続・深夜食堂の紹介:2016年日本映画。今回の映画は「続」ということで「深夜食堂」の映画として2作目。安倍夜郎のマンガを映画化。「深夜食堂」で、食はオマケ。むしろ、ゲストキャラクターにドラマがあり、マスターは、それを見守り、料理をふるまうだけ、そんな、どこにでもあるような日常を切り取った話です。焼き肉定食、焼うどん、豚汁定食といったありふれた食事が今回もテーマになっている。
監督:松岡錠司 出演:小林薫(マスター)、河井青葉(赤塚範子)、池松壮亮(高木清太)、キムラ緑子(高木聖子)、小島聖(木村さおり)、佐藤浩市(石田)、オダギリジョー(小暮)、松重豊(竜)ほか
映画「続・深夜食堂」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「続・深夜食堂」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
続・深夜食堂の予告編 動画
映画「続・深夜食堂」解説
この解説記事には映画「続・深夜食堂」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
続・深夜食堂のネタバレあらすじ:「深夜食堂」とは?
この辺はTVドラマ「深夜食堂」で定番のオープニングシーンです。哀愁のメロディに乗せて、夜のネオン街が映ります。新宿です。JRの高架の下を抜けて、エスパス日拓(西武新宿駅前店)やドン・キホーテ新宿店の看板が見えたので、その辺なのでしょう。登場人物に4期から新しく加わったタクシー運転手の木内晴美もいるので、彼女が見てる景色かもしれません。
♪君が吐いた白い息が 今ゆっくり風に乗って
♪空に浮かぶ雲の中に 少しずつ消えてゆく
「深夜食堂」のテーマ曲である「思ひ出」(鈴木常吉)です。メロディ自体はアイルランド民謡だとか。そして、深夜食堂「めしや」のマスター(本名不明)によるナレーション。マスターの左の目元には、うっすらとした切り傷の痕が上下のまぶたにあります。「1日が終わり、人々が家路を急ぐ頃、俺の一日は始まる。営業時間は夜12時から朝7時くらいまで。人は『深夜食堂』って言ってるよ。メニューはこれだけ。後は勝手に説明してくれりゃ、出来るものなら作るよ…って言うのが、俺の営業方針さ。客が来るかって? それが結構来るんだよ。」マスターは豚汁を作っています。大根のカツラ剥きをして、切った材料を豚肉から、ごま油で炒めます。そして、焼き色がついたら、野菜も入れて炒めます。
豆腐は水切りし、こんにゃくはアクぬきして、手でちぎります。だし汁を入れてアクとりをし、味噌の半分を溶かし、10~15分煮ます。野菜が煮えたら、里芋、長ねぎ、豆腐、油揚げを加え10分煮て、残りの味噌、みりん、しょうゆを加え、沸騰直前に火を止めます。テレビドラマでは、毎回見るシーンを敢えて説明してみたのは、今回の3番目の話が映画オリジナルの「豚汁定食」という話だからです。詳しいレシピは映画パンフレットにあります。
さて、深夜食堂の本当の名前は「めしや」です。新宿よもぎ町(架空の町)にあるそうです。でも、実際は新宿のゴールデン街や渋谷の繁華街を参考にしているそうです。今回の映画は4月13日にクランクインしたそうですが、その前日の4月12日に歌舞伎町で火災が発生していて、「ロケ地は大丈夫か?」と多数の問い合わせがあったそうですが、ロケ地は無事でした。何故なら「深夜食堂」の舞台である新宿よもぎ町は埼玉県入間市にある300坪の倉庫に建てられたセットだからです。映画のロケを観光に来る外国人も多数いて、実際に豚汁やお酒が食べたり、飲んだりできると思っていたのに出来なくて、残念がったという話もあるそうです。
さて、いよいよ本編です。「深夜食堂」は、深夜0時から営業が始まり、朝7時に閉店する食堂です。本当の店の名前は「めしや」。「めしや」の暖簾と、「めし」と書かれた提灯が目印です。メニューは4つしかありません。「豚汁定食600円」「ビール(大)600円」「酒(2合)500円」「焼酎(一杯)400円」 酒類はお1人様3本(3杯)まで。でも、材料があれば、マスターがお好みのメニューを作ってくれます。
それでは、柱時計が夜の12時を告げました。深夜食堂の開店です。
詳細あらすじ解説
続・深夜食堂のネタバレあらすじ:第一話「焼肉定食」
喪服の客たち
その日のお客は、何故か全員黒装束でした。全員、お通夜帰りだったからです。しかも、あの店に10人以上入り込んでいます。最初は3人だったのですが、みるみる増えていきます。全員常連のようです。最初は忠さんとマリリン、小道、金本、八郎の5人だけでした。小道は、今日が浅草で昨日は○○、最近、葬式が多くて出費がかさんで大変だよと言ったり。忠さんが夜食(夕食?)のメニューを食事日記につけていて、「老化予防に何を食べたか書いてるの」と言うと、マリリンが「なら後500回は食べれるわね」と言われたので、計算すれば、500-365=135で、1年4カ月もないことに気づき、「2年も生きれないじゃないか」とボケとツッコミの応酬をしてる余裕もありました。
