咲-Saki-の紹介:2017年日本映画。この作品は、小林立の女子高生を主人公にした人気麻雀漫画を実写化した作品です。キャッチコピーは「少女たちの情熱が花開く!」で、麻雀がより社会的に広まった架空の世界で、女子高生たちが麻雀全国競技大会を目指して、その腕を競い合いながらも、心の交流する姿を描いた異色の学園麻雀映画です。
監督:小沼雄一 出演:浜辺美波(宮永咲)、浅川梨奈(原村和)、廣田あいか(片岡優希)、古畑星夏(竹井久)、山田杏奈(染谷まこ)、加村真美(福路美穂子)、樋口柚子(文堂星夏)、星名美津紀(深堀純代)、吉崎綾(吉留未春)、武田玲奈(池田華菜)、夏菜(藤田靖子)、ほか
映画「咲-Saki-」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「咲-Saki-」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
咲-Saki-の予告編 動画
映画「咲-Saki-」解説
この解説記事には映画「咲-Saki-」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
咲-Saki-のネタバレあらすじ:1.エピローグ:麻雀少女たちの軌跡の物語
21世紀、世界の麻雀人口は1億人を突破、日本でも大規模な全国大会が毎年開催され、プロに直結する成績を残すべく、高校麻雀部員たちが覇を競っていました。これはその頂点を目指す少女たちの軌跡の物語です。清澄高校に入学した1年生の主人公・宮永咲は、幼い頃からの家庭麻雀での嫌な思い出から、家族の元を離れ、麻雀を打つことをやめていました。しかし、麻雀部の原村和との偶然の出会いから、麻雀部に入部し、全国大会で姉と麻雀で勝負し、再び家族の絆を取り戻そうと決意していました。清澄高校麻雀部はまだ麻雀部としては無名の高校でしたが、主将の3年生・竹井久を筆頭に、1年生ながら副将を務める原村和、2年生の染谷まこ、1年生の片岡優希とそれぞれ個性的なメンバーで、咲は彼女たちと厳しい練習を積み、長野県予選大会に出場することになりました。ここで優勝すれば、長野県代表として全国大会への出場ができます。清澄高校の真価が問われる大会でした。
咲-Saki-のネタバレあらすじ:2.県大会開始
しかし、長野県大会には強者がそろっていました。解説者としてきていたプロ麻雀士の藤田靖子は、優勝候補の筆頭に龍門渕高校をあげました。龍門渕には龍門渕透華を筆頭に四天王と呼ばれる4人の猛者と、前年度MVPでインターハイ最多獲得点数記録を樹立した天江衣がいました。この天江の常識を覆す打ち方に、壊された相手は数知れずいました。藤田は次の優勝候補として名門の風越女子高校をあげました。県内屈指の麻雀名門校で昨年6連覇を阻まれた雪辱を晴らすため、厳しい練習を積んで臨んできていました。藤田はあとの高校は「団栗の背比べ」と言い放ちました。それを立ち聞きしていた無名の公立高校・鶴賀学園の主将で3年の加治木ゆみは部員たちに「気にするな。終わる頃には評価は変わっていよう」と自信たっぷりに言い放ちました。そして、予選大会が開始されました。清澄高校の先鋒は片岡です。彼女は東場(東南戦前半)では途轍もない速攻型の強さで相手を翻弄しました。次鋒は染谷です。彼女は幼い頃から親が経営する雀荘で膨大な量の対局を見てきており、それをイメージとして全て記憶しており、そこから自分の有利な状況に持っていくのが得意でした。中堅は主将の竹井が務めました。竹井は一見地味でオーソドックスな理論派の打ち手ですが、その場の対局の流れを読みながら、変幻自在の打ち方をして相手を翻弄し、自分の流れに持っていくという凄腕の打ち手でした。副将は原村です。彼女は全国中学生麻雀大会個人戦優勝の経験を持つ実力者で、完全理論デジタル派の打ち手で、ネット麻雀では「のどっち」のハンドルネームで伝説的強者として知られていました。そして、大将は宮永咲です。彼女は兎に角、負けない麻雀をし、嶺上開花で和了するのが得意でした。それぞれ、予選では咲たちはいかんなくその実力を見せつけ、次々と勝ち進み、決勝戦に勝ち進みました。同じく決勝戦に勝ち進んできたのは、優勝筆頭候補の龍門渕高校、名門・風越女子、そして全くの無名校の鶴賀学園でした。
