BLUE GIANTの紹介:2023年日本映画。第62回小学館漫画賞(一般向け部門)や第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞した石塚真一の同名漫画を映像化した長編アニメーション作品です。本作は原作の第2部にあたる「上京編」を映像化、サックス奏者を目指す主人公が東京でジャズバンドを組み、夢に向かって突き進んでいく過程を描いていきます。
監督:立川譲 声優:山田裕貴(宮本大)、間宮祥太朗(沢辺雪祈)、岡山天音(玉田俊二)、木下紗華(アキコ)、青山穣(川喜多)、乃村健次(由井)、木内秀信(天沼幸星)、東地宏樹(平)、近藤雄介(宮本雅之)、須田美玲(宮本彩花)、高橋伸也(望月)、加藤将之(五十貝勝)、四宮豪(内山)ほか 演奏:上原ひろみ(ピアノ)、馬場智章(サックス)、石若駿(ドラム)
映画「BLUE GIANT」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「BLUE GIANT」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「BLUE GIANT」解説
この解説記事には映画「BLUE GIANT」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
BLUE GIANTのネタバレあらすじ:起
冬の仙台。いつか世界一のジャズミュージシャンになるという夢を持つ高校生・宮本大は雪の降る広瀬川のほとりでテナーサックスの練習をしていました。やがて高校を卒業した大は夢を追って単身で上京、高校時代の同級生だった玉田俊二の家に居候することにしました。
大はアルバイトで金を稼ぎながら都内のジャズバー、ライブハウスを回って演奏させてくれるところを探しました。すると、たまたま通りかかったジャズバー「TAKE TWO」の店主・アキコが紹介してくれた店で大は運命的な出会いをすることになりました。
そこには凄腕のピアニスト・沢辺雪祈がいました。高校時代にサックスを始めた大とは違い、雪折は4歳からピアノを始めて音楽一筋でここまで来たのです。それでも大は「俺の演奏を聴いて決めてくれ」と雪祈とのセッションを希望し、大にサックスを買ってくれた兄・雅之や仙台時代にお世話になった人々の想いを胸に渾身の演奏を披露し、雪折を圧巻させました。大と雪折はバンドを結成することにし、ドラマー探しを始めました。
BLUE GIANTのネタバレあらすじ:承
高校時代にサッカー部員だった玉田はサッカーを続けるために東京の大学に進学したのですが、理想とあまりに緩いサークル活動という現実の相違に違和感を感じ、サッカーのサークルを辞めていました。常に音楽に対して全力で挑み続ける大の姿勢に感化された玉田は大の練習場所へ顔を出しました。
大はスティック代わりの枝とドラム代わりの空き缶を玉田に渡し、リズムを取ってみるよう促しました。最初のうちは一定のリズムで叩き続けることに苦戦していた玉田も次第に慣れていき、やがて大の音に合わせることに楽しさを覚えていくようになっていきました。
大は玉田に「ジャズは熱くて激しい。深くて自由なんだ。何よりソロが良いんだ。ジャズをやろう」と呼びかけ、玉田はジャズに人生を賭けてみることにしました。しかし、雪折は素人である玉田を全く相手にせず、この日から玉田は死に物狂いでドラムの猛練習に励むようになりました。
玉田の音楽への取り組みを雪折も認め、大・雪折・玉田はトリオとして初ライブに臨むことになりました。客はたったの4、5人程度であり、玉田も不慣れさを露呈してしまいましたが、大ら3人は大きな手ごたえを掴んでいました。
大・雪折・玉田はバンド名を「JASS(ジャス)」と名づけ、本格的にライブ活動をスタートさせました。JASSは徐々に評判を集めていき、ライブの依頼も増えてギャラももらえるようになりました。いつしか大たちは次の目標を日本ジャズの国内最高峰のステージである老舗ライブハウス「SO BLUE」のステージに立つこと、しかも今まで誰も成し遂げたことがない全員10代でのライブを成し遂げることに定めていました。
BLUE GIANTのネタバレあらすじ:転
JASSはとあるジャズフェスティバルへの出演が決定しました。トリを務めるベテランバンドはキャリアの浅いJASSを見下すような態度を取りましたが、大たちは古いも新しいも関係なく自分たちはどれだけ客の心を響かせるかだと決意し、全力のステージを展開しました。大・雪折・玉田のそれぞれの個性のぶつかりあい、そして渾身の演奏は観客たちを魅了し、JASSのステージが終わった頃には会場は大歓声に包まれていました。
雪祈はJASSの才能を高く評価してくれたプロのジャズギタリスト・川喜多を通じ、「SO BLUE」支配人の平と会う機会を得ました。雪折は平に自分たちの演奏を聞いて出演の可否を判断してほしいと訴え、平はJASSのライブを訪れましたが、雪折の横暴で尊大な態度を叱咤し、雪折のピアノは面白くないとまで言い放ちました。
雪折は自分には何かが欠けていると感じ、スランプに陥ってしまいました。JASSの連帯にも少しずつヒビが入りかけ、先日はつい言い過ぎてしまったと後悔した平は偶然にも大と出くわし、雪祈の近況を尋ねてみました。大は雪祈なら絶対乗り越えると答えました。
平は「SO BLUE」系列のライブハウスに出演予定だった海外のジャズバンドのピアニストが出演できなくなったことから、雪祈に代役をオファーしました。常に全力で練習している大の姿に大いに勇気づけられた雪祈は海外のミュージシャンに混じってステージに立ち、大や玉田も応援に駆けつけました。雪折はこれまで自分自身に課していた殻を打ち破り、一皮向けたパフォーマンスを披露するとともに音楽の楽しさを感じ取っていました。
平はJASSを「SO BLUE」のステージに出演させることにしました。遂に大たちの夢が叶うと思われたその時、工事現場でバイトをしていた雪折は居眠り運転のトラックに激突され。右腕を骨折してしまいました。雪折の見舞いに駆けつけた大と玉田は二人だけでもライブを決行することにしました。
BLUE GIANTの結末
ライブ当日、「SO BLUE」には大勢のジャズファンに混じって大たちがこれまでお世話になった人々、そして大の兄・雅之の姿がありました。開演前、平は観客に雪折の事故のことを説明し、続けて大と玉田がステージに上がりました。二人は雪祈が作曲し、初ライブでも披露した楽曲「First Note」を演奏し、全身全霊のパフォーマンスを繰り広げました。玉田はこのライブで初めてドラムソロを披露し、今の自分が持てる力を全て出し切りました。大と玉田の渾身のステージに観客たちは拍手喝采を送りました。
本編が終わり、アンコールというところに雪折が右腕に包帯を巻いた状態で楽屋に現れました。そしてアンコールが始まり、観客がまさかのサプライズに驚くなか雪折は渾身のピアノを弾き始めました。ライブは大成功に終わりましたが、大たち3人はこれがJASSの最後のライブになることを予感していました。
雪折から「世界一になれ」と激励された大は次のステップに進むべく海外へ旅立つことにしました。大は空港から、作曲をしている雪折に電話を入れて互いに健闘を誓い合いました。
以上、映画「BLUE GIANT」のあらすじと結末でした。
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