でも、剣崎組の竜とゲンもやってきて、さらに小寿々とコウちゃんまでくると9人。店のカウンター机は3方しかなく、ギュウギュウです。小寿々は、紙包みを小道たちに「ゆで卵にでも使ってちょうだい」と言って渡します。どうやら、お清めの塩らしいです。
小寿々は話だします。「知り合いのままのお葬式だったんだけれど、具合の悪いの分かってたんでしょうね。綺麗に片づけてあって、そのガラーンとした部屋に、また泣けちゃって」コウちゃんはズズズ…とすすり、悲しみながらも、グーっと、おなかの音を鳴らします。小寿々「はいはい。悲しくても、おなかは減る。マスター、この子のと、2人分、甘い卵焼き、焼いてちょうだい」 マスター「あいよ」(小寿々は新宿2丁目のゲイバーのママで、コウちゃんは、そこに勤める背の高いニューハーフです。小寿々役の綾田さんは、京都で、外国人の子どもたちに「小寿々だー」と追いかけられるほど、人気があるそうです。)
さらに、そこにもう一人。喪服の女性が入ってきました。店は10人の客であふれています。小道は、好みの女性だったようで、早速、お清めの塩を渡して、お近づきになろうとします。「あの、これ、よかったら、どうぞ」?「皆さん、お葬式帰りですか?」 ほぼ全員「「「「「そうですが????」」」」」 ?「私は違うんで、お構いなく。マスター、いつものアレ頂戴。」 マスター「あいよ」 いつものアレとは、焼肉定食で、見事な食いっぷりで食べて、出て行きました。忠さん「マスター、ありゃ、なんだい?」
メニュー名は焼肉定食なのですが、豚小間肉です。隠し味で、おろしにんにくと、りんごが砂糖・しょうゆ・みりんで味付けされていて、どっちかというと、豚の生姜焼きの、にんにくバージョン的なメニューです。もやしがトッピングされ、トマトと千切キャベツが盛られています。定食なので味噌汁と、ご飯もついています。
マスター「範子ちゃんは、嫌なことがあると、ああやって、喪服着て夜の街を歩いてるんだってさ。」小道「そいつは変わってるね。何してる人なんだろ」 八郎は言います。「彼女、赤塚さんというらしいんですけど、以前、相席した時に聞いた話では、雑誌の編集者をしてるみたいですよ。」 小道「へー、だから変わってるのかね。オタクたちは、商売柄、いつも喪服みたいなもんだから、見慣れちゃってるでしょ」 小道は、こともあろうに、竜とゲンに気楽に話しかけます。ゲン「ああ?」 小道「だって、鉄砲玉とか、東京湾に鎮められちゃったり、職業柄、お葬式ごと多いでしょう」 ゲン「詰め歯にしてやろうか?」と小道の口をキュッとアゴから手でつまみます。竜「インプラントにしてやれ」と心寒くなるお話が続くのですが、誰も止めません。余計なことを言う小道へのいい薬と思っているのかもしれません。自業自得です。
ちなみに竜が頼んでいるのは赤いタコさんウインナーの盛り合わせです。ここにいる登場人物全てのメニューにドラマがあり、ファンには全部のメニューが分かったでしょうけど、まだ「深夜食堂」初心者の自分には、全ては分かりませんでした。積極的に皿の中身を映していませんでしたし。
範子は、また別の日に来た時は、「喪服着ていると寄ってくる男性はバカだな…って思っていたけど、着てない私は一体なんなの? マスターは普段着の自分と作務衣着てる自分のどっちが本当の自分かな、って考えたりします?」マスター「そんなこと考えたことないな」 それなりに闇は深いようです。
嘘から出た誠
翌朝、出勤すると赤塚範子は、担当作家から編集をはずされていました。「初版本が売れて今が大事な時ですから、編集を交代するなんてありえません」と抗議するのですが、上司は聞き耳持ちません。そこで、新編集になった後輩を呼び出します。しかし彼の言い分はこうでした。「これ、僕が話したって言わないでください。あの新人作家、何を勘違いしたのか、赤塚さんが、アレコレ口出してきて、うるさいって言って、編集替えてくれないと、他で書くって言いだしたんです。絶対、内緒にしてくださいよ。」範子は、呆然と立ち尽くします。そして夜になると、再び喪服で出かけるのです。
範子の担当している作家は、別に1人だけではありません。だから、次の日はベテラン作家のご機嫌伺いを兼ねて、和菓子持参で乗り込みます。如何にも文豪らしく、和風の豪邸に住んでいます。扉は、引き戸ですので、勝手に開きます。廊下を歩き、障子をあけ、襖の奥のベテラン作家の部屋に入って行って、しばらくすると、小走りに出てきます。作家が亡くなっていたのです。自宅で亡くなったので、医師だけでなく警察にも通報しなければいけません。当然、会社や親族にも連絡が必要になります。その夜にお通夜が開かれました。範子は疲れた顔で受付をしていました。