咲-Saki-のネタバレあらすじ:3.先鋒戦
先鋒戦が開始されました。龍門渕は井上純、風越は主将・福路美穂子、鶴賀は津山睦月でした。清澄高校の片岡は大好きなタコスを食べて、試合に臨もうとしましたが、井上にそのタコスを食べられてしまい、得意の速攻型の運気に乗れず苦戦を強いられました。場の流れを支配したのは、強気の打ち手・龍門渕は井上でした。井上は実力を発揮し、圧倒的リードでトップに躍り出ました。前半戦が終了し、一度も和了できず落ち込んでいた片岡に、風越の福路が声をかけてきました。福路は「お腹すいてるの?これ食べる?」と言い、お弁当を片岡に見せました。そこにはなんとタコ型ウインナーが入っていました。片岡は飛びつきました。後半戦、「名前にタコがついていれば」と片岡はいつもの調子を取り戻し、打ち始めました。場の流れを察知した井上は、片岡を警戒し、揺さぶりをかけます。しかし、そのとき、これまで閉じていた福路のオッドアイの右目が開きました。両目を開けた福路は場の流れを完全に読み切り、片岡が和了できるように道を開けました。片岡は福路のお蔭で初めて和了することができました。片岡は福路を「もしかして味方?」と思いました。しかし、それは大きな間違いでした。福路はそれ以降、怒涛の1人快進撃をして、井上を押さえて一気に逆転し、トップに躍り出ました。先鋒戦は1位風越、2位清澄、3位龍門渕、4位鶴賀という結果で終了しました。
咲-Saki-のネタバレあらすじ:4.次鋒戦
次鋒戦、龍門渕は沢村智紀、風越は吉留未春、鶴賀は妹尾佳織でした。清澄の染谷は、先鋒戦で思うように勝てずに落ち込む片岡に「仇はとっちゃるけん」と言い、対戦に臨みました。染谷は眼鏡を外し、いつものように打ちますが、一人、染谷の読みから外れる打ち方をする者がいました。それは妹尾でした。妹尾はへたっぴーな打ち方をして周囲を驚かせました。なんと妹尾はまだ麻雀のド素人でした。しかし、そこには鶴賀の主将・加治木の「短期決戦ではド素人がプロに勝つことがある」という巧妙な戦略がありました。加治木の戦略は的中しました。妹尾はおどおどしながらも、自身の持つ強力なビギナーズラックで、四暗刻和了によって次鋒戦で最多得点を記録し、鶴賀を2位に押し上げました。染谷が妹尾がド素人と気づいたときは、もう遅すぎました。次鋒戦は1位風越、2位鶴賀、3位龍門渕、4位清澄と、清澄は最下位に転落してしまいました。染谷は頭をかかえ、落ち込んで帰ってきました。そんな染谷を竹井と片岡は慰めました。
咲-Saki-のネタバレあらすじ:5.中堅戦
中堅戦、龍門渕は国広一、風越は文堂星夏、鶴賀は蒲原智美でした。この中でも要注意なのは国広でした。彼女は小学生の時の大会でチームのピンチを救うためイカサマをして以来、麻雀からは離れていました。しかし、純粋な打ち手としての力量を見出した透華によって、龍門渕に編入し、それ以来、両手に拘束具をして麻雀を打つことにしていました。そんな相手に清澄の竹井は向かっていきました。竹井は独自の理論で、大事な局面ではあえて手を崩して地獄単騎や嵌張という悪い待ちにして、他家からの出和了りを誘うなどし、セオリーを無視して対戦相手を翻弄して和了しまくりました。国広も最後に一矢報いましたが、竹井は中堅戦トップの成績で終了し、清澄を1位に躍進させました。そして、1位清澄、2位龍門渕、3位鶴賀、4位風越という順位となりました。
咲-Saki-のネタバレあらすじ:6.副将戦
副将戦、龍門渕は龍門渕透華、風越は深堀純代、鶴賀は東横桃子、そして、清澄は昨年のインターミドル・チャンピオンの原村でした。原村はエトペンというぬいぐるみを抱いて、自宅のネット麻雀を打っている精神状態になりながら、打ちました。序盤、全員全く和了できず流局が続きますが、原村が次第に本領を発揮しだしました。原村の頬は仄かに赤くなり、その打ち筋はまさにあの伝説の最強ネット麻雀士「のどっち」となっていました。原村は前半戦をパーフェクトゲームで終えようとしました。目立ちたがりの透華は原村の完全ゲームを阻止しました。透華は勢いに乗り、反撃をしようとしました。しかし、そんな時、意外な者が和了しました。それは鶴賀の東横でした。東横はその存在感が薄いことを利用して、いつの間にかリーチし、和了するというステルス麻雀士でした。東横はステルスモード全開で、透華らから和了しまくります。東横は原村にもステルスモードで襲いかかりますが、原村には通じませんでした。驚く東横に原村は「見えるとか見えないとか、そんなオカルトありえません」と言い放ちました。副将戦は終了し、1位清澄、2位鶴賀、3位龍門渕、4位風越と、無名校2校が名門校2校を押さえるという予想もしない展開になりました。
