追憶の紹介:2017年日本映画。監督・降旗康男、撮影・木村大作という日本映画界の巨匠が9年ぶりにタッグを組んで製作したヒューマン・サスペンス映画です。北陸を舞台に、過去に傷を持つ三人の男が、ある殺人事件に刑事・容疑者・被害者として相まみえる姿を、周囲の人間模様も絡めて描き上げています。
監督:降旗康男 出演者:岡田准一(四方篤)、小栗旬(田所啓太)、柄本佑(川端悟)、長澤まさみ(四方美那子)、木村文乃(田所真理)、安藤サクラ(仁科涼子)、吉岡秀隆(山形光男)ほか
映画「追憶」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「追憶」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
追憶の予告編 動画
映画「追憶」解説
この解説記事には映画「追憶」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
追憶のネタバレあらすじ:起
1992年の能登半島。親に捨てられた少年、四方篤(小林喜日)は同じような境遇を持つ田所啓太(巨勢竜也)や川端悟(藤代隼人)と出会い、仁科涼子(安藤サクラ)が営む軽食喫茶「ゆきわりそう」に身を寄せていました。家族の温もりを知らぬ三人の少年にとって涼子は母親のような存在で、店の常連客の山形光男(吉岡秀隆)も交えてまるで家族同然の日々を送っていました。ところが、涼子のヒモでやくざの貴船(渋川清彦)が出所した日、穏やかな日は終わりを迎えました。貴船は度々涼子の元を訪れては乱暴を繰り返すようになり、ささやかな幸せを守るために意を決した篤と啓太、悟はクリスマスイブの日、共謀して貴船を殺害してしまいます。涼子は三人を庇い、自ら罪を被って服役します。それ以来三人は離れ離れになってしまい、それから25年の月日が流れました。
追憶のネタバレあらすじ:承
2017年。篤(岡田准一)は富山県警の刑事として順調にキャリアを積んでいましたが、幼い頃に自分を捨てた母・清美(りりィ)からは金を無心され、妻・美那子(長澤まさみ)との関係も上手くいかず別居状態に陥っていました。ある日、篤は富山市内のラーメン屋で偶然にも悟(柄本佑)と再会を果たし、夜遅くまで酒を酌み交わします。悟は東京のガラス店を経営しているのですが経営は非常に苦しく、金策に困って輪島で土建屋を営む啓太(小栗旬)から金を借りようとしていたのです。会社経営の順調な啓太は、身重の妻・真里(木村文乃)のため、かつての想い出の場所「ゆきわりそう」の跡地に新居を建てようとしていました。別れ際、篤は財布にあるだけの金を悟に手渡し、悟は「篤ちゃんは昔のことを忘れちゃっていいから。啓ちゃんに任せておけば大丈夫だから」と言い残して去っていきました。
追憶のネタバレあらすじ:転
その翌日、富山のある漁港で、刃物で刺された悟の死体が発見されました。篤は同僚らと共に東京での捜査に参加することになり、悟の自宅を捜索したところ「あんどの家」なる介護施設の封筒を発見します。そんな時、母・清美が自殺未遂を起こしたため篤は急遽富山に戻り、その足で啓太の元に向かいます。25年ぶりに再会した啓太は、篤に「刑事になって自分だけきれいになったつもりか」と厳しい言葉をぶつけます。次に篤は「あんどの家」に向かい、そこで車椅子姿の老いた涼子が山形に付き添われている姿を目の当たりにします。涼子は刑期を終えて山形と結婚していましたが、3年前に交通事故に遭った影響で半身不随と重度の記憶障害を患っていました。篤は、山形から悟や啓太が涼子と再会を果たしていたこと、もはや涼子は三人の記憶がないことから、山形は篤に「もう事件のことは忘れてしまってもいい」と優しく諭しました。
追憶の結末
