土竜(モグラ)の唄 潜入捜査官 REIJIの紹介:2014年日本映画。この作品は、高橋のぼるの人気漫画『土竜の唄』を原作に、三池崇史が監督を、『木更津キャッツアイ』(2002年)、『舞妓Haaaan!!!』(2007年)などを手がけた宮藤官九郎が脚本を担当した実写映画。正義感だけを見込まれたて交番勤務の警察官が、ある広域暴力団の会長を逮捕するため、モグラ(潜入捜査官)としてヤクザ組織に送り込まれ奮闘する姿をコミカルに描いたコメディ・アクション映画です。
監督:三池崇史 出演:生田斗真(菊川玲二)、仲里依紗(若木純奈)、山田孝之(月原旬)、上地雄輔(黒河剣太)、斉木しげる(舘晶)、ほか
映画「土竜の唄 潜入捜査官 REIJI」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「土竜の唄 潜入捜査官 REIJI」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
土竜の唄 潜入捜査官 REIJIの予告編 動画
映画「土竜の唄 潜入捜査官 REIJI」解説
この解説記事には映画「土竜の唄 潜入捜査官 REIJI」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
土竜の唄 潜入捜査官 REIJIのネタバレあらすじ:1.プロローグ:「土竜(もぐら)」任務を命じられた菊川玲二
菊川玲二は警察学校創設史上最低の成績で卒業後、東京都・谷袋警察署交番に5年間巡査として勤務していました。しかし、ある日突然、玲二は、警察署長・酒見路夫に「クビ」と言われました。原因は、近隣住民とのトラブル・不祥事多数、そして、ある善良なる市民に銃を向けたことでした。しかし、その善良な市民とはスーパーの店長で「万引き少女を捕まえては変態ブタ野郎」でした。正義感だけは強い玲二は憤り、「人間腐敗罪でぶち殺すぞ!」とその変態男に銃で脅したのでした。ただ、その男は市会議員の吉岡だったのでした。酒見署長はそんな玲二を懲戒免職にし、「潜入捜査官」という極秘任務を命じました。「潜入捜査官」の任務は、悪の犯罪組織に密かに潜入し、ターゲットとなる人物を摘発する任務でした。潜入捜査という地下に潜り捜査することから、通称「土竜(モグラ)」と呼ばれていました。
土竜の唄 潜入捜査官 REIJIのネタバレあらすじ:2.テスト
玲二の任務は、殺人・ヤク(クスリ)・人身売買など悪行の限りをつくすヤクザ組織「数寄矢会」に潜り込み、その組長・轟周宝を検挙するための証拠をつかむことでした。玲二のやる気に火がつきました。しかし、その数寄矢会には、轟周宝を筆頭に、日浦匡也、月原旬、阿湖正義といった錚々たるヤクザ者たちがいました。玲二は、まず既に潜り込んでいる上司「“モッコリーナ”のかずみ」に会いに行きました。風俗店「モッコリーナ」に行った玲二は、かずみを指名しました。シャワーを浴びていると黒のサングラスをかけた男がいきなり入って来て、玲二をスタンガンで気絶させました。気がついた玲二は、フルチンでそのグラサン男が運転する車のボンネットに縛り付けられ、街を爆走させられていました。フルチンではありましたが、股間部分は風圧でチラシが張り付き、隠れていました。その姿を偶然、巡回していた玲二の恋人で婦人警官の若木純奈は目撃しました。純奈は玲二がクビになったことを知り、心配しました。玲二はグラサン男に「おめえ、察の犬か?」と尋問され、最初は否定しましたが、ついにゲロしてしまいました。「俺がヤクザだったら殺されてるぞ」と言い、グラサン男は玲二に正体をばらしました。その男は玲二の専属養成係・赤桐一美という男でした。赤桐は意識朦朧としている玲二を車ごと洗車コーナーに入れ、目を覚まさせました。目が覚めた玲二は怒り心頭し、赤桐を「人間侮辱罪で死刑だ!こら!」などと大声で罵倒しました。ナキを入れない玲二を見た赤桐は「合格だ」と告げました。これは潜入捜査官へのテストでした。赤桐は玲二に希望を抱きました。玲二も根性を決めました。