ホリック xxxHOLiCの紹介:2022年日本映画。『カードキャプターさくら』などで知られる漫画家集団CLAMPの人気コミック『XXXHOLiC』初の実写映画化作品。監督は『Diner ダイナー』の蜷川実花。原作のファンである監督が構想に約10年かけたという本作では、艶やかな花にあふれたセットや豪華で妖艶な衣装で観る者を魅了する。神木隆之介、柴咲コウがW主演のほか、吉岡里帆が大胆な演技で新境地を開く。またオリジナルキャラクター・アカグモを磯村勇斗がセクシーに演じ、監督の期待に応えている。
監督:蜷川実花 原作:CLAMP『xxxHOLiC』 出演:神木隆之介(四月一日君尋)、柴咲コウ(壱原侑子)、松村北斗(百目鬼静)、玉城ティナ(九軒ひまわり)、吉岡里帆(女郎蜘蛛)、磯村勇斗(アカグモ)、趣里(美咲)、橋本愛(座敷童)ほか
映画「ホリック xxxHOLiC」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ホリック xxxHOLiC」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ホリック xxxHOLiC」解説
この解説記事には映画「ホリック xxxHOLiC」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ホリック xxxHOLiCのネタバレあらすじ:起
高校生の四月一日(わたぬき)君尋は他の人には見えない黒い靄のようなもの・“アヤカシ”が見えてしまい、日々それから逃げ続けています。死んだ方がマシ、そう思った瞬間、一羽の蝶に導かれ君尋は藤の花が咲き乱れる屋敷に迷い込んでしまいます。
双子のような女子・マルとモロを従えた女主人・壱原侑子曰く、ここは願いを叶える“ミセ”、ただしそのためには対価が必要だといいます。君尋は出ていこうとしますが、ここに来たのは偶然ではなく必然、願いを自覚し対価となるいちばん大切なものが何かわかるまでここに住んで家政婦として働くよう決められてしまいます。
そのとき美咲という女性がやってきました。他人に妬まれてしまうという美咲は、しゃべるたび黒い靄にまとわりつかれていますが本人は気づいていません。侑子は指輪を渡し、決してはずさないことが対価だと告げます。
翌日、渋谷の街で美咲を見かけた君尋は、彼女が誰に対しても嘘ばかり言っていることに気づきます。そのたびに黒い靄が吹き出し、指輪は黒ずみ、美咲は痛みを感じます。耐えきれず指輪をはずしてしまうと靄は彼女に襲いかかり、とうとう彼女は半狂乱で暴れまわって車道に飛び出してしまいます。
君尋がとっさに助けに入ったその瞬間、彼の前に妖しげな女が現れ、アヤカシが見えてしまう君尋の目に興味を抱きます。「欲しければどうぞ」と言う君尋に、「おいしくなったら食べてあげる」と女は答えます。
学校で、クールでミステリアスな男子・百目鬼(どうめき)静といつもいっしょにいるツインテールの美少女・九軒(くのぎ)ひまわりに今度いっしょに遊ばない?と誘われ、君尋はうれしさを隠しきれません。あたりまえの人生を送る、それがあなたの願いだと指摘する侑子。そして、対価=ほんとうに大切なものは何か見つけなさいと言うのでした。
ホリック xxxHOLiCのネタバレあらすじ:承
住み込みで働き始めた君尋は、二日酔いの侑子のために朝食を作ります。マルとモロをたきつけて掃除をし、ミセでの日々は過ぎていきます。
ある日、君尋が買い物に出かけると、不思議な青年に道をたずねられます。知っている寺だったので案内すると、その境内では静が弓の練習をしていました。そこは静の家で、彼は厄祓いの神事のため的を射抜く練習をしているのだとひまわりが説明してくれました。
青年が本堂の中を見学させてほしいと言い、君尋も強引に引っ張られてしまいます。彼はオカルト的なものに目がなく、静の先祖が邪悪なものを封印したという箱に興味津々です。そしてひまわりに、とっておきの怖い話をしてくれと迫ります。
両親や祖父母が“幸福”を使い切ってしまい、“周りを不幸にする”宿命を背負って生まれてきた女の子の話をするひまわり。青年は喜び、そして突然、箱を封印できるほどの力を持つ“祓う者”静を殺そうとします。その正体を見破った君尋は静をかばい負傷してしまいますが、そこに侑子が現れアカグモという青年を撃退します。
