決算!忠臣蔵の紹介:2019年日本映画。「忠臣蔵」の中心人物・大石内蔵助が残した決算書を元に、赤穂浪士の吉良邸討ち入りを金銭面から描いた東京大学史料編纂所教授・山本博文の『「忠臣蔵」の決算書』を映画化したコメディ時代劇です。松の廊下刃傷事件に端を発した赤穂藩お取潰しを経て、吉良邸への討ち入りを計画した赤穂藩筆頭家老の大石内蔵助ですが、その予算には上限があり・・・。
監督:中村義洋 出演者:堤真一(大石内蔵助)、岡村隆史(矢頭長助)、濱田岳(大高源五)、横山裕(不破数右衛門)、荒川良々(堀部安兵衛)、妻夫木聡(菅谷半之丞)、大地康雄(奥野将監)、西村まさ彦(吉田忠左衛門)、木村祐一(原惣右衛門)、小松利昌(貝賀弥左衛門)、沖田裕樹(三村二郎左衛門)、橋本良亮(武林唯七)、寺脇康文(間瀬久太夫)、鈴木福(大石主税)、千葉雄大(磯田武太夫)、鈴鹿央士(矢頭右衛門七)、上島竜兵(早川惣介)、堀部圭亮(長次)、山口良一(井上団右衛門)、桂文珍(祐海和尚)、村上ショージ(前田屋茂兵衛)、板尾創路(戸田権左衛門)、滝藤賢一(戸田采女正)、笹野高史(落合与左衛門)、竹内結子(大石璃玖)、西川きよし(大野九郎兵衛)、石原さとみ(瑤泉院)、阿部サダヲ(浅野内匠頭)ほか
映画「決算!忠臣蔵」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「決算!忠臣蔵」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
決算!忠臣蔵の予告編 動画
映画「決算!忠臣蔵」解説
この解説記事には映画「決算!忠臣蔵」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
決算!忠臣蔵のネタバレあらすじ:起
平和な世が続く江戸時代。赤穂藩筆頭家老の大石内蔵助(堤真一)は江戸の火消しを担当する藩主・浅野内匠頭(阿部サダヲ)から「火事は戦」と言われて感銘を受けていました。
それから10年後の1701年(元禄14年)3月14日。内匠頭は自分に賄賂を贈らなかったという理由で苛め抜かれていた幕府重臣・吉良上野介に江戸城松の廊下で刃傷沙汰に及んでしまいます。負傷した吉良上野介はお咎めながなかったものの、内匠頭は即日切腹となり、赤穂藩はお取潰しとなってしまいました。
赤穂城の幕府への明け渡しの日が近づき、足軽頭・原惣右衛門(木村祐一)や大目付・間瀬久太夫(寺脇康文)ら一部の血気に逸る武闘派の番方たちは城を枕に討ち死にする決意を固める一方、内蔵助と同い年の勘定方・矢頭長助(岡村隆史)ら勘定方・事務方らは藩士に支払う退職金の工面に追われていました。
長助は金のことも考えずに好き勝手なことばかり言う番方に呆れ果てており、番方中で誰一人本物の戦を経験した者はいないだろうと突っ込んでいました。内蔵助や次席家老・大野九郎兵衛(西川きよし)らはお家再興の望みを賭け、内匠頭の弟・大学を藩主に迎え入れる案を出して番方たちをなだめようとしましたが、結局赤穂城は明け渡されることとなりました。
決算!忠臣蔵のネタバレあらすじ:承
赤穂城の明け渡しに訪れた浅野本家の広島藩家老・井上団右衛門(山口良一)と大垣藩家老・戸田権左衛門(板尾創路)は、内蔵助らに「お家再興も立派な戦」だと諭しました。こうして赤穂藩士は全員浪人となり、内蔵助は吉良討ちを宣言してはばからない浪士たちの世話を何かと焼いて回り、残務整理により城内の武器などはことごとく売却されていきました。
それでもいよいよ金が足りなくなり、内蔵助は長助に相談したところ、内匠頭の正室・瑤泉院(石原さとみ)の嫁入り時の持参金を元手に始めた塩田事業による利益およそ5千両があることを知らされました。
内蔵助は資金を預かっている塩問屋の前田屋茂兵衛(村上ショージ)から金を取り戻そうとしましたが、前田屋は浪人を用心棒に雇っており金を返す気はありませんでした。そこで元赤穂家臣の不破数右衛門(横山裕)が内蔵助に加勢して、何とか金を取り戻すことに成功しました。
内蔵助は資金を元手にお家再興に乗り出すことにしましたが、幕府重臣への工作費や使いの者の江戸と赤穂の往復の旅費などであっという間に資金は目減りしていきました。
その頃、世間では民衆は時の将軍・徳川綱吉の「生類憐みの令」に不満を抱いており、鬱憤晴らしとしていつ赤穂浪士が仇討ちに動くのかということが人々の関心の的となっていました。内蔵助もまた浪士たちに押される形で内匠頭の命日である3月14日に討ち入りするか決めると約束しました。
決算!忠臣蔵のネタバレあらすじ:転
その後も内匠頭の供養費用、浪士たちが江戸での拠点として購入した古屋敷の費用、お家再興の工作費、浪士たちの結束のための費用など次々と金が飛んでいき、長助は内蔵助に出費の多さをなじりました。やがて内蔵助は討ち入りした際に万が一家族に罪が及ばぬよう、妻の璃玖(竹内結子)を実家へ帰しました。
世間の討ち入りへの関心がより一層高まり、幕府や浅野の親戚筋から監視されるようになった内蔵助は、討ち入りの意思がないことをアピールするためわざと遊郭通いをしてみせましたが、事情を知らない息子・主税(鈴木福)に責められ、内蔵助はつい討ち入りすると漏らしてしまいました。
この話は監視役の耳に入り、浅野家の親戚筋は内蔵助をこれ以上問題を抱えないためにも内蔵助を消す決意を固めました。折しも大学は浅野本家へ幽閉となり、お家再興の望みは完全に断たれていました。そのことを知った内蔵助は長助と共に駕篭に分乗して出発しますが、駕篭は親戚筋が放った刺客に襲撃されました。
しかし襲われたのは内蔵助ではなく長助でした。虫の息の長助は内蔵助に討ち入りの意思を確認、軍資金を大切に使うよう言い残して息を引き取りました。内蔵助は遂に討ち入りを決心、内匠頭の三回忌に決行することにしました。
決算!忠臣蔵の結末
1703年(元禄15年)。
内蔵助や赤穂浪士たちは着々と討ち入りの準備を進めていきましたが、浪士全員を江戸に呼ぶためには金が足りず、武器や用具を調達するのにも金がかかっていきました。そして何よりも隠居した吉良上野介がここの所外出が多くなっており、果たして討ち入り当日に屋敷にいるのかも怪しくなっていました。
そんな時、内蔵助らは吉良が予定日よりも3ヶ月早い12月14日に茶会を開くため確実に屋敷にいるという情報を掴みました。もはや資金は底減りしており、内蔵助は計画を前倒しして12月14日に討ち入りを決行する決断を下しました。
討ち入り前日、内蔵助は瑤泉院にこれまでの費用の内訳を記した決算書と共に、浪士たちの家族が罪に問われないようにと工作費100両を託しました。そして12月14日、内蔵助率いる赤穂浪士四十七士は雪の中を吉良邸へと討ち入りに向かいました。
以上、映画「決算!忠臣蔵」のあらすじと結末でした。
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