水曜日が消えたの紹介:2020年日本映画。日経トレンディ「2019来年の顔」に選ばれ、映画にテレビドラマに今や飛ぶ鳥を落とす勢いの中村倫也。一人の人間の中に7つの人格が共存している主人公を、カメレオン俳優の名をほしいままにする中村が見事に演じ分ける。監督は、期待の若手映像作家として名前の挙がる吉野耕平。長編初監督作となる本作は自身が脚本を書いた完全オリジナルでVFXも手掛ける。Netflixでの主演ドラマが話題の石橋菜津美、元「乃木坂46」の深川麻衣がタイプの異なるヒロインをつとめている。
監督・脚本・VFX: 吉野耕平 主題歌:須田景凪「Alba」 キャスト:中村倫也(“僕”)、石橋菜津美(一ノ瀬)、中島歩(新木)、休日課長(高橋)、深川麻衣(瑞野)、きたろう(安藤)、ほか
映画「水曜日が消えた」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「水曜日が消えた」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
水曜日が消えたの予告編 動画
映画「水曜日が消えた」解説
この解説記事には映画「水曜日が消えた」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
水曜日が消えたのネタバレあらすじ:起
“僕”(中村倫也)の中には異なる7人の人間がいます。それは小学生の頃に遭った交通事故が原因のようですが、そのときのことを僕はぼんやりとしか覚えていません。
日替わりで現れる7人の“僕たち”はお互いを“曜日”で呼び、行動日誌とメッセージを書いた付せんでコミュニケーションをとっています。家の中のスペースは7つに区切られ、衣類や食器もそれぞれ別のものを使っています。
ある朝目覚めた“火曜日”は、隣で寝ていた見知らぬ女をたたき出し、自堕落な“月曜日”への愚痴を言いながら家事をこなしていきます。几帳面な性格の火曜日は皆が嫌がる病院通いを続けていますが、図書館がいつも休館日であることには不満を感じています。夜は24時より前に寝なければならず、自由に旅行にも行けない“彼ら”。旅サイトを見ることと一人卓球(壁打ち)をすることくらいしか火曜日の楽しみはなく、頻繁に様子を見に来る同級生の一ノ瀬(石橋菜津美)に「つまんないなぁ、火曜日は」と言われる始末です。
次に火曜日が目覚めたとき、それはいつもの火曜日とは違っていました。部屋がきれいなのです。その日は水曜日でした。回収に間に合わなかった燃えるゴミを持って歩いていると、きれいな女性(深川麻衣)が微笑みかけてきました。
火曜日は病院に電話をしようとして思いとどまります。そして図書館へ向かいました。念願の図書館に入れた火曜日が興奮気味に館内を歩き回っていると、今朝の女性が働いていました。瑞野(深川麻衣)というその女性はどうやら水曜日を知っているようです。本の取り寄せを瑞野に頼み、帰りに赤いバラを1本買ってご機嫌の火曜日は、はしゃぎすぎて派手に転んでしまいます。
その夜火曜日は、水曜日の筆跡を真似てその日の日誌を捏造しました。
水曜日が消えたのネタバレあらすじ:承
次に火曜日が目覚めると、今度は隣に男(休日課長)が寝ていました。なぜか化粧をし、スカートを履いていた火曜日は何とか男を追い出しますが、昨夜は(月曜日が)ハメを外してしまったようです。
支度をして病院に向かいますが、その途中、めまいで倒れてしまいます。病院で、いつものように医師の安藤(きたろう)の前で歩行実験をしますが、今日はうまく歩くことができません。その日は若手の医師新木(中島歩)が加わったのですが、火曜日は少し新木が苦手なようです。
翌日の水曜日。目覚めたのはやはり火曜日でした。水曜日の服を着て図書館に行くと、瑞野になにか楽器をやっているのかと聞かれました。どうやら月曜日に本の入荷の電話をかけてきたようです。
火曜日が図書館を出ると一ノ瀬が現れました。彼の行動を怪しんでやってきたのです。彼が水曜日ではなく火曜日だと見抜いた一ノ瀬は医師に連絡するよう忠告しますが、せっかくのチャンスを逃したくない火曜日はあと少し待ってほしいと頼みます。一ノ瀬は、瑞野をデートに誘うよう火曜日の背中を押してあげました。
その夜、再び日誌を偽造する火曜日でしたが、前回の日誌の内容が増えているような気がしました。
次の火曜日。目覚めるとベッドには工事の人形が横たわっていました。
