ユンヒへの紹介:2019年韓国映画。韓国の地方都市と日本・北海道小樽市を舞台に、二人の女性同士の約20年間に及ぶ心に秘めた恋の記憶と人生模様を描いたラブストーリーです。本作は韓国最大の映画賞である青龍映画賞で監督賞・脚本賞を受賞するなど数々の賞に輝いています。
監督:イム・デヒョン 出演者:キム・ヒエ(ユンヒ)、中村優子(ジュン)、キム・ソヘ(セボム)、ソン・ユビン(ギョンス)、木野花(マサコ)、ユ・ジェミョン(インホ)、瀧内公美(リョウコ)、薬丸翔(リュウスケ)ほか
映画「ユンヒへ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ユンヒへ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ユンヒへの予告編 動画
映画「ユンヒへ」解説
この解説記事には映画「ユンヒへ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ユンヒへのネタバレあらすじ:起
北海道・小樽。女性獣医師のジュン(中村優子)はカフェを営む伯母のマサコ(木野花)と二人暮らしです。ある日、マサコは自宅でジュンが書いたと思わしき手紙が入った封筒を見つけました。どうやらジュンは手紙こそ書いたものの出すつもりはなかったようです。マサコはジュンの知らないうちにこの封筒を投函しました。
手紙の宛先は韓国のとある地方都市に住むユンヒ(キム・ヒエ)という女性でした。手紙を受け取ったのはユンヒの娘で高校生のセボム(キム・ソヘ)でした。手紙にはこう書かれていました。「ユンヒヘ、お元気ですか。20年も経ったから私のことを忘れているかも。あなたが生きててくれたらそれでいい」・・・。
ユンヒは元夫のインホ(ユ・ジェミョン)と離婚し、シングルマザーとしてセボムを育てる傍ら工場内の食堂で働いています。セボムにはギョンス(ソン・ユビン)というボーイフレンドがいます。セボムは写真が趣味で、ギョンスは衣類などをリメイクするのが得意です。
ギョンスは道端に落ちていた手袋を拾い、リメイクすることにしました。セボムはソウルの大学への進学を希望していますが、ギョンスはまだ進路を決めていませんでした。
母宛ての手紙をこっそり読んだセボムは、ユンヒが自分の知らない秘密を隠し持っているのではないかと気になりました。セボムはユンヒがいつも笑顔がなく、浮かない表情をしているのがどうしても気になりました。
ユンヒへのネタバレあらすじ:承
セボムは写真館を営む伯父(ユンヒの兄)のもとを訪れ、写真の現像を依頼するついでにユンヒの過去について尋ねてみましたが、これといった手がかりは得られませんでした。続いてゼボムはインホのもとを訪れ、なぜユンヒと離婚したのか尋ねました。インホはユンヒは人を寂しくさせるのだと答えました。インホには既に新しい恋人がいました。
セボムはユンヒに、ユンヒは何のために生きているのかと問いかけてみました。ユンヒは子供のためだと答え、セボムは自分はいずれ独り立ちする身なのでこれからは自分の人生を生きてほしいと告げました。
クリスマスになり、セボムはギョンスからリメイクされた手袋をプレゼントされました。セボムは高校卒業記念にユンヒと共に小樽へ旅行する計画を立てていました。その夜、セボムはユンヒに心の内を明かしました。セボムは両親が離婚した際にユンヒを独りにしたくなくて母方を選択したものの、自分はユンヒの負担になってしまっているのではないかと語りました。
その頃、小樽ではジュンは父親の葬儀に参列していました。父が日本人、母が韓国人のハーフであるジュンは両親の離婚を機に20年前に父の祖国である日本に渡り、それ以来一度もユンヒと連絡を取っていませんでした。従兄弟のリュウスケ(薬丸翔)は未だに独身のジュンを気遣うように、もしよかったら韓国の男性でも紹介しようかと言いましたが、ジュンはその発言につい腹を立ててしまいました。
ユンヒへのネタバレあらすじ:転
セボムはユンヒを説得し、一緒に小樽に行くことになりました。ギョンスもセボムを追って小樽に渡り、セボムは驚きながらもギョンスと合流しました。
ユンヒは密かにジュンの家に向かいました。20年ぶりにジュンの姿を見たユンヒでしたが、思わず隠れてしまい、結局この時は会うことは叶いませんでした。その後、セボムはユンヒが考えごとをしていることに気付き、どうしたのかと尋ねると、ユンヒはごまかすかのように煙草に火を点けました。セボムはそんなユンヒの写真を撮りました。
セボムはユンヒに、インホと出会う前に恋愛をしたことがあるのかと尋ねてみました。ユンヒは恋愛したことは認めたものの、相手について語ることはありませんでした。
一方、ジュンはマサコに昔の恋愛について尋ねていました。マサコはかつて映画好きの中学教師と半年ほど付き合っていたことを明かし、結婚しなかったのは自分は映画が好きじゃなかったからと答えました。そしてマサコは今でも時折その人を思い出すと語りました。
セボムはユンヒとジュンを引き合わせる決意をし、マサコの経営するカフェに向かいました。セボムはジュンがユンヒに手紙を書いたことを話し、翌日また来るのでこのことをジュンに伝えてくれるよう頼みました。
ユンヒはギョンスがわざわざセボムを追いかけて小樽に来ていることを知り、二人で遊んでくるよう伝えました。一方、患者の犬の飼い主であるリョウコ(瀧内公美)と接していたジュンは会話の内容から自分が韓国人とのハーフであることを知られました。
その後、リョウコはジュンを食事を誘い、ジュンはリョウコに自分は韓国人だということを隠して生きてきたこと、もしリョウコも何か隠したいことがあればこれからも隠し続けた方がいいと語りました。
ユンヒへの結末
ジュンがどうしても隠したかったことは、自分の出目が韓国であるとともに女性同士でありながら約20年前にユンヒと恋におち、惹かれ合っていたことでした。しかし、同性愛に理解のない周囲はユンヒとジュンを引き離し、ジュンは両親の離婚をきっかけに日本に渡り、ユンヒは兄が持ってきた見合い話によりインホと結婚したのでした。
翌日、セボムはジュンと会いました。セボムはユンヒが来ていることは伏せておき、一緒に夕食でもと待ち合わせの約束をしました。そして待ち合わせの時間となり、ジュンが現地に行くと、そこにはユンヒの姿がありました。ユンヒもジュンは20年ぶりに再会を果たしました…。
…後日。韓国に帰国したユンヒは今の仕事を辞め、セボムと共にソウルに移り住むことにしました。そんなユンヒの元にインホが現れ、自分は再婚することになったと報告しました。ユンヒはインホの再婚を祝福し、インホもユンヒも幸せになれよと泣きながら声をかけました。
ユンヒはソウルで小さな食堂を開き、引き続きセボムと一緒に暮らしています。ユンヒはまさかセボムにジュンとのことを語る時が来るとは思わなかったと思いながら、ジュンへの手紙を書き始めました。
以上、映画「ユンヒへ」のあらすじと結末でした。
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