シライサンの紹介:2019年日本映画。『暗いところで待ち合わせ』『GOTH』などで知られる小説家・乙一が、本名の「安達寛高」名義で映画初監督に挑戦した完全オリジナルのホラー作品です。眼球が破裂した遺体が相次いで発見される怪奇な事件が発生、大切な人を失った女子大生と男子大生は記者と共に真相を探ろうとするのですが…。主演の飯豊まりえは本作が初の単独主演作にしてホラー作品初挑戦となります。
監督:安達寛高 出演者:飯豊まりえ(瑞紀)、稲葉友(春男)、忍成修吾(間宮幸太)、谷村美月(間宮冬美)、江野沢愛美(加藤香奈)、染谷将太(渡辺秀明)ほか
映画「シライサン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「シライサン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
シライサンの予告編 動画
映画「シライサン」解説
この解説記事には映画「シライサン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
シライサンのネタバレあらすじ:起
眼球が破裂した遺体が相次いで発見されるという不可解な事件が発生しました。大学生の春男(稲葉友)は、弟の和人(渡辺佑太朗)を同様の事件で失いました。和人の死因は心臓麻痺と判断されましたが、春男は和人が死の直前に、何かに怯えた様子で自分に電話をかけてきたことから、自ら和人の死の真相を探ることにしました。
春男は和人のSNSを探り、彼の友人だった加藤香奈(江野沢愛美)も和人と同じような謎の死を遂げたことを知りました。春男は香奈の親友であり、彼女の最期に立ち会ったという女子大生の瑞紀(飯豊まりえ)から話を聞くことにしました。あの時、香奈は突然何者かの存在に怯えていた様子で、その直後にいきなり眼球が破裂したというのです。
春男と瑞紀は、和人と香奈の共通の友人だった富田詠子(仁村紗和)から事情を聞くことにしました。詠子は何かに怯える表情を浮かべながら、「和人と香奈はは“目玉の大きな女”に殺された」と証言し始めました。
シライサンのネタバレあらすじ:承
和人と香奈が亡くなる前、二人と共に温泉旅行に行っていた詠子は宿泊先の旅館のロビーで怪談話をしていたところ、配達に来た酒屋の渡辺秀明(染谷将太)が目の大きな怪人“シライサン”が登場する怪談について語り始めました。詠子らは旅館の従業員・森川(大江晋平)も交えて渡辺の話を聞くと、“シライサン”はその名を知った者に近づくのだというのです。
詠子は語り終えた直後に突然何かに憑りつかれたかのように自殺を図り、春男に助けられて一命を取り留めましたが大事を取って入院することになりました。その際、詠子は「シライサンが来る」との言葉を発しました。詠子は病院で怪談を聞いた旅館の詳細や渡辺の勤めている酒屋などの情報をメモに書き留めますが、その直後に“シライサン”に襲われ、眼球が破裂して死亡してしまいました。
春男と瑞紀は詠子の遺したメモを元に現地の旅館を訪れ、そこで同じく不審死事件の謎を追っていたライターの間宮幸太(忍成修吾)と知り合いました。間宮は怪談話を聞いて以来仕事を休んでいた森川の元を訪れ、和人と香奈はなぜ死んだのか、“シライサン”から逃れる方法はあるのかなどを聞き出しました。しかし、怪談話にピンとこなかった間宮は妻の冬美(谷村美月)に電話を入れ、“シライサン”について尋ねました。
シライサンのネタバレあらすじ:転
春男と瑞紀は渡辺が勤めていた酒屋を訪ねてみましたが、渡辺は既に死亡していました。店長からの証言で、渡辺は子供の頃によく面倒をみてくれていた民俗学者から“シライサン”についての怪談を聞き、その後は忘れていたものの当時書いた日記を読み返して思い出したことを知りました。
瑞紀と別行動を取り、一足先に旅館に戻った春男は、間宮から“シライサン”について聞かされました。同じ頃、瑞紀の目の前に“大きな目をした不気味な女”が姿を現しました。瑞紀は春男に電話を入れて事情を知らせ、間宮は森川から伝え聞いた、“シライサン”を回避する方法を春男を通じて瑞紀に知らせました。
それは、決して“シライサン”から絶対に目を離さないこと、少しでも視線を逸らしたら呪い殺されることであり、瑞紀は勇気を振り絞って“シライサン”と対峙しました。廃工場に逃げ込んだ瑞紀はなおも“シライサン”から目を離しませんでしたが、背後から香奈の声で「こっちを見てほしい」という呼びかけが聞こえてきました。
春男は間一髪で瑞紀を助け、一緒に逃げようとしましたが、瑞紀の意識は“シライサン”と目が合った瞬間にいずこへと飛び、薄暗い洞窟の中で祈祷をしている髪の長い女の後姿を目の当たりにしました。
翌朝、“シライサン”は姿を消し、瑞紀と春男は共に助かったことに安堵しました。その後、春男と瑞紀と間宮は渡辺の兄の証言で、祈祷で日本を災いから守り続けていた祈祷師の女にまつわる伝承を、民俗学者が渡辺に語り聞かせていたことを知りました。この伝承が“シライサン”に繋がるものだと確信した瑞紀らは早速祈祷師の伝説が残る村へ向かいましたが、この村は既に廃村となっていました。
シライサンの結末
数日後、森川は“シライサン”に襲われて命を落としました。瑞紀と春男は引き続き“シライサン”の手がかりを得るため間宮と共に走り回っていましたが、途中の人通りの少ない田舎道で間宮の車が故障してしまいます。この場所は携帯電波の圏外で、三人は助けが来るのを待つことにしましたが、その時瑞紀は“シライサン”が3日に一度現れていること、次に現れるのは今日この日であることに気付きました。
間宮は冬美も“シライサン”の話を聞いてしまっていることを思い出し、彼女の身を案じましたが車は故障したまま動きませんでした。そこで瑞紀は“シライサン”の襲来を回避するには、できる限り沢山の人々に“シライサン”の情報を拡散すればその分だけ襲われる確率がグンと減るのではないかと思いつきますが、それでも犠牲者が出ることに変わりはないことから躊躇いました。
しかし、瑞紀の話を聞いた間宮は瑞紀や春男の反対を押し切り、自宅のパソコンに保存していた“シライサン”の記事の原稿をネット上で拡散させようと決意しました。春男と瑞紀は間宮と揉み合いになり、その拍子で瑞紀は突き飛ばされて岩場に頭を強く打ち、血を流して意識を失ってしまいます。
間宮は携帯電波の入る地点を探していたところ、目の前に“シライサン”が現れました。何とか携帯電波の繋がった間宮は冬美に電話をし、“シライサン”の記事を拡散させるよう伝えましたが、その直後に間宮の背後から交通事故死した娘の声が聞こえてきました。必死に“シライサン”と対峙していた間宮はつい振り返ってしまい、“シライサン”に殺されてしまいました。
数日後、春男は間宮の近所の住民から間宮が死んだこと、冬美は直後に引っ越したことを知らされました。やがて春男は病院から瑞紀が意識を取り戻したことを知らされ、見舞いに行きましたが、瑞紀は頭を打ったショックで記憶喪失に陥っており、春男や“シライサン”のことを完全に覚えていませんでした。
春男は瑞紀を“シライサン”の件に巻き込ませないためにあえて真相を語らず、一人で抱え込むことにして病室を後にしました。その直後、春男の前に“シライサン”が現れました…。
以上、映画「シライサン」のあらすじと結末でした。
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