病院に行き、水曜日の行動を知るために安藤の研究室のデータを探そうとイスに乗って棚の上の箱を探ります。するとバランスを崩してイスから落下、倒れ込んでしまいます。その様子を新木に発見され怪しまれてしまいますが、その新木もまた、安藤のパソコンからデータファイルをコピーして盗み出していました。
その夜、工事現場に人形を返しに行った火曜日と一ノ瀬。夜、出歩くことのなかった火曜日は夜の街に感動し、「2日あると世界が違う」としみじみ言います。その後二人は家でホラーDVDを鑑賞し、火曜日は自分たちのことを変だと思わないかと一ノ瀬に聞きます。気にしていないが、もし何かを望むなら協力すると一ノ瀬は答えます。その理由は「友だちだから」
早朝、一ノ瀬は一人帰っていきました。「幸せになれよ」とつぶやきながら…。
水曜日が消えたのネタバレあらすじ:転
水曜日の夜。瑞野とレイトショーを観た火曜日は、彼女から思いを告げられます。しかし、ところどころ意識が途切れて彼女の話の肝心な部分がわかりません。パニックになった火曜日はその場から逃げ出してしまいました。
次の火曜日。病院へ行くと、安藤の部屋から大量の資料が運び出されています。安藤は数年に渡り火曜日たちのデータを改ざんしており、現在調査を受けているのだといいます。新木に、めまいなど最近変わったことはないかと聞かれる火曜日。どうやら危険な状態のようです。家に帰り、水曜日以外に金曜日もいなくなっていることに気づいた火曜日は、月曜日の持ち物の前でバッタリと倒れ込んでしまいました。
目が覚めると木曜日。イラストレーターの木曜日に仕事の催促の電話がかかってきます。火曜日は木曜日のスケッチブックを見ながら電話に応対します。そしてあちこち探っているうちに、水曜日の服のポケットから、図書館の瑞野が探していた切り絵が出てきました。それは二人の出会いのきっかけ。火曜日は図書館に行き、気まずい関係になってしまった瑞野にそれを手渡します。そして、「あなたの水曜日をきっと返します」と告げるのでした。
新木に電話しようと火曜日は、病院の承諾書を取り出します。電話番号を確認していると、不意に意識がなくなり倒れてしまいます。数秒後、気づいて紙を拾おうとしますが再び意識がブラックアウト。今度は承諾書がビリビリにされています。落ちていたスマホには、同じ顔ながら全く違う印象の男、“月曜日”が承諾書を破いて捨てている動画がありました。つまり、火曜日と月曜日が交互に現れ、正反対の行動を起こしているのです。
火曜日は病院に行き治療を受けるべき、薬を飲むべきだと訴え、一方月曜日はそれを阻止しようとしています。月曜日いわく、7人いた人格はいまや二人になっていて、月曜日は日曜・土曜・金曜の四日間、火曜日は水曜・木曜の三日間を生きているとのこと。月曜日は積極的に他人と関わるようになり、バンドを組むなど誰かと行動を共にすることに喜びを感じていると言います。このまま自分だけの人格になればいいとも思っている様子。火曜日は、月曜日に何とか抗いながら、この状況を打破するために家に帰って薬を飲もうとします。
水曜日が消えたの結末
どうしてこうなったのか? “僕”は事故の前のことを思い出していました。転校することになった僕は、いっしょに下校していた女の子に「(記念に)なんかくれない?」と言い、ランドセルにつけていたブタの防犯ブザーをもらったのです。両親と乗っていた車の中でその防犯ブザーをさわっているうちにピンが抜けてしまい、そのけたたましい音に驚いてハンドル操作を誤り事故になったのでした。そして、その女の子こそが一ノ瀬だったのです。
“僕”はしばらく家を離れようと準備をしています。やってきた一ノ瀬にそのことを話し、一ノ瀬がこの家にやってくる理由をたずねます。一ノ瀬は、死んだと聞かされていた“僕”のことを偶然論文で知り、医師の安藤に接触。“僕”の孤独を知っている安藤から、「友だちになってほしい。理解して、そばにいてくれ」と頼まれ“僕”の家への出入りを許されたといいます。それぞれに個性的な“僕”に会い、自分の知っているあの子はもうどこにもいないと思った一ノ瀬でしたが、それでも最後に会った火曜日はやっぱりあの子なんだと思ったそうです。あの事故は一ノ瀬のせいじゃない、と火曜日はいい、自分だけの人格になることを願ったこともあったが、“僕”が7人いる状態が不幸だったわけじゃないと言います。
すると、かすかな違和感を覚えた一ノ瀬が「だれ?」と聞きました。火曜日のフリをしながらも面倒くさそうに話す“僕”は“月曜日”でした。
病院で新木に7人分の署名が書かれた承諾書を渡し、元に戻すよう迫る月曜日。果たして元の状態とは……?
