前科者の紹介:2021年日本映画。罪を犯し、その後更生するために奮闘する前科者。その彼らの社会復帰を後押しするために存在する保護司。犯した罪に苦しむ工藤を優しく支える保護司の佳代、再び警察から追われることになった工藤を頑なに信じる姿が印象的です。
監督:岸善幸 出演:有村架純(阿川佳代)、森田剛(工藤誠)、磯村勇斗(滝本真司)、若葉竜也(実)、マキタスポーツ(鈴木充)、石橋静河(斉藤みどり)、北村有起哉(高松直治)、宇野祥平(松山)、リリー・フランキー(遠山史雄)、木村多江(宮口エマ)、ほか
映画「前科者」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「前科者」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
前科者の予告編 動画
映画「前科者」解説
この解説記事には映画「前科者」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
前科者のネタバレあらすじ:起
保護司をしている阿川佳代(有村架純)。保護司の仕事は基本的に報酬がないため、保護司としての仕事の傍らコンビニで働いています。
佳代は勤務の合間に保護観察中の村上を訪ね、無断欠勤した保護観察中の村上に会社に行くように頼みました。グチグチ文句を言う村上に一喝し、やがて優しく仕事に行くよう諭しました。
半年前に佳代が担当になった工藤(森田剛)、勤務態度は良く勤務先の社長も更生期間が終われば正社員として雇っても良いと話しています。
10歳のときに母親を義理の父に殺されてしまった工藤。その後、弟と共に施設を転々とします。施設を出て就職した工藤でしたが、先輩からの激しいいじめに遭い、先輩を殺してしまうのでした。どうやら亡くなった母親を侮辱されたことに激情して起きた事件のようですが、工藤はあまり覚えていないようです。
また誰かを殺してしまうと不安がる工藤に、佳代は優しく接してきました。こうして佳代は工藤との信頼を深め、月2回の面談も無難にこなし、保護観察期間が終わったらお祝いにラーメンを食べようと約束し、工藤の最後の面談を迎えようとしていました。
前科者のネタバレあらすじ:承
そんな頃、交番の巡査部長が何者かに襲われ、銃を奪われる事件が起こります。その後、区役所の職員がその銃で撃たれて亡くなってしまったのです。さらに児童養護施設の職員が同じように銃で撃たれて殺されてしまいました。
工藤は仕事帰りに銀髪の若い男を目撃しますが、見覚えのあるその姿が気になり、後を付けるとその若者は施設を離れてから行方が分からなくなっていた弟の実(若葉竜也)だったのです。工藤は実に声をかけます。
工藤は、実が何人もの人を殺していることを知り自首することを促しますが、実が襲った巡査部長が母親のDVを揉み消していた事、区役所の職員のミスで義父に母親の居場所がバレてしまい母親が殺されてしまったこと、児童養護施設の職員は工藤たちを虐めていた人物だったことを知り、工藤の脳裏に嫌な思い出が過ぎります。
結局、第3の事件の被害者から工藤のDNAが検出された事で、工藤も警察に追われる事になります。その日から工藤は姿を消し、最終面接にも姿を現しませんでした。心配する佳代の前に刑事の滝本(磯村勇斗)が現れ、工藤を探していると話します。
前科者のネタバレあらすじ:転
実は佳代と滝本は同級生で、互いに惹かれ合っていた仲でした。しかしある時、暴漢に襲われそうになった佳代を助けた滝本の父が、佳代の代わりに刺されて亡くなってしまうという事件が発生。これが佳代にも滝本にも大きな傷となってしまいます。滝本とはそれ以来の再会でした。
人殺しは所詮人殺し、人間ではないと語る滝本に、どうしても工藤がやったとは思えない佳代。思いが交わることはありませんでした。工藤を理解できなかった自分を責める佳代を、かつて佳代の保護により改心した今でも仲の良いみどり(石橋静河)が慰めます。
警察は次のターゲットは遺恨の強い義父の遠山(リリー・フランキー)と定め、捜査を進めます。佳代も遠山の弁護士だった宮口(木村多江)を頼り、遠山との面談を取り付けます。そこに、実を乗せた工藤の運転する車がやってきます。素早く遠山の部屋に向かおうとする実、しかしすでに、そこは警察の包囲網が敷かれていました。
それに気づいた工藤は、実に逃げろと叫びました。実を助けようとして工藤は肩を撃たれてしまいます。やがて捕らえられた実でしたが、車に乗せられる直前、隙を見て銃を奪うと自らの頭を撃ち抜き、自害してしまいました。
前科者の結末
怪我の手当てを終えた工藤は、弁護士の宮口との謁見を望みます。その時、滝本は実の持っていた資料から次のターゲットが遠山ではなく義父を止めることをしなかった宮口だということを知り、佳代に知らせます。
急いで現場に駆けつけた佳代は、工藤を見つけるなり引っぱたき、人間に戻るよう訴えると、工藤を優しく抱き締めました。やがて工藤は落ち着きを取り戻し、事件を未然に防ぐことが出来たのです。
しばらくして、佳代はみどりを連れて中学時代の母校を訪ねます。図書室にやってきた佳代はこっそりと一冊の本を戻します。それは、滝本がその当時父を殺した犯人への憎い気持ちを書き綴った本でした。密かにそれに気づいていた佳代は本をこっそりと拝借し、落書きを消していたのです。そして今、本を返しに来たのでした。
なぜ自分がここに連れてこられたのかが分からないみどりは、佳代になぜ?と尋ねます。「友達だからだよ。惚れるなよ」と佳代は笑顔で答えるのでした。
以上、映画「前科者」のあらすじと結末でした。
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