そこに、石田という男がやってきます。範子が朝、亡き作家にお土産に持ってきた和菓子をご霊前に供えてくれというので、もしやと思い聞くと、以前、担当していた編集だったそうです。そこで2人は意気投合し、深夜食堂にやってきました。忠さんたちは「今日は本当にお通夜帰りなんだ」とか言っています。範子は石田の分も焼肉定食を注文します。小道は「何か、あの男、怪しくないですか? 通夜で、喪服美人に近づくなんて」 金本がツッコみます。「通夜じゃなくても喪服姿の女性を口説こうとしていたお前と一緒にするなよ。元同僚みたいだし、お似合いじゃないか。」小道「やはり、範子さんの喪服姿に惚れたんですか?」 金本「バカ、お前何言ってる。スイマセンね。こいつバカで」
範子は、石田が独立して、地方でスイーツの専門雑誌を出版しているという話を聞いて「羨ましい」というのです。それに対して、石田は「やはり自分を持っているようでよかった。」 範子「え?」 石田「赤塚さんなら、きっと自分の望んだ仕事ができるようになりますよ」 マスターの語りが入ります。「その日以来、範子ちゃんは喪服での夜歩きをやめて、店には来なくなったんんだ」
翌日からの範子は、以前より丸くなり、人当たりも柔らかくなります。メアドも交換したみたいで、石田からのメールは2枚組の写真で、1枚目は仙台の伊達政宗の銅像前で、2枚目は変顔でした。紀子はプッと吹きだします。そこに、上司に呼び出されます。別室で待っていたのは、中年の男と若い女の2人組でした。範子「警察? 私に、何のご用ですか?」夏木「赤塚さんは先日のお通夜で、石田という男性とお知り合いになられて、お付き合いなされているとか」
提示された写真にに写っているのは、確かに石田の写真でした。範子「はい」 そこに年老いたベテラン刑事の野口が乗り出してきました。「この男、実は香典泥棒なんだよ。」 範子「え?」 野口「こいつの性癖なのか、受付の女性にちょっかい出して…」 と話し出すと、写真を放り出して、笑いながら、退出してしまいました。最後の方は泣いていたかもしれません。夏木は、同じ女性として、穏便に話を勧めようしてたいみたいで、「野口さん、もうだから言ったじゃないですか」 野口は気まずそうに言います。「俺のせいかよ」
石田役を演じた佐藤浩市さんは普段怖い役や、気難しい役が多いので、珍しい役をしてるなと思っていたら、やはり裏がありましたw
捨てる神あれば
その晩、範子は再び喪服を来てネオン街を徘徊していました。でも「めしや」の入口まで来ても入れそうにありません。そこで、悄然として立っていると、馴れ馴れしい酔っ払いが話しかけてきました。「僕もね。最近、連れ合いをなくしてね、お姉さんの気持ち分かるよ。こーゆー時は飲んだ方がいい。僕、いいとこ知ってるんだけど、そこで飲まない。一晩だって付き合っちゃうよ」 範子がキッと睨むので、酔っ払いは怯みます。「いや、嫌だったらいいんだ」しかし違いました。「そこ、連れて行ってもらっていいですか?」 酔っ払い「おう、任しておいてよ」
しばらくしてマスターが交番に呼ばれました。交番は「めしや」を西に出て角を曲がったところにあります。小暮「ああ、マスターよかった。こちらの女性が、男性に振られた腹いせに、知らない男性について行っちゃって、ラブホテル前で、入る入らないで大立ち回りしていたものですから、こちらで話をうかがっていたら、マスターを身元引受人に呼んでください…というものですから」 範子「マスター、あの人、香典泥棒だったの」といって、泣きだします。マスターも小暮も、どうすることもできません。そして、さらに追い打ちはかかります。範子の携帯に連絡がかかってきました。「え、おじいちゃんが?」 紀子は祖父の葬儀のために東北の実家に帰ることになりました。
また何日か経って、忠さん達が話していました。「こう言っちゃ何だけど、きっとバチが当たったんだよ。」小道「ですよね、亡くなった人を弔うために着る喪服をストレス発散のために使っちゃいけないよな」 金本「お前の手の平返し、いっそ、すがすがしいわ。」 マリリン「でも私は分かるかな。女だって、チヤホヤされてると、必要とされてるって思うもの。私なんて人気商売だから、人気になくなると終わりだからね」忠さん「俺はどこまでもマリリンについてくよ」
すると範子がスキンヘッドのスーツ姿の男性と入ってきました。「私達、結婚したんです」一同「「「「えええええ」」」」小平「やはり喪服姿に惚れたんですか?」 範子「やーねー。この人、お坊さん」 旦那「そうです。私、坊主、坊さんです。範子さんを見ていると、なくしたはずの煩悩がムクムクと」 範子「おじいちゃんの式で、目が会った時、これだってね。マスター、いつものアレ2人前。」 マスター「あいよ」 忠さん「それじゃ、範子ちゃん、東北帰っちゃうのかい?寂しくなるねー。」 範子「いいや帰らないわよ」 旦那「範子は好きなことをしている時が一番輝いていますから」
