マメシバ一郎 3Dの紹介:2011年日本映画。2009年放映のテレビドラマ・劇場版『幼獣マメシバ』の続編となる映画です。前作品でアルゼンチンを旅し帰郷した中年でニートの芝二郎(演:佐藤二朗)とマメシバ犬「一郎」との心のふれあいを描いたハートフルドラマです。キャッチコピーは「働かざるもの、食うべからず。37歳児、芝二郎。明日はどっちだ?」です。
監督:亀井亨 出演:佐藤二朗(芝二郎)、臼田あさ美(園子マユ)、高橋洋(財部陽介)、高橋直純(市村景虎)、三上市朗(鶴牧登)、ほか
映画「マメシバ一郎 3D」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「マメシバ一郎 3D」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
マメシバ一郎の予告編 動画
映画「マメシバ一郎 3D」解説
この解説記事には映画「マメシバ一郎 3D」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
マメシバ一郎のネタバレあらすじ:1.プロローグ:ふたりの王子「イチロウ」と「ジロウ」
ある1冊の本、その本の扉を開けると、紙でできたお城が出てきました。その本にはこう書かれていました。「あるところに、紙できたお城に、ふたりの王子が住んでいました。ふたりは紙のお城で、何不自由なく暮らしていました。ひとりの王子は、犬の「イチロウ」、もうひとりの王子は、「ジロウ」。「ジロウ」は、37歳、ニート。王様と王女様は、ニートのジロウと、犬のイチロウを紙のお城の中でほったらかしにしました。」「イチロウ」とは柴犬の小型の子犬・マメシバの「一郎」、「ジロウ」とは芝二郎、引きこもりで趣味はブログを書くことで、好物はうまい棒でした。二郎は喋るとき語尾に「ウン」と言う癖がありました。二郎の両親は海外旅行に行き、二郎は愛犬・一郎とで暮らしていました。叔父の芝重男は、そんな二郎を心配し、ちょくちょく二郎に会いに来ていました。
マメシバ一郎のネタバレあらすじ:2.『老人と犬』
ある夏の日、芝二郎の親戚で郵便局員の財部陽介が、二郎の母からの手紙を送り届けにきました。すると、家には二郎の叔母・芝富子といとこの芝加代子がなにやら書類の山を広げて相談していました。それは二郎宛ての光熱費などの請求書でした。なんと二郎は請求書を富子や加代子の転送していました。憤りを通り越して呆れかえる富子と加代子、そして陽介は、中年ニートで引きこもりの二郎の先々を心配していました。そんな親戚の心配をよそに、二郎は趣味のブログ動画の撮影に励んでいました。二郎のブログは『老人と犬』という名のタイトルで話題を呼び、アクセス件数は10万回を超えてシリーズ化されていました。そんな二郎のブログに目をつけた企業は勝手にバナー広告を掲載、二郎にその広告料を振り込んでいました。二郎は密かにアフィリエイトで収入を得ていました。今回のネタは、髪の薄い重男にヅラをかぶせて昼寝をさせ、その昼寝中にそのヅラを一郎が取ってしまい、重男と一郎とがそのヅラを巡ってじゃれ合うというものでした。完全なヤラセ動画で役に入りきれていない重男を、二郎は監督・撮影として、厳しく指導し、ようやく動画は完成しました。
マメシバ一郎のネタバレあらすじ:3.「一郎のお友達探し」
あまり人とコミュニケーションを取りたがらない二郎は、一郎と散歩に出て、近所のジャックラッセルテリアの飼い主の茂美や、スムースチワワの飼い主の律子から声をかけられても、目も合わさず、一郎を抱えて逃げ去るような始末でした。そんな二郎の将来を心配する重男は、二郎に所帯を持たせようと何度もお見合いをさせました。しかし、ストレートに言えば二郎は拒否反応を起こすので、重男は犬の「一郎のお友達探し」という名目で、二郎にお見合いさせました。そして、重男は二郎を何度もお見合いさせました。しかし、単純に「一郎のお友達探し」と思っている二郎は、お見合い相手の女性を怒らせ、失敗続きでした。ある日のお見合いでは、相手の女性・鎌田晶子が連れてきた愛犬と一郎がじゃれ合っているうち、一郎が晶子の着物の帯をくわえ、それを晶子が必死で止めようとグルグルと回転しているうちに、帯がほどけてしまうという事態になりました。偶然とは言え、二郎は止めに入らず、逆に重男をインさせ、そのシーンを動画に収めました。当然、そんな非常識な二郎に、晶子は怒って帰ってしまいました。重男は二郎を人一倍心配していました。それは重男もかつて二郎と同じ引きこもりだったのでした。そんな重男が25歳のとき、強引にお見合いさせ、現在の重男に変えたのが兄(二郎の父)だったのでした。重男は兄に恩義を感じていました。重男は陽介に「二郎だって自分をなんとかしたいと思っているはずだ」とぽつりとこぼしました。
マメシバ一郎のネタバレあらすじ:4.『美女と犬』
