K SEVEN STORIES Episode 6 「Circle Vision ~Nameless Song~」の紹介:2018年日本映画。異能力者達の凄絶なバトルを描くテレビアニメ「K」シリーズの新作劇場版。6作連続公開される内、本作は第6作目となる。シロは親しい人々と賑やかな食卓を囲み、穏やかな学生生活を送っていた。八田は熱く燃えるような毎日を、淡島は完璧な任務を、スクナは戦いの日々を。あまりにも充実した日々を送る彼らは次第に違和感を覚え、自分達が“繰り返す理想の夢”に閉じ込められていると気付いた。打開策を探るシロの前に、《ドレスデン石盤》の力を宿した謎の少年が現れる。
監督:鈴木信吾 声優:浪川大輔(伊佐那社)、小野大輔(夜刀神狗朗)、小松未可子(ネコ)、津田健次郎(周防尊)、櫻井孝宏(草薙出雲)ほか
映画「K SEVEN STORIES Episode6「Circle Vision Nameless Song」」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「K SEVEN STORIES Episode6「Circle Vision Nameless Song」」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
K SEVEN STORIES Episode 6 「Circle Vision ~Nameless Song~」の予告編 動画
映画「K SEVEN STORIES Episode6「Circle Vision Nameless Song」」解説
この解説記事には映画「K SEVEN STORIES Episode6「Circle Vision Nameless Song」」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
K SEVEN STORIES Episode 6 「Circle Vision ~Nameless Song~」のネタバレあらすじ:穏やかで熱い日常
舞台は戦後史実と異なる歴史を歩んだ仮想日本。人間に異能力を与える神秘の遺物《ドレスデン石盤》によって、7人の《王権者》が選ばれていました。2014年冬、学園島にある葦中学園高等学校。学生寮の一室では、白銀のクラン《白米党》が揃って朝食を済ませたところでした。第一王権者《白銀の王》伊佐那社ことアドルフ・K・ヴァイスマン(愛称シロ)、彼のクランズマンであるネコ、夜刀神狗朗(愛称クロ)。更にシロの姉クローディアや、友人で後の第二王権者《黄金の王》國常路大覚も一緒です。穏やかな生活を送るシロの心はとても満たされていました。夜になると街では派手な戦闘が繰り広げられます。第五王権者《緑の王》比水流が、自らのクラン《jungle》を率いてビルの屋上に現れました。地上で彼らを迎え撃つのは、前第三王権者《赤の王》周防尊とそのクラン《吠舞羅》です。激突するふたつのクラン。そこに事態を収拾すべく第四王権者《青の王》宗像礼司率いる青のクラン《セプター4》が現れます。彼らの前にたった1人で立ちはだかるのは、《jungle》と行動を共にしている第六王権者《灰色の王》磐舟天鶏。4人もの王とそのクランズマンが入り乱れる激しい戦いとなりますが、彼らの表情はどこか楽しそうです。そこにクロとネコを連れたシロが現れ、上空に五つの《ダモクレスの剣》が出現しました。巨大な光が一帯を包み、爆発のような勢いで強烈に輝きます。
K SEVEN STORIES Episode 6 「Circle Vision ~Nameless Song~」のネタバレあらすじ:謎の違和感
翌早朝。《吠舞羅》の構成員八田美咲は、属領であるバー「HOMRA」の床で目を覚ましました。昨夜の戦いで皆疲れて眠っており、起きているのは《吠舞羅》の幹部で周防の旧友十束多々良だけのようです。十束と話していた八田は、ふと床に落ちている赤いビー玉に気付きました。それは《吠舞羅》の紅一点、櫛名アンナの物です。八田は急に恐ろしくなり、外を見て来ると言ってバーから出て行きました。十束が苦笑して周防を呼ぶと、起きていたらしい彼は無言で煙草に火をつけます。十束はバーカウンターに突っ伏すようにして寝ている、《吠舞羅》の幹部であり旧友草薙出雲を見つめました。シロは昨日と同じように賑やかな朝食を済ませ、学校に向かいます。《セプター4》の副長淡島世理は、異能力者が起こした事件の現場指揮を執っていました。淡島は完璧に仕事をこなし、宗像からも感心されます。しかし彼女の顔はどこか曇っており、《ダモクレスの剣》を出現させる宗像の背中を不安そうに見ていました。
K SEVEN STORIES Episode 6 「Circle Vision ~Nameless Song~」のネタバレあらすじ:“繰り返す夢”
