劇場版ポケットモンスター ココの紹介:2020年日本映画。テレビアニメ『ポケットモンスター』シリーズの劇場版23作目です。本作は伝説のポケモンに育てられた人間の少年ココをメインに据え、人間とポケモンの親子のような絆、そして人間とポケモンの狭間で揺れ動くココの葛藤を描きます。ゲスト声優として女優・歌手の上白石萌歌と歌舞伎役者の六代目中村勘九郎が出演しています。
監督:矢嶋哲生 声優:松本梨香(サトシ)、大谷育江(ピカチュウ)、林原めぐみ(ムサシ)、三木眞一郎(コジロウ)、犬山イヌコ(ニャース)、豊島まさみ(ハナコ)、緒方賢一(町長)、川島得愛(クロム・モリブデン博士)、関根有咲(リン・モリブデン博士)、中博史(長老ザルード)、津田健次郎(リーダー・ザルード)、KENN(サブリーダー・ザルード)、愛河里花子(ウッウ)、真堂圭(ホシガリス)、田中光(フライゴン)、山寺宏一(ゼッド博士)、中川翔子(カレン)、上白石萌歌(ココ)、美波わかな(赤ん坊時のココ)、中村勘九郎(ザルード)、堀内賢雄(ナレーション)ほか
映画「ポケットモンスター ココ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ポケットモンスター ココ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
劇場版ポケットモンスター ココの予告編 動画
映画「ポケットモンスター ココ」解説
この解説記事には映画「ポケットモンスター ココ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
劇場版ポケットモンスター ココのネタバレあらすじ:起
人里離れたジャングルの奥地にあるポケモンの楽園「オコヤの森」。ここは群れをなして生息するわるざるポケモン・ザルードの支配下のもと、厳しい掟が課せられた場所でした。
今から10年前。1匹のザルード(中村勘九郎)が、森の奥の川辺に流れ着いた揺りかごの中から人間の赤ん坊(美波わかな)を発見しました。ザルードは赤ん坊を見捨ててその場を立ち去ろうとしましたが、どうしても無邪気に懐く赤ん坊を見捨てることはできず、ひとまず神聖なる大樹“ご神木”の下で暮らす仲間たちの元に連れ帰りました。
しかし、長老ザルード(中博史)はポケモンと人間は共存することはできないと告げ、ザルードはせめて赤ん坊を実の親の元に会わせることにしました。しかし、それは群れを離れることであり、掟により一旦離れると二度と戻ることはできないことでした。
人間の世界に入ったザルードは懸命に赤ん坊の手がかりを探していました。すると、既に閉鎖された研究所らしき跡から赤ん坊が両親と一緒に写っている写真を見つけました。しかし、これ以上の手がかりは見つからず、意を決したザルードは赤ん坊を自分の子として育てることにし、赤ん坊に“ココ”と名づけました…。
劇場版ポケットモンスター ココのネタバレあらすじ:承
…そして現在。成長したココ(上白石萌歌)はザルードを実の父のように慕い、オコヤの森で仲良く暮らしていました。しかし、群れを離れたザルードはかつての仲間たちから裏切り者呼ばわりされ、酷い仕打ちを受けていました。ココは幼い頃から森のポケモンたちと友情を築き上げていましたが、ザルードは自分に心を開いてくれるほおばりポケモン・ホシガリス(真堂圭)以外の森のポケモンたちとは距離を置いていました。
ある時、食料の木の実をかつての仲間たちに食い荒らされたココとザルードは、木の実の種を植えて育て、自分たちで収穫すればいいと思いつきました。ザルードの両腕には蔦が生えており、そこから植物の成長を促す養分を出すことができるのです。
ある時、ココはポケモンたちの喧嘩をなだめ、怪我をしたせいれいポケモン・フライゴン(田中光)喧嘩を“治癒の泉”に連れていきました。この泉には傷を回復させる力があるのですが、この泉は元々ザルードの群れの縄張りでした。ココは他のザルードに見つかってしまい、逃げる途中で川に転落して流されてしまいました。
同じ頃、ポケモンマスターを目指して旅を続けるサトシ(松本梨香)とピカチュウ(大谷育江)は、オコヤの森近くの町「ミリーファタウン」に来ていました。母・ハナコ(豊島まさみ)と電話をしたサトシは、珍しいポケモンが生息しているというオコヤの森にピカチュウと共に入っていきました。サトシとピカチュウは森の中で、「ビオトープ・カンパニー」の研究員だという女性カレン(中川翔子)と出会いました。カレンは研究所所長のゼッド博士(山寺宏一)の助手であり、治癒の泉の在り処を探していました。
一方、「ロケット団」のムサシ(林原めぐみ)、コジロウ(三木眞一郎)、ニャース(犬山イヌコ)も珍しいポケモンを追ってオコヤの森に入り込んでいました。サトシとカレンのやり取りを盗み聞きしたロケット団の面々は研究員になりすまして「ビオトープ・カンパニー」の研究所に潜り込みました。
その後、うのみポケモン・ウッウ(愛河里花子)を追っていたサトシは、川に流されていたココを見つけて助けました。サトシはココを町のポケモンセンターに連れていきましたが、ココはポケモン語は理解できても人間の言葉を話したり理解することができませんでした。それでもサトシはココとコミュニケーションを取り続け、ココも次第にサトシと片言ながらも意思疎通を図れるようになっていきました。その過程で、自分はザルードだと思い込んでいたココは実は自分は人間なのではないかと思うようになっていきました。
劇場版ポケットモンスター ココのネタバレあらすじ:転