ある日、二郎のブログに目をつけていた出版者の社員・鶴牧登が訪ねてきました。鶴牧は二郎の人気動画『老人と犬』を本にする企画を持ってきました。そこで二郎は鶴牧からネット上で『美女と犬』という動画がアップされていることを知らされました。それは明らかに二郎の動画『老人と犬』のパクリでした。早速、二郎はその 『美女と犬』を観てみました。それは盗撮まがいのものでした。ある日の夜、その『美女と犬』で撮影された女性・園子マユが、二郎の家にやってきました。園子は自分を無断撮影した『美女と犬』の作者を二郎だと勘違いして、抗議をしに来たのでした。その最中、一郎が嘔吐しているのを見た園子は、二郎が一郎に過度なストレスを与え、虐待しているのではと疑いました。二郎は否定しましたが、園子は一郎を強引に動物病院に連れて行きました。動物病院の獣医・川崎葉子の「犬はよく吐きますから。でも…最近、極度のストレスを与えたことは?」という言葉を聞いた園子は、二郎の一郎の動画撮影が過度のストレスになっているだと考えました。園子は二郎に「一郎くんを本当の家族だと思っていますか?」と問いました。二郎は「思ってますとも…うん…金づるですから。他人にはわかるまい」と呟き、一郎を連れて帰りました。そんな二郎に園子は憤り、呆れました。園子が帰り道を急ぐ中、重男があとを追ってきました。重男は「あなたしかいないと思いました」と言うと、道の真ん中で土下座をし、見合いをお願いしました。
マメシバ一郎のネタバレあらすじ:5.二郎、一郎を手放す
園子は二郎の行きつけのペットショップの店員でした。迷っていた園子は、店長・市村景虎に相談すると、市村は「臆病なものほど威嚇するでしょ。その方が信頼できる」と答えました。園子は二郎とお見合いをすることにしました。お見合いの席で園子を見た二郎は一郎を抱き、逃げだそうとしましたが、強引にお見合いは始まりました。園子は二郎に、動画『老人と犬』はヤラセだと問い質しました。「違うワ~イ!」と視線を合わさず否定する二郎でしたが、隣に座っていた重男が「ヤラセです!」と吐露しました。園子はその言葉を聞き、一郎を引き取ると言い出しました。「金づる」「別に犬ぐらいどうってことない」と意地を張る二郎は、一郎を園子に引き渡しました。園子は一郎を連れて二郎の家を出ました。園子の腕の中で、一郎は「クンクン」と淋しそうに鳴きました。園子は一郎を勤務先のペットショップで一郎を飼いました。一郎はなんだか落ち着かない様子でした。一方、一郎を手放した二郎は「一人になってせいせいした」と言い、片意地を張っていました。そんな二郎に、重男は「間違ったと思ったら照れずに向き合え。自分のつじつまなんて考えるな」と静かに語りかけました。
マメシバ一郎のネタバレあらすじ:6.「一番辛いのは…」
ある日、二郎は写真集の件で出版者の鶴牧のもとへ行きました。そこで二郎はあの『美女と犬』の写真集化のほうが決定し、一郎の写真集は「没」となったことを聞かされました。一郎がいなくなってから、二郎の生活は荒れていきました。二郎はある日、なんだか一郎を恋しく思い、こっそりとペットショップに一郎の様子を見に行きました。一郎はその二郎の気配を感じ、「キャンキャン」と吠え、柵から出ようとしました。二郎は店から出て行くところを、バッタリ、店長に見つかりました。「飼い主失格」と園子に言われた二郎は、自分が飼い主でなければ、もっと色んな楽しいことができると言い、自分を責めていました。そんな二郎に店長は「やっぱり飼い主が一番だと思うな。…犬は損得なんか関係ないですよ。一番辛いのは信頼している人に会えないことです」と諭すように言いました。そんなある日、園子は店内であの『美女と犬』の本を見つけました。よく見ると自分の写真が掲載されていました。さらによく見ると、犬は一郎ではありませんでした。園子は自分が二郎を誤解していたことに気づきました。無許可の隠し撮りのその写真集は、たちまち物議かもし、出版差し止めとなりました。出版社の鶴牧はその損害の穴を埋めるため、再び一郎の写真集化の話を二郎に持ち込んできました。しかし、二郎は断りました。そんな二郎に鶴牧は「ただの柴犬が写真集になる。飼い主だったら喜ぶのが普通。犬のことも考えてあげないと」と言い出しました。その言葉を聞いた二郎は「考えてるよ!毎日毎日!」と怒濤の剣幕で怒り、鶴牧を追い出しました。
マメシバ一郎の結末:「なんとかなるものだ」
ある日の夜、もう一郎がいない生活に耐えられなくなった二郎は、一郎のいるペットショップへ一郎の様子を見に行きました。誰もいない店内の柵の中、二郎の気配を感じた一郎は、必死で柵を乗り越え、ガラスの扉越しの二郎のもとに駆け寄りました。二郎の目から涙が止めどなく流れました。その翌日、二郎は「自分でちゃんとしてみる」「自分で守るべきものは自覚しておる」と重男たち親戚一同に宣言しました。そして、二郎は飼い主として、しっかり仕事をして一郎を迎えに行く決心をしました。その仕事とは、なんと、一郎がいるペットショップでのアルバイト店員でした。園子は驚きました。園子は二郎の教育係となりました。園子は二郎の一郎への愛情を悟り、笑顔で一郎を二郎に返しました。二郎はいつものように一郎を連れ散歩に出ました。すると、犬と散歩している茂美と律子と出会いました。二郎は自分から二人に声をかけ、一郎を紹介し挨拶をしました。茂美と律子は笑顔で二郎に挨拶しました。二人と別れた二郎は、一郎を抱き「意外に話せるものだ。うん。なんとかなるものだ」と呟きました。冒頭に登場した紙のお城の本は、二郎の手で閉じられました。
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