海賊とよばれた男の紹介:2016年日本映画。百田尚樹のベストセラー小説「海賊とよばれた男」を岡田准一主演で実写映画化。明治~昭和にかけて幾多もの困難を乗り越え、石油事業に尽力した国岡鐡造(モデルは出光興産の創業者である出光佐三)の生き様を、実話をもとに戦後復興や世界市場を牛耳る石油会社との闘いを軸にストーリーが展開する。
監督:山崎貴 原作:百田尚樹 キャスト:岡田准一(国岡鐡造)、吉岡秀隆(東雲忠司)、染谷将太(長谷部喜雄)、鈴木亮平(武知甲太郎)、ピエール瀧(藤本壮平)、綾瀬はるか(ユキ)、堤真一(盛田辰郎)、近藤正臣(木田章太郎)、國村隼(鳥川卓巳)ほか
映画「海賊とよばれた男」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「海賊とよばれた男」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
海賊とよばれた男の予告編 動画
映画「海賊とよばれた男」解説
この解説記事には映画「海賊とよばれた男」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
映画「海賊とよばれた男」のネタバレあらすじ:1.日本敗戦
1945年、東京上空にはB29が空襲しても、迎撃の夜間戦闘機「月光」は石油がなく2機しか飛べません。終戦後、「国岡館」は焼け残っていました。店主の国岡鐵三(60歳)は言います。「日本人としての誇りを失わず、全員一致して社業を再興させよう」。重役は反対しますが、鐵三(岡田准一)は言います。「仕事がなければ作るもの。とことんやってダメなら全員で乞食でもしよう」。鐵三は早速、石統(石油統制配給会社)に乗り込み、油を回してもらうように頼みますが、鳥川総裁(國村隼)は、戦時中のトラブルを恨みに思っていて、門前払いにされます。鐵三は家に帰り、自室で若い頃を思い出しました。
映画「海賊とよばれた男」のネタバレあらすじ:2.海賊と呼ばれる
1922年、27歳の鐵三は、石炭全盛時代に一早く石油に目をつけ機械油の代理店「国岡商店」を営んでいました。しかし、営業しても袖の下(わいろ)がなければ、相手にされず、嫌がらせも受けました。「士魂商才」…侍の心で商売をすると誓った鐵三は出資者の木田章太郎(近藤正臣)に謝りに行きました。「返済できない」と伝えると、木田は「京都の別荘を売って、7千円になるやろ」と提案します。鐵三は断りますが、「3年でダメなら5年、10年、とことんやってみろ。それでもダメなら共に乞食でもしよう」と激励されるのです。鐵三は海のポンポン船を見て、ひらめきました。灯油で動くポンポン船に軽油を売るのです。でも、陸には縄張りがあるので、商売は海の上でゲリラ売りです。「国岡の者が、油持ってきたけー」と「KS国岡商店」の旗を立てて、社歌を歌いながら、商売していきます。その勢いに、憧れる長谷部(染谷将太)と東雲(吉岡秀隆)も入社してきました。そして「海の上に線はない」と啖呵を切り、いつしか鐵三と国岡商店は「海賊」と呼ばれるようになるのです。ある日、兄がユキ(綾瀬はるか)との結婚話を持ってきました。長谷部や東雲ほか数人の従業員も一緒に住み込む新婚生活が始まります。祝言(結婚式)の翌日、従業員と一緒に10人で写真を撮ります。ユキと鐵三の2人での写真も撮りました。
映画「海賊とよばれた男」のネタバレあらすじ:3.石油の国内販売
終戦後、仕事のない国岡商店に、元海軍大佐の藤本(ピエール瀧)が営業に来ました。GHQから請け負ったラジオ修理の話です。鐵三は藤本を入社させ、銀行からの融資を頼みに行かせます。次の日、銀行でラジオの実演修理をやります。壊れた真空管を探し、新品と交換するだけ。3分かかりませんでした。それによって信用を勝ち得たことで、融資が受けられ、ラジオ部が国岡商店内に出来、倒産せずに済みました。その頃、石統は弱っていました。国内に備蓄した2万トンの石油を販売をしないと、石油の輸入を再開しないとGHQに言われたのです。そこで鳥川総裁は国岡商店に押し付けました。復員してきた東雲ほか3名が、引き受けます。2万トンの石油は、泥と雨に混じったポンプでくみ上げられない代物で、人足も逃げました。東雲は覚悟します。「ここに弾は飛んでこん。何より、これは石油だ」。店員たちも火が付きました。鐵三は石統の鳥川に馬鹿にされますが、言い返します。「国岡商店が石油回収をしなければ、誰が困るのか」。怒った鳥川は、次の嫌がらせを思いつきます。2年かけて全国に2万トンあった石油タンクの汚泥からの抽出作業は終わります。石統は解散し、国岡商店も晴れて国内での石油販売が出来るようになります。ある日、武知(鈴木亮平)が勤めたいと鐵三に面談し、その場で採用が決まりました。武知は戦時中、諜報活動をし、戦後はGHQで通訳をし、国岡商店の財政状況も、把握していました。その武知が、石統が国岡商店を締め出そうとしていると知らせてきたのです。鐵三は早速、武知に頼み、GHQは、石統に選定要綱案のおかしな一文の削除を要求しました。実は、その司令官も国岡商店の働きぶりを知っていたからです。鐵三は満州でメジャーと戦った過去を思い出していました。
