渇水の紹介:2022年日本映画。停水執行を仕事としている水道職員岩切が訪問先で出会った育児放棄に苦しめられている姉妹との出会いで、自身の家庭問題と向き合い前に進んでいく姿を描いています。ネグレクトや高齢者の困窮などの社会問題も同時に描かれました。
監督:高橋正弥 出演:生田斗真(岩切俊作)、門脇麦(小出有希)、磯村勇斗(木田拓次)、山崎七海(小出恵子)、柚穂(小出久美子)、宮藤官九郎(伏見)、宮世琉弥(今西)、吉澤健(坂上)、池田成志(佐々木課長)、篠原篤(大林)、柴田理恵(竹内)、森下能幸(石川)、田中要次(細川)、大鶴義丹(加東刑事)、尾野真千子(岩切和美)、ほか
映画「渇水」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「渇水」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「渇水」解説
この解説記事には映画「渇水」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
渇水のネタバレあらすじ:起
梅雨が明けてから一月程が経ちました。雨が降らない日照りの日が続き、ついには県に給水制限が発令されます。市民プールにも水が入らない空のプールになってしまい、幼い姉妹ががっかりしていました。
水道課の停水執行を担当している岩切(生田斗真)と後輩の木田(磯村勇斗)は、水道料金が滞っている家庭に出向いていき、料金を払うように促します。
一軒目の無職の伏見(宮藤官九郎)宅にて、どうやらエアコンがついている所を見ると電気代は払っているようです。岩切はそのことを理由に水道料金を払うよう説得しましたが、伏見は雨が降らないと水道局はお手上げだろ?水はタダでいいと開き直られます。
次に向かったシングルマザーの小出有希(門脇麦)宅、スマホをいじっているのでスマホ代は払っているようです。同じく水道料金を払うよう説得しますが、スマホは商売道具なのでと言い訳され水道料金を払おうとしません。停水執行に踏み切ろうとした岩切でしたが、そこに先程の姉妹が帰宅し、結局、停水執行を踏みとどまります。
渇水のネタバレあらすじ:承
岩切には妻と二人の娘がいますが、現在別居中です。翌日もまた停水執行の仕事が続きます。本当にお金がなく水道料金が払えない者、怠慢で払わない者など、様々な理由があるようです。
釣りをしていた恵子(山崎七海)と久美子(柚穂)姉妹を、母親の有希が呼びます。有希はこれから仕事に向かうようでお金を姉の恵子に手渡し仕事に向かいます。そこに岩切たちが訪問してきました。
恵子は先程もらったお金と持っていたありったけのお金を出して水道料金を払おうとします。しかし岩切はお金を受け取らず姉妹に水を溜められるだけ溜めるよう指示、木田にもそれを手伝うよう伝え、停水執行を決めます。
水を止める所を見たいという恵子たちの希望に応えた岩切は、書類を有希が帰ったら渡すよう恵子に伝えると帰っていきました。
渇水のネタバレあらすじ:転
雨は一向に降る気配もなく、マッチングアプリで男と会っている様子の有希も帰る様子もありません。恵子の持っていたお金も底をつき、恵子はスーパーで万引きをしたり、公園の水を汲んできたりしなければならなくなります。
ある日、岩切たちが家を出る有希を見かけ、水道料金を払うように説得しようとしますが、やはり今は無理だと言います。岩切が子供たちまで放り出すのかと有希を責めると、有希は自分はどうなんだ?家族を守れているのか?と返すと、核心をつかれた岩切は呆然としています。それを横目に有希は立ち去っていきました。
岩切は自分に似てきた息子の崇との向き合い方に悩んでいました。親に虐げられてきた岩切はいつか崇に同じことをしてしまうのではないか、そう考え、妻の和美(尾野真千子)とも崇とも距離をとってしまいます。それが原因で和美は崇を連れ、実家に帰ってしまいました。
有希の言葉をきっかけに色々考え直した岩切は、和美の実家に行き、和美にヒマワリの花束を渡し、崇と海でも行かないかと提案します。和美は岩切の心の変化に気づいていましたが、今は時期ではないと岩切の提案を断ります。
落ち込む岩切でしたが、帰り道に見かけた美しい景色を見て、何かを思いついたように帰路につきます。
渇水の結末
給水制限がさらに厳しくなり、公園の水道まで止められてしまいました。岩切は立ち寄ったスーパーで恵子が万引きで捕まっているのを偶然みかけ、半ば強引に助け、逃げ出すようにスーパーを出ていくと、やってきた公園で水道管を開け、ホースを繋ぎ、狂ったように放水し始めました。
最初は呆気に取られましたが、大喜びの久美子を見て恵子にも笑顔が生まれます。結局、木田から通報を受けた職員に岩切は取り押さえられ、警察に連行されていきます。その後、岩切は辞表を出すよう促され、恵子と久美子は施設に入ることが決まりました。
釈放された岩切は帰宅後、恵子と久美子からもらった絵を自宅に飾ります。それはあの時、公園で放水した時の絵でした。一服している岩切の携帯に着信が鳴ります。岩切が携帯に出ると、崇の声がします。崇は岩切に、海に行こうとねだったのです。
以上、映画「渇水」のあらすじと結末でした。
「渇水」感想・レビュー
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市の職員なら育児放棄の子供を発見すれば給水停止の前にまず関係機関と連携するのでは。日照りが続いているのに川に十分な水が流れていたり、水量たっぷりの滝を描くのは、何らかの意図があるのかな?
水も電気も止められた家で、なぜ娘は携帯を使えていたのかが腑に落ちなかった。