伏 鉄砲娘の捕物帳の紹介:2012年日本映画。桜庭一樹の小説『伏 贋作・里見八犬伝』を原作として文藝春秋創立90周年記念として制作された劇場アニメーション。猟銃使いの少女・浜路は、兄道節に呼ばれ江戸の町にやってきました。初めて見る江戸の賑わいに戸惑う浜路は、信乃という青年の逃走劇に巻き込まれてしまいます。無事逃げ延びた浜路は、信乃の手助けにより道節と出会うことができましたが、道節が浜路を江戸に呼び寄せたのは江戸を騒がす「伏」と呼ばれる半人半犬の集団を狩るためでした。しかし、実は、信乃がその伏の一員で、そうとは知らない浜路は、偶然再会した信乃に惹かれていきます。
監督:宮地昌幸 声優:浜路(寿美菜子)、信乃(宮野真守)、冥土(宮本佳那子)、道節(小西克幸)、船虫(坂本真綾)、凍鶴(水樹奈々)、馬加(神谷浩史)、徳川家定(野島裕史)、滝沢馬琴(桂歌丸)、ほか
映画「伏 鉄砲娘の捕物帳」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「伏 鉄砲娘の捕物帳」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「伏 鉄砲娘の捕物帳」解説
この解説記事には映画「伏 鉄砲娘の捕物帳」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
伏 鉄砲娘の捕物帳のネタバレあらすじ:起
陸奥の山奥で暮らす猟銃使いの少女・浜路は、祖父が熊に食われて以来1人で暮らしていました。そんな浜路の元に江戸で暮らす兄道節から江戸に来るように誘いの手紙が来ました。1人暮らしで寂しがっていた浜路は、すぐに江戸に旅立ちました。
そして江戸に来た浜路でしたが、江戸の賑わいと人の多さに戸惑ってしまいます。そんな時、浜路は、道端に犬のさらし首がいくつもあることに驚きます。たまたまそこに居た武士の馬加が、この犬の首は、江戸を騒がす人の生珠を食べる半人半犬の集団「伏」が狩られてさらし首になったものだ、と教えてくれました。
また、馬加は、この首のうちの1つは自分が狩ったものだ、と自慢しました。しかし、その後、馬加は、狐の面をかぶった伏に襲われ左目を切られてしまいました。狐の面の男は、馬加とその仲間に追われ逃走しますが、偶然その場にいた浜路にぶつかってしまいます。
狐の面の男は、浜路の鉄砲を持って逃げたので、浜路も狐の面の男を追いかけました。狐の面の男は、橋の上で馬加とその仲間を倒しますが、騒ぎを聞きつけた岡っ引きがやってきたので、追いかけて来た浜路を抱えてその場から立ち去りました。
無事逃げ延びた浜路は、狐の面の男に手紙に書いてあった道節の居場所を案内してもらい、道節と合うことができました。
伏 鉄砲娘の捕物帳のネタバレあらすじ:承
道節は、武士になることを夢見て江戸に出て来たのですが、その夢を果たせず長屋でくすぶっていました。しかし、将軍徳川家定から伏狩り令が出たことにより、伏を狩れば賞金が出るほか、場合によっては武士として取り立てられることも考えられることから、道節は、伏を狩るために腕のいい猟師として成長した浜路を陸奥から呼び寄せたのでした。
道節は、浜路を男装させて伏を探しますが、なかなか見つかりません。2人は吉原に来ますが、浜路は、道節とはぐれてしまい困っていたところにあの狐の面の男に声をかけられました。狐の面の男は、浜路を芝居小屋の楽屋に連れて行き男装を解かせ女物の着物を着せたところ、浜路は可憐な姿となりました。
狐の面の男は、浜路を吉原の入り口まで送っていきますが、そこで浜路に名前を聞かれ、信乃と名乗りました。信乃と別れた浜路は、道節と合流しましたが、花魁道中が始まると聞いて花魁道中を見ていくことにしました。人だかりの中花魁道中を見ていた2人でしたが、道節は、誤って花魁に向かって浜路を投げてしまいます。
