食べる女の紹介:2018年日本映画。『失楽園』などの映画作品から特撮、アニメに至るまで幅広く活躍する脚本家・筒井ともみの短編小説集『食べる女』『続・食べる女』を原作として、筒井自ら企画・製作・脚本を手掛けて映画化した群像劇です。「食」と「性」をテーマに、年齢も職業も性格も違う8人の女性の日常をコミカルに綴っています。
監督:生野慈朗 出演者:小泉今日子(餅月敦子(トン子))、沢尻エリカ(小麦田圭子(ドド))、前田敦子(白子多実子)、広瀬アリス(本津あかり)、山田優(茄子田珠美)、壇蜜(米坂ツヤコ)、シャーロット・ケイト・フォックス(豆乃・リサ・マチルダ(マチ))、鈴木京香(鴨舌美冬)、ユースケ・サンタマリア(タナベ)、池内博之(豆乃修治)、勝地涼(白石)、小池徹平(友太)、笠原秀幸(矢々田)、間宮祥太朗(シノザキ)ほか
映画「食べる女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「食べる女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
食べる女の予告編 動画
映画「食べる女」解説
この解説記事には映画「食べる女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
食べる女のネタバレあらすじ:起
東京の片隅の古びた一軒家。そこで古書店「モチの家」を営む雑文筆家の“トン子”こと餅月敦子(小泉今日子)は、迷える女たちに美味しいご飯を食べさせて元気にさせるのを生きがいとしています。そんなトン子は月に1回、親友で「ごはんや道草」の女将・鴨舌美冬(鈴木京香)と共に、悩める女性たちに美味しい料理を振舞っていました。
トン子の担当編集者、“ドド”こと小麦田圭子(沢尻エリカ)も迷える女の一人で、元々素直じゃない性格から恋愛にはいつも逃げ腰臆病であり、その鬱憤を晴らすかのように貯蓄に励んでいました。そんなある日、ドドの前に、料理の得意な冴えない中年サラリーマンのタナベ(ユースケ・サンタマリア)が現れました。タナベの振舞う料理に心を奪われたドドは、いつしか一緒に食事をしていく仲へと発展していきました。しかし、ようやく幸せを掴んだと思われたその時、タナベが転勤することになりました。ようやく自分なりの恋愛を見つけたドドは深く悲しみますが、離れ離れになるけど東京に来る際は会いたいというタナベの手紙を見て、焦らずに自分の生活を大切にする道を選びました。
食べる女のネタバレあらすじ:承
番組制作会社APとして多忙な日々を送るアラサー女の白子多実子(前田敦子)は、現状への不満から恋愛に刺激を求め、不倫に走るもののぬるま湯的な状況から抜け出せずにいました。現在交際中の彼氏からプロポーズされ、悩む多実子は「モチの家」では飽き足らず、この日も行きつけのバー「ロマ」に顔を出しました。
「ロマ」で働くママの茄子田珠美(山田優)は、オーナーの淳(眞木蔵人)とは離婚したものの、お腹の中には淳との4人目の子供を宿していました。一方の多実子は結局彼と別れることにし、仲間との時間を大切にこれからも自分に合った恋愛を諦めないことにしました。
「ロマ」には古着ショップ店員・本津あかり(広瀬アリス)も常連として顔を出していました。あかりは酔いつぶれては男を家に誘い、セックスが終わった後にひき肉料理ばかり食べさせてはポイ捨てされる「ひき肉恋愛」を繰り返していました。そんなあかりも、仕事先でアパレルメーカー社員の友太(小池徹平)と出会い、これからは自分を安売りすることはやめて本気の恋に生きる決意をしました。
食べる女のネタバレあらすじ:転
ある日、トン子の家に、アメリカ人女性の“マチ”こと豆乃・リサ・マチルダ(シャーロット・ケイト・フォックス)が居候することになりました。料理が下手なことが原因で夫・修治(池内博之)から離婚を叩き付けられ、心身ともに疲れ切ったマチは「道草」で美冬の手料理に感銘を受け、「道草」で働いているうちに料理を作るということ、それを美味しいと感じること、そして「食」の大切さに目覚めていきました。そんなある日、「道草」へ修治がマチを連れ戻しにやってきました。修治はマチの作った料理を口にして感動を覚え、マチはそんな修治に「私の覚悟と向き合えるのなら、もう一度迎えに来てください」と告げました。今のマチはもはや以前の姿はなく、立派なプロの料理人としてのプライドとともに自立したひとりの女性としての気概が宿っていたのです。
食べる女の結末
「モチの家」には、耳のパーツモデルとして活動している米坂ツヤコ(壇蜜)の娘・ミドリ(鈴木優香)も通っていました。ツヤコの夫でミュージシャンのトキヲ(RYO(ORANGE RANGE))は他にも女を作って現在別居中であり、それでも彼のことを忘れられないツヤコは子供たちとのピクニックにトキヲを誘いました。しかし、いつもは美味しいはずのサンドイッチもいつしか哀しい味へと変わってしまっていました。
やがてマチが独立し、トン子の家の空き部屋となったマチの部屋には、新たにツヤコが子供たちを連れて居候することになりました。ツヤコはようやくトキヲと踏ん切りをつける決心がつき、帰らぬ夫の帰りを待ち続けていた家を引き払ってやってきたのです。その決意の固さは、まるで「モチの家」にどっしりと根を張っているモチの木のようでした。
この映画の感想を投稿する