その頃、新宿署では、石田が捕まっていました。夏木と町田の間に囲まれて歩いているのですが、石田は町田の髪の毛をやたら気にしています。臭いをスンスンと嗅いでいます。「あなた、耳裏とか首回り洗っていますか? 少し臭いますよ」町田「うるさい。ほっとけ」 夏木「アンタはいい匂いするけど、性根が腐っているわ。ほら、さっさと歩く」
文章だけで書くと、吉本新喜劇のような展開ですが、役者さんが演じるとホロっとさせられたりするのです。
続・深夜食堂のネタバレあらすじ:第二話「焼うどん」
17回忌
ここからは2話目に当たる「焼うどん」というお話になっていきます。無愛想な白衣に帽子をかぶった店員が50ccのバイクで出前に出かけて行きます。後で分かりますが、蕎麦屋「そば清」の店員のようです。そして、「めしや」にまた喪服のお客がやってきます。忠さん「お葬式帰りかい?」 聖子「あ、これは違うのよ」 マスター「旦那さん、何回忌だっけ?」聖子「17回忌よ。やっと一段落ついったって感じね。」忠さん「清坊、どうだい? こないだ、配達してるのを見たよ」 聖子「清太? あの子はダメダメ。何かあったら、すぐピンポン、ピンポンって言ってね」
その頃、聖子の息子の清太は、卓球場で、卓球台を掃除している店員相手に話していました。先ほど無愛想に出前をしていた店員のことです。「なー、バイト雇ってない?」 店員「バイト、誰が?」 清太「俺がここに」 店員「やめとけ。やめとけ。おまえんち、実家だろ。しっかり蕎麦屋の後を継げよ。」店員は、卓球台の上に座っている清太が邪魔でのくようにアゴで、クイっと「のけ」と合図し、清太がのくと、今拭いたばかりの卓球台の上に座るのです。
その晩、聖子は、「めしや」で、年下の男性と結婚しようとしている女性さおりと知り合います。元は、常連客のサヤが、ピンポン帰りにさおりを連れてきたのです。サヤは普段、唐揚げとハイボールを注文する眠り姫というあだ名がついているのですが、今回は、夏ということもあり、ビールと枝豆を注文するのです。そして、聖子は、2人の話を聞いてるうちに、さおりの年の差婚を応援したくなったのです。
また次の晩、清太がやってきて、焼うどんを注文しました。そこで、マスター相手に愚痴をこぼしていました。それを聞き咎めたゲンは「手」と言いだします。清太は訳が分からず「え?」と聞き返します。ゲン「手だしなよ。早く」 漸く合点の言った清太は手を見せますが、ゲンは見るなり、「なまっちろい手だな。苦労が足りないんじゃねーの」と言います。紅しょうがのてんぷらを食べていた、かすみも同調します。
マスター「お父さん亡くなったの何歳の時だっけ?」 清太「8歳です。大きな背中だったな。」 ゲン「ハッ、うちなんか、両親ともに、それぞれが相手作って蒸発よ。幸せ独り占めじゃねーか。キャッチボールはしたのか」清太「はい」ゲン「その親父さんと比べたら、お前さんが頼りないって思われても仕方ないって」
そこに聖子がやってきました。「マスター、一杯ちょうだい。あら? まーまー、この子ったら、焼うどん食べてるよ」清太「蕎麦屋が、焼うどん食っちゃ悪いのか?」 聖子「はいはい、蕎麦屋でも焼うどん食べていいですよ」清太「マスター、おあいそ」 聖子「いいわよ。どうせ、せびるんだし、ここは母さんが払っておくわよ」
翌日、足を折った祖母の見舞いに清太が言ってる後に、聖子が来たので、清太は帰ります。聖子「おばあちゃん、清太にお小遣い渡してないでしょうね」 祖母「渡してなんかないよ。全く、いつになったら子離れできるのやら。」聖子「それを言うなら、親離れでしょう」
清太は、聖子が酔っぱらって帰ってくるまで待っていました。聖子「水」 清太「はいよ。なー、母さん、話がある」聖子「お小遣いならダメよ。」 清太「俺結婚したい人がいるんだ」 聖子「はー、アンタが、ハハハ、無理無理。母さんは反対。この話は終わり。私は寝る。」
子の心、親不知
清太は、さおりの昼ご飯を配達していました。さおりは、フォークリフトが稼働する工場の事務員のようです。清太が帰ろうとすると、さおりが出てきて、喫煙し始めます。清太「母さんに話した」 さおり「で、どうだった?」清太「鼻で笑って、話も聞いてくれなかった」 さおり「清くん、やっぱり無理だよ」 清太「何とかする。毎度」そう言って、配達用の50ccバイクに乗って帰って行きます。
そば清に帰ると、聖子「遅いよ。清太、何やってるの? 次は△△さんとこね」と言われ、また配達に出かけます。
その晩、さおりと聖子が「めしや」で談笑しているところに、清太が入ってきました。2人とも緊張していますが、聖子だけが気づかずに話し続けています。「マスター、この子、焼うどんね。さおりちゃん、聞いてよ。この子、焼うどん食べるのよ」などなど。そして、聖子が冗談交じりに、「清太、さおりちゃんと結婚しなさい」と言ったのですが、清太は承諾します。「そうだよ、母さん。俺、この人と結婚する。」
