83歳のやさしいスパイの紹介:2020年チリ, アメリカ, ドイツ, オランダ, スペイン映画。第93回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した作品。老人ホームに入れている母親が虐待されているのではないかという依頼から、83歳のセルヒオが老人ホームに入り、その内容を調査するうちに、ある事実に辿り着くという話です。
監督:マイテ・アルベルディ 出演:セルヒオ・チャミー、ロムロ・エイトケン、ほか
映画「83歳のやさしいスパイ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「83歳のやさしいスパイ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「83歳のやさしいスパイ」解説
この解説記事には映画「83歳のやさしいスパイ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
83歳のやさしいスパイのネタバレあらすじ:起
チリのA&A探偵事務所が少し風変わりな広告を掲載しました。高齢男性募集…。その広告に数人の高齢男性が集まってきたのです。
電子機器は使えるのか、3ヶ月程の長期に渡る雇用になるが家族の了承は得れるのか等の条件を無事乗り越えたのが、83歳になるセルヒオでした。
セルヒオは数ヶ月前に妻を亡くし、親族は娘のダラルとその一家だけで、今回の条件に合致したのでした。
今回の依頼はというと、エル・モンテにある聖フランシスコ特養老人ホームに入所しているソニアの家族が、所内で虐待を受けているのではないかと疑い、その真偽を確かめるべくセルヒオを老人ホームに送り込み、老人ホーム内の実体を探るというものでした。
83歳のやさしいスパイのネタバレあらすじ:承
試験に受かったとはいえ高齢のセルヒオ、慣れない手付きでスマホ操作を覚え、カメラ付きの眼鏡をどうにか使いこなせるようになり、いよいよ老人ホームに入所します。
彼の優しくその紳士的な振る舞いは初めから好評で、セルヒオもすぐに老人ホームに馴染んでいきます。そして、まだ慣れないスマホや暗号に四苦八苦しながら調査を進めていくのでした。
まずはソニアを探さないといけないのですが、肝心のソニアが見つかりません。とりあえずセルヒオはソニアを探すため、老人ホームの皆に話を聞いて回ることにしました。
83歳のやさしいスパイのネタバレあらすじ:転
認知症を患い、亡くなった母にいつも電話をしている盗難癖のあるマルタ、すぐ記憶が飛んでしまう事を気にしているルビラ、セルヒオに恋に落ち猛烈なアピールをするベルタ、詩を作るのが得意なペティタと、個性豊かな面々に元来優しく紳士なセルヒオはすぐ打ち解けていきます。
そしてようやくソニアにたどり着くのですが、ソニアは人見知りで警戒心が強く、簡単に心を開きそうにありません。それでもセルヒオは折れずにソニアのそばにいて話しかけます。
老人ホームで行われたパーティーや数々のイベントを楽しく過ごし、盗難騒ぎなどをこなしながら、セルヒオは老人ホームになくてはならない存在になっていきます。ソニアも少しずつ心を開いてくれるようになりました。
83歳のやさしいスパイの結末
定期的に進捗状況を報告していたセルヒオですが、ソニアの家族が危惧していた虐待していた事実は一つも見つからず、ある一つの事実にたどり着きます。それは家族がほとんど来ないことからくる孤独、寂しさを誰もが持っていた事でした。
ある日、突然ペティタが亡くなってしまった事でセルヒオの気持ちが折れてしまい、この仕事を辞める決心をします。セルヒオは虐待などの事実は一切なく、それより家族が老人ホームにやってきて本人に寄り添ってあげることが重要なんだと最後に報告しました。
家族が迎えに来て、セルヒオは皆に惜しまれながら老人ホームを後にします。皆もいつもの日常に戻っていきました。
以上、映画「83歳のやさしいスパイ」のあらすじと結末でした。
「83歳のやさしいスパイ」感想・レビュー
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そういう主旨なのだとしたら、セルヒオの娘さん一家が面会に来たときの他の入居者の気持ちはいかばかりか。
特別養護施設にいる老人の孤独を独自の視点で描かれているところがとても魅力的でした。特にラストは悲しさを誘う演出になっており、そこが一番の見所と言えます。感動作というよりはもの悲しさを誘う雰囲気を持つ映画です。