赤桐は「いよいよ本番だ。うまく潜れよ」と言い、近くの「黒檜組」というヤクザのアジトに、フルチン玲二を車に縛り付けたまま、突入させました。玲二はヤクザたちに捕らえられました。潜入するため「舎弟になりたくて、車で突っ込んだ」と組長に嘘を言った玲二は、組長から「警察の犬・日高を殺せ」と銃を渡されました。日高は組長からビール瓶で頭を殴られ、血だらけになり倒れました。入れ墨姿の日高を見た玲二は、彼が警察学校で優秀な同期生であったことを思い出しました。日高は玲二に「殺さないでくれ」と懇願しました。葛藤の末、玲二は組長を殴り、銃を組長に向け、組長を人質に取り、日高を連れ逃げようとしました。すると、日高は「合格」と呟きました。そこに酒見と赤桐が入って来ました。これもテストだったのです。組長役は、厚生労働省麻薬取締役(通称「麻取」)の課長・福澄独歩という男でした。
土竜の唄 潜入捜査官 REIJIのネタバレあらすじ:3.「土竜の唄」
最終テストに合格した玲二に、立ち上がった日高は「自分の命惜しさに、警察官を撃つような奴は一度は生き抜いても、直ぐに抹殺される」と言いました。麻取用のヒョウ柄のスーツを渡され、「ここにただの男としての最強の潜入捜査官が誕生した。お前は“スーパーエリート土竜”だ」と玲二は言われました。餞に玲二は「土竜の唄」を贈られました。
♪(も、も、も・ぐ・ら!も、も、も・ぐ・ら!)
土竜の掟を、今から言うよ
(押忍! 押忍! 押忍!)
土竜の掟を、みんなで言うよ
(押忍! 押忍! 押忍!)
(ひとつ!)拷問されても、身分を明かすな~!
(押忍!)
(ひとつ!)女のフェロモン、ご用心~!
(押忍!)
(ひとつ!)甘い言葉、それは罠~!
(押忍!)
(ひとつ!)根性決めれば、怖くない~!
(押忍!)
悪のデパート「数寄矢会」~トップは轟周宝だ~!
挙げろ!潜れ、潜って、挙げろ!
もぐら!もぐら!土竜の唄だよ~!
(2番はないよ~!)
(押忍!)
土竜の唄 潜入捜査官 REIJIのネタバレあらすじ:4.玲二、潜る!「クレイジー・パピヨン」日浦と義兄弟に!
玲二はまず、数寄矢会直参・阿湖義組が経営する闇カジノに乗り込みました。ヤクザに会い派手に男気を見せようと意気込む玲二は、ルーレットで見え見えのイカサマをし、「指をつめろ!」と命じられました。ここぞとばかりに玲二は、コンドームに血糊を入れ、指に見立てた物を出し、それで手を短刀で突き刺したように見せかけました。下っ端のチンピラはそれで騙せましたが、その上の蛇嶋悟には通用しませんでした。蛇嶋たちに玲二は睾丸ショットで半殺しにされそうになりますが、玲二は自慢の石頭で、蛇嶋たちをノックアウトしました。すると奥から一人の蝶柄のスーツを着た男が出てきました。その男は蛇嶋の顔を足で思いっきり踏んづけ、彼を起こしました。その男は玲二に「ヤクザってのはよ。おもしろくなくちゃ、いけねえ」と言いました。その男は玲二の頭に銃を突きつけ、携帯電話の純奈からの超セクシーメール「今すぐ連絡くれないと、童貞奪ってあげないからね」を見せ、「お前、察の犬か?…てめえ、なにもんだ?今のとこ、お前の情報、童貞だけ」と聞いてきました。玲二はその男に拷問されました。玲二の脳裡に「土竜の唄」が過ぎりました。潜入捜査に燃えた玲二は、その男に銃で殺されそうになりますが、「つまんねえのは、お前もだよ。俺の方が、ず~と、おもしれえぜ」「あんたも見たこともない蝶を見せてやるよ」と言って立ち上がり、短刀で自分の腹を突き刺し、「腸を蝶々結びしてホルモン蝶を作ってやる!」と啖呵をきり、「♪蝶~蝶~蝶~蝶~♪」と歌いました。するとその男はそれをイメージし、玲二に「おもしれえよ!…惚れたぜ!兄弟!俺と契りを交わしてくれ」と言ってきました。玲二はその男と互いの腕を切り、その血を飲み、義兄弟になりました。その男は「クレイジー・パピヨン」と呼ばれる数寄矢会・阿湖義組・若頭の日浦匡也でした。玲二は潜りました。
土竜の唄 潜入捜査官 REIJIのネタバレあらすじ:5.蜂乃巣会・血引一家・若頭補佐・猫沢一誠、登場!
