ギャング対ギャングの紹介:1962年日本映画。自分を裏切った組織への貸しを取り返すことを誓った男が新しい仲間と麻薬横取り作戦を展開する。カルト映画の帝王となる以前の石井輝男監督が主役に鶴田浩二を、敵役に石井監督晩年の作品にも出演を続けた丹波哲郎を迎えて送り出した白黒アクション映画。『吸血鬼ゴケミドロ』等の映画出演で知られるシャンソン歌手高英男も冷酷なヤクザを怪演。
監督:石井輝男 出演者:鶴田浩二(水原)、三田佳子(百合)、松尾和子(みよ子)、梅宮辰夫(金谷)、成瀬昌彦(男谷)、高英男(塚原)、三井弘次(柳沢)、西村晃(ハルヤマ)、丹波哲郎(波川)ほか
映画「ギャング対ギャング」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ギャング対ギャング」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ギャング対ギャング」解説
この解説記事には映画「ギャング対ギャング」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ギャング対ギャングのネタバレあらすじ:起・人類愛のために
新興ヤクザ小森組のために地元のヤクザの親分を殺して5年の刑期を終えた水原が出所する。刑務所の塀に沿った道を歩いていた水原が、後ろから来た自動車からの銃撃に遭い腕を撃たれる。
1週間後、水原はボスの小森が社長を務めるホテル東都を訪れる。出所後の大幹部の地位が約束されていたはずの自分を殺そうとするとはどういう料簡だと抗議し、小森の腕を銃で撃ち、俺が貸した5年間の報酬は必ず返してもらうと言って去って行く。
ホテルを出た水原は見知らぬ男女、金谷と百合に自動車に乗せられる。水原が連れていかれたのは、悪党から金を絞る「プランメーカー」だという柳沢という男の家。金谷はその部下、百合は遠い親戚だった。
翌朝の朝刊には小森社長が殺害されたとある。水原が去った後副社長波川がボスを殺害してその地位を襲い、殺人の罪は水原に押し付けようとしたのだ。柳沢は水原に、協力して、東京の麻薬流通を支配する小森興業の販売ルートをつぶして麻薬を自分たちのものにして製薬会社に横流ししてもうけようと提案する。
麻薬の害毒から人を助けるのだから善行だと理屈をつけられる。「人類愛のためにやりましょう」という百合の大げさな言い方が気に入り、水原は話に乗る。百合も水原に好意を寄せるようになる。
ギャング対ギャングのネタバレあらすじ:承・麻薬密売ルート
水原たちは密売ルートの末端から麻薬を奪い始める。やがて水原は、麻薬を売って小遣いをかせいでいるバーのホステスを通じて、彼女が麻薬を買っているサロン・ジェラシーのマダムであるみよ子(小森興行の幹部塚原の愛人)に接近する。
マダムは売人を教えようとしなかったが、水原はサロンを見張って、スクーターに乗って麻薬を配達する薬売りを発見しタクシーで跡を追い、外国人風のなまりのある日本語を話す薬売りハルヤマを締め上げる。一方、金谷と百合は、薬売りが寄った射的場ガン・コーナーを脅して麻薬をまきあげる。
脅されたハルヤマが水原を連れて行ったのは、殺された小森の妻・信子が波川から任された安宿。信子は東都ホテル社長夫人の地位を失って麻薬中毒の女たちがたむろする安宿の女将にされてしまったために波川に恨みをもっている。利害が一致した水原に自分の知っている麻薬の工場の場所を教える。
ギャング対ギャングのネタバレあらすじ:転・工場炎上
自分たちの麻薬密売ルートが何者かによってつぶされつつあることに怒った波川たちはまず、逃亡を図ったハルヤマをつかまえ、酔っぱらわせてからひき逃げする。さらに、麻薬工場に潜入した水原は、縛られた信子が射殺されるのを見せられる。
安宿で話を立ち聞きした女が波川に密告したのだ。拳銃を構える波川たちから水原は、麻薬精製器に銃弾をぶちこみ工場の火災を起こして逃げる。
波川たちは追い詰められる。小森興業改め波川興行では、万が一の時には幹部の一人男谷に罪を引き受けさせるという相談が男谷のいない場所で決められ、男谷はへそを曲げてしまう。男谷に柳沢が接触し、彼を内通者にする。大量の麻薬が箱根山荘でプロパンガスのボンベに詰められて隠されていると判明した。
ギャング対ギャングの結末:山道のカーチェイス
麻薬強奪計画が実行されることになる。男谷が夜、密かにガスの栓を抜き、翌日プロパンガスの交換に向かったプロパンガス会社のトラックを水原、金谷、柳沢が強奪しプロパンガス会社の人間になりすまして麻薬詰めのボンベを山荘からもちかえり、逃亡用の車で待つ百合と後で合流するはずだった。
しかし、山荘から戻る際、交通事故で道をふさがれ予定の道を通れない。さらに山道でタイヤが水たまりにはまってしまい抜け出すのに時間を食う。東京から来た波川たちが麻薬を奪われたのに気づいて追いかけトラックに迫る。
追われるトラックと追う乗用車の間で銃撃戦が始まる。トラックの荷台にいた柳沢が撃たれ、男谷も荷台から落ちる。運転手の金谷も撃ち殺される。水原は波川に撃たれながらも反撃して波川を射殺する。その後ボンベから噴出するガスが引火して波川らの乗用車は爆破され麻薬も燃えてしまった。
瀕死の体で水原はトラックを運転して百合と合流する。どうせ命は助からない俺のことにかまわず逃げろと水原は言うが、百合は聞き入れない。水原は百合だけでも助かるために走る車からドアを開けて出ようとするが、かえって百合が運転をしくじって車は崖下に転落する。
水原の体に百合は手を伸ばそうとするが、彼女も息絶えるのだった。
以上、映画「ギャング対ギャング」のあらすじと結末でした。
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