メジャーリーグの紹介:1989年アメリカ映画。実在のアメリカ・メジャーリーグチーム「クリーブランド・インディアンス」を舞台に、個性豊かな野球選手たちを娯楽色豊かに描いたスポーツ・コメディシリーズの第1作です。本拠地を移転させるためにわざと最下位を狙うオーナーに対抗してリーグ優勝を目指そうと奮闘する寄せ集めの選手たちの大逆転劇を描きます。
監督:デヴィッド・S・ウォード 出演者:トム・ベレンジャー(ジェイク・テイラー)、チャーリー・シーン(リッキー・ボーン)、コービン・バーンセン(ロジャー・ドーン)、ウェズリー・スナイプス(ウィリー・メイズ・ヘイズ)、デニス・ヘイスバート(ペドロ・セラノ)、チェルシー・ロス(エディー・ハリス)、ジェームズ・ギャモン(ルー・ブラウン)、マーガレット・ホイットン(レイチェル・フェルプス)、チャールズ・サイファース(チャーリー・ドノヴァン)、レネ・ルッソ(リン・ウェルズ)、ほか
映画「メジャーリーグ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「メジャーリーグ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
メジャーリーグの予告編 動画
映画「メジャーリーグ」解説
この解説記事には映画「メジャーリーグ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
メジャーリーグのネタバレあらすじ:起
アメリカのメジャーリーグベースボール(MLB)に属する、オハイオ州に本拠地を構えるプロ野球チーム「クリーブランド・インディアンス」は、34年もの間優勝から遠ざかっており、最高位は4位という弱小球団です。
ある時、インディアンスのオーナーが亡くなり、妻のレイチェル・フェルプス(マーガレット・ホイットン)が新オーナーに就任しました。元ショーガールで野球のことなど何ひとつわかっていないレイチェルは、手始めに新たな選手リストを作成することにしましたが、このリストには既に他界している者や聞いたことがないような者などの名前しかなく、やる気のないのは一目瞭然でした。
実はレイチェルは、自分のお気に入りの土地であるマイアミに移転させようと目論んでおり、1年の観客動員数が80万人を下回れば本拠地の移転が認められる規定を利用しようと考えたのです。そのためにはインディアンスをさらに弱体化させて人気を落とし、市とのフランチャイズ契約を破棄させることがレイチェルの狙いでした。
レイチェルは監督のチャーリー・ドノヴァン(チャールズ・サイファース)をフロント(ゼネラルマネージャー兼球団移転計画の補佐役)に転換させ、代わりの新監督は万年最下位のマイナーリーグチームの監督を長年努めていたルー・ブラウン(ジェームズ・ギャモン)を引き抜くことにしました。ルーは監督業の傍らタイヤ工場を経営していました。
続いてレイチェルは、新戦力として、とてもメジャーでは使い物にならないような落ちこぼれ選手をかき集めました。かつてはオールスター出場やMVP獲得歴などかがやかしいキャリアがありながらも、ここ数年は膝の故障により成績も低迷、メキシカンリーグ暮らしを送っていたベテラン捕手のジェイク・テイラー(トム・ベレンジャー)、熱心なブードゥー教信者であり、信仰の自由を求めてキューバから亡命してきた外野手のペドロ・セラノ(デニス・ヘイスバート)、守備の怠慢なベテラン内野手ロジャー・ドーン(コービン・バーンセン)、足が速いと豪語するお調子者のウィリー・メイズ・ヘイズ(ウェズリー・スナイプス)、そして素行の悪さから刑務所に服役していた元マイナーリーガーの投手リッキー・ボーン(チャーリー・シーン)など、到底メジャーのレベルに達しているとは言い難い連中ばかりが集まりました。
メジャーリーグのネタバレあらすじ:承
