灼熱の魂の紹介:2010年カナダ, フランス映画。『ボーダーライン』『メッセージ』などで知られるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の出世作。ワジディ・ムアワッドの戯曲『焼け焦げるたましい』の映画化で、『オイディプス王』にも似た運命の悲劇をカットバックを駆使して描いている。
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ 出演:ルブナ・アザバル(ナワル・マルワン)、メリッサ・デゾルモー=プーラン(ジャンヌ・マルワン)、マクシム・ゴーデット(シモン・マルワン)、レミ・ジラール(ジャン・ルベル)、アブデル・ガフール・エラージズ(アブ・タレク)、アレン・アルトマン(ノタリ・マッダード)、ほか
映画「灼熱の魂」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「灼熱の魂」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
灼熱の魂の予告編 動画
映画「灼熱の魂」解説
この解説記事には映画「灼熱の魂」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
灼熱の魂のネタバレあらすじ:起
ナワル・マルワンという女性がカナダのケベック州で亡くなります。中東で生まれた彼女は数奇な人生を送り、最期は公証人ジャン・ルベルの秘書となっていました。
彼女にはジャンヌとシモンという双子の子供がいて、彼らの前でルベルは託された遺書を読み上げます。その内容は奇妙なものでした。
彼らの父親と兄を探し出し、手紙を渡してほしいというのです。ただ父親は中東で戦死したはずですし、兄がいるなどという話も聞いたことがありません。
灼熱の魂のネタバレあらすじ:承
不思議に思いながらも母親の遺志を尊重し、彼らは中東へ向かいます。その足跡を辿っていくと、ナウルの生涯は思った以上に壮絶なものでした。
デルオムという村で生まれた彼女は難民の男と恋に落ち、妊娠します。ところが男はナウルの兄に殺され、彼女も道連れにされかけます。祖母の取りなしで命を救われた後、ナウルは男の子を出産。
その後1人で村を出奔しますが、祖母はいつかナウルが子供と再会した時に判るよう、赤ん坊の右のかかとにタトゥーを入れます。
灼熱の魂のネタバレあらすじ:転
ナワルが大学生の時に内戦が勃発し、イスラム教徒への弾圧が始まります。彼女自身はキリスト教徒でしたが、非情な人権侵害を知って義憤を覚え、イスラム教徒の抵抗運動に参加。
自らテロリストとなり、政治リーダーの家で1人を暗殺します。そのため逮捕されて独房に入れられ、ひどい扱いを受けます。そしてアブ・タレクという尋問のプロに強姦され、双子の子供を生むのです。
これがジャンヌとシモンでした。自分たちが恐ろしい状況の下で生を受けたことを知り、2人はショックを受けます。
灼熱の魂の結末
その後、さらに驚くべき事実が判明します。刑務所を逃れてカナダに移住したナワルは穏やかな生活を送っていたのですが、ある日プールでアブ・タレクに遭遇します。彼もまた戦争後、カナダに移民として渡ってきたのでした。
そしてその右のかかとにはタトゥーが…。それは紛れもなく彼がナウルの息子である証拠でした。つまりアブ・タレクは双子の父親であり、兄でもあったのです。
ジャンヌたちは遺言に従い、父であり兄でもある彼に母親の2つの手紙を渡します。片方の手紙には強姦者に対する憎悪が、そしてもう片方には息子に対する愛の言葉が連ねてありました。
以上、映画「灼熱の魂」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する