私をくいとめての紹介:2020年日本映画。綿矢りさの同名小説を、のん主演で映画化した作品です。おひとりさま生活を満喫するアラサー女性と年下男子の不器用な恋の行方を通じて現代を生きる女性の本音を描きあげます。
監督:大九明子 出演者:のん(黒田みつ子)、林遣都(多田くん)、臼田あさ美(ノゾミさん)、若林拓也(カーター)、前野朋哉(海辺の男)、山田真歩、吉住(芸人)、岡野陽一(コロッケ屋店主)、片桐はいり(澤田)、橋本愛(皐月)、中村倫也(Aの声)ほか
映画「私をくいとめて」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「私をくいとめて」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
私をくいとめての予告編 動画
映画「私をくいとめて」解説
この解説記事には映画「私をくいとめて」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
私をくいとめてのネタバレあらすじ:起
黒田みつ子(のん)はおひとりさま生活を満喫する31歳のアラサー独身女子です。平日はOLとしてしっかり働き、休日は食品サンプル作り体験講座に参加したり、下町を散策したり、日帰り温泉旅行へ行ったりと満喫した日々を過ごしていました。
そんなみつ子の相談相手は、彼女の脳内に住んでいる“A”(声:中村倫也)だけでした。みつ子にとって“A”は誰にも言えない心の内面を打ち明けられる唯一の存在でした。
みつ子の職場は、みつ子が全幅の信頼を寄せる先輩のノゾミさん(臼田あさ美)、自己中でナルシストな営業マンのカーター(若林拓也)、バリバリのキャリアウーマンである上司の澤田(片桐はいり)といった個性派揃いです。ノゾミさんはどうやらカーターのことが気になっているようです。
そんなみつ子にも気になる存在がいました。取引先の営業マンである年下の多田くん(林遣都)です。みつ子と多田くんの出会いは約1年前、偶然にも近所のコロッケ屋で遭遇したのがきっかけでした。
それからというもの、みつ子は多田くんに手料理を振る舞うようになり、多田くんもみつ子の元を訪れては手料理を持ち帰っているのですが、二人の関係はそれ以上全く進展していませんでした。
私をくいとめてのネタバレあらすじ:承
“A”はみつ子に、思い切って多田くんをディズニーランドに誘ってみるよう助言しました。しかし、みつ子は多田くんには実は付き合っている人がいるのではないかと妄想してしまい、結局行動に移すことはありませんでした。
そんなある休日。買い物に出かけたみつ子はたまたま偶然にも多田くんと出くわし、思い切って多田くんを夕飯に誘ってみました。多田くんは誘いを受け入れ、みつ子は喜び勇んで準備に料理に精を出しました。そこに多田くんが鉢植えの花を持って訪れ、二人はしばしの間楽しいひと時を過ごしました。
みつ子はノゾミさんにも多田くんとのことを話し、大学時代の親友で今はイタリアで暮らしている皐月(橋本愛)に会いに行こうと考えていることも伝えました。ノゾミさんは一人旅の予行も兼ねて温泉の日帰りチケットを譲ってくれました。
早速温泉に行ったみつ子でしたが、大広間で催されたお笑いイベントの終了後、出演していたピンの女芸人(吉住)が男性客たちに絡まれれているのを見て思わず過去に受けた嫌な出来事のトラウマが蘇ってしまいました。みつ子は“A”にこれまで積りに積もっていた感情をぶつけました。
私をくいとめてのネタバレあらすじ:転
クリスマスの時期、みつ子はイタリアへ向けて出発しました。大の飛行機嫌いなみつ子でしたが、ここは“A”のおかげで何とか切り抜けました。皐月は結婚しており、お腹の中には新たな命が宿っていました。何だか寂しさを覚えたみつ子でしたが、日本の多田くんからの連絡を受けて少しホッとしました。
翌日。皐月は過去の思い出を懐かしんでいましたが、みつ子にとってそれはまだ“過去”になってはいませんでした。皐月は海外で一人暮らしていた頃の孤独を、みつ子は自分とは異なる人生を歩んでいく皐月への嫉妬心をそれぞれに明かし、互いに本音をぶつけ合いました。
帰国したみつ子の脳裏には、2年前の苦い記憶が蘇っていました。それは“A”に促されるまま、惚れていた行きつけの歯科医とデートをしていた時のことです。歯科医はみつ子に対しては下心しか抱いておらず、ホテルに連れ込まれそうになったみつ子は必死で断って逃げ帰っていたのです。“A”はみつ子を慰めていましたが、しばらくしてみつ子の脳内からいなくなってしまいました。
そんなみつ子を喜ばせてくれたのは、先日料理をご馳走になったお礼に食事に誘ってくれた多田くんでした。そして年が明け、みつ子はノゾミさんがカーターと一緒に初詣に行ったと聞かされました。ノゾミさんは多田くんにも東京タワーの階段を登りきるイベントに付き合ってほしいと考えており、みつ子にも協力を求めました。
私をくいとめての結末
こうしてみつ子、多田くん、ノゾミさん、カーターは4人で行動を共にすることになりました。ノゾミは思い切ってカーターに告白し、二人は“期間限定”ながらも晴れて付き合うことになりました。そしてみつ子も多田くんから交際を申し込まれ、みつ子もようやく“おひとりさま”生活を脱することに成功しました。しかし、この頃から“A”はみつ子の脳内から消えてしまっていました。
みつ子は多田くんと一緒に沖縄旅行へ行くことになりました。旅行を前にみつ子は初めて多田くんと一緒にホテルでお泊りすることになりましたが、いざとなるとみつ子はどうしても多田くんを受け入れることができませんでした。多田くんに抱きしめられたみつ子は思わず部屋から飛び出してしまい、「誰か私をくいとめて」と叫んでしまいました。
次の瞬間、みつ子は真夏の海辺にいました。みつ子の目の前に立っていたのは、どこか聞きなれた声の小太りの海パン姿の男(前野朋哉)でした。みつ子は思わず「ちょうどいい」と口にしました。これは“A”がみつ子を安堵させるために見せてくれた幻影でした。
我に返ったみつ子は再び多田くんと向き合いました。多田くんはみつ子とはゆっくりでいいと伝え、安堵したみつ子は“A”へ感謝の気持ちを伝えながら眠りにつきました。そして翌朝、“A”はまたしてもみつ子の脳内から消えていました。
みつ子が多田くんと沖縄旅行に出発する日。みつ子は自宅の鍵が見つからず焦っていました。みつ子が思わず“A”に助けを求めたその時、突然部屋が揺れ出し、天井から鍵が落ちてきました。みつ子は次の瞬間、“A”の正体は自分自身であることを悟りました。
以上、映画「私をくいとめて」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する