潜りに成功した玲二は、バッティングセンターで密かに赤桐と接触、報告しました。赤桐は数寄矢会の資金源と言い、証拠物件の錠剤型合成麻薬MDMAを玲二に渡し、もっと奥まで潜れと言ってきました。ある夜、玲二は日浦と歌舞伎町の「トゥルーラブ」という店に行きました。そこにホステスに扮した純奈が来ました。驚いた玲二は、怒る純奈に自分の任務を知っているのかどうかカマをかけました。純奈は何も知りませんでした。ほっとした玲二は、早速、日浦にクスリの話をしました。すると日浦は玲二に「やったら、極道が外道になる」と言いました。日浦はクスリを嫌っていました。玲二は真剣に言う日浦の言葉を信じました。すると、その時、関西を拠点とする日本最大の暴力団・蜂乃巣会・血引一家の若頭補佐・猫沢一誠が、純奈に乱暴をしようとしていました。怒りに燃えた玲二は猫沢たちに殴り込み、純奈を助けました。猫沢は玲二に喧嘩を吹っかけてきました。猫沢の役目は、関東に進出するための戦争の火種を作ることでした。玲二が先に手を出したことで、猫沢は戦争の火種をつけてしまいましたが、日浦と猫沢はもう喧嘩状態で対峙していました。このままでは戦争が始まると思った玲二は、猫沢を挑発し、彼らと喧嘩を始めました。玲二は始めは劣性に立たされ、目つぶしをくらいました。しかし、玲二は純奈に密かに照明を切らせました。猫沢は金歯の男でした。玲二は真っ暗の中、光る金歯で猫沢の位置を見抜き、猫沢を倒し、退散させました。その様子を見ていた日浦は、この店を今後、阿湖義組の預かりとしました。シノギが増えた日浦は、玲二に「早速、親父に報告する。盃、貰えるよう話を通す」と言いました。日浦について行こうとした玲二に、純奈は玲二を呼び「これって潜入捜…」と言いかけたので、玲二は咄嗟に彼女にキスをし、口封じしました。日浦はその姿を見て、喜びました。純奈は玲二が潜入捜査をしている事に気付きました。
土竜の唄 潜入捜査官 REIJIのネタバレあらすじ:6.玲二、クスリでシノグ若頭補佐・月原旬と相棒に!