さおりは、まだ冗談と思っています。聖子「全く、この子は変な冗談いうから、空気がおかしくなったじゃない」そして聖子は漸く、空気が読めてなかったのは、自分だったと言うことに気づきます。聖子「マスター、水」一気に飲み干して、勘定も払わずに帰ってしまいました。(清太とさおりが払ったのでしょう。)
清太が家に帰ると、聖子は早速、反対します。聖子「15歳も年上なんてダメ。こないだ、おばあちゃんのトコに結婚の相談に言ってたこと、母さん、ちゃんと知ってるんだからね。」 清太「何でだよ。母さんだって、さおりを気に入ったんだろ?」 聖子「確かに、さおりちゃんは、いい子よ。でも考えても見なさいよ。アンタが45歳の時に、さおりちゃんは60歳。還暦よ。アンタが男盛りの時に、赤いチャンチャンコ着てるのよ。」清太「母さんは、俺が他の女に取られたくないだけだろ」 聖子「何、バカなこと言ってるんだよ」そういって、聖子は、そそくさと寝てしまうのです。
清太とさおりは、卓球場で話していました。2人の馴れ初めは、冬、公園でさおりが煙草を吸っていた時、清太が配達帰りに「いつも、器、綺麗に洗ってくださって、ありがとうございます」と話しかけたことでした。さおり「ああ、大した手間じゃないからね」とそっけなく返すも、清太はまだ会話を続けます。「あの、よかったらこれ」 差し出したのは胃腸薬でした。さおり「何これ?」 清太「以前は、丼を頼んでいたのに、最近は蕎麦が多いから、具合が悪いのかと思って」 さおり「気持ち悪い」 清太「すいません。それじゃお大事に。毎度!」
回想終わって、さおり「あの時、丁度落ち込んでいたから、嬉しかったな」 清太「いざとなったら、家を出て2人で暮らそう。俺、頑張るよ」 さおり「清くん、お母さん置いていける? 無理でしょ。それが出来る清くんなら、私、最初から好きになってない。やっぱり、無理だよ。15歳の年の差は」
この年齢差、さおり役の小島聖さんがお若く見えるので、そんな風には見えないのですけど、池松さんが1996年生まれで、小島さんが1976年生まれなので、実際に演じている2人は、20歳差だったりします。その頃、めし屋ではマスターが、聖子に蕎麦をふるまおうとしていました。「聖子さん、これ食べてみてくれないかな」聖子は言われるままに食べますが、「何これ、まずい。ボソボソ」 マスター「それ、清太君が打ったんだ。2カ月前にお婆さんから打ち方ならって、近くの蕎麦屋で修行してるんだってさ。」 聖子は「ますい」と言いながらも食べ続けます。
そして、「あの子さ。あの人と年々似てくるの。内弁慶で、それでいて、寝ると可愛いの。さおりちゃんも、清太のそういうところを好きになったのかね?」
その頃、「めしや」の前で、清太とさおりの2人が手をつないで入るかどうか迷っていました。清太「母さん、いるかな」さおり「いるかもしれないわね」 すると、後ろで屋台を出しているゲンが風鈴を指でつついて鳴らします。「チリーン。2人とも、この音色のように生きなよ」 意を決した2人が「めしや」に入って行くところで、この話は終わります。どうなったかは言わずもがな…ということなのでしょう。
ゲンが出している屋台は年中色々な物を出しています。線香花火やロケット花火をしていたり、雨が降り出すと、透明のビニールシートをかけようとして、相方の屋台のおじさんと、しょっちゅう喧嘩をしています。
そういえば、聖子が、マスターの出した、かまぼこを褒めるシーンがあるのですが、マスターが作ってるのでしょうか? 後、この回では、さんまを焼いたり、一つ前の回では、明太子を焼いたりもしてます。
続・深夜食堂のネタバレあらすじ:第三話「豚汁定食」
月命日
さて、最後の「豚汁定食」です。見事に、どの話も冒頭は法事絡みのエピソードから始まります。この話だけは原作にないようで、映画オリジナルの話です。なので、前作の映画のゲストキャラクターの2人からスタートします。
みちると千恵子が和装の喪服で赤い欄干の橋を歩いています。千恵子「もう、来月は月命日はしなくていいわ」みちる「はい」 一瞬、佃橋の方かと思いますが(「3月のライオン」の舞台。)、新宿にも中野新橋駅周辺に赤い欄干の橋があり、新宿高層ビルも見えるそうなので、そこのようです。また、新宿のとあるホテルの庭園にも赤い欄干の橋があるようです。
みちるは前作の映画では、「とろろご飯」という話で登場し、無銭飲食が縁で、「めしや」で住みこむことになり、そして、最後に千恵子が女将として切り盛りする「ほおずき」の料理人として働くようになっていたのです。
一方で、東京駅では、お婆さんが福岡・博多から上京してきたようです。そして、不慣れな携帯電話で会話した後、夜遅く、寒風吹きすさぶ橋の袂で、うさんくさそうな男に封筒を渡すのです。「息子がお世話になっています」と話しかけても、男は、「ああ、息子さん、元気です。元気です。それで200万円は?」とか、明らかに金の話しかしていません。そして、あっという間にいなくなってしまいました。でも、お婆さんは「これでよかった」というのです。