咲-Saki-のネタバレあらすじ:7.大将戦~咲、奇跡の逆転劇~
さあ、いよいよ大将戦です。清澄は咲が出ます。風越は校内ランキング2位で打点の高い高火力型プレイヤーの池田華菜、鶴賀は主将で冷静な達人然とした打ち手・加治木ゆみ、そして龍門渕は神がかり的な投牌を見せる“怪物”・天江衣です。対局は静かに始まりました。咲は2連続嶺上開花で先制しますが、天江が真の実力を見せつけ出しました。場の空気が天江に飲み込まれていきます。天江は得意技の海底撈月で3連続和了を狙います。その嫌な流れを阻止するため、加治木はわざと咲に振り込みました。加治木は天江の流れを阻止することに成功したと思いましたが、それは間違いでした。天江は異様な殺気を放ちました。加治木と咲はその殺気を感じ、驚きました。咲は「勝てるわけないよ」と弱気になりました。天江はこの場、そのものを支配しようとしていました。前半戦を終了し、天江の力によって、龍門渕が清澄を抜き、1位に躍り出ました。休憩時間、天江は藤田プロから「お前は麻雀を打たされている」と忠告を受けました。弱気になり落ち込む咲は、原村から「麻雀を通してなら話ができる。どんな強い相手とでも話ができる。それが楽しい」と咲自身がかつて原村に言った言葉を言われ、励まされました。咲はその言葉を胸に後半戦に向かいました。天江は「私が打たされている…お小言を…ならば、闇の現を見せてやろう」と得意の海底撈月をつもり、和了していきます。後半戦の場も天江の支配するところとなり、天江は風越の池田から和了し、風越を0点にしてしまいます。これで誰も和了できなくなりました。場は異様な雰囲気に包まれますが、咲は諦めていませんでした。咲はわざと風越の池田に振り込み、点数を与え窮地を抜け出します。咲のお蔭で池田は復活します。咲は点数で3位に落ち込みますが、諦めずに自分の麻雀を打ちます。咲は親の倍満で逆転しようと狙います。天江はそんな咲に敵対心を抱きます。孤独の淵にいる天江は咲の麻雀に脅威を覚えます。天江は咲の当たり牌を引いてしまい、迷います。天江は初めて感覚通りの打って負けるかもしれない相手と出会いました。しかし、天江は点差を計算し、勝利を確信して、その牌を捨てました。咲はその牌でロンせず、カンしました。咲の狙いは天江からの責任払いでした。一発逆転のための大技でした。咲は3連続カンして、最後の牌をつもりました。咲はその牌で嶺上開花の数え役満を成立させ、3万2千点を天江から獲得、逆転勝利しました。
咲-Saki-の結末:エピローグ:全国大会へ向けて
逆転負けしてしまった天江に、咲は「楽しかったですね。また打ちましょう」と言いました。天江は驚きながら、喜びました。初めてそんな言葉を受けたからでした。天江は孤独の淵から救われ、笑顔で龍門渕校の透華や井上らと会場を後にしました。逆転勝利した咲のもとに、清澄の原村たちが駆け寄ってきました。みんな抱き合って、優勝を喜びました。次は全国大会です。咲はそこで姉と対戦することを心待ちにし、清澄麻雀部で練習に励むのでした。
「咲-Saki-」感想・レビュー
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独特な個性を持った人たちが集められて彼女たちは何者?って感じでした。ドラマから見てはいたものの毎回新たな展開が合って面白い。まだまだ謎だらけの人物もいるけど明確に明かされない部分が逆に良いのかも。麻雀と女子学生の設定なのもあるようでなかったので設定もなかなか良かったです。
この映画は何といっても監督の原作リスペクトがすごい!漫画の実写化というと、原作からの乖離が見られたり、重要なシーンがカットされてしまったりと残念になることが多いように思いますが、咲はそのあたりをうまくクリアしています。キャスティングも優秀で、廣田あいかさんの声は
片岡優希そのもの!これだけでも見る価値があります。