ノイズの紹介:2022年日本映画。筒井哲也による漫画『ノイズ【noise】』を、映画『デスノート』以来15年ぶりの共演となる藤原竜也と松山ケンイチのダブル主演で映画化したサスペンスドラマです。架空の島・猪狩島を舞台に、殺人を犯した3人の男と事件を追う刑事、その一件をきっかけに揺れ動く島民たちの姿を描きます。
監督:廣木隆一 出演者:藤原竜也(泉圭太)、松山ケンイチ(田辺純)、神木隆之介(守屋真一郎)、黒木華(泉加奈)、伊藤歩(青木千尋)、渡辺大知(小御坂睦雄/鈴木睦雄)、酒向芳(横田昭一)、菜葉菜(横田洋子)、迫田孝也(野毛二郎)、鶴田真由(守屋仁美)、波岡一喜(酒井義昭)、大石吾朗(山下伸介)、諏訪太朗(鈴木賢治)、飯島莉央(泉恵里奈)、光山叶倭(中学生時代の泉圭太)、山田日向(中学生時代の田辺純)、丸山真亜弥(中学生時代の泉加奈)、寺島進(岡崎正)、余貴美子(庄司華江)、柄本明(横田庄吉)、永瀬正敏(畠山努)ほか
映画「ノイズ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ノイズ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ノイズ」解説
この解説記事には映画「ノイズ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ノイズのネタバレあらすじ:起
ここは日本のどこかにある離島、猪狩島。この島は特産物の黒いちじくの栽培で全国的に注目されていました。
この島で黒いちじく農家を営む泉圭太(藤原竜也)は島民からの信頼も厚く、幼馴染で農業も手伝ってくれる猟師の田辺純(松山ケンイチ)、この島に警察官として赴任してきたばかりの守屋真一郎(神木隆之介)と共に穏やかな日々を過ごしていました。
その何気ない日常が狂い始めたのは、この島に鈴木睦雄(渡辺大知)と名乗る男がやってきたことがきっかけでした。睦雄は圭太のもとを訪ね、求人広告を見たのでここで働かせてほしいと頼んできました。しかし、圭太と純は“睦雄”という名前とこの男のただならぬ怪しげな気配にどこか引っかかりを感じ、返事を保留することにしました。
圭太と純は睦雄の経歴について調べたところ、睦雄の正体は14年前に発生した女子高生ストーカー殺人事件を起こして服役していたはずの小御坂睦雄という男でした。どうやら出所後に“鈴木”の性を名乗ったようです。圭太と純は睦雄をこのままにしてはおけないと考えました。
一方その頃、真一郎は前任者である岡崎正(寺島進)から引き継ぎを受けていました。岡崎はこの島では島民には無理に逆らわず、時には法に縛られずなあなあと忖度することが大切だと真一郎に助言しました。
ノイズのネタバレあらすじ:承
時を同じくして、愛知県警では叩き上げのベテラン刑事・畠山努(永瀬正敏)がある女性からの相談に応じていました。女性の父親が失踪したとのことです。女性の父はこれまで出所した元受刑者の社会復帰を手伝ってきたといい、少し前にある元受刑者と養子縁組をしようとしていたとのことでした。
この元受刑者の苗字は「小御坂」、当時は珍しい苗字ということで連日マスコミに報じられていたことから、女性の父は不憫に思って自らの苗字「鈴木」を名乗らせようと考えたのでした。畠山は、この元受刑者こそが小御坂睦雄であり、女性の父の失踪にも関与しているものだと確信しました。
14年前、畠山は睦雄からストーカー行為を受けていた被害者の女子大生から相談を受けていました。畠山の中には被害者を守れなかったという負い目が今なお残っており、睦雄と行方不明の女性の父を捜すため部下の青木千尋(伊藤歩)と共に動き出しました。
翌日、圭太と純は再びやってきた睦雄を雇用枠がないとの口実で追い返しました。圭太には現在離婚協議中の妻・加奈(黒木華)と娘の恵里奈(飯島莉央)がいるのですが、母子の姿を見かけた睦雄は14年前と同じように二人を突け狙うようになりました。
圭太と純は真一郎に睦雄のことを伝え、3人で協力して睦雄を捕らえようとしました。追い詰められた睦雄はナイフを取り出して反撃しようとし、3人と揉み合いになった睦雄は地面に強く叩きつけられて即死しました。
まさかの事態に気が動転した圭太と純はこのことを隠蔽することにし、真一郎にも協力してもらうことにしました。真一郎は警官である自分が法に背くことに戸惑いを隠せませんでしたが、岡崎の発言を思い出して二人に協力することにしました。
