星を追う子どもの紹介:2011年日本映画。死んだ人にひと目会いたい。淡い恋心を抱え少女と、亡き妻への執念を秘めた男が神の叡智が眠る地下世界で禁断の扉を開く。
監督:新海誠 声優:金元寿子(アスナ(渡瀬 明日菜))、入野自由(シュン/シン)、井上和彦(モリサキ(森崎 竜司))、島本須美(リサ)、日高里菜(マナ)、竹内順子(ミミ)、ほか
映画「星を追う子ども」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「星を追う子ども」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
星を追う子どもの予告編 動画
映画「星を追う子ども」解説
この解説記事には映画「星を追う子ども」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
星を追う子どものネタバレあらすじ:山間の村の事件と異世界から来た青年
山奥の古い防空壕を秘密基地にしている優等生のアスナは、父の形見の鉱石をダイオードの代わりにした自作のラジオで今日も音を拾おうとしていると、不思議な音楽を聴いた。ホームルームで熊が出るから気をつけるようにと言われた放課後も、防空壕に向かおうとする彼女に鉄橋で怪物が現れた。襲われそうになると、少年が現れ怪物は鉄橋の下へ、対峙した彼も傷を負った。翌日、「熊」が出た事になったその鉄橋は通行止め、下の川を調べる怪しげな調査団が昨日の怪物を見つけると、草が生え、傷跡から流れた体液は結晶をなしていた。アスナが懲りずに防空壕へ行くと、シュンと名乗った少年はアスナがミミと名付けた猫と遊んでいた。彼女は彼が昨日受けた傷の応急処置をし、ラジオで聞いた音楽をもう一度聴きたいと話すと、ラジオの鉱石は彼がペンダントにしている石と同じものだった。シュンは「アガルタ」から見たいものと会いたい人がいたから来て、もう思い残す事はないと言いアスナの額に祝福のキスを贈った。その夜、シュンは崖から転落した。応急手当に使ったアスナが制服のスカーフを使っていた事から、自宅に連絡が入り、アスナも彼の死を知った。幼くして父親を亡くしている彼女は死んだシュンに会いたいと願う事はいけないことなのか悩んだ。
星を追う子どものネタバレあらすじ:地下にある世界、アガルタ
産休の国語教諭の代理の森崎の授業で、古事記のイザナギとイザナミのくだりを習い、地下世界の神話は世界各地にあり、その呼称のひとつにアガルタがあることを知ったアスナは、授業の物語を調べた。そして、森崎が妻を亡くしている事を知ると、話しをしにアパートを訪れた。森崎は熊騒ぎの際に訪れた調査団の一人で、アガルタについて書かれた文献をアスナに見せ、熊と言われた怪物はケツァルトルと言う太古の未熟な人類を導く神で、後に成長した人類を残し、神々と一部の人間は地下へ、その地下世界アガルタは神の叡智があり願いが叶う場所だと説明した。防空壕を訪れた二人はシュンに似た少年を見つけた。しかし彼は、シュンでは無いと言う。そこへ、森崎の所属している機関の戦闘員がやってきて、少年を捉えペンダントを奪おうとした。アスナは少年を助けようと、一緒に洞窟に逃げ込むと、そこには先日見たケツァルトルがいた。シンは戦って眠らせようとするが、戦闘員によって撃ち殺され、ペンダントも奪われてしまった。それを使って森崎は地下への扉を開けアスナと少年が入ると戦闘員を残し閉じてしまった。彼の妻を生き返らせルのが目的だった。シンはシュンの弟で兄のペンダントを取りに地上へやって来ただけで、シュンは地上では長く生きられないと言う事を知っていた。命の水の張られた泉を通りアガルタに入った森崎とアスナ、彼女のリュックの中に潜り込んでいたミミは、門番のケツァルトルと何故か話すことができ、二人はすんなりとアガルタの奥へ続くトンネルをくぐった。そこには、大地が広がり、空には神々が乗っているという船が浮かんでいた。野宿をしながら進む二人が見るものは廃墟ばかりだった。森崎は、アスナのラジオに使われているクラビスの欠片に気づいた。
星を追う子どものネタバレあらすじ:アガルタに住まう人々の事情