実はウィリーは元々名簿に名はなく、勝手にキャンプに潜り込んでいたことが発覚しました。宿舎で寝ていたウィリーは夜中にベッドごと外につまみ出され、気が付くと自分は球場の外にいて既に練習が始まっていることに気付きました。ウィリーはパジャマ姿のまま球場に乱入するとその俊足ぶりをまざまざと見せつけ、ルーの計らいで正式に選手(外野手)として入団が決まりました。しかし、ウィリーは打撃が大の苦手であり、ルーはバントをして走るよう指示しました。
荒くれ投手のリッキーは豪速球が自慢でしたがコントロールが非常に悪く、シーズン終了後のFA(フリーエージェント)権を得ているロジャーは怪我を恐れるあまり練習に力を入れていませんでした。主砲候補のセラノは直球ならばホームランを連発するものの、変化球には非常に弱くて空振りばかりという弱点を抱えていました。
インディアンスのチーム状態は一向に上がらず、リッキーは先輩投手にからかわれて喧嘩沙汰となりました。ルーは仲裁に入り、ジェイクは喧嘩するよりも開幕の準備をしろとリッキーに忠告しました。
その後、ジェイクはウィリーとリッキーを連れて高級レストランに行きましたが、そこでジェイクはかつての恋人だったリン・ウェルズ(レネ・ルッソ)が見知らぬ男と一緒に仲良く談笑しているところを目撃しました。未だにリンへの未練が残るジェイクは、どうにかして彼女と話をしようとしましたが、リンは迷惑そうな態度を取りました。それでもジェイクはリンに食い下がり、何とか電話番号だけは教えてもらいました。
そして迎えた開幕戦当日。誰もがインディアンスの最下位を予想するなか、ルーは下馬評を覆してやろうと選手たちに明るく檄を飛ばしました。初回、ウィリーがバントヒットを決め、これが何とインディアンスにとって15年ぶりとなる初戦初回でのヒットでしたが、ウィリーは相手側の策略にはまってあっさりとアウトを取られてしまいました。
6回表、リッキーがリリーフ登板しましたが暴投を起こしてしまい、更に打者に危険球を投げたことから退場処分となってしまいました。結局インディアンスは0対9で開幕黒星スタートとなりました。
ジェイクは先日リンに教えてもらった電話番号に掛けてみると、電話に出たのは全く知らない男でした。ジェイクは嘘の番号を教えられていたのです。ジェイクはリンが働く図書館に行きましたが、リンからはもう会いたくないと告げられ、更には先日レストランで一緒にいた男と婚約していることを知らされました。
ジェイクはリンと寄りを戻そうとしますが、リンはメキシコに行っていたために3年間も音信不通だったジェイクに完全に愛想を尽かしていました。
メジャーリーグのネタバレあらすじ:転
レイチェルは何としてでもインディアンスを勝たせないため、あの手この手を使って選手への嫌がらせを繰り広げていきました。チームはボロボロのプロペラ機やバスでの遠征を強いられ、プロペラ酔いを起こして散々な試合結果を残しました。リッキーも1イニングで4暴投を起こすなど、未だに課題のコントロールは改善されないままでした。
ジェイクはウィリーに背中を押され、意を決してリンの家を訪れました。ところが、そこにはリンの婚約者やその友人夫妻がおり、ジェイクはリンの婚約者からどうせ一生野球はできないのだから引退したら何をするのかと皮肉交じりに問われました。
リンはかつて水泳選手であり、オリンピック候補にまで上り詰めたことがあるので、ジェイクはハワイに移住して子供を水泳のオリンピック選手に育てると答えたところ、かえってその場の空気を悪化させてしまいました。
その頃、ルーは一向に暴投の治らないリッキーに一度マイナーリーグに行って経験を積むこと提案しました。その時、リッキーは壁に張られていた大物メジャーリーガーの写真を懸命に目を細めて見ようとしていたことから、ルーはリッキーの視力が悪いことに気づきました。
リッキーはルーから眼鏡を掛けるよう勧められ、嫌々ながら眼鏡をしてみると、課題だったコントロールはみるみるうちに改善され、これまでとは打って変わって見違えるようなピッチングを見せるようになりました。
