映画「青春18×2 君へと続く道」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
青春18×2 君へと続く道の紹介：2024年日本, 台湾映画。台湾出身のジミー・ライによる紀行エッセイ『青春18×2 日本慢車流浪記』を原作とするラブストーリーです。アルバイト先で出会い、互いに惹かれ合った台湾人男性と日本人女性の軌跡を2006年と2024年のふたつの時代に分けて描いていきます。
監督：藤井道人 主題歌：Mr.Children「記憶の旅人」 出演者：シュー・グァンハン（ジミー）、清原果耶（アミ）、ジョセフ・チャン（リュウ）、道枝駿佑（幸次）、黒木華（由紀子）、松重豊（中里）、黒木瞳（裕子）、北村豊晴（島田）、フィガロ・ツェン（アーロン）ほか
この解説記事には映画「青春18×2 君へと続く道」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
【2024年】
台湾・台北。36歳のジミーは友人たちと立ち上げたゲーム会社の社長を解任されました。全てを失い、人生にに挫折したジミーは故郷・台南の実家に戻りました。ジミーはそこで1枚の雪の風景が描かれた絵ハガキを手に取りました。ハガキのメッセージを読んだジミーは思い切って日本に向かうことにしました―――。
【2006年】
―――18年前。当時高校生だった18歳のジミーは近所のカラオケ屋でアルバイトをしていました。ある日、日本からやってきたバックパッカーのアミが現れました。財布を失くしたというアミは旅の資金を稼ぐためここで働かせてほしいと申し出、店長も快くOKしてくれました。
アミはこの店で住み込みで働くことになりました。日本のアニメの影響で少し日本語が話せるジミーがアミの面倒を見ることになり、ジミーは４歳年上のアミにほのかな恋心を抱くようになっていきましたが、どうしても伝えられずにいました。ジミーはアミに旅の目的地を尋ねてみると、アミは「目的地がないから旅は楽しい」と答えました。アミは自分の男性の好みはアクティブで4歳年上、ジミーとは真逆のタイプだと語りました。
街の住民はアミの噂を聞きつけ、カラオケ屋に行列を成すようになりました。アミの歓迎会の後、ジミーはアミを送り届けることになりました。その際、アミはバイクの2人乗りがしたいと言い出し、ジミーはアミをバイクの後ろに乗せ、自身の一番好きな場所である台南の街を見下ろせるところへと連れて行きました。アミから将来の夢を訊かれたジミーは「今は新しい夢を探している」と答え、2人はそれぞれの将来に思いを馳せました―――。
【2024年】
―――東京に着いたジミーはアミとの思い出を振り返る旅に出ました。ジミーは大好きな漫画『スラムダンク』の舞台である鎌倉を訪れ、続いて長野・松本へ向かいました。行きずりの居酒屋に入ったジミーは店主が台湾出身であることを知り意気投合しました。ジミーは店主と酒を飲みながらアミとの思い出話を語り、店主に松本の街を案内してもらいました。
ジミーは新潟に向かう電車に乗りました。その車内でジミーはカメラを手にした18歳のバックパッカー・幸次と知り合いました。やがて電車は一面の雪景色の中を走り、ジミーはそのあまりの美しさに言葉を失いました。幸次は川端康成の小説『雪国』の一節「トンネルを抜けたらそこは雪景色」を呟き、ジミーは映画『Love Letter』の世界だ」と呟きました。それはかつてアミと一緒に観た思い出の映画でした―――。
【2006年】
―――ジミーはアミの好みのタイプが自分とかけ離れていることを知り、自分の想いは叶わないのではないかと諦めかけていました。そんな時、ジミーは友人から日本の映画『Love Letter』のペアチケットを譲ってもらい、意を決してアミを誘いました。
アミはずっと見たかった映画だと喜び、2人は初めてデートをすることになりました。そして当日、ジミーがアミを迎えに行った際、アミは「ランタン祭り」のポスターを見るなり行ってみたいと言い出しました。2人はいつか一緒に行く約束をしました。しかし、映画を見終えて帰路についたアミの表情はどこか哀しげなものでした。
【2006年】
ジミーとアミが映画を観に行った数日あと、アミは突然あと2週間で日本に帰ると言い出しました。納得のいかないジミーが理由を尋ねると、アミは「年上の彼氏が・・・」と答えました。ジミーは耐えきれずその場から逃げ出してしまい、その後ジミーは気まずい思いを抱えたままアミとうまく話せなくなってしまいました。
アミの帰国の日が近づくなか、ジミーは意を決してアミをランタン祭りに連れて行きました。2人は人混みの中をはぐれないように手を握り合っていました。
2人はランタンに願い事を書き、アミはジミーに「お互い夢を叶えたらまた会おう。それまでは辛くても頑張って耐えよう」と伝えました。そしてアミは日本へと帰って行きました―――。
【2024年】
―――ジミーは途中で幸次と別れ、新潟・長岡の駅で降りました。そしてジミーは幸次に教えてもらったネットカフェを訪れました。この店に置かれていたゲームはなんとジミーの会社が開発したものでした。ジミーはアルバイト店員・由紀子にこのことを説明し、ゲームの攻略法まで教えてあげました。
店内には新潟のランタン祭りのポスターが貼ってあり、しかもこの日は祭り当日でした。ジミーは由紀子に案内してもらい、それぞれランタンに願いごとを書きました。
そしてジミーは遂にアミの生まれ故郷である福島・只見町に辿り着きました。道に迷ったジミーはアミの近所の住民・中里に送ってもらい、ようやくアミの実家に到着しました。
ジミーを出迎えたのはアミの母・裕子でした。裕子はアミからジミーの話を聞いており、2人はアミのことを語り合ったのち、ジミーは仏壇に向かい線香をあげました。実はアミは既に亡くなっており、ジミーもこのことを知っていたのです―――。
【2006年】
―――アミの帰国後、大学に入ったジミーは自分と同じくゲームが好きな仲間たちと共にゲーム作りに没頭するようになりました。ある日、ジミーはアミに電話をかけ、今度の休みに日本に行くと注げましたが、アミは夢を叶えるまで待ってほしい、そして彼氏とまた旅行に行くからと断られてしまいました。それからというもの、ジミーはゲーム作りに情熱を注ぎ込み、会社を作り、ようやく完成させた後に再びアミに電話をかけました。その時、アミは既に他界していました。
アミの死に自暴自棄になったジミーはますますゲーム作りにのめり込み、周りのことが見えなくなっていきました。そして気がついた時にはジミーは自ら立ち上げた会社の社長の座を追われていました。人生に挫折したジミーはここで一度立ち止まり、アミの思い出を辿る旅に出る決心をしたのです―――。
【2024年】
―――裕子はジミーに、アミの遺品である手帳を渡しました。この手帳にはアミがこれまで語ることのなかった、知られざる想いが綴られていました。ジミーは手帳を読みながら涙を流しました。実はアミもまたジミーに想いを寄せていましたが、重い病に冒されていたアミは彼氏がいると嘘をつき、遠く離れた日本からジミーの幸せを祈ることにしたのです。
旅を終えたジミーは帰国の途につきました。ジミーはこれから何をするかまだ決めていませんでしたが、それでも前を向いてゼロから再出発する決意を新たにしました。
以上、映画「青春18×2 君へと続く道」のあらすじと結末でした。
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