侑子は静に「あなたの力が彼の力になる」と言うと、君尋を連れて消えてしまいました。
ミセで順調に回復する君尋。静やひまわりとも仲良くなり、君尋は幸せな日々を過ごしています。しかし神事が行われる四月一日が近くなると静は忙しくてなかなか学校に来なくなり、ひまわりは君尋を避けるようになります。
普段は静の力で抑えられているひまわりの“不幸”が抑えられなくなっており、心配した君尋はなんとかしてほしいと頼みますが侑子は良い返事をくれません。
君尋は学校で、ひまわりがまとっているアヤカシを自分に移そうとして襲われ、吹き抜けから落下してしまいます。傷ついた君尋の上に以前渋谷で遭遇した女が現れ、「死んじゃうならもらうね」と右眼の力を奪っていきました。
静とひまわりによってミセに運び込まれた君尋は一命をとりとめ、夢うつつの中でかつて母親が自分をかばって死んだことを思い出していました。「運命はどうせ変わらない。変えられない」そう感じた君尋は、自分はどうなってもいい、誰も傷つけたくない…と言いますが、侑子はそれを否定すると「好きにしたら」と突き放します。
ホリック xxxHOLiCのネタバレあらすじ:転
ミセを飛び出した君尋に声をかけてきたのは眼を奪ったあの女、女郎蜘蛛です。「君の願いを叶えてあげる」と言い、君尋はいつの間にか日常生活に戻っていました。
四月一日の朝。君尋の作った玉子焼きを侑子が「最高!」と褒め、夜には寺のお祭りに出かけます。静の放った矢は的の真ん中に刺さり、その後屋台で買ったチョコがけイチゴを静は君尋に手渡します。
翌日、日めくりカレンダーは四月一日。玉子焼きを侑子に褒められ、夜はまた寺に行く君尋。神事は成功し、静はチョコがけイチゴを君尋に渡す。次の日もまた次の日も同じことのくり返し。嫌な出来事は何もない、予定調和の日々。幸福な時間が続き次第に考えることをやめ堕落させる…、これが女郎蜘蛛の仕掛けた罠だったのです。
女郎蜘蛛とその手下・アカグモは君尋の様子をうかがい、侑子は同じ日々をくり返しながらもすべてを見通したような顔をしています。
あるとき君尋は、ケガをした自分を助けるために対価としてひまわりが身体に傷を負い、静が片目の視力を失ったことを知ります。静は「お前がオレでも同じことをしただろ」と事もなげに言い、ひまわりは「出会えてよかった」と笑って次の土地へと去っていきます。
自分にとって大切なものとは何かを悟った君尋は「オレは新しい明日が見たい!」と女郎蜘蛛と戦うことを決意、そんな彼に侑子は魔除けとしてブレスレットを手渡します。
ホリック xxxHOLiCの結末
女郎蜘蛛に対峙した君尋は、静の協力を得てアカグモを倒しますが、すぐに無数の赤い糸に捕らわれてしまいます。残った方の眼も奪い君尋を喰らおうとする女郎蜘蛛ですが、侑子のブレスレットの力がそれを阻止します。
しかし更に強い力で君尋を捕捉し、自分自身を犠牲にすれば他の者は助ける、と囁く女郎蜘蛛。君尋がきっぱり拒絶すると侑子が現れました。侑子と女郎蜘蛛、因縁のふたりの魔女は侑子が圧倒的に優勢です。女郎蜘蛛は封印の箱を開け放とうとしますが、それは人間の手によるもの。人間の手でしか開けられません。
すると女郎蜘蛛はもともと人間であるアカグモを復活させ、彼を盾にして封印を解いてしまいます。アカグモは箱の中に吸い込まれ、女郎蜘蛛もまた、その邪悪なものの中に取り込まれてしまいました。
侑子をもってしてもこの解き放たれた邪悪なるアヤカシは厄介です。なんとか抑え込もうとしますが、最後のトドメは君尋たちに託されました。破魔矢を拾い、静とともにアヤカシを射抜く君尋。侑子はアヤカシを抱えたまま箱の中へと消えてゆきました。
四月二日。人気のなくなったミセで目覚めた君尋。アヤカシを封じるために犠牲となった侑子がそこにいました。君尋は彼女に消えないでほしいと願いますが、「この世界で生きていてほしい。君尋」と微笑み侑子はたくさんの蝶となって散っていってしまいました。
後日、ミセを継いだ君尋は、マルとモロ、静を従えて主人の椅子に座り、キセルの煙をくゆらせながら新たな客を招きいれるのでした。
以上、映画「ホリック xxxHOLiC」のあらすじと結末でした。
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