事件の捜査が進むにつれ、啓太らしき人物が悟と会っていたという目撃情報などから、啓太は重要容疑者としてマークされるようになっていました。篤は啓太の事務所を訪れて彼を問い詰めますが、その時、啓太の妻・真里が産気づき、急遽病院に運ぶことに。やがて事件は思わぬ形で終息を迎えることになります。事件の真犯人は悟の妻・小夜子(西田尚美)とガラス店の従業員・小川(太賀)であり、不倫関係にあった二人は保険金目的で悟を殺害したのです。篤は啓太の疑いが晴れたことに安堵しましたが、篤と啓太は悟が身内に裏切られたことにやりきれない思いを抱えました。その後、真里は無事に女の赤ん坊を出産、「涼」と名付けました。実は真里は涼子が獄中で産んだ娘であり、啓太は妻を守るため捜査に消極的な態度を取っていたのです。篤は改めて事件現場で悟を弔った後、車椅子の涼子と共に夕日の見える海岸沿いに出掛け、涼子は篤を優しく包み込むように抱きしめました。
「追憶」感想・レビュー
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映画は観てないけど、生きている殺人共犯二人の人生はそれでいいのでしょうか、「追憶」で済むような軽い問題じゃないのではと思う。
よく考えれば、殺人跡地に自宅を建てる計画なんてとてもじゃないが恐ろし過ぎるし、三人の罪を背負って服役した女が獄中で生んだ三人で殺した男の子供とその殺人犯の一人が夫婦になって出産間近って話も怖過ぎるので、これって怪奇サスペンスにでも仕上げたほうが良くない?
いずれにしても、邦画の多くはストーリー性の甘さが際立って、情緒的心理陰影を追った作品に流れてあやふやにする底の浅さなのに、それをいい映画と評する風潮は度し難いと思う。
本来なら「追憶」は自分にとって興味も何もない邦画ですが、とあるスナックのママは私が映画好きと知って「追憶」のDVDレンタルを観て、二件もの殺人事件が起きているのに、この後何となく幸せになって行きそうなエンディングでよいのかと、とても腑に落ちず納得がいかない感じで話しかけてきたのです。
それで邦画のほとんどは観ない私ですが、スナックのママの話がちょっと気になって、「追憶」の「ネタバレあらすじ」を探して、こちらのサイトを参考にさせていただいたのです。なので、これは実際の映画を見ての感想ではなくて、こちらのサイトの「ネタバレあらすじ」を拝見してからと、前述のスナックのママの腑に落ちない印象と合わせての感想です。
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通りすがりさんはもう映画は金輪際見ないのがよろしいかと。
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この後生きて行く殺人犯
腐れ外道の子供を獄中出産した
心優しい女 その生まれた子供と結婚した加害者の1人 現場で有った場所に伊恵を建てる…感受性や共感性が低いと これらの事象を
全て不自然だと思えるのかも、知れませんね 映画だから誇張しすぎてたりデフォルメし過ぎてたり
その辺りは十分許容範囲内でした
各俳優達の演技も深みが有り安藤サクラの力量には感服です。
邦画も奥行きの有る重厚な作品が増えてくれると嬉しいです。 -
夫と二人で映画を観終わってからの帰り道、夕飯食べて帰ろうってなったけど二人ともなにも話さず
ただ…何か考えさせられる映画だったねと言葉少なに話したことを思い出しました
表現の言葉が見つからないけど、物凄く心に残る映画でした
とても感慨深い映画
キャストも皆さん素晴らしかった
主演は岡田くんというより小栗くん?とは感じましたけど…
安藤サクラがすごくいいんです。演技派の彼女がヒモであるやくざに無理やり抱かれているときの死んだ目がものすごいです。他の役者さんがかすんでしまうほど。安藤サクラのための映画といってもいいですが、周りを囲む(というか、こっちが主役?)の岡田准一、小栗旬、柄本佑もいいです。みんななにかを隠している(殺人事件を起こしているので当然ですが)ところをうまく演じていて、最後まで目が離せません。