この頃からインディアンスは少しずつ勝利を重ねていくようになりましたが、相変わらずロジャーの怠慢なプレーは改善されていませんでした。ジェイクはロジャーにそのことを問い質すと、ロジャーはチームの勝敗よりもいかに自分が怪我をしないでシーズンを消化することに重きを置いていました。ジェイクはロジャーの態度はチームにとって迷惑だときっぱり伝えました。
そんなある日、ジェイクはリンが球場で試合を見ていることに気づき、彼女の後を追いかけると改めて復縁を迫りました。しかし、リンはかつてジェイクが自分以外の数多くの女たちと浮気をしてあたことから未だにジェイクのことを信用してはいませんでした。それでもジェイクとリンは体の相性が良かったことから、二人は成り行きで一夜を共にしてしまいました。
メジャーリーグの結末
その後もインディアンスは勝ち続け、60勝61敗で五割まであと一歩のところまできました。レイチェルの選手への度重なる妨害に心を痛めたチャーリーはルーの元を訪れ、レイチェルの計画を密告しました。
ルーは選手たちにもそのことを話し、もし球団がマイアミに引っ越せば自分たちはクビになるしか道が残されていないことを語りました。ジェイクは優勝すればいいのだと選手たちを鼓舞、これを機にチームはひとつにまとまり、レイチェルへの腹いせにロジャーも心を入れ替えて守備練習に力を入れていきました。
インディアンスの快進撃は止まらず、遂には強豪ニューヨークヤンキースと同率で首位に並びました。そしてリーグ優勝の行方はシーズン最終戦、ヤンキースとの直接対決に持ち越されました。
最終戦前日、当日の先発投手はローテーション通りならばリッキーのはずでしたが、ルーは経験豊富でヤンキースと相性が良いベテランのエディー・ハリス(チェルシー・ロス)を先発させることを決断しました。リッキーはチームのためならと受け入れますが、バーで落ち込んでしまいました。そこにスザンヌ(ステイシー・キャロル)という女が現れ、スザンヌから一緒に遊ぼうと誘われたリッキーはそのまま彼女と寝てしまいました。
セックスの後、スザンヌは実は自分はロジャーの妻だとリッキーに打ち明け、ロジャーが浮気したので腹いせに自分も浮気したのだと明かしました。
最終戦当日。リッキーはジェイクの忠告を受け、なるべくロジャーと顔を合わせないよう注意を払いましたが、スザンヌはロジャーにリッキーと寝たことを白状していました。そして超満員の観客が見守る中、遂に試合は始まりました。
試合は7回の表まで0対0のままでしたが、先発のエディーが2ランホームランを浴びて0対2とリードを許してしまいました。しかしその裏、ロジャーがヒットで出塁すると、次に打席に立ったセラノは絶不調で2ストライクと追い込まれてしまいました。セラノはあれだけ神に祈ったのに報いてくれないと悪態をつくと、見事に同点の2ランホームランを打ちました。
2対2の同点のまま迎えた9回表。ルーはエディーは限界だと判断し、リッキーをリリーフに送り込みました。リッキーが投球練習していると三塁手のロジャーがマウンドに歩み寄り、「この野郎よく聞け。三振に取らないとタマを切り取って口に詰め込むぞ」と励ましとも脅しとも取れる言葉をかけました。笑顔になったリッキーは161キロの剛速球で三振を奪いました。
そして9回裏。インディアンスは二死二塁でチャンスを迎え、打席に立ったジェイクはホームランを打つと宣言し、意表を突いてセーフティバントをかましました。その間に二塁走者のウィリーが一気にホームへと全力疾走し、判定は「セーフ」となりました。レイチェルが呆然とする中、インディアンスは劇的なサヨナラ勝ちで見事35年ぶりのリーグ優勝を果たしました。
超満員の観客は歓喜し、インディアンスの選手たちはレイチェルにブーイングをかましながらシャンパンファイトに酔いしれました。その最中、ジェイクはスタンドにリンがいることに気づき、彼女の元に歩み寄りました。リンの薬指からは婚約指輪がなくなっており、ジェイクはリンとキスを交わしました。
以上、映画「メジャーリーグ」のあらすじと結末でした。
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