シンは、地上の人間を入れたことを叱られ、生死の門へ向かう彼らからクラビスを取り戻す使命をうけ、早朝旅立った。夜、眠っていたアスナは、土の中から現れた骸骨のようなバケモノに攫われ、目覚めると、見知らぬ少女とともに廃墟の中に閉じ込められていた。バケモノが日向が苦手だと気づいたアスナは、陰にならない場所に逃げ、そこへ現れたシンに少女とともに助けられた。バケモノはイゾクと言うもので、彼女たち食べようとしていたらしい。日没が訪れるとイゾクの苦手な水の中へ飛び込んだ。けれど、途中で追ってきたイゾクにシンは背中を傷つけられ、濁流に飲まれた。岸部に流された三人を発見した森崎が、少女の指差すほうへ行くと、集落にたどり着いた。そこで自分たちが招かれざる客だと気づく。せめてシンだけでも休ませてくれるように頼むが、警備兵は頑なだった。そこへ村長が出てきて、助けた少女は村長の孫ダと言って招いた。滞在を許された4人は、地上の時の支配者達がアガルタの叡智を奪っていったせいで、今は鍵を掛けたことを知った。そして、ミミは猫ではなくアガルタのヤドリコだと教えられる。森崎が来た理由を知ると、死者の復活は禁じられていると村長が釘を刺し口論になった。翌朝、地上人を長くは匿えないと、村長は森崎とアスナに舟を渡し、行き先を示した。ヤドリコの役目を終えたミミは、村に残り二人が発つと静かに死に、人型のケツァトルが遺骸を食べた。
星を追う子どものネタバレあらすじ:生死の門へ向かうモリサキとアスナ
イザナミとイザナギの話の結末を読んだとアスナが告げると、生死の門の前でどうするか決めて置くように森崎は言った。二人が進む川べりには夜になるとイゾクが彼らを狙っていた。そして、もう少しと言う所で、銃を持った兵に追いつかれてしまった。そこへ追ってきたシンは、拳銃を撃とうとする森崎を止め、兵たちを足止めし、二人を逃がした。目的の地の果ては崖になっていてその底に生死の門があり崖を下りる二人だったが、降りられないアスナに、クラビスの欠片と拳銃を交換し、森崎は崖の下へ、アスナはイゾクに捕まらぬように水をつたって帰ることにした。シンと戦っていた兵はクラビスが地の果てに行く音が聞こえると、もう手遅れだと攻撃を止めた。アスナはイゾクから逃げながら、アガルタへ来たのはただ寂しかったからだと気づいた。夜、水が引いている事に気づかなかったアスナはイゾクに囲まれ、発砲してしまう。その音に気づいたシンに助け出され、朝を迎えた。改めてシンがシュンではないと気づき泣き始めがアスナにつられ、シンも兄を悼んで泣いた。そんな二人はミミを食べたケツァルトルが死にに行くの見守った。それが崖の縁で歌うのはアスナがラジオで拾った音楽だった。二人は森崎の所へ行こうとケツァルトルの腹の中に入り飛び降りた。森崎が生死の門の中に入ると天空の舟が下りてきた。それは全体が目のアガルタの神で彼に願いを言うように促した。妻を生き返らせたいと願うとクラビスの結晶から妻が形作られるが、舟は魂を入れる肉の器を寄越せと告げ、追いついたアスナの中に森崎の妻の魂を入れてしまった。代償はそれだけでは足りず、森崎は片目を奪われた。アスナが森崎の妻に変わってしまうのを止めようとシンはクラビスを叩き割った。すると、アスナの中から水が噴出し、元に戻った。喪失を抱えて生きろ、それが人に与えられた呪いとシンが告げると、アスナはそれは祝福でもあるのだろうと思った。そして、クラビスの欠片を返してもらったアスナは地上へ帰り、シンと森崎は地下に残った。
以上、映画「星を追う子ども」のあらすじと結末でした。
星を追う子どものレビュー・感想:生き返りの代償
蘇えりを扱う作品でよくあるのが、肉体的な蘇えりで精神がついてこないと言うパターン。しかしこの作品はその逆で魂を復活させ肉体はあくまで器でしかない。人が生まれるに際して胎内でその器が作られるが、心はどの段階からあるのかはわからない。ただ作中のヒロインの回想で、自分を身篭った母親を見ながら、もうすぐ生まれないといけないと自覚するシーンは体内の中に作られた器に魂が入っていくと言う象徴のようにも見える。
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