玲二は、日浦に連れられて、阿湖義組の組長・阿湖正義と、若頭補佐・月原旬と会いました。日浦は玲二の功績を褒め、阿湖組長に紹介しました。阿湖組長は特性の不老不死ジュースを作り、玲二に勧めました。玲二はこれが盃と思い、不味いが我慢し一気飲みしました。しかし、それは盃ではありませんでした。玲二は持っていたMDMA1錠を床に密かに落としました。それを月原が拾いました。玲二は月原がクロだと読みました。その後、玲二は月原に二人きりの場所に連れて行かれ、月原流の契りの交わし方・ロシアンルーレットで契りを交わしました。玲二は月原と相棒になりました。月原は玲二の読み通りクロでした。月原は「組では御法度だ。俺は組長の命令で動いている。クスリは組長と俺との秘密のシノギだ」と吐露しました。その情報を得た玲二は、密かに携帯電話で赤桐たちに報告しました。酒見、赤桐、日高は月原を泳がせることにしました。酒見は潜り込んだ玲二を褒めました。その時、バイクに乗った全身にヒョウ柄の入れ墨を入れた男・黒河剣太(通称「クロケン」)が、玲二に向かって来ました。玲二はその男に拉致されてしまいました。
土竜の唄 潜入捜査官 REIJIのネタバレあらすじ:7.玲二、猫沢に報復される
玲二は気がつくと、そこには「山切りカットでリニューアル」した金歯の猫沢たちがいました。猫沢は「阿湖義組にお前の首、送りつけて、堂々の戦線布告にゃ!」と言い、前回の報復をしてきました。猫沢の殺しへのリンチが本格的になりかけたとき、彼の携帯電話が鳴りました。それは猫沢の上司・愛光修からでした。愛光は「そいつ、まだ盃受けてへんで。まだ一般人や」と言い、猫沢のリンチを止めさせました。怒り心頭の猫沢は我慢し、玲二を半殺しにしました。その頃、車に乗っていた日浦を、あの黒河が襲って来ました。日浦は黒河と喧嘩し、彼を倒しました。死を覚悟したクロケンは「地獄でたこやき焼いて待っとるで」と、日浦におもしろいことを言いました。それを聞いた日浦は「おもしろい奴は必要だ」と言って、その場を去りました。猫沢に半殺しの目に遭った玲二を、日浦は助けに行き、数奇矢会幹部の館晶、備前幸一郎、築間重樹に玲二を紹介しました。築間は玲二を見て、「こいつの首、差し出して、手打ちにするっていう方法もあるんだが…」と言うと、笑いながら「あいにく、俺は抗争したくてウズウズしてたんだ」と言いました。すると、館が手土産と言い、米軍から払い下げの大量の銃とロケットランチャーを出してきました。
土竜の唄 潜入捜査官 REIJIのネタバレあらすじ:8.玲二、親子盃を受ける決意をする!
いつものバッティングセンターで密かに玲二は、酒見たちに報告しました。玲二が親子盃をもらったら抗争になる状況を悟った酒見たちは、玲二に潜入捜査を終了し、トンヅラするように指示しました。任務半ばで終了することに、玲二は悩みました。悩みながら玲二は、日浦に付いて借金取りに回りました。ある日、日浦は玲二を連れて、セスナ機を飛ばし、青牛島に行きました。そこは佐久野昭夫という日浦をヤクザの世界に導いた男の故郷でした。佐久野はクスリに溺れ、4000万の借金をして姿を消したのでした。日浦は佐久野の姿を見て、クスリを嫌っていました。日浦は彼の両親・弥兵とシズ江から借金を取り立てようと考えていました。しかし、両親の家はボロボロでした。農作業から帰って来た老いた両親に、日浦は「これを両親に渡してくれと。…迷惑ばかりかけて、すまなかった。生活費の足しにしてくれと」と言い、自分の財布から200万という大金を渡し、帰りました。そんな日浦の優しく男気溢れる、かっこいい姿を見て、玲二は感激し、日浦のような男になりたいと強く思いました。「鳥肌立つほど、かっこよく生きてみたい」と玲二は日浦に言いました。そして、玲二は親子盃を受け、深く潜り込み、クスリで轟周宝を検挙しようと決意しました。
土竜の唄 潜入捜査官 REIJIのネタバレあらすじ:9.玲二、親子盃を受ける!
