ハッカビーズの紹介:2004年アメリカ映画。大手スーパーの郊外進出計画を巡り、様々な人間模様が交錯する哲学ドラマ。森と沼の保護を主張する青年アルバートは、大手スーパー「ハッカビーズ」の新店舗建設に猛反対していた。志を同じくするメンバーを募り、その指揮を執るアルバートだったが、彼の前に天敵ブラッドが立ちふさがる。ブラッドはハッカビーズのエリートビジネスマンで、アルバートをチームから追放しようと目論んでいた。様々な苦悩を抱えるアルバートは、哲学探偵を名乗る夫婦にセラピーの依頼をする。そこで出会った石油を憎む消防士トミーと共に、人生の真理を追い求めるのだった。
監督:デヴィッド・O・ラッセル 出演:ジェイソン・シュワルツマン(アルバート・マルコヴスキー)、ジュード・ロウ(ブラッド・スタンド)、ダスティン・ホフマン(ベルナード)、リリー・トムリン(ヴィヴィアン)、マーク・ウォールバーグ(トミー・コーン)ほか
映画「ハッカビーズ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ハッカビーズ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ハッカビーズの予告編 動画
映画「ハッカビーズ」解説
この解説記事には映画「ハッカビーズ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ハッカビーズのネタバレあらすじ:大手スーパーの進出計画
舞台は現代アメリカ。森と沼の保護を訴える青年活動家アルバート・マルコヴスキーは、様々な苦悩で頭がいっぱいでした。大手スーパー「ハッカビーズ」が郊外に新店舗を建設しようとしているのを知り、周辺の自然を守るため郊外開発反対運動という組織まで立ち上げます。
志を同じくするメンバーと活動していましたが、最近は暗雲が立ち込めていました。原因はアルバートの天敵、ブラッド・スタンドです。ブラッドはハッカビーズのエリートビジネスマンですが、人当たりの良い笑顔と巧みな話術でメンバーの信頼を勝ち取り、アルバートの立場を脅かそうとしていました。
アルバートは短期間で3度も会ったアフリカ人男性ステファン・ニミエリについても頭を悩ませています。短期間で3度も偶然会うのには何か訳があるのではないかと思い、それを解明するため哲学探偵を名乗る夫婦のオフィスを訪れました。
夫ベルナード、妻ヴィヴィアンは、全てのものは繋がっており同一なのだと説明します。宇宙の真理を掴むため、様々なセラピーを体験することになりました。
ハッカビーズのネタバレあらすじ:様々な思想
探偵夫婦の調査方法は、依頼人を尾行し徹底的に調べ上げること。彼らはアルバートの行く先々に現れ行動をチェックしていきました。アルバートはベルナードに教わった瞑想で心を落ち着かせようとしますが、ブラッドとのいざこざが頭を過ぎりどうしても苛立ってしまいます。しかも探偵夫婦は、ニミエリのことはいつまで経っても教えてくれませんでした。
ブラッドもまた探偵夫婦のもとに通っており、アルバートはそれも気に入りません。鬱憤を溜め続けるアルバートに、探偵夫婦は彼の「双子」となるトミー・コーンを会わせてみることにしました。「双子」とは、精神の生まれ変わりを支えてくれる存在のことを言うそうです。
トミーは石油の使用を心底憎む消防士で、それが原因で離婚までしていました。アルバートとトミーはすぐに意気投合します。トミーは探偵夫婦のセラピーの他に、哲学者カテリン・ヴォーバンの本も愛読していました。カテリンは元々探偵夫婦の愛弟子でしたが、現在は考え方の違いから対立しています。
カテリンは全ての繋がりを否定し、人生は残酷で苦悩に満ちたものだと考えていました。トミーの協力でニミエリの情報を得たアルバートは、家を訪ねることにします。ニミエリはスーダンからの避難民で、現在はとある家庭に引き取られていました。一家の父は電気設備会社に勤めており、郊外の開発に大賛成の立場を取っています。
当然アルバートともトミーとも話が合わず、互いに侮辱し合う羽目になりました。
ハッカビーズのネタバレあらすじ:カテリンとの出会い
