籍を入れてくれない裕一郎に腹を立てた紗和は裕一郎と喧嘩してしまいます。翌日、乃里子に会いに行った紗和は、裕一郎が乃里子に会いに行っている理由を知ります。乃里子は階段から落ちて怪我をしてしまい、車いすでの生活を強いられていました。裕一郎はその介護をしていたのです。乃里子は紗和と裕一郎の入籍を認め、「踏ん切りがついた、裕一郎をよろしく」と言い握手しようとします。最後に、乃里子は「これからも裕一郎を名前で呼んで良いか」と聞きますが、紗和は申し訳なさそうに断ります。乃里子は怒りと悲しみを隠して微笑みます。
映画「昼顔」のネタバレあらすじ:転
一方、裕一郎も乃里子と離婚し、紗和と結婚する覚悟を決め、ささやかな結婚指輪を購入します。2人が再会した「三浜自然の森」で蛍を見ながら結婚式をしようと計画します。紗和はバイトを辞める為に「ショアブレイク」に顔を出し、最後の挨拶をしますが、相変わらずバイト仲間はよそよそしい態度を取ります。しかし、今日は三浜のお祭りで、夕方になるとバイト仲間に祭りで声をかけられ、浴衣を着せて貰います。紗和はお祭りでバイト仲間と打ち解けていきます。一方、裕一郎は離婚手続きの為に乃里子に会いに行っています。裕一郎は離婚届を受け取ると、乃里子は「駅まで車で送る」と言います。しかし、駅に着く手前で乃里子の表情が変わり、「三浜まで送る」と言い始めます。乃里子は車のスピードを上げ、荒々しい運転をします。「どうして?私の方があなたを愛してるしあなたを幸せに出来る」と、裕一郎をもう自分のものに出来ない悲しみと未練が湧き出します。乃里子の運転は更に激しくなっていき、遂にガードレールを突き破り、谷底へ落下してしまいます。紗和が警察の連絡で遺体安置所へ駆け付けると、裕一郎の棺桶と血まみれの服がありました。警察によると、裕一郎は即死だったが、乃里子は重傷を負ったものの命を取り留めたということでした。裕一郎の遺品として残っていた財布の中には「マリッジリング」と書かれた紗和のために買った指輪のレシートが出てきます。そのレシートを握りしめたまま紗和は泣き崩れます。紗和は婚約指輪を遺品から必死に探そうとしますが、結局見つかりませんでした。
映画「昼顔」のラスト・結末
1ヶ月後、紗和は重傷を負い今も生々しい傷の残る乃里子に会いに行きます。紗和は結婚指輪を見ていないかと聞きますが、乃里子は知らないと答えます。乃里子は「裕一郎が死んだのはあなたの不倫のせい。私はあなたを一生恨み続ける」と言って去っていきました。ほぼ放心状態の紗和は帰り道、駅の踏切で線路に横たわって死のうとします。すると蛍が紗和の薬指にとまり、それはまるで指輪のように光り、やがて飛んでいきます。紗和は生きる覚悟を決め、力を振り絞り、電車が来る寸前にホームに這い上がります。その時、実は紗和のお腹には裕一郎の子供が宿っていました。数年後、三浜自然の森では川で遊ぶ子供たちの姿がありました。その中には裕一郎によく似た子供が1人。その少年が壊れかけた百葉箱を開けると、裕一郎が紗和のために買った結婚指輪が出てきました。指輪を取り出すと、少年は隣にいた女の子にそのエメラルドの指輪をはめてあげます。その指輪はまるで蛍の光のように美しく輝いていました。
以上、映画「昼顔」のネタバレあらすじと結末でした。
映画 昼顔の主題歌・テーマ曲
「昼顔」感想・レビュー
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このドラマを観るまでは不倫をする側の気持ちが理解できませんでしたが、ドラマと映画を見て、感情移入してしまう自分がいました。
大筋の感想は、私もあんぱんままさんと同じです。
例えどんなに愛してしまっても、誰も幸せにはなれないですね。ちなみに、エンドロールの最後のシーンに出てきた子供、数年後に裕一郎そっくりの子が1人、とありましたが、あの子は裕一郎と紗和が再会するときに、紗和の前列に座って、裕一郎に質問していた子です。
蛍の住む場所を裕一郎に聞いて、あの場所に探しにきたのだと思います。 -
最後のシーンで子供が指輪を見つけるとき、百葉箱はボロボロになり、周りには草が生い茂っていたので、ある程度時間がたった後であることを意味しているのですが、その指輪を見つけた男の子は裕一郎の講演会で紗和の前の席に座っていて質問した子役と同じでした。なので、裕一郎と紗和の子供ともとれるし、ただ講演を聞いた子供がこの場所を訪れたともとれます。どちらが真実かは断言できないのですが、あえて色々な意味にとれるような演出で映画は終わっているのだと思いました。
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色んな人の 色んな感情があるな。と思いました。不倫はいけない事だと思います。でも好きになるのは仕方のない事だと思います。不倫なんて例え相手が離婚したとしても周りから心から喜ばれる、祝福される。訳ではないし、離婚しても その後子供もいれば尚更元妻との関係は絶対にきれない。いくら好きと言われてもいくら愛していると言われても
一生不安と孤独と戦い、苦しみ悲しみと隣り合わせで生きていかないといけないんだなと思いました。周りから祝福されなくても
元妻に恨まれても 不安や苦しみが隣り合わせでも 彼の 好き。と言うふた文字をひたすら信じること。そして2人で生きて行くと決める事は全てに対して相当な覚悟が必要だと思いました。幸せになれるなれない。は置いといて 好きという 感情に 振り回され荒ぶれるはかない。と思いました。
不倫、浮気をされない女になることも大事かなと。 -
雄一郎が一身に不倫の責めを負って死んでいき、本妻の刹那的な虚しい勝利、紗和には雄一郎の忘れ形見が残る、まさに因果応報で、腹落ちする最後でした。邦画特有の感傷的で動きのない退屈な映画ではありますが、主要人物三人の誰に肩入れするわけでもない、誰もが不幸だが幸福でもあるという厳然たる事実で終わるこの映画が、好きす。
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恋愛はいいね。
気にしないで愛する。
短い人生、しかも女性は短い。
愛する人の子を育てられれば申し分がない。
男はほんの付けたし。
用が済めば払い箱。
問題はその先にある。
そこが大事だ。 -
離婚は幸せになれないとよく言うが、それなら結婚だって幸せになれない。
そもそも結婚という制度が生物として不自然なのでは?
結婚とは何のためにする?
単なる世間体や将来の生活の保証?
結婚の誓いとは?結婚制度は例えば2年更新になってそれが当たり前の世の中になれば
不倫もなくなるだろうしもっとみんなが自分の心に素直に生きられるようになると思うんだけどな。
不倫は幸せな結末が待っていないんだなというのを感じた作品です。
ドラマ版に比べて、泥沼な妻vs愛人というものは少なく、幸せな様子が多く描かれています。
また、周りの反対の意見も聞かずに盲目になっている姿は不倫のリアルな実態だと思います。
しかし、不倫は不倫。幸せにはなれない。最後の最後に紗和には試練が待ち受けています。
幸せになってねと周りに言われない恋愛は、最後まで孤独だなと感じる映画でした。