お婆さんはタクシーに乗りました。晴美のタクシーです。「運転手さん、博多行きの新幹線、まだありますかね?」晴美「えーと、博多行きの最終は18時50分なので、今日はもう無理ですね。あ、でも飛行機なら20時発のがありますので、羽田空港に行きましょうか?」 婆「いえ、飛行機は苦手なので、今日は泊まることにします」晴美「今日、来られたんですか?」 婆「ええ、朝、博多について昼について、さっき漸く渡し終えました」
晴美は、話を聞いてるうちに、おかしいと思ったので、よもぎ町交番の前に駐車します。そして、小暮は質問をします。「すると、その息子さんの同僚という方に200万円を渡したんですね」 お婆さんは小川夕起子というようです。夕起子「へー、それは爽やかな風が吹いたように、さぁーといなくなってしまいました」 小暮「爽やかな風…と。電話がかかってきた時の息子さんの声はどうでしたか?」 美沙子「それは野獣のような声で、うわんうわんと」小暮「野・獣…と」
晴美「どうですか?」 小暮「うん、これは被害届を出してもらうことになると思うから、ご家族の方と連絡をした方がいいみたい。木内さん、通報ご苦労様でした。」 晴美も心配でしたが、本業のタクシー業務にに戻ります。夕起子「あの、息子の方には私の方から連絡しておきますので」 小暮「そうですか。それでは、渡辺さんの連絡先だけ」
そして、小暮は美沙子を連れて「めしや」にやってきました。忠さん「よう、お巡りさん、サボリ?」 小暮「幾ら、僕だって、制服を着て、さぼったりはしません。こちらの小川夕起子さん、朝から何も食べてないみたいなので、マスター何か食べさせてあげてください。経費から出ますので、何でも言ってください。マスターが作ってくれますので」
マスター「何食べたい。何でも作るよ」 美沙子「それじゃ、豚汁定食で」 メニューに書いてあるのが、それだけなので、美沙子がそう注文したと思った、小暮とマスターは、他のメニューも進めますが、美沙子は折れません。そして半日ぶりの食事を「あたたかー」といって食べるのです。その最中に何度か、天井で物音がしました。
オレオレ、キテキテ
実は、「めしや」の2階では町田刑事と夏木刑事が、スナック「深爪」付近にあるレンガ作りの事務所の張り込みをしているのです。どうやら詐欺グループのアジトのようです。町田「なんだ、その浮かれた格好は」 夏木「これでも、友人の結婚式から駆けつけてきたんですよ。」町田「非番は休みでなく、自宅待機だ」 夏木はノートパソコンで、監視カメラの映像を拾っていたのですが、窓際から見張っている町田の方にやってきます。町田が鼻をスンスンして、「何だ?」と聞くので夏木「カルヴェンのマ グリフですよ。グレース・ケリーのつけていた(香水)。」 町田「どうでもいい」
グレース・ケリーはハリウッド女優からモナコ王妃に登り詰め、モナコをフランスのシャルル・ドゴール大統領から守った人でもありますが、ダイアナ妃のように謎の事故死をしています。夏木刑事、いいのか?(「グレース・オブ・モナコ」はあまりのフィクションに作りすぎて、モナコ王族が出席拒否するほど大激怒したとか。)
どうやら夏木は、見張っている事務所の入り口が見えにくいので、試行錯誤しているようで、とうとう2階の換気扇を外し始めます。その音が階下では鼠がいるように言われて、マスターはいい迷惑です。確かに、「めしや」の建物も年期は入ってるのですが。
その階下では、夕起子に何が起こったかで客たちが話し合っていました。お茶漬けシスターズのミキ・ルミ・カナが「それはキテキテ詐欺よ」「あれ? オレオレ詐欺じゃないの?」 「事故っちゃった。母さんキテキテだからキテキテ詐欺よ」しかし、それを当人の前で言うのは正直、褒められません。結局、小暮と3人が夕起子をカプセルホテルに案内します。夕起子はお礼を払おうとしたので、3人は受け取ろうとして、ハッと我に返り、辞退するのでした。夕起子は「まるで棺桶の中に入ってるみたい」と言いながら、長い一日を終えるのです。
一方、店では、みちると千恵子が怒っていました。みちる「マスター、私の時は、留めてくれたのに。今日だって、開いてるんでしょ?」マスターは、町田刑事に頭が上がらないらしく、そして守秘義務でもある為、何も言えません。そこで小平がまた余計なことを言います。「だって、マスターも男だもん。みちるちゃんは若いしさ」
みちる「マスター、最低です」 みちるは怒って帰ってしまいました。千恵子「みちるちゃん、新潟のお婆ちゃんのことでも思い出しちゃったのかね?」 小平や金本も帰り、千恵子だけが残り言います。「マスター、私も漂いたい」マスター、そわそわして言います。「今日、いい日本酒が入ったんだ。飲むかい。飲みたいだろ? 飲まないな。飲みたくないか。そうか」 千恵子「飲むわよ。本当、煮えきらない人」
ちなみに、「めしや」の漬物は、千恵子の経営する「ほおずき」の糠床から提供されたヌカで作られています。
認知症?
