子宮に沈めるの紹介:2013年日本映画。育児放棄という社会問題に焦点をあて、それに至るまでの母親の心理に迫る。実際に起きた下村早苗容疑者による大阪2児遺棄事件を元にしている。「終わらない青」では、実父が娘に近親相姦をする目を覆いたくなる暴力シーンが話題となった緒方監督の第2作品。
監督:緒方貴臣 出演:伊澤恵美子(由希子)、土屋希乃(幸)、土屋瑛輝(蒼空)、辰巳蒼生(幸の夫、俊介)、仁科百華、田中稔彦、ほか
映画「子宮に沈める」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「子宮に沈める」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
子宮に沈めるの予告編 動画
映画「子宮に沈める」解説
この解説記事には映画「子宮に沈める」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
子宮に沈めるのネタバレあらすじ:起
由希子には幼い子どもが二人います。蒼空は赤ちゃんで、幸はまだ幼稚園に通っていない年齢です。幸がてるてる坊主を作ります。それをベランダに吊るしてやる由希子。その夜、由希子は夫の俊介に電話を掛けました。しかし俊介が電話に出ることはありませんでした。
翌日、朝から由希子が弁当を作ります。あいにくの天気だったため、由希子はリビングにビニールシートを広げて、子どもたちとピクニックごっこをしました。由希子が作ったキャラ弁を幸はうれしそうに食べます。
家事・育児をすべて一人でこなしている由希子は、手が空いた時には編み物をするなど、とてもいい母親です。一方夫の俊介は、家をあけることが多く滅多に帰ってきません。たまに帰って来ても、荷物をとるとすぐに家を出て行ってしまいます。
この日も夜遅くに帰って来た俊介。由希子が「私のこと好き?」とすり寄りますが、俊介は「疲れてるんだ、やめてくれ!」と拒絶。突き飛ばされた由希子が、俊介の頬を叩きます。
俊介が謝ろうとすると、由希子が俊介の口を手で覆って「嫌いになったんならそう言って」と抱きつきます。「愛してる」とは言うものの、由希子を抱こうとはしない俊介。由希子が怒って俊介の胸を何度も叩きます。荷物を取り上げ引き止めようとしますが、結局俊介は子どもの顔を見ることもなく、家を出て行ってしまいました。
その後、由希子は俊介と離婚。二人の子どもを連れて由希子は引っ越します。働きながら資格の勉強をしている由希子の元に、高校時代の友人が訪ねてきました。彼女は夜の仕事をしているようで、由希子も一緒にしないかと誘います。
夜の仕事を始めた由希子を、幸は寝ないで起きて待っていました。由希子に教えてもらったあやとりをしながら、布団の中で母親の帰りを待っている幸。
由希子が帰ってくると「ママー」と駆け寄ります。由希子が布団に入るよう言いますが「ママと一緒」と、幸は一人で寝ようとしません。しかたなく由希子が一緒に横になります。資格の勉強をしていた由希子ですが、そのまま幸と一緒に寝てしまいました。
朝から仕事のある由希子が幸を起こします。しかし幸はなかなか起きてきません。ようやく起きてきた幸ですが、朝ご飯を食べようとせず、牛乳をわざとこぼしてしまいました。仕事場に向かうため焦っている由希子が幸のおでこを触ると、熱があることに気づきました。おでこを冷やし、幸におかゆを食べさせる由希子。
子宮に沈めるのネタバレあらすじ:承
その後由希子の格好がどんどん派手になります。資格の勉強もやめてしまったようです。男を連れて帰ってくるようになった由希子が、寝ずに待っていた幸に「イチゴのケーキあるよ」と声を掛けます。ケーキを食べた幸が隣の部屋へ行くと、男が由希子を押し倒しました。由希子が蒼空のことを気にしますが、男は「どうせわからないって」と行為を止めません。
ある日のこと、幸が由希子の化粧道具を使って遊び始めました。口紅をベッタリつけて、由希子の服や靴を部屋中に散らかして遊ぶ幸。その後、幸は由希子と男がしていたことを真似て、弟のお腹に顔を押し当てて遊びました。それを目撃した由希子が急いで蒼空を抱き上げます。
この頃から、部屋が次第に荒れていきます。夜遅くに帰ってくる由希子を待っている幸ですが、男と一緒に帰ってくると、幸は相手にしてもらえません。母親と男が愛し合う声を隣の部屋で起きて聞いている幸。男はセックスが終わるとそそくさと帰ってしまいます。男が帰ってしまうと由希子はもぬけの殻のようになり、蒼空が泣いても抱こうともしませんでした。