花魁が乗った車は大破し、花魁の上に被さってしまった浜路ですが、花魁の体に伏の印があるのを見てしまいました。浜路は、花魁に鉄砲を向けますが、花魁は伏としての本性を現しそこから逃げ出しました。浜路と道節は、花魁を追いかけ、浜路が放った銃弾が花魁の右肩に命中します。花魁はそれでも逃げようとしますが、ついに動けなくなりました。
花魁は、追いついた浜路に、新兵衛と言う人に届けて欲しいと手紙を差し出しました。浜路は、手紙を受け取ると、後から来た道節が花魁の首を切り落としました。
伏 鉄砲娘の捕物帳のネタバレあらすじ:転
伏を狩り幕府から賞金をもらった浜路と道節でしたが、人間と何ら変わらない伏を目の当たりにして喜びはそれほどありませんでした。その後別々に伏を探すとして、道節と別れた浜路は、自分の伏退治のことが書かれたかわら版を見つけて驚きます。
かわら版を作ったのは、冥土という少女で、最初は怒っていた浜路も冥土のかわら版を作る技術に感動し、かわら版を売るのを手伝いました。そして、2人で長屋に帰ってきたところ、長屋の住人から芝居に招待されたと聞き、冥土と共に芝居を見に行くことになりました。
芝居は、大森黒白という役者が人気の若衆歌舞伎でした。題目は里見八犬伝で、冥土の祖父である滝沢馬琴が書いたものですが、芝居は、それに手を加えた「贋作」を呼ばれる内容でした。芝居の幕が上がりますが、そこで浜路は、大森黒白が信乃であることに気づきました。
芝居の最中に信乃に芝居の後で会うように言われた浜路は、待ち合わせ場所に行ったところ暴漢に襲われます。浜路は、そこにやってきた信乃に助けられますが、そこで信乃が伏であることがわかってしまいました。
信乃は、自分が伏であることを明かし自分を殺せ、と浜路に迫り、さらに、浜路が花魁から預かった手紙の相手である新兵衛をすでに死んだ、と言いました。ショックで動けなくなる浜路に、早く帰れと言って信乃は、立ち去って行きました。
浜路は家に帰らずある屋敷の門の横でうずくまりましたが、そこは冥土が住む屋敷で、すぐに中に入れられました。そこで介抱され元気になった浜路は、冥土に花魁から渡された手紙を読んでもらいました。
伏 鉄砲娘の捕物帳の結末
その頃、江戸城の祭りで信乃がいる深川一座が将軍たちの前で芝居を見せる話が持ち上がっており、その話を聞いた浜路は、信乃に会うために急いで江戸城に向かいました。信乃達は、舞台の下見のため江戸城に行ったところ、これは、信乃を討つための罠で、信乃は大勢の武士に囲まれてしまいました。
そしてかつて左目を切られた馬加が、信乃に襲い掛かりますが、信乃は馬加を羽交い絞めにすると、馬加を人質にして逃げました。家老は、馬加もろとも信乃を撃つように命じますが、裏切られたと知った馬加は、信乃に家定の居場所を教えると、味方に撃たれ、城に火を放ち死んでしまいました。
信乃は、家定がいる天守閣に向かい、浜路もそれを追いかけます。信乃が家定の元にたどり着くと、家定は、村雨丸を抜いて里見義実となり、まがい物と言って信乃に襲い掛かってきました。家定は、本物の将軍になるために伏を狩ったのですが、信乃は、そんな家定が哀れになり、家定を倒しても命を取らずその場を立ち去りました。
信乃は、城の天守閣の屋根に登って身を投げましたが、そこに浜路がやってきて、信乃を銃でひっかけて拾い上げました。浜路は、花魁の手紙には花魁と新兵衛は人の生珠を食べず我慢してきたことが書いてあり、信乃も自分のために人の生珠を食べるのを我慢してくれた、と言いました。
そして、浜路は、信乃の事が好きといい、信乃もそれを受け入れました。信乃は、何処かへ旅立ち、残された浜路は、信乃へ手紙を書くために、冥土から字を教わる事にしました。
それから1年半後、浜路は、冥土に信乃から来た手紙を嬉しそうに見せるのでした。
以上、映画「伏 鉄砲娘の捕物帳」のあらすじと結末でした。
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