翌晩から、みちるの部屋で夕起子は寝泊りするようになります。みちるは寝袋で寝て、夕起子は、みちるに貸してもらった若い女性向けのパジャマ(ピンクで、幾つものキャラクター物の犬がプリントされたもの)で寝ます。枕カバーを変えようとするみちるの手を止めて、「乳臭い。いい臭いバイ」とか言っています。みちるも枕に顔をうずめ、「でも、よだれ臭い」夕起子「隠し味バイ」 と言ったので、2人で笑います。
翌日、みちるは、夕起子が宿泊代替わりと誘われて、お座敷船で天ぷらを食べていました。「これも東京湾でとれたんか」とか言って、健康そうに食べています。みちるは心配して聞きます。「それで息子さんと連絡はついたんですか?」「来ないバイ」 電話番号や住所を聞いても「忘れた」というのです。そこで、みちるは小暮に相談します。
小暮「認知症?」 みちる「はい。息子さんの電話番号や住所を聞いても”知らない、忘れた”というので、心配になって。」小暮「でも、言いたくないのかもしれませんし」 かすみもいいます。「警官は税金の分、納税者のために働きなさい」小暮「分かりました。警察学校の同期に福岡県警の刑事がいますので、明日連絡…分かりました。今すぐかけます」
珍しく、マスターが、店ではなく、繁華街を自転車で走っています。買い物かごからネギが見えています。買い出しでしょうか? 「めしや」の2階では、夏木が買い出しに行こうとしていました。「私、コンビニ弁当階に行こうと思うんですけど、野口さん、何がいいです?」 野口「いいんだ、いいんだ。今日は、弁当買わなくて」すると、マスターが入ってきました。すき焼き鍋の準備をして。野口「昔、世話した暴れん坊が更生して、イイ肉を持ってきてくれる。これせこそ、いい世の中だ」(マスターの方が野口刑事より年とっているように見えるのですが)
そして、夏木刑事が張り込みをしている事務所に入って行く男に気づきます。ズームアップすると、観客だけが知っている夕起子から200万円をだましとった男です。夏木「この男、張り込みを初めて、あそこに入るの3回目ですね」町田「マークしておけ。」
しばらくすると、小暮がトラテープの前で、マスコミが入らないように交通整理しています。「はい、カメラは凶器です。そちら、今シャッター切った? ダメですよ」 そして、逮捕されていく男たちの中には、先ほどの男がいました。
翌日、男の自供により、夕起子の被害届は受理されました。小暮「でも、お金は帰ってくるかは分かりません」それを聞いてるのは、小川哲郎さんという夕起子の義弟でした。哲郎「姉は認知症ではないです。忘れられないんです。私、実は義姉の弟ではなくて、義姉と一緒に駆け落ちした…」 小暮「ああ、義理の弟さん」 哲郎「そうです。」
「姉は、息子の和樹君(あってるか不明)を東京に置いて、駆け落ちしたことを深く公開しておって、こんなに追い詰めちょったとは。実は和樹君の住所も知っております。去年、姉の前夫が亡くなりまして、その時に知らせてきていました。そして、その時に和樹くんが、何年も会ってないし、もう縁は切れてると思っていると言って、伝えてなかったんです」と話すだけ話して、夕起子を迎えに行きました。そして、小暮はマスターに報告に行きます。マスターは言います。「どうだろう。いっそ、2人を会わせてみないかい?」 哲郎は、その晩、夕起子と洒落た高級レストランで食事をしました。そして、今晩は、お世話になった人にお礼参りをして、明日の昼の新幹線で帰ることになりました。
高級自転車
最後の晩、夕起子に、みちるは「スイマセン。認知症と勘違いして、余計なことしちゃって」というと、夕起子も「みちるちゃんには、ちゃんと話しておこうと思って、話しそびれちゃって」といって、お礼を渡そうとします。でも、みちるも渡し返します。「おすそわけです。私がマスターに、よくしてもらったように、私も誰かが困っていたら同じことしてあげられたらなって。夕起子さんのお役にたててよかったです。あ、そうだ。これ栗ようかん。店で作ってきたんです。これも、お土産です」夕起子「こげな凄かもん、みちるちゃん、ホンマにありがと、バッテン。」