そして、玲二が盃を受ける日が来ました。子分たちが列を成し頭を下げる中、錚々たる親分衆に囲まれ、堂々と式場に闊歩して来た男がいました。その男が数寄矢会四代目会長・轟周宝でした。盃を受ける玲二も最前列で頭を下げていました。轟周宝が前を通り過ぎたとき、玲二は「こいつが潜入捜査の最終目標。その両手に正義のワッパをかけてやる!」と頭の中で呟きました。すると、轟が立ち止まり、玲二を殴り倒し、「てめー、今、この俺に殺気放ちやがったな」と言い、顔を足で踏みつけてきました。玲二が盃を受ける男と知った轟は、玲二に殺気を放った理由を聞いてきました。玲二は轟の足を手で押し外しながら、「あんたを捕まえたいんだ。いつの日か、その背中を捕らえて、越える!そして、究極の男になりてえ!」と意気込み、立ち上がりました。そんな玲二の姿を見た轟は「今時のもんにしちゃ、なかなか気合い入ってるじゃんかよ。昔が懐かしいな」と阿古組長に言いました。傍にいた館は「これからは俺たちが守る。但し、裏切りは許さねえ」と、備前は「盃を飲んだら骨までヤクザだ」と、築間は「裏切ったら骨ごと消えてもらうぜ」と言ってきました。そして、玲二は緊張しながらも、気合いを入れて臨みました。親・阿湖組長と子・菊川玲二の親子盃の儀式が、取持役・日浦、立会役・月原、特別検分役・轟、仕切り役は築間で行われました。緊張でやぶれかぶれになった玲二は、礼に反し、盃を一気に飲み干すと、その盃を「懐深く収めろ」と築間に言われ、いきなり盃を食べ始めました。一同は皆、唖然としました。盃を飲み込み胃に収めた玲二は、親・阿湖組長に「確かに懐深く収めました!盃は俺の血となり骨となりました。立派な子分になります。親分!よろしくお願いします!」と土下座しました。その気迫の入った玲二の姿を見た轟は、「御一統さん、この若者の無礼、許してやってくれ」と言って頭を下げ、「礼儀知らずではあるが、盃と魂が一緒になるのを見た」と言い、親子盃を認めました。晴れて玲二はヤクザの組員になり、最後に「バッチ来い~!」と叫びました。
土竜の唄 潜入捜査官 REIJIのネタバレあらすじ:10.飛べなくなった「パピヨン」日浦
盃を受け、ヤクザになった玲二の命を、猫沢は狙いました。数寄矢会と蜂乃巣会の抗争が始まりました。ある日、玲二が日浦とその子分に守られ街を歩いていると、猫沢たちの急襲に遭いました。猫沢は日浦と玲二が二人になった所を狙い、車の下から銃で玲二の命を狙いました。それに気付いた日浦は玲二を庇い、両脚に銃撃を浴び、さらに手榴弾の爆発を受け、重傷を負いました。玲二は泣きながら、庇って重傷を負った日浦に語りかけました。日浦は玲二に「いつかこんな日が来るのは分かってた。いい種も…悪い種も…てめえが蒔いたものを刈り取るのが人生だ。いい花咲かせろよ。兄弟…。背中の蝶はまだ飛んでるかい?」と虫の息で語りました。玲二は日浦の背中の蝶の入れ墨を見て「かっこよく飛んでるぜ!」と泣きながら言いました。日浦はそれを聞くと、意識を失いました。この事件を契機に、蜂乃巣会は抗争の正当性をアピールするため、全国の系列団体、そして警察に、「菊川玲二は盃を交わす前に、丸腰の蜂乃巣会組員に重傷を負わせた」と怪文書を流しました。玲二はこれで、蜂乃巣会の全国の系列団体と警察からも狙われる存在になってしまいました。一方、日浦は両脚を膝から下を切断され、重傷を負い、入院となりました。日浦ことパピヨンは、もう飛べなくなってしまいました。阿湖組長が見舞いに来て、日浦の落とし前を取ると約束しました。その時、月原が来て、ロシアのマフィアから100万錠のMDMAを買わないかと言う話を、阿湖組長に打診してきました。元々は蜂乃巣会の猫沢の手に渡るはずだったのですが、1錠800円と安値で買い叩こうとしてきたので、こちらに話が回ってきたものでした。阿湖組長は「蜂乃巣会に一矢報いるチャンス。しかも儲けもでかい。一石二鳥だ」と言い、月原を若頭に任命しました。日浦が重態で意識不明なのをいいことに、阿湖と月原は勝手に話を進めました。月原は日浦の姿を見て「傷を負った獣は群れを外れるしかない。それがヤクザの世界だ」と言い、去って行きました。これを聞き、怒り心頭した玲二は、「俺が兄弟の羽になる。死んでも、あの外道どもを挙げてやる!」と決意しました。
土竜の唄 潜入捜査官 REIJIのネタバレあらすじ:11.玲二、童貞卒業!