アルバートは正しく組織を運営しようとしますが、メンバーのほとんどはブラッドこそがリーダーに相応しいと思っていました。ついにある日の会議でアルバートはクビにされてしまい、ブラッドが新リーダーに選ばれます。落ち込むアルバートに、トミーはカテリンの考えに従おうと言い出しました。
尾行していた探偵夫婦は今こそ人との繋がりが大切なのだと引き止めようとしますが、アルバートとトミーは耳を貸しません。怒れるアルバート達の前に現れたカテリンは、裏切りは宇宙の真理だと説きました。カテリンはアルバートの両親が息子に無関心であることを突きつけ、幼い頃から自分を偽っていたことをアルバートに自覚させます。
カテリンの思想に傾倒していくアルバート達に、探偵夫妻はブラッドを使って自分達の正しさを証明すると宣言しました。探偵夫婦はブラッドの自宅に上がり込み、同棲中の恋人ドーン・キャンベルとの性生活まで暴こうとします。ドーンは無遠慮な探偵夫婦に呆れ返りますが、話を聞いている内にすっかりその教えに傾倒してしまいました。
ドーンはハッカビーズのモデルですが、ブラッドに合わせて着飾り気を張る生活に迷いを感じていたのです。自らの心を解放したドーンは流行とはかけ離れた服を着るようになり、落ち着きがなくなりました。ハッカビーズ内で昇進したブラッドは、自分の評価も落としかねないドーンの変貌に頭を抱えます。
ハッカビーズのネタバレあらすじ:ブラッドの内面
アルバートとトミーは一緒にカテリンのセラピーを受け、希望を見出し始めていました。アルバートはカテリンと惹かれ合いセックスに雪崩込みます。それを知ったトミーは裏切りだと感じ、孤独を受け入れると吐き捨て去って行きました。
ベルナードとヴィヴィアンはブラッドのオフィスに現れ、彼の内面を暴いていきます。動揺したブラッドは重役会議の場で大失敗をしてしまい、完全に信用を失ってしまいました。失意のまま帰宅すると、家が火事になっています。中で倒れていたドーンはトミーに助け出されていました。
石油を嫌うトミーはいつも消防車に乗らず、自転車で移動しています。今回はそのおかげで渋滞に巻き込まれず、いち早く現場に駆けつけることが出来たのです。探偵夫婦は大したことではないとブラッドを慰めました。草陰に隠れていたカテリンが泣き喚くブラッドをポラロイドカメラで撮影します。
一緒に隠れていたアルバートは、写真のブラッドが自分の顔になっていくのを見ました。アルバートはブラッドと悲しみを共有したのです。カテリンは、放火したのは自分だと言い始めました。
ブラッドは自分が指揮を執っていたハッカビーズの基金募集イベントへ向かいます。アルバートは探偵夫婦とカテリンの共謀を疑いました。3人で自分を操っていたのだろうと言い、ブラッドを追いかけます。
ハッカビーズの結末:人生の意味
イベントはホテルで行われていましたが、ブラッドは門前払いされてしまいました。そこへトミーを伴ってドーンが現れます。彼女は命懸けで自分を救ってくれたトミーを信頼し、心から愛していました。トミーもドーンに出会い、人生は決して無意味ではないと気付きます。
ドーンに捨てられ、会社もクビになったブラッド。更に郊外開発反対運動のメンバーが怒り狂って現れました。ブラッドは森を残した状態で開発を進めると説明していましたが、それは真っ赤な嘘だったのです。開発によって森の半分が消えてしまうことをブラッドは黙っていました。
更に自分の計画に邪魔なアルバートを追い出すために、探偵夫婦を雇っていたのです。メンバーは激怒してブラッドを非難し、姿を現したアルバートに謝罪して再びリーダーを任せました。つかみ合いの喧嘩を繰り広げたアルバートとブラッドでしたが、最後は2人とも力なく座り込みます。
全てを失ったと肩を落とすブラッドに、アルバートはカテリンの名刺を差し出しました。後日、アルバートとトミーは仲直りしました。2人は人間には繋がりがあること、それを育てるのが苦悩なのだという結論を出します。
探偵夫婦とカテリンの哲学を合わせてたどり着いた2人の真理でした。盛り上がる彼らを探偵夫婦とカテリンが並んで眺め、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「ハッカビーズ」のあらすじと結末でした。
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