ある日、由希子が「何食べたい?」と幸に尋ねます。幸が「オムライス」と言ったにもかかわらず、食卓には山盛りのチャーハンが置かれました。幸がチャーハンを食べる姿を、台所でタバコを吸っている由希子がじっと見つめています。由希子が出掛けようとすると、幸は何か察知したように由希子の服を掴みました。しかし「早く帰ってね」と、由希子を見送る幸。
由希子が出かけてしばらくすると、蒼空の哺乳瓶が落ちます。哺乳瓶を拾ってやる幸。蒼空が泣き始めると、幸がイスを動かしてあやしてやりました。粘土で遊んでいた幸ですが、トイレに行きたくなっため、リビングのドアを開けてトイレへ行こうとします。
しかしなぜかドアが開きません。幸はその場でお漏らしをしてしまいました。濡れた靴下とパンツを脱いで新しいものに履き替え、幸は濡れた床を拭くのでした。その後、お腹を空かせた蒼空のために、幸がミルクを作ります。床に散乱した粉ミルクを手で哺乳瓶へうつす幸。ペットボトルの水を入れて混ぜて、蒼空へ渡してやります。
子宮に沈めるのネタバレあらすじ:転
幸は、お腹がすくと食卓のチャーハンを少しずつ食べます。夜には布団に入らず、そのまま床で眠りました。夜中に物音が聞こえた気がした幸が、ドアに近づきます。母親が帰って来るのを待っている幸ですが、由希子が帰ることはなく時間だけが過ぎていきました。
辺りが明るくなると、幸は「ママどこ?」と部屋中を探します。ベランダを開けて「ママ!」と叫びますが、その声は誰にも届きません。
缶詰を見つけた幸は、包丁を使って開けようとします。しかしなかなか缶詰は開きません。お腹が空いた幸は、蒼空のミルクを奪って飲んでしまいました。すると蒼空が棚を開けて、洗剤を取り出します。「ダメでしょ!」と洗剤を取り上げる幸。すると蒼空が泣きだしてしまいました。
幸が白い液体の入った哺乳瓶を渡します。それを飲んだ蒼空が、その夜動かなくなりました。蒼空を起こそうと、幸はテレビをつけてハッピーバースデーの歌を歌います。しかし蒼空が動くことはありませんでした。
次の日、呼び鈴が鳴ります。幸は急いで受話器をとって「ママ?」と呼びかけます。しかし、幸が呼びかけた時にはすでにドアの向こうに誰もいませんでした。幸の服は汚れ、部屋には虫が湧いています。幸は死んでいる蒼空に「ママ遅いね」と話かけ、ゴミをあさりました。
しかし食べられそうなものはなく、次に冷蔵庫の中を物色します。冷蔵庫の中もすでに空っぽです。冷蔵庫に入れいていたおもちゃの携帯で「ママ?幸だよ」と、幸は由希子に話しかけます。
子宮に沈めるの結末
風呂に入っていない幸は、痒いのかずっと頭を搔いています。喉が渇いた幸は、マヨネーズの容器に水道水を入れて飲みました。そしてかつて由希子と一緒に歌った「幸せなら手をたたこう」を一人で歌っています。とうとう空腹に耐えきれなくなった幸は、粘土を食べてしまいました。その後、マヨネーズの容器に入れた水を大量に飲みます。
寝ている幸の周りをハエが飛んでいます。するとドアの外で音がしました。由希子が帰ってきたのです。ドアの外に貼られたビニールテープをとる音がします。部屋に入ってきた由希子は、口元を押さえて絶句。幸は「ママ遅いよ」と駆け寄りました。
マスクをした由希子が、蒼空にわいたウジ虫をとっています。その後、由希子は洗濯機で蒼空を洗いました。幸の服をすべて脱がせた由希子が、無言で幸を風呂場へ連れて行きます。「ママと一緒」と幸の声が聞こえます。しかし次に激しい水が飛び散る音が聞こえ、幸の声は聞こえなくなりました。
部屋の片づけを終えた由希子が、食卓のイスに座ります。お腹の上に手を置いた由希子は、おもむろに下着を脱ぎました。そして目の前にあった編み物の棒をとると、深く深く自分の膣内にさしていきます。痛みからか、泣きだす由希子。彼女の前には、亡くなった幸と蒼空が座っています。
寝顔のような顔で死んでいる幸。蒼空の顔にはゴミ袋がかぶせられ、ビニールテープでぐるぐる巻きにされています。並んで座らされている幸と蒼空には、由希子が編みかけていた赤いマフラーがかけてありました。
その後、シャワーを浴びる由希子。血がしたたっています。泣いていた由希子ですが、突然目を見開くと、裸のまま子どもたちの元へ向かいました。ビニールシートの上に寝かされていた蒼空と幸を丁寧に包んでいく由希子。子どもたちが包まれたビニールシートをしばらく見つめていた由希子は、ボーっとした表情で空を見上げるのでした。
以上、映画「子宮に沈める」のあらすじと結末でした。
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