ヨセフ物語 ~夢の力~の紹介:2000年アメリカ映画。旧約聖書の「創世記」にあるヨセフの物語に基づいたミュージカル仕立てのアニメーション。10人の腹違いの兄たちからだいぶ遅れて、一生子供を産まないと言われていた妻ラケルがヤコブに男の子を産んだ。「奇跡の子」としてヤコブとラケルはヨセフを特別に育てるが、兄たちは面白くない。ヨセフは夢を解く力があることが分かって来て、夢の中で兄たちが自分にひれ伏した、という話をしたのが兄たちの怒りを買い、父に秘密で兄たちはヨセフを銀貨20枚で奴隷としてエジプトに売る。エジプトで、夢を解く力のおかげで高い地位についたヨセフ。飢饉に苦しむ故郷の兄たちはエジプトに助けを求めてやって来る。ヨセフは兄たちに冷たくあたるが…。
監督: ロブ・ラデュカ、ロバート・ラミレス 声の出演:ベン・アフレック、マーク・ハミル、リチャード・ハード、モーリン・マクガヴァン、ジョディ・ベンソン、ジュディス・ライト、ジェームズ・エックハウス、ルネ・オーベルジョノワ、ほか
映画「ヨセフ物語 夢の力」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ヨセフ物語 夢の力」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ヨセフ物語 夢の力」解説
この解説記事には映画「ヨセフ物語 夢の力」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ヨセフ物語~夢の力~のネタバレあらすじ:起
カナンの地に住むヤコブに、男の子が生まれる。すでに腹違いの兄たちは10人いるが、ヨセフは、ヤコブの最も愛した妻ラケルが産んだ子で、ラケルは一生子供を産めないと言われていたので、ヨセフは「奇跡の子」として育てられた。兄たちは小麦畑や羊の世話などをする中、ヨセフは両親の近くで、父から熱心に教育も受けている。機織りを仕事にしている母ラケルは、ヨセフに特別の晴れ着を仕立てる。
ヨセフは自分でも「奇跡の子」と自覚しており、また実際に要領もよく、兄たちは気に入らない。ヨセフはある晩、羊がオオカミに殺される夢を見た。ヨセフはいつも家で勉強させられるので、たまには兄たちと一緒に働きたいと思い、父に懇願し、勉強を休ませてもらい、畑や羊の世話を手伝うが、兄たちはヨセフをおいて川に泳ぎに行ってしまう。そこにオオカミの群れが来て、彼の夢が正夢となる。
ヨセフ物語~夢の力~のネタバレあらすじ:承
予知夢を見る力があることが分かったヨセフは、さらに父に特別視される。次にヨセフが見た夢は、その話を兄たちにするつもりはなかったが、ラケルに「昨晩夢を見たんだ」と言ったのが聞かれ、兄たちも聞きたがり、兄や月や星までも彼にひれ伏した夢だったので、ヨセフはさらに兄たちの反感を買った。母ラケルは歌を歌いながら「言葉、特に自尊心から出た言葉は、他人を傷つけることがある。自分の心の中の賢い声を聴きなさい」と諭す。しかし、激しい嫉妬に駆られた兄たちは、ヨセフを深い穴に突き落とし、エジプトの人身売買人を呼んでくる。穴にロープを落としてヨセフを引き上げ、ヨセフは兄たちが助けに来てくれたと喜んだが、目の前で兄たちはエジプト人から銀貨を受け取り、ヨセフを売り渡す。
父ヤコブと母ラケルには、引き裂かれ血が付いたヨセフの上着を見せ、オオカミに食べられたようだということで納得させる。ヨセフはラクダに引かれながら、エジプトまで砂漠を歩かされた。エジプトでは肉体労働の奴隷が多くいる中、ヨセフは身体が細かったため、エジプトの高官、ポティファルの館の使用人となった。髪を切られ髭を剃られ、こぎれいな使用人の服を着せられ、掃除をしたり壁を装飾したりするうちに少しずつ笑顔を取り戻した。ポティファル夫人の姪アセナトに出会い、お互い心の中で惹かれ合った。
ヨセフ物語~夢の力~のネタバレあらすじ:転