クロはある思いを秘めて、かつて仕えた王を訪ねます。クロの師であり、前第七王権者《無色の王》三輪一言です。そして偶然にも、クロの兄弟子で現在は《jungle》に属する御芍神紫と居合わせました。2人は同じ相談事を抱えています。それは、自分達が何者かによって“繰り返す夢”に閉じ込められているということ。何らかの力によって、誰かの理想とする夢に巻き込まれていると気付いたのです。夢を見ているのは各クランから1人ずつ。《白米党》のシロ、《吠舞羅》の八田、《セプター4》の淡島。そして《jungle》からは、比水を慕う少年五條スクナ。どうやら《ドレスデン石盤》が破壊された際立ち会ったクランから選ばれているようです。そして現在クロ達は4人の夢に巻き込まれている状態でした。現実世界では失われた物、喪われた人が夢の中には多く存在しています。クローディア、國常路、周防、十束、比水、磐舟、そして一言も、現実世界では既に死亡している人物でした。スクナの理想の夢を壊していいものか迷う紫。しかしクロは夢に耽るべきではないと言い、シロが目を覚ませばきっと同じことを言うだろうと語りました。一言と紫はクロの成長を感じ、嬉しそうに笑います。夢とは理解しつつも、3人は久しぶりに穏やかな時を過ごしました。翌日、クロはシロに目を覚ますよう迫ります。シロは困惑している様子でしたが、それはこの現象を探るためであり、クロが気付いた今解決の道を探ることにしました。毎夜の戦闘が始まると、紫は事情を説明した《jungle》の構成員平坂道反と共に、比水に“繰り返す夢”について語ります。比水も磐舟も、これが夢であることに気付いていました。スクナの理想の世界に自分達が存在していることを喜ぶ比水。しかし《jungle》は変革を司るクラン、いつまでも停滞している訳にはいきません。比水は紫と平坂に最後のミッションを与えました。
K SEVEN STORIES Episode 6 「Circle Vision ~Nameless Song~」のネタバレあらすじ:謎の少年
翌早朝。淡島は個人的に交流のある草薙を訪ね、バーHOMRAの前にやって来ます。そして彼女は毎日が充実していること、あまりにも充実していてまるで夢の中にいるようだと違和感を口にしました。理想通り過ぎないかと問われた草薙は動揺し、周防と十束のいるバーのドアを見つめます。八田もやはり違和感を拭えず、正しい記憶を取り戻しつつありました。昼間の公園に向かった八田は、《セプター4》のナンバー3で、以前は決別していた友人伏見猿比古にぼんやりとした違和感を話します。伏見も“繰り返す夢”に気付いているようですが、はっきりと言葉にはしませんでした。夜、いつもの戦闘中にシロは真っ先に《ダモクレスの剣》を出現させ、夢を破る手がかりを探します。すると交差点に佇む謎の少年を発見しました。彼は特に慌てるでもなくじっと皆を見つめています。交差点に夢を見ていた者、巻き込まれていた者達が集まり謎の少年を取り囲みました。夢に閉じ込めていた張本人かと問われた少年は、そんなつもりは無いと冷静に語ります。少年は自分のことを《ドレスデン石盤》の欠片に残った「力の本体」であり、人間の祈りそのものだと言いました。《ドレスデン石盤》が破壊された後、長い間石盤を通して触れ合って来たことへのお礼のつもりで理想の世界を与えたそうです。しかしシロ達は、その理想の世界から出ようとしていました。少年にはそれが理解出来ません。
K SEVEN STORIES Episode 6 「Circle Vision ~Nameless Song~」の結末:夢の終わり
謎の少年が見せるのは理想の世界。喪われた人々も、幻ではなく本物の彼らです。だからこそ比水は紫と平坂にミッションを下すことが出来ました。ミッションの内容は、スクナを夢から目覚めさせること。少年の言葉で初めて自分が夢を見ていると知ったスクナは涙を流します。八田は大切な人を喪った痛みもまたその人の一部なのだと説き、淡島も欠落したものを受け入れて前へ進むことを選びました。夢から出る方法を問うシロに、少年は喪われた人の存在を自らの意志で消すことだと話します。シロ達は悲しみを抱えながら、それでも大切な人々に別れを告げました。スクナ同様最後まで夢に気付かなかった草薙は、周防と十束に挟まれ涙を流します。少年は自分のことを「どこにも行かないし、どこにもいるよ」と話しました。人間の祈りが続く限り、彼も消えることは無いのです。シロ達は心地いい夢を離れ、現実に戻りました。季節は春を迎えます。桜の花びらが舞う中ヴァイスマンの外見に戻ったシロが笑みを浮かべ、この物語は終幕を迎えます。
以上、映画K SEVEN STORIES Episode6「Circle Vision ~Nameless Song~」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する