この日はミリーファタウンで花火の打ち上げが行われる日でしたが、じんけいポケモン・タイレーツの1匹が花火職人(城岡祐介)の邪魔をしてしまっていました。ココは花火の筒の底に寝ていたタイレーツの1匹を救い上げ、花火は予定通り無事に打ち上げられました。町長(緒方賢一)は花火打ち上げに協力してくれたお礼に、このオコヤの森にはかつて森の守り神である幻のポケモン・セレビィがいたことを教えてくれました。
自分の出生に疑念を抱いたココは、サトシを伴ってザルードに事情を訊いてみました。ザルードはココは人間であることを認め、ココとサトシをかつての研究所跡に案内しました。ココはザルードから、自分が赤ん坊だった頃に持っていたブレスレットを受け取りました。サトシは研究所のマークが「ビオトープ・カンパニー」のものであることに気付き、両親の手がかりを掴むためにピカチュウやココと共に「ビオトープ・カンパニー」へと向かいました。
一方、一足先に「ビオトープ・カンパニー」に潜入していたロケット団は、ゼッド博士が隠している研究データを奪おうと狙っていました。
「ビオトープ・カンパニー」はかねてから治癒の泉について研究していたのですが、10年前に発生した事故をきっかけに一度研究所を閉鎖していました。この閉鎖された研究所がココの両親の写真があった場所でした。やがてゼッド博士は自ら新所長に就任すると一度は凍結していた治癒の泉の研究を再開していたのです。
「ビオトープ・カンパニー」を訪れたサトシとココはゼッド博士と面会しました。ゼッド博士はココが生きていたことに驚きを隠せませんでした。実はココの本名は“アル・モリブデン”といい、かつて治癒の泉の研究の第一人者だった前所長のクロム(川島得愛)とリン(関根有咲)のモリブデン博士夫妻の一人息子だったのです。モリブデン夫妻は10年前に交通事故で死亡しており、ココも同じ頃に行方不明になっていたのです。
ココの持つブレスレットの中には、治癒の泉の源泉であるオコヤの森のご神木のデータが入っていました。しかし、その場所までは特定されておらず、ココはゼッド博士にご神木のことを語ることはありませんでした。「ビオトープ・カンパニー」を出たココはなぜ両親が自分を置き去りにしたのか疑問に思い、それは両親が自分に託したご神木のデータに起因するのではないかと考えました。一方、ゼッド博士は密かにココの身に発信器を取り付けており、その後を尾行しているうちに遂にご神木の場所を突き止めました。
ゼッド博士はサトシ、ピカチュウ、ココを捕らえてトラックの荷台に監禁し、研究員(田邊幸輔、櫻井トオル、元吉有希子)らと共に大樹の調査を開始しました。その結果、治癒の泉の力の源はこのご神木であることを突き止めました。
引き続き研究員に変装していたロケット団は自らトラックの見張りを買って出ました。ゼッド博士の所長室に入るためのカードキーはウッウに飲み込まれてしまったおり、ロケット団はトラックからサトシとピカチュウを逃がすとピカチュウをウッウに差し向けました。ロケット団の狙い通り、ウッウはピカチュウの電撃を浴びてカードキーを吐き出し、ロケット団は再び「ビオトープ・カンパニー」に潜入してゼッド博士の部屋に侵入、思いがけない事実を知ることとなりました。
…10年前、モリブデン博士夫妻はこれまで存在しないとされてきた治癒の泉の源泉であるご神木の場所を特定していました。しかし、夫妻はご神木がザルードの縄張りであることに気付き、ザルードとオコヤの森を守るために研究を凍結する決断をしたのです。しかし、当時夫妻の助手をしていたゼッド博士は源泉をポケモンのためではなく人間のために活用すべきだと考えており、邪魔になったモリブデン博士夫妻をカーチェイスで追い回した末に死に追いやったのです。死の間際、モリブデン博士はココにご神木のデータが入ったブレスレットを託し、揺りかごに乗せて川に逃がしたのです…。
劇場版ポケットモンスター ココの結末
ゼッド博士はご神木を奪おうとアンカーを打ち込み、ご神木を守ろうとするザルードの群れとの間に抗争を引き起こしました。ザルードはオコヤの森を守るためにかつての仲間たちに加勢、これまで距離を置いてきた森のポケモンたちにも協力を呼びかけました。呼びかけに応じたポケモンたちはザルードに味方してゼッド博士一味と戦いました。ココは戦いで深手を負ったザルードを治癒の泉に連れて行き回復させました。
ゼッド博士は重機を駆って森のポケモンたちを圧倒していましたが、博士の人間第一のやり方に疑問を感じたカレンが離反してサトシらの側につきました。サトシはピカチュウを重機の背面に向かわせ、ピカチュウは必殺技“アイアンテール”を炸裂させて重機を止めることに成功しました。逃げようとしたゼッド博士はココに取り押さえられました。その後、ロケット団が世間にゼッド博士の悪事を拡散したことにより、ゼッド博士は逮捕されました。
オコヤの森に平和が戻りました。カレンはザルードらにゼッド博士の行いを謝罪し、研究員やポケモンたちと協力してダメージを受けたご神木や森を元に戻すと誓いました。やがて森は元の美しさを取り戻し、ザルードとココは群れに戻ることを赦されました。
ココは今回の件をきっかけに自分は人間とポケモンの懸け橋になりたいという思いを抱くようになっており、ザルードの元から一人立ちして旅に出たいと告げました。ザルードは「勝手にしろ」と言いつつも、こっそりとココのバッグに木の実を忍ばせて送り出しました。
そしてザルードは、珍しいピンク色のセレビィの姿を目の当たりにしました。そしてサトシとピカチュウは再び新たな旅に出ました。
以上、映画「劇場版ポケットモンスター ココ」のあらすじと結末でした。
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