ポティファルが馬を買うときに、馬の商人がポティファルを騙そうとしていることをヨセフが見抜き、ポティファルに認められる。ヨセフは父から教えられた教養で、部屋を片付けたり、葡萄畑にカカシを立て、葡萄の収穫量を増やし、ますます認められていく。ポティファルの妻はヨセフに言い寄るが、ヨセフがそれを断ったので、大声を上げて彼が彼女を襲おうとしたように装った。ポティファルはヨセフを殺すと言ったが、妻が泣きながら「殺さないで」と言ったので、自分を裏切ったのは妻だったことを知る。ヨセフは殺されはしなかったが、牢に閉じ込められた。
そこにはほかに2人の囚人がいた。その1人が自分の見た夢の話をすると、ヨセフはそれを解き明かした。彼が3日目に牢から出されて助かる、と言うのだ。ヨセフは彼に「牢から出たら、私のこの能力のことをファラオに伝えてほしい」と頼む。もう1人も自分の夢を解き明かしてほしいと、話すが、ヨセフは「わからない」と言う。それはこの囚人が3日目に殺されると言う意味だったが、ヨセフは彼に真実を告げる勇気がなかったからである。それでもしつこく夢の解き明かしを聞かれて、「あなたは3日目に首をはねられる」と本当のことを伝える。囚人たちが食べたザクロの種の1つから芽が出たものが、小さな枯れ木となっていた。ヨセフの夢の通り、2人の囚人は牢から出され、ヨセフは一人になった。
食物をアセナトが天窓から差し入れようとしたが、アセナトが落としてしまい、ほとんどネズミに食べられる。絶望にくれるヨセフの目に、枯れ木から一枚の新芽が出ているのが見えた。ヨセフは牢の中でその木の世話をしながら、神に祈る。なぜこんなことが自分に起こるのか、と問うてきたが、「わからない」ことを知ることが大事なのだろう、神は私よりよくご存じだから理由を知りたいとは思わない、という心境へと至る。いつの間にか、その木は背丈ほどにも大きくなっていた。そんなときにポティファルがファラオの夢を解き明かしてほしいと、ヨセフを牢から出してやる。
ヨセフ物語~夢の力~の結末
ヨセフはファラオの夢を聞き、この地域に7年間の豊作が続いたのちに7年間の飢饉があることを解き明かし、将来のために豊作の年には収穫の5分の1を国の倉庫に蓄え、飢饉のときに国民に少しずつ返すことを提案する。ヨセフはファラオに認められ、ファラオに次ぐ位に任命される。ヨセフはアセナトと結婚し、国民に祝福される。ヨセフはファラオの次の地位でありながらも、農民たちの先頭に立って豊作の年の収穫をさらに高められるように灌漑技術なども指導した。そして飢饉の年がやってきた。
配給の列に並ぶ国民たちに交じって、ヨセフの10人の兄たちがいた。兄たちはエジプトの国民ではないが銀貨で食物を買うと言う。家には一番下の弟と年老いた父がいる、と説明した。ヨセフは兄たちの一人を人質に取り、一番下の弟を連れてくるまではお前たちを信用しない、と言い渡す。もちろん兄たちにはそれがヨセフだとはわからない。アセナトに兄たちを許したらと促されるが、ヨセフはまだ葛藤の中にいた。兄たちが末の弟ベニヤミンを連れてきたので、ベニヤミンに父や母はどうしているか聞くと、母はもういないということを聞き、心の中で取り乱すヨセフ。ヨセフは彼らをもてなしたが、ベニヤミンが持ち帰る予定の穀物の袋の中に高価な器が入っていたので、ベニヤミンを逮捕しようとしたが、兄たちが代わる代わる、自分を捉えてくれ、末の弟がいなくなったら父がどんなに悲しむかしれない、再び父を苦しめたくない、と言った。長兄のユダが、弟のヨセフは本当はオオカミに食べられたのではなく、自分たちが嫉妬からエジプトに売ったのだ、と告白する。20年間罪に苦しんだことも。罰を受けるなら自分たちが受けるべきだと。
ヨセフはたまらなくなり、被り物をとり、自分がヨセフだと告白する。ユダは「私たちを許してくれるか」と謝罪する。ヨセフは自分が奇跡の子だと調子に乗っていたことを謝罪する。カナンから兄たちの家族、父、ベニヤミンを招き、共に暮らすことにする。エジプトにやってきた父と20年ぶりに抱き合うヨセフ。「家族が再び一つになることを母さんは願っていた。奇跡が起きた」としみじみ話すヤコブの着物の裾を、孫であるヨセフの子どもが人懐っこく微笑みながらひっぱっていた。
以上、映画「ヨセフ物語~夢の力~」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する