その夜、命をかけて今度の計画阻止を遂行する意志を固めた玲二は、童貞のまま死にたくないという思いから、純奈の家に忍び込みました。驚く純奈に玲二は任務遂行への決意を話しました。並々ならぬ玲二の熱い気持ちを察し、純奈は玲二に身体を許しました。そして翌朝、純奈は玲二に「これ、お守り。私だと思って」と言い、手製の防弾チョッキを渡しました。月原がMDMAの取り引きをする情報をつかんだ玲二は、屋台のおでん屋に扮した福澄たちに教えました。福澄は、月原逮捕は轟を検挙するために必要不可欠と言いました。それは月原が轟の隠し子だったからでした。玲二は更に詳しい取り引き情報を得るため、ある日、月原に「誰にも言わないから、相棒の俺にだけ教えてくれ」と言い、取引の方法を問いました。月原は玲二に「犬だ」と言い、横浜でドッグフード輸入業をしている自分の知人を使って、ドッグフードの缶の中にMDMAを忍ばせて運ぶと玲二に教えてくれました。玲二は密かにその倉庫に行き、1缶、盗んできました。確かにその中にMDMAは仕込まれていました。玲二は、密かにそれを酒見、赤桐、福澄たちに送り、時間と日時等、聞き出した情報を伝えました。酒見たちは、全部下を投入して、月原たちを、取り引き現場で一網打尽に検挙する作戦を立て、玲二に伝えました。
土竜の唄 潜入捜査官 REIJIのネタバレあらすじ:12.玲二、月原の罠にはまる
作戦を聞いた玲二は、猫沢たちからも、警察からも狙われ、四面楚歌で孤独な戦いを強いられていました。玲二の脳裡に日浦が遺した「いい種も…」という言葉が過ぎり、玲二は覚悟を決めました。その頃、日浦に恩義を感じていたクロケンは、病院からパピヨンこと日浦を奪い、自分の知人の闇医者のもとで治療を受けさせていました。MDMAの取り引き日が来ました。月原の相棒として玲二は、停泊しているロシア船に乗り込みました。そこで玲二は大きな救命胴衣を来た1匹の犬が歩いている姿を目にしました。月原は「ブツが船を離れたら8億6400万振り込む、荷揚げは18時」とロシアのマフィアと交渉を成立させました。酒見、赤桐、福澄らは部下を配置に着かせ、刻々と迫る取り引き時間まで、待ちました。そして、予定の取り引き時間、証拠物件を押さえようと、赤桐は倉庫に入り、荷揚げされたドッグフードを調べましたが、その中にはMDMAは入っていませんでした。連絡を聞いた酒見と福澄は焦りました。その頃、月原は玲二に「がせネタ掴まされて、お前の仲間が焦ってる頃だな」と言いました。月原は玲二が「誰にも言わないから…」と言った言葉で、“察の犬”と見破って、嘘の情報を流したのでした。玲二はまんまと月原の罠にはまっていたのでした。玲二の嘘の情報を信じた赤桐たちがドッグフードの倉庫で困惑していると、大型トラックで猫沢たちが突撃してきました。猫沢たちはそこに月原たちがいると思っていたのですが、赤桐たち・警察がいたので困惑しました。赤桐たち・警察は猫沢たちを検挙しようとしました。猫沢たちはその場から逃げました。港は大騒ぎになりました。
土竜の唄 潜入捜査官 REIJIのネタバレあらすじ:13.「パピヨン」日浦、完全復活!