三人は睦雄の死体を純が狩ったイノシシを保存する目的で所有している冷蔵庫に隠すことにしましたが、運んでいる途中で島の老人・横田庄吉(柄本明)に見つかってしまいました。それでも三人は横田は目が悪いのでバレてはいないだろうと判断、そのまま睦雄の死体を冷蔵庫に隠しました。
畠山と青木は睦雄の足取りを追って猪狩島にやってきました。圭太・純・真一郎も他の島民たち同様に事情を訊かれ、睦雄の姿は見かけたが既に島を出て行ったと口裏合わせをしておきました。その際、畠山は圭太の腕についた不自然な傷に気付きましたが、この時は深く追求することはありませんでした。
ノイズのネタバレあらすじ:転
程なくして、失踪していた女性の父の遺体が島内で発見されました。睦雄は女性の父の殺害容疑で全国に指名手配され、島にはマスコミが詰めかけるようになりました。
畠山らは改めて真一郎から事情を聞こうとしましたが、真一郎は自分はまだ赴任して間もない身だからと言い訳をして逃げ切ろうとしました。それでも真一郎の態度に不信感を抱いた畠山は青木に真一郎を尾行するよう命じたところ、青木は真一郎が圭太や純と密かに会っているのを目撃しました。
しかし、この島は閉鎖的な田舎町であり、島民たちも捜査に協力しようとしないことから畠山は焦りを感じ始めました。
そんなある日、圭太の栽培する黒いちじくが農林水産省から表彰されることとなりました。島民たちは圭太を島の誇りだと褒め称えましたが、その裏で島の役場の助役・庄司華江(余貴美子)は横田からある報告を受けていました。目が不自由だと思われた横田でしたが、実は圭太ら三人が見知らぬ死体らしきものを運んでいることに気付いていたのです。
庄司は真一郎のもとに向かい、横田から全てを聞いたとして警官の職を辞するよう迫りました。真一郎は睦雄が救いようのない凶悪犯とはいえ殺害に加担してしまったことに精神的に追い詰められ、ボイスレコーダーに当時の一部始終を吹き込んだ末に拳銃自殺を試みました。
その頃、畠山と青木は圭太と純に冷蔵庫の中身を見せるよう詰め寄っていました。その時、交番の方から銃声が鳴り響き、圭太らは現地に急ぎました。真一郎は幸いにも一命を取り留めましたが、ボイスレコーダーを回収した畠山は圭太と純を逮捕することにしました。
ところが、畠山と青木がボイスレコーダーを回収した際に拳銃を使ったという噂が島中に流れており、県警には抗議が殺到したことから、事を穏便に済ませたい県警は畠山に圭太と純を逮捕するなと命じました。
実は黒いちじくの利権を我が物にしようと目論んでいる庄司は全ての責任を圭太に押し付けることを画策しましたが、庄司に相談したことを後悔していた横田は庄司を襲撃して殺害しました。圭太は自分が片付けると申し出、庄司の死体と共に冷蔵庫の中に入りました。その直後、冷蔵庫は炎に包まれ、中からは身元不明の2体の焼死体が発見されました。
畠山は焼死体の身元は睦雄と庄司であると判断しましたが証拠に乏しく、純も島民たちに死体は圭太と庄司であり横領をしていた庄司を圭太が始末したのだと伝えていました。島民たちは純の意見を聞き入れ、意識を取り戻した真一郎も自分があたかむ記憶障害を起こしたかのように振る舞いました。
これ以上の捜査は困難だと判断した畠山はこの島を後にするしかありませんでした。純は不安に駆られる加奈に自分が加奈と恵里奈を守ると誓い、彼女に結婚を申し入れました。
ノイズの結末
それから3年後。猪狩島はすっかり平穏を取り戻していました。加奈と結婚した純は圭太から引き継いだ農場を運営し、事業を拡大してゆくゆくは島の政治にも関わろうとしていました。
そんなある日、島に畠山が現れ、純に圭太は今でも生きているのではないかと聞いてきました。二人の会話をこっそりと聞いていた恵里奈が純の携帯を確認したところ、圭太の現在の潜伏先と思われる住所が出てきました。
恵里奈は圭太に会いたい一心で家を飛び出し、その住所に向かいました。純はやはり密かに圭太に物資を送って潜伏を援助していましたが、圭太は家を出た後でした。圭太の後を追った恵里奈でしたが、途中の崖で足を滑らせて転落してしまいました。
重傷を負った恵里奈は、かつて圭太から教わった草笛で助けを求めました。一方、恵里奈がいなくなったことに全てを悟った純は畠山に睦雄の件を洗いざらい告白しました。純から恵里奈を助けてほしいと頼まれた畠山は潜伏先に向かったところ、そこには恵里奈を抱きかかえた圭太の姿がありました。
圭太は救助隊に恵里奈を託すと、純と共に自首することにしました。
以上、映画「ノイズ」のあらすじと結末でした。
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