この子は邪悪の紹介:2022年日本映画。事故に遭った後おかしくなった心理療法医の家族と、彼らを興味本位で調べようと近づいた高校生が巻き込まれる恐怖を描いた作品。「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2017」で準グランプリを獲得した作品を映画化したものです。
監督:片岡翔 出演:南沙良(窪花)、大西流星(四井純)、桜井ユキ(窪繭子)、渡辺さくら(窪月)、桜木梨奈(窪繭子)、二ノ宮隆太郎(鮎川祐一)、玉木宏(窪司朗)、ほか
映画「この子は邪悪」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「この子は邪悪」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「この子は邪悪」解説
この解説記事には映画「この子は邪悪」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
この子は邪悪のネタバレあらすじ:起
精神病に興味を持つ高校生の四井純(大西流星)。その興味から『くぼ心理療法室』を知り観察します。そこには窪司朗(玉木宏)という父親らしき男と、庭でウサギを飼っている高校生の窪花(南沙良)、過去の事故で火傷を負い、ずっと仮面を被っている妹の窪月(渡辺さくら)がいます。
妻の繭子は過去の事故で植物状態になってしまっていて、月も大火傷、司朗も足に障害を負ってしまいました。奇跡的に無事だった花も、心に深い傷を負ってしまいます。
純はますます興味を持ち、心理療法室を調べ上げ、退行催眠を施している事を知りました。
ある日、司朗が、奇跡的に母親である繭子が目を覚ましたと連れ帰ってきました。喜ぶ月でしたが、花は帰ってきた繭子にどこか違和感を感じ、戸惑います。そこから花は繭子が本当は別の誰かなのではと疑いますが、ある時、花が忘れていた事を繭子が言い出したので、その疑惑は解消します。
純はその後も窪家を調べていましたが、ついにウサギが逃げた事を理由に花に接近、仲良くなることに成功します。仮面を被ったのが妹の月だと紹介された純でしたが、違和感を感じます。純の調べによると事故で妹は死んだはず…。司朗がその話はネットによるデマだと弁明します。
この子は邪悪のネタバレあらすじ:承
司朗は花が心を開いていることから、純を誕生日パーティーに誘うことにします。パーティーが終わり、純が帰ったあと、繭子は花と月に自分が妊娠したことを伝えます。
純はパーティーの時に撮った写真を花に持っていきます。その時に純が過去に心理療法室に訪れていて、繭子に会っていること、その時の繭子とどこか違う感じがすること、司朗に退行催眠をかけられて操られている可能性があるのではないかということを、花に話します。
半信半疑だった花でしたが、繭子の顔のほくろが描いたものだったのと、うたた寝から目覚めた繭子の眼球がせわしなく無限大を描くように動いていたことから、疑惑はさらに深まります。
そのことを純に話しますが、さっきとは違い、純は見間違いだろうと取り合おうとはしません。純は司朗に何らかの催眠をかけられたようで、花は急な純の変化に戸惑います。
花は繭子が入院していた病院に向かい、繭子がいた病室を覗くと、まだ意識不明のままの繭子が寝ているのを見つけてしまいます。洗脳から解けた様子の純にそれを告げに行った花。花は純と役所に向かい、戸籍謄本を取りました。
やはり月は死亡していることになっています。純から月の素顔の写真を撮れないかと頼まれた花、そして月の眼球も繭子と同じようにぐるぐる動いている事を知ります。
この子は邪悪のネタバレあらすじ:転
純は甲府市で行方不明になっている女の子の事を調べていました。鮫川愛華という少女がヒットしました。行方不明になる前に父親から虐待を受けていたとされる愛華、父親は近所で奇行を繰り返している鮫川祐一(二ノ宮隆太郎)でした。
家に帰ると、司朗が中に入り母親を診療していました。母親をおかしくしたのは司朗ではないかと激しく責める純。司朗は「大切な事を話す」と純を宥め、親から虐待を受けている子供を救済していると話します。純の脳裏に、母親から受けた虐待が浮かびます。
約束の時間に現れない純を心配して、花は純の家に行きます。そこで放心状態の純と母親を見つけました。二人共、目が真っ赤です。
2021年4月、司朗は美崎ユリエを見かけ、声をかけます。美崎は司朗の患者で、子供を虐待していました。息子に会いたいが引き離されて会えずにいる美崎に、司朗は声をかけたのです。司朗は美崎を療法室に連れていき、退行催眠をかけます。年齢をカウントし退行させていく司朗、それは母親の胎内にいる時まで戻りました。
この子は邪悪の結末
放心状態から戻らない純、花は純のデジカメに司朗が映っていたことから、司朗が純に何かをしたと確信し、家に帰り司朗を問い詰めました。月がそれを制します。おもむろに仮面を剥がした月、その顔は火傷の跡はなく、キレイな姿でした。
困惑する花に、司朗は落ち着いて話し始めます。繭子も月も、魂は本人で体は別人…衝撃的な言葉が司朗から放たれます。退行催眠を施し、母親の胎内にいる所まで戻すと、魂が不安定になり肉体から離れる事を知った司朗は、それを利用して鮫川愛華を連れてきて、魂を剥がし月の体に入れたのです。
同じように美崎ユリエの魂も繭子と入れ替えていました。入れ替えが完了したことで不要になった意識不明の繭子は司朗が殺し、死亡届を出していました。さらに、司朗はウサギを取り出し、純と母親をウサギに入れたのだと話します。
突然、一連の事を司朗の仕業だと悟った純の祖母が殴り込んできました。しかし、司朗は返り討ちにし、祖母を撲殺します。家族を守るためだと力説し、近寄る司朗、月は怯えながら司朗を刺しました。司朗は倒れ込みます。
花は月を守ると宣言すると、自らの過ちに気づいた司朗が謝り、全てを司朗のせいにするよう指示しました。花は月を抱き、司朗は繭子に膝枕され、最後の時を迎えます。指で無限大を描き、鈴を鳴らし、力尽きていきました。診療所にいたウサギたちは自分たちの家に戻っていきます。
2022年。繭子、花、月は仲良く幸せに暮らしていました。彼らの横には新たに家族になった赤ん坊が寝ています。じっと空を見上げる赤ん坊、その手は無限大を描いています。『この子は邪悪』と現れ映画は幕を下ろします。
以上、映画「この子は邪悪」のあらすじと結末でした。
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