映画「海賊とよばれた男」のネタバレあらすじ:4.北と南の戦い
1915年、鐵三は30歳。長谷部を連れて、冬、南満州鉄道を目指していました。何とか中に入れてもらい、現場の作業員からメジャーの車軸用の潤滑油は「マイナス20度以下で凍る」という情報を得て、鐵三は早速、新しい潤滑油の開発を始めます。メジャーの潤滑油が凍り、火災事故が発生し、チャンスは巡ってきました。メジャーの潤滑油と耐寒テストをした結果、国岡商店のナフテン系で精製した潤滑油の圧勝でした。しかし、メジャーが全取引を中止すると満鉄を脅かし、販売認可は下りませんでした。失意のまま帰国すると、ユキが「離縁してくれ」と書置きを残していました。数カ月後、満鉄から国岡商店に依頼が舞い込みます。鐵三はその後再婚し、何人かの子供を持ちました。日本は石油が輸入できなくなり、太平洋戦争で、南アジアの石油基地を占領します。その翌年、鐵三が57歳の時、軍部に呼び出され、石統の計画書の意見を求められます。石統の計画は「2千人を送り込み、戦後、居座る計画」で、長谷部の「200人を1週間で送り込み、残りは現地調達」が採用され、国岡商店が南方の石油取扱いを一任され、鳥川総裁に逆恨みされたのです。少尉になった長谷部がトンボ返りで南方基地へ向かう途中、米軍機のの機銃掃射で搭乗機が爆発炎上していました。その様子を東雲が目撃し、報告を受けた鐵三は、その死を悼むのでした。
映画「海賊とよばれた男」のネタバレあらすじ:5.石油メジャーとの競争
1949年、鐵三64歳の時、国岡商店は石油販売の権利を得ます。石油メジャーが提携を申し込んできますが、国岡商店の株券50%を渡せという買収だったため断ります。中国・大連で潤滑油競争をした男でした。そして、アメリカの石油メジャーとの競争が始まるのです。鳥川は、メジャーと喧嘩した馬鹿と言いますが、鐵三は「石油は国の血液。メジャーに渡すわけにはいかん」と吠えます。鐵三は、2万トンのタンカー「日承丸」を作り、直接買い付けに行くようになります。しかし、メジャーが妨害します。鐵三はイランに直接買い付けに行くことを決めます。アメリカもまたイギリスが管理するイランの石油を狙っていたのです。鐵三は、日承丸の船長の盛田(堤真一)に「アバダンに行ってくれ」と伝え、盛田は承諾します。1953年3月、日承丸が出港します。鐵三は日承丸と生死を共にするつもりでした。
映画「海賊とよばれた男」のネタバレあらすじ:6.イランへ
イランでは人々が歓迎してくれていました。盛田は裏をかいて、マラッカ海峡を通らず、スンダ海峡を抜けようとしますが、英国所属のフリゲート艦「バンカーベイ」が待ち受けていました。停船勧告をしてきますが、盛田は真正面から突っ込みます。寸前でバンガーベイの船が右に避けました。5月、川崎港ではたくさんのマスコミ関係者が日承丸の雄姿を見ようと待ち構えていました。鐵三が東雲たち重役達と共に吠えます。「国岡の者が油もってきたけぇー」。イギリスメジャーは東京で裁判を起こしますが国岡の勝ちです。でも、アメリカのCIAが工作し、政権を瓦解させ、イランとの取引は中止になってしまいます。
映画「海賊とよばれた男」の結末
1981年、鐵三が96歳になった時、浜辺で1人の女性に声を掛けられました。ユキの親類でした。彼女の遺品のスクラップブックから、2人で撮った写真を見つけ、自分のために身を引いて一人で亡くなったことを知って泣くのです。数日後、大家族に見守られながら、病室で鐵三は夢を見ます。長谷部と東雲、ユキも合わせて初期の店員10人。ポンポン船で、全員が国岡商店の社歌を歌う中、鐵三は旗を振ります。「国岡の者がー 油もってきたけぇー」
以上、映画「海賊とよばれた男」のネタバレあらすじと結末でした。
続いて、より詳細なあらすじを解説します。
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