翌朝、夕起子は、「めしや」をお礼を言うために訪ねてきました。そしてマスターは言います。「今度こそ、食べたいものを言ってください」でも夕起子が頼んだものは「豚汁定食」でした。マスター「いいんですか?」夕起子「実は和樹が、豚汁が大好きで、あの日以来、長いこと食べてなくて、あの日は半日何も食べてなくて、このお店で、豚汁定食というメニューを見て、運命と思って食べたとです。美味しかった」
マスター「そうですか。こんなに褒めてもらったのは、久しぶりです。」 夕起子「だって、自慢のメニューだから書いているんでしょ?」 マスター「ええ、生まれて初めて作って、褒められた料理ですので」夕起子が食べ終えて、お礼をもう一度言って出て行こうとした時でした。マスター「会っていきませんか?」
外には、晴美のタクシーが待っていました。それを先導するのは小暮の自転車です。小暮は一軒のお宅のチャイムを鳴らしました。小暮「スイマセン。警察です。少しお尋ねしたいことがあるのですが」 和樹「いいですよ」しばらくすると、男性が出てきました。それをタクシーの中から、夕起子は見ています。
小暮「窃盗犯を追っていたのですが、相手が高級自転車でして、そこで、こちらの方まで来てしまって、気づいたら、ここは、どこでしょう? ということになってしまって」 和樹「地図あったかな? おーい」 奥さんが出てきました。さらに、子供が自転車に出かけようとしますが、小暮がタイヤに空気が入っていないことに気づき、空気を入れている間に、和樹は子供の脇腹をくすぐっています。そして、奥さんは、子供がサイフを忘れていることに気づき、リュックの中に入れています。
夕起子「あらあら、お父さん面して何してるんだい。あの子は。十分みせていただきました。運転手さん、もういいです」タクシーが走り出します。小暮もその音に気づき、下り坂を自転車で走って行きます。
年始め
大晦日にマスターは墓参りに来ていました。周りはビル街で、特徴あるビルなので、場所の特定も出来るかもしれません。マスターは、墓石を磨きながら「こないだのお客さん、親父さんが褒めてくれた豚汁、美味しいと言って食べてくれました。これからも「めしや」を見守ってください」 最後に線香を供えて、拝みます。
年明けなので、お茶漬けシスターズは、晴れ着です。外では、突きのこした除夜の鐘が鳴り響いています。外では、ゲンが、かすみとしめ縄を売っています。みちるは、おせち料理のお重の差し入れをすると同時に、厨房に入ってきて言います。「マスター、お稲荷さん」マスター「あ、忘れてた」。稲荷神社は、店の対岸の角にあります。マスターはみちると油揚げを捧げて二拝ニ拍手一拝で、祈ります。雪が降ってきました
よもぎ町交番前では、小暮がふと交番の外を見ると、中華料理屋の配達の女の子が頭と肩に雪を積もらせて震えて立っていました。「ちょっと、何してんの? いいから入りなさい」 実は、劇中でも、炒飯のメガ盛りに蓮華を2つつけて一緒に食べようとしたり、夕起子が交番に来た時も居たりはしたのですが、喋らないので、描写を省略していました。
小暮役のオダギリジョーさんが、こーゆー役をするのは16年前の「仮面ライダークウガ」以来の気もするので、「お帰りなさい、五代雄介」という気持ちで見ていました。b(サムズアップ!) ちょっと、警帽が通常の男性警官の物ではなくて、婦警のものっぽい? あるいは軍帽タイプというか。
そしてエンディングです。「深夜食堂」のテーマ曲である「思ひ出」(鈴木常吉)が流れ始めます。
♪君が吐いた白い息が 今ゆっくり風に乗って
♪空に浮かぶ雲の中に 少しずつ消えてゆく
「1日が終わり、人々が家路を急ぐ頃、俺の一日は始まる。営業時間は夜12時から朝7時くらいまで。人は『深夜食堂』って言ってるよ。メニューはこれだけ。後は勝手に説明してくれりゃ、出来るものなら作るよ…って言うのが、俺の営業方針さ。客が来るかって? それが結構来るんだよ。」
再び、人々が集うまで「深夜食堂」は、閉店です。よいお年を…と言いたくなる終わり方でした。
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