朝、目覚める“僕”。几帳面なその行動……火曜日です。
水曜日はシャカシャカ音がするウィンドブレーカーを着ています。
木曜日のスケッチブックには、あの防犯ブザーに似たブタのイラストがあり、
金曜日はせっせと観葉植物に水をやっています。
派手な服の土曜日はブタのパズルゲームを作っていて、
日曜日は釣りのために車を買ったそうです。
月曜日は屋外ライブでウッドベースを弾いています。仲間のバンドマンの一人は、あの日ベッドで寝ていた男でした。
火曜日のいる家には一ノ瀬が来ています。半分たたんであった卓球台を広げ、火曜日は一ノ瀬を卓球に誘うのでした。
以上、映画「水曜日が消えた」のあらすじと結末でした。
「水曜日が消えた」感想・レビュー
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※ネタバレ感想です※
面白かったです!火曜日がはしゃいでいる裏で、着々と病気が進んでいたようで、いつからか他の曜日が消えていた。気付いた瞬間の絶望感や恐怖感が伝わってきた。
途中から、自分が消えるこわさ、見えない間に物事が進むこわさもありハラハラしましたが、最後は皆んなが共存でき、ほっこりする結末でした。 -
エンドロールの付箋メモも良いですね。
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ネタバレ感想です
多重人格継続エンドって珍しいと思う
火曜日が元の人格に近い?のかな
そこに統合されて終わりだと思った
中村君演技上手いのに他の人格全然出てこなくてつまんないと思ってたら最後に見せてくれて良かった
最後の月曜日なんて中村君に見えなかった全然別人に見えた(褒め言葉です)
めちゃくちゃかっこよかった
火曜日は自分が見たかった中村倫也の演技そのもので、もうありがたいしかなかったですね 中村倫也による中村倫也ファンの為の映画って感じ -
解離同一性障がいなのですが、1人の子が消えたら…。とか考えてしまいました。
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解離性同一性障害で看護師してます。
物語とは言え、設定がありえなさすぎる。
事故で多重人格?
そして多重人格はこんなに楽しいものじゃない。
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物語だからありえなくてもいいですよね?
ドキュメンタリーじゃあるまいし。 -
りこさんは現実に即したもの以外の物語は認めないなんて、ずいぶんつまらない世界に生きているんですね…とても不憫です。
自分が楽しめないからといって、他のひとたちが楽しんでいるものに文句をつけるのは間違っていると思いますよ。 -
確かに事故の場面がうつって、事故の日から多重人格ですが、事故でとははっきり書いてないですよね。看護師してる私が考えるに、交通事故の原因が自分であるということのショックから多重人格になったように見えます。多重人格がこんなに楽しいか楽しくないか、あなたは多重人格の方を全員見てきたんですかね。
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↑人格同士の言い争いだったりして。
中村倫也さんの演技力に驚きました。エンドロールの付箋はとてもほっこりしました。
素敵な映画でした。 -
今さらですがパラビで観ました。面白かったです。最後の方の一ノ瀬さんと話しているシーン、少しずつ自然に月曜日が出てきたところが中村さん上手いなーと思いました。
チケット期限日だったので期待しないでなんとなく観ましたが、大正解でした。
面白かったです!