寝ても覚めてもの紹介:2018年日本映画。麦(バク)は予測不能の自由人。3年後に出会った亮平は優しい、気遣いの人。朝子が愛した二人の男は全く違う人なのに同じ顔だった。朝子のリアクションがスリリングなラブストーリー。『ハッピーアワー』が数々の映画賞に輝いた濱口竜介監督が柴崎友香の小説を映画化。第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された。
監督:濱口竜介 出演者:東出昌大(丸子亮平/鳥居麦)、唐田えりか(泉谷朝子)、瀬戸康史(串橋耕介)、山下リオ(鈴木マヤ)、伊藤沙莉(島春代)、渡辺大知(岡崎伸行)、仲本工事(平川)、田中美佐子(岡崎栄子)その他
映画「寝ても覚めても」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「寝ても覚めても」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
寝ても覚めても の予告編 動画
映画「寝ても覚めても」解説
この解説記事には映画「寝ても覚めても」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
寝ても覚めても のネタバレあらすじ:消えた麦
大阪に住む朝子(唐田えりか)は牛腸茂雄写真展へ行く。会場には鼻歌を歌う変な男が。帰り道では変な男が朝子の先を歩いていく。歩道橋で二人は逆の方向に曲がったが、爆竹の音に驚いて二人は振り向く。男は朝子に名をたずねる。「泉谷朝子」と言うと「朝はmorningの朝?」ときかれる。男は「バク」と名乗る。朝子が「バク」の字を聞くと男は答えるより先に朝子にキスをしていた。そんな、鳥居麦(東出昌大)の親戚で、母の栄子(田中美佐子)と住む家の二階に麦を居候させている岡崎伸行(渡辺大知)があり得ないと言うような出会い方をした二人。朝子の親友の島春代(伊藤沙莉)が「麦はやめとき」と言っても朝子は麦にぞっこんだった。
ある晩、岡崎の家に朝子や春代も集まって花火をした後、パンを買いに行くと言って麦が出ていく。翌朝、朝子が目覚めると麦はいない。麦が一、二週間いなくなるのは普通だと岡崎は言うが、朝子は心配で外へ飛び出す。そこへ帰ってきて弁解する麦に朝子は抱きつく。
だが、半年後、麦は出て行ったまま今度はもう帰ってこなかった。
寝ても覚めても のネタバレあらすじ:亮平と出会う。
2年と少し後、酒造会社社員の丸子亮平(東出昌大)は大阪本社から東京に転勤してきたばかり。オフィスのあるビルの隣の喫茶店に勤める朝子はコーヒーのポットを取りに亮平のオフィスに来て驚く。亮平の顔は麦の顔と同じだった。朝子は矢継ぎ早に亮平の素性について質問し「麦」、「麦」とつぶやく。動物の「バク」のことだと思いとんちんかんな話をする亮平。
ある晩、亮平は牛腸茂雄写真展の会場の前にいる朝子に会う。そこに朝子のルームメイトで女優をしている鈴木マヤ(山下リオ)が現れるが、入場時間を過ぎているということで朝子とマヤは写真展への入場を断られる。亮平が機転をきかし、私たち三人は京都から今、長距離バスで来たと嘘をついて写真展に入れてもらう。その礼に亮平はマヤに招かれ、会社の後輩の串橋耕介(瀬戸康史)を誘ってマヤと朝子の部屋に朝子が作る料理を食べに行く。朝子の舞台のビデオを見た串橋が「これでは中途半端、誰の心にも訴えない」と批判して気まずい雰囲気になるが、朝子がマヤの芝居を見て感動したことを断言したことによりマヤ、串橋、亮平は打ち解け4人は仲良くなる。でも、亮平は朝子が自分を避けようとするのを感じ続ける。ある日、また会社にポットを取りにきた朝子に、自分を避けないでほしい、君が好きだと打ち明ける。しかし、朝子は亮平の携帯に電話して交際を断り、亮平と連絡を取ることを拒む。
寝ても覚めても のネタバレあらすじ:2011年3月11日
何とかして朝子に会いたい亮平は、金曜の午後の仕事を休んで、朝子が見に来る予定のマヤの出演する芝居へ出かける。だが、マヤから朝子が予定を変えたこと、喫茶店もやめる予定だと聞く。開演前に大きな地震が起きる。芝居は中止になり、亮平は歩いて会社へ向かう。すると偶然向かいから朝子が歩いてくる。二人は抱きしめ合う。
寝ても覚めても のネタバレあらすじ:麦にバイバイ
5年後、亮平と朝子はいっしょに暮し二人でネコを飼っていた。二人は東北の被災地の町にボランティアとして通い続け、現地の人、特に平川(仲本工事)と仲良しになっていた。
ある日朝子は、最近東京に引っ越してきたという島春代に再会し、麦がモデル・俳優として有名になったことを教わる。そんな朝子に亮平は大阪本社への転勤の話をする。いっしょに大阪に行き結婚しようと言う。朝子は亮平に初めて麦の話をするが、亮平はもう2年前に、注目され始めていた鳥居麦に似ていると人に言われて朝子と会った時の「バク」ということばの意味を察していたのだった。朝子も亮平を深く愛していた。
公園で春代と朝子が遊んでいると女子高生たちが、鳥居麦が近くに来ていると騒ぐ。朝子は走り出す。走り去っていくガラスを黒塗りにした自動車の中にいるはずの麦に手を振って朝子は気軽に麦にお別れをしたはずだった…。
寝ても覚めても のネタバレあらすじ:麦と去る朝子
春代、串橋、そしておなかに串橋の子供がいるマヤがレストランで亮平と朝子の送別会を開く。そこに突然麦が現れる。7年の月日がなかったように朝子を連れて麦は去っていく。麦の自動車は北海道を目指す。今、朝子は夢を見ているのか、それとも麦と離れていた時間が夢で今目覚めたのか…。朝子の携帯にマヤが電話をかけて亮平のために戻るように願うが朝子は拒絶し、マヤは絶交を言い渡す。朝子は走る自動車から携帯を捨ててしまう。
翌朝、朝子は防潮堤の側に停まっている自動車の中で目覚める。麦は仙台の手前だと言う。朝子は許されない仕打ちを亮平にしたことはわかっているが、彼と過ごした時間を捨てることができないことに気づく。麦は納得して朝子を残して去っていく。防潮堤に上って海を見つめた後、朝子は仮設住宅に住む平川を訪れ、お金を貸してと頼む。「ばーかだ」と言いながら平川は朝子に金を貸して電車に乗るのを見送る。
寝ても覚めても の結末:土砂降りの後
朝子は大阪の亮平の引っ越し先に行くが、帰れ、ネコは捨てたと言われる。朝子は岡崎を訪れるが岡崎は難病のALSを患い、朝子が話すのを聴くことしかできなくなっていた。でも栄子と話して和んだ朝子はネコを探しに戻る。土砂降りの中でネコを探す朝子の背後に来た亮平はまたも「帰れ」と言うが、朝子は傘を捨てて亮平を追いかける。亮平は家の中からネコを出す。ネコは捨てていなかったのだ。玄関には鍵がかかっていないので朝子は中に入っていく。亮平は早産でマヤに赤ちゃんが生まれた話をする。亮平は優しいけれど私はもう亮平に甘えないと言う朝子。もうお前のことは信じられないという亮平。しかし二人は並んで二階から雨で水嵩の増した川を見つめるのだった。
以上、映画「寝ても覚めても」のあらすじと結末でした。
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