TOKYO!の紹介:2008年フランス,日本,韓国映画。フランスと韓国の三人の有名監督達による短編オムニバス。東京を舞台に摩訶不思議な物語が繰り広げられていく。
監督:ミシェル・ゴンドリー、レオス・カラックス、ポン・ジュノ 出演者:藤谷文子、加瀬亮、伊藤歩、妻夫木聡、大森南朋、でんでん、ドニ・ラヴァン、ジャン=フランソワ・バルメ、石橋蓮司、北見敏之、嶋田久作、香川照之、蒼井優、竹中直人、荒川良々、山本浩司、松重豊、ほか
映画「TOKYO!」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「TOKYO!」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
TOKYO!の予告編 動画
映画「TOKYO!」解説
この解説記事には映画「TOKYO!」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
TOKYO!のネタバレあらすじ:インテリアデザイン
映画監督のアキラと役者ヒロコは、高校時代の友人アケミの狭いアパートに転がり込んだ。アケミは彼氏が泊まりに来るのでそんなに長く彼らを泊められない事や、彼氏の親戚が広告会社勤務なので作品を見てもらおうと話した。
翌日から二人は新居を探したが、いい物件はなかなか見つからない。お金をつくろうと、包装のアルバイトをしようとするもののヒロコは不器用で、アキラだけが採用された。
ある日、ヒロコの車がアキラの映画の機材ごとレッカー移動されてしまいヒロコは咄嗟に機材はアケミの家に運んであるから心配ないと嘘を吐き、レッカー先で機材だけでも取らせてくれないかと頼み込んだ。係員は罰金を払わないとだめの一点張りだったが、別の係員が機材を持ち出させてくれ、アキラの映画は無事に上映された。アキラは広告会社の人に声をかけられた。
その夜、ヒロコはアケミとその彼氏が自分たちの事を悪し様に話しているのを聞いてしまった。翌朝、ヒロコの身体には穴が開き、背骨の代わりに木の棒があった。だんたんと体は消えていき、彼女は椅子になってしまった。そして人間に戻ったり椅子になったりを繰り返しながら、見知らぬミュージシャンの家の椅子になったヒロコは、アキラとアケミに手紙を書き、自分が元気でこんなに役に立っていると思ったことはないと綴った。
TOKYO!のネタバレあらすじ:メルド
マンホールから出てきた奇怪な青年は道行く人を怖がらせ、下水道の怪人という名でニュースになり、警察も捜索を始めた。彼の行動はエスカレートし、渋谷の町中に手榴弾をいくつも投げ死屍累々の街は混乱を極め再びニュースになった。
警察は下水道のねぐらで眠る彼を逮捕したが、言葉が全く通じず、一文字菊という花しか食べなかった。様々は情報が錯綜する中、彼と話ができると言うフランスのボランド弁護士が面会を行うと、それまで無反応だった彼は話し始め、名はメルド、日本語で『糞』という意味で、絞首刑は嫌だと伝えた。
裁判で大量殺人の理由を聞くと、罪のない人間が嫌いで中でも日本人が一番汚らわしい、神が一番嫌いな人間たちのいる所に放り込まれる罰を負っているのだと答えた。問答の末、絞首刑は免れないとなると、それは嫌だと言った。
世間ではメルドを吊るせと言うデモと、メルドを自由にと言うデモが行われたが、死刑判決が下された。
そして三年後、刑が執行されようと言う時、ガラス越にある席にはボランド弁護士がいた。メルドは祈りを捧げる恰好をし、絞首にされた。しかし、首を吊られ死んだはずのメルドは再び動き出し、皆が驚いていると、消えてしまった。
次回ニューヨーク編メルドinニューヨークという字幕が流れ物語は終わる。
TOKYO!の結末:引きこもり
10年間家の中で暮らしている一人暮らしの引きこもりの男は、父親から届く現金を糧に、配達人とはまったく目を合わさず過ごしていた。本や宅配ピザの空箱が整然と部屋を埋め尽くしていた。11年目のある日、ピザの配達の女性と目が合うと、地震が起き、配達人は玄関に倒れた。よく見ると彼女の腕には感情を表すボタンと、脚には電源ボタンが書いてあり、それを押すと彼女は起き上がり、この家は完璧だと言って帰った。衝撃で二日間彼は何もできなかった。
別の日にまたピザを頼むと、いつもの女性とは違う配達員が来て、家に上がり込み勝手に電話を使った。いつもの女性の事を聞くと、彼女はこの仕事を辞め、永遠に家から出ないと言った。住所を聞くとあっさりと教えピザ代も取らず、配達員は帰った。ピザを頼むと、いつもと違う配達員がいきなり上がり込んで電話を勝手に使う。
彼女に会いたい一心で彼は外に出た。すると町中が引きこもりになっていて誰もおらず、ピザの配達はロボットが行っていた。そして彼女を見つけ出てくるよう懇願すると、窓を閉められ、名前を聞こうとドアを開けようとすると再び地震が起き、家々から人が飛び出してきた。揺れが収まり人々はまた引きこもった。振り返ると彼女も出て来ており家に入らないように腕を掴むとLoveと書かれたボタンを押してしまっていた。そして再び地震が起きた。
以上、映画「TOKYO!」のあらすじと結末でした。
TOKYO!のレビュー・考察:それぞれの東京
舞台は見慣れた繁華街や何気ない住宅地。けれども、夢を追って上京した若者の葛藤や、意図せず放り込まれた異邦人の苦悩、引きこもり問題と機械化、地震は見方によっては心の動きの象徴のように思える。どのように東京がそれぞれの監督の目に映っているのか、三者三様の物語があり興味深い。
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