玲二の前で、月原は着々と取り引きを完了させました。その時、玲二は船で見た犬の姿を思い出しました。本当のブツの荷揚げ方法は、救命胴衣の中にブツを仕込ませた犬を多数泳がせての密輸でした。玲二は本当の密輸方法を悟りました。そこに猫沢たちが襲ってきました。玲二たちは応戦しました。玲二はその最中、ジェスチャーで本当の密輸方法は犬だと知らせようとしました。そして、必死の玲二のジェスチャーは、酒見たちに通じました。赤桐たちは犬が泳ぎ着く場所に向かい、他の警官たちは、玲二共々、月原たちや猫沢たちヤクザ組織を一斉検挙するために、突撃してきました。もう、港は玲二を中心に、ヤクザと警官たちの攻防で大騒動をなっていました。「ブッチ来い~!」と叫ぶ玲二、その時、クロケンがバイクで突入して来ました。クロケンは猫沢に「珍しい蝶々を見て、夢を見たんや」と言うと、童謡の「ちょうちょのうた」が流れ出しました。玲二が船の上を見ると、なんと「クレイジー・パピヨン」日浦が立っていました。日浦はクロケンの知る闇医者に「スッンゲー義足」を作ってもらい、装着していました。復活し、より強力になった日浦は、その船上から飛び降りるとクロケンと共に玲二に加勢し、向かってくる男を次々に倒していきました。猫沢は日浦に蹴られ、遠く彼方にぶっ飛ばされました。
土竜の唄 潜入捜査官 REIJIのネタバレあらすじ:14.玲二、外道・月原を倒す!
大わらわの喧嘩場の中、月原は逃げようとしていました。玲二は彼を追いかけました。その途中、赤桐が玲二を捕まえ、証拠を押さえられたので、逃げろと言いました。しかし、怒りに燃える玲二は「月原は俺が倒す!」と言い、月原を追いました。その頃、大方倒したパピヨンとクロケンは、単身、向かってくる猫沢に、ロケットランチャーを撃ち、背後にあったクレーンを倒壊させ、彼をその下敷きにし、トドメをさしました。逃げたと思った月原は、ある倉庫で玲二を待ち伏せしていました。「相棒、裏切りには死をもって償ってもらう」と月原は言うと、銃で玲二を撃ちました。玲二は月原を「外道」と呼びました。月原は「泣いて命乞いをしろ」と言って銃を突きつけてきましたが、玲二は「てめえには刑務所がお似合いだせ」と言い、逆に月原の銃を奪い、立ち上がりました。「不死身か?」と驚く月原に、玲二は純奈からのお守りの防弾チョッキを見せ「愛は銃弾より強し」と言いました。そのチョッキが玲二を救ったのでした。玲二は月原と激しい殴り合いをし、月原を倒しました。玲二は月原に「生きて、罪を償え」と言い、そこを去りました。月原は警察によって逮捕されました。しかし、ヤクザの世界では親を庇うのが子の務めで、轟を挙げることはできないと、玲二は思いました。
土竜の唄 潜入捜査官 REIJIの結末:15.エピローグ:玲二、若頭に!より深く潜る!
今回の潜入捜査で玲二は、数寄矢会にダメージを与え、さらに蜂乃巣会との抗争に終止符を打ったので、晴れて捜査は終了となりました。月を見て「純奈、今、帰るぞ」と呟く玲二を、日浦とクロケンが車で迎えに来ました。玲二はその車に乗りました。「クレイジー・パピヨン」日浦は玲二を連れ、クスリはしないという約束を破った阿湖組長に盃を返しました。そして、「日浦組を立ち上げる」と宣言し、その組の若頭になんと、玲二を据えました。日浦組にはクロケンも仲間に入りました。「まず関西で天下を取る!」「西でのし上がって、最終的に轟周宝と数寄矢会を叩き潰す!」と宣言する日浦に、玲二は「おもしれじゃねえか」と言い、日浦の操縦するセスナに乗り、関西に向かいました。玲二はより深く潜る決意をし、「待ってろよ!轟周宝!お前を刑務所にぶち込んでやるぜ!」と心の中で呟きました。
宮藤官九郎らしいハイテンションムービー。テンポのよいストーリー展開と脇を固める俳優人の個性がかもしだすクドカンワールドといったところかな。主人公の玲二と相棒のクレイジーパピヨンこと日浦の掛け合いもおもしろく、日浦の無謀な行動を上回る玲二の天然さ。そこにいかれた奴らが怒涛のようにつっこんでくる。全編その連続で笑いは絶えません。暴力的な映画は好きではありませんが、この映画は面白いのでおすすめです。