サニー/32の紹介:2017年日本映画。2018年にNGT48を卒業した北原里英の主演によるサスペンス・スリラーです。2004年に長崎県佐世保市で実際に発生した事件をモチーフに、仕事も私生活も冴えない女性教師が、14年前の殺人事件の加害者を信奉する狂信者集団に拉致されたことから始まる恐怖、そして事件の真相を描いていきます。
監督:白石和彌 出演者:北原里英(藤井赤理)、ピエール瀧(柏原勲)、門脇麦(二人目のサニー)、リリー・フランキー(小田武)、駿河太郎(田辺康博)、音尾琢真(春樹先輩)、山崎銀之丞(寺脇壮一)、カトウシンスケ(上島ひろみ)、奥村佳恵(杉崎静香)ほか
映画「サニー/32」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「サニー/32」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
サニー/32の予告編 動画
映画「サニー/32」解説
この解説記事には映画「サニー/32」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
サニー/32のネタバレあらすじ:起
冬の新潟。冴えない中学校教師の藤井赤理(北原里英)はストーカー被害に悩まされており、同僚教師の田辺康博(駿河太郎)に相談していました。赤理のクラスでは向井純子(蒼波純)がいじめを受けており、赤理が救いの手を差し伸べようとすると向井は「先生だけには話さない。話すくらいなら一人言で十分」とかえって拒絶されてしまいます。
赤理の24歳の誕生日、田辺こそがストーカーであることが明らかになり、田辺は警察に逮捕されていきました。その直後、赤理は二人組の男たちに拉致され、見知らぬ豪雪地帯の山奥の廃屋に監禁されました。赤理を拉致した二人組は柏原勲(ピエール瀧)と小田武(リリー・フランキー)で、二人組は喜々としてビデオカメラを回し続け、赤理は逆らおうものなら激しい暴行を受け、二人組の好みのドレスに着替えさせられました。二人組はなぜか赤理のことを“サニー”と呼んでいました。“サニー”というのは14年前に同級生をカッターナイフで切り付けて殺害した小学生女児のことで、ネットに拡散された写真のキメポース(右手の指を3本、左手の指を2本掲げてピースサインを作るといったもの)から“サニー”と呼ばれるようになり、その可愛らしいルックスから「犯罪史上、最も可愛い殺人犯」と呼ばれ、狂信的な信者を生み出していたのです。そして柏原と小田も狂信的なサニー信者だったのです。
サニー/32のネタバレあらすじ:承
柏原も小田も完全に赤理をサニーと勘違いしており、赤理がいくら否定しても二人は名前も年齢も一致していると主張して聞き入れませんでした。二人は赤理の写真や動画をネットの「サニーたんを愛する専門板www」なるサイトにアップし続け、赤理は強制的にカメラの前でサニーを演じさせられていました。
ある時、赤理は隙を突いて脱走、ピンクのドレス姿のまま豪雪地帯を逃げ回っていましたが、すぐにサニー信者たちに見つかってしまい連れ戻されました。柏原は信者らに1対1、1人20分間のファンミーティングを企画、赤理は信者一人ひとりとの対話を強要されました。1人目は医師の寺脇壮一(山崎銀之丞)、赤理の健康管理をするといいつつ膝枕をしてもらっていたところ、その場に14年前の被害者の兄である上島ひろみ(カトウシンスケ)が乱入、ナイフで赤理を刺そうと襲い掛かりましたが、代わりに庇ってくれた寺脇が刺されてしまいました。赤理が助けを求めたところに1台のドローンが飛んできて廃屋を撮影し始めたので、一行は廃屋を捨てて冬場は使われていない海の家へと移動しましたが、寺脇はその間に命を落としてしまいました。
サニー/32のネタバレあらすじ:転
柏原と小田たちは上島を拘束すると、海の家に潜んでいた不良カップルの前川充(松永拓野)と木戸みちる(蔵下穂波)を強引に仲間に加え、寺脇の死体を埋める穴を掘らせました。一方、赤理は上島に「被害者の兄なら、私がサニーじゃないことは分かるでしょ」と助けてくれるよう頼んでいました。
穴を掘っていた一行の前にまたしてもドローンが現れ、そしてドローンを操っていた少年・百瀬貴之(加部亜門)が姿を現しました。ユーチューバーである百瀬は自身のチャンネルで赤理らの行動を配信しており、柏原たちを次々とスタンガンで気絶させると赤理に独占インタビューを申し込もうとしました。その時、赤理は電気ショックで百瀬を気絶させると遂に“覚醒”、柏原らを一人ひとり拷問にかけて心の闇やトラウマを吐かせると「辛かったね、私はその辛さわかるよ…」と赦し、「みんなが私をサニーと呼ぶなら、私はサニー」と宣言しました。
赤理は百瀬も仲間に加えてチャンネルを解説、“サニーの相談コーナー”を始めました。様々な視聴者から相談が殺到するなか、赤理は視聴者の中に教え子の向井がいることを知ります。ところが、向井は14年前にサニー事件が発生した2月28日に何かしでかそうとしていることを赤理は知りました。
サニー/32の結末
2月28日が近付いたある日、突如ネット上に自分こそが本物のサニーだという人物(門脇麦)が姿を現しました。本物のサニーは今なお罪の意識に苛まれており、自分の指を折ろうとするなど自傷行為を繰り返していました。一方、向井のことが心配になった赤理は百瀬に向井の連絡先を調べさせると、なぜか本物のサニーに繋がりました。
2月28日。前川とみちるは春樹先輩(音尾琢真)を通じてサニー信者からの贈り物の受け渡しをしていたところトラブルとなり、パトロール中の警官が駆け付けて辺りは騒然となりました。前川とみちる、春樹先輩は警官に発砲されて死亡、小田は警官を撃って逃亡しました。
時を同じくして、海の家では赤理が向井から「クラスメイトがいるカラオケボックスに行く」とのメッセージを受け取っていました。もしや向井はサニー事件を再現しようとしているのではと感じ取った赤理は、百瀬の力を借りて本物のサニーとコンタクトを取りました。本物のサニーは14年前のことを語り始めました。かつてサニーはクラスで疎外されていた被害者と大の仲良しでした。あの日、学校の先生からも疎外され、すっかり嫌気が差した被害者をサニーはカラオケボックスに連れて行ったのですが、被害者が帰りたいと言い出すとサニーは裏切られた思いから犯行に及んだのです。語り終えた本物のサニーは涙を流しながら「どうか殺させないで…」とつぶやきました。
その時、海の家は警察に取り囲まれました。銃撃戦となり柏原らは死亡、逃げようとした赤理は屋上まで追い詰められましたが、先に脱出していた百瀬がドローンを飛ばして赤理を助け、赤理は小田の運転する車に乗ってカラオケボックスに向かいました。
その頃、向井はカラオケボックスでカッターナイフを手に同級生を襲おうとしていましたができずにいました。そこに赤理が駆け付け、号泣した向井を抱きしめました。
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