3月のライオン 前編の紹介:2017年日本映画。「3月のライオン」は羽海野チカの漫画を原作にした映画。将棋を題材とした漫画で、プロ棋士である青年が最初は孤独だったものの、いろいろな人と関わりを持つことによって成長していく物語。原作漫画はとても評価が高く、漫画大賞他数々の賞を受賞。また先行してNHKでアニメ化されている。映画はストーリーがテンポ良く運び、原作やアニメの世界観に近いものがあります。この話は主人公だけでなく、周囲の人物達の生き様や心情を良く描いているのが特徴です。内容は素晴らしく、心を揺さぶられる作品です。
監督:大友啓史 出演者:神木隆之介(桐山零)、有村架純(香田香子)、豊川悦司(幸田柾近)、倉科カナ(川本あかり)、清原果耶(川本ひなた)、染谷将太(二階堂晴信)、島田開(佐々木蔵之介)、伊藤英明(後藤政宗)、ほか
映画「3月のライオン 前編」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「3月のライオン 前編」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
3月のライオン(前編)の予告編 動画
映画「3月のライオン 前編」解説
この解説記事には映画「3月のライオン 前編」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
映画 3月のライオン(前編)のネタバレあらすじ:起:孤高の高校生棋士
主人公の零は幼いころに交通事故で家族を失い、父の友人である棋士、香田柾近に内弟子として引き取られていました。零には将棋の才能があり、15才で将棋のプロ棋士になります。香田家には姉と弟がいましたが、彼らとは兄弟として仲良くすることはできず、あることがきっかけで、香田家も出ることになります。零は1年遅れで高校に入学し、六月町にて1人暮らしを始めます。零は高校でも孤立し友達も出来ず、将棋の対局においても不調が続いていました。そんなおり、たまたま橋向かいの三月町に住む川本家と出会います。川本家には三姉妹と彼女達の祖父が住んでおり、彼らは温かく零を迎え、たまに夕食を共にする仲となります。
映画 3月のライオン(前編)のネタバレあらすじ:承:どうしても倒したい相手
そんな折、獅子王戦トーナメントにて、順調に行けば、零はある男と対決する予定となります。それは香田家の姉の香子の不倫相手である棋士・後藤正宗でした。零は彼をどうしても倒したくて、彼との対決のことしか考えられなくなります。それを意識するあまりに自分を見失い、後藤に当たる前に対局する島田開のことは頭に入らなくなっていました。零は、居飛車にも振飛車にも対応するオールラウンドプレーヤーですが、島田の棋風は居飛車、穴熊の堅守徹底型で零の棋風とは真逆でした。しかも島田はA級棋士なので、零より格上でした。零は島田を簡単に倒せると自分の力を過信していたため、島田に負けてしまいました。後藤のことばかり気にしていましたが、島田は零よりも強かったのです。島田に負け、自分の傲慢さを丸裸にされた零は、島田のおかげでひとつ自分の殻を破ることが出来ます。
映画 3月のライオン(前編)のネタバレあらすじ:転:零の持つもう一つの殻
零には将棋以外に、どうしようもない停滞している「想い」がありました。その「想い」は時折零を殻のように覆い尽くします。その「想い」のため、零はどうしても後藤に勝ちたかったのです。それは香田家の姉、香田香子に対する想いでした。彼女も将棋士を目指していましたが、成長の過程で零に将棋が叶わなくなり、父親から将棋をやめるように告げられた過去がありました。香子は零に父親と将棋の夢を奪われたことを恨んでおり、零に辛く当たって自分の感情をぶつけてきました。と、同時に二人の間には兄弟という関係ではなく、男女の関係に似たような「想い」がありました。自分の感情をコントロール出来なくなった香子は、香田家を出ようとしますが、それを阻止するため原因となっている自分が出て行こうと、零は行動を起こしたのでした。しかし零が家を出ても香りは度々零を訪ねて、彼の気持ちをかき回します。
映画 3月のライオン(前編)の結末:島田の研究会へ
零の担任は彼に一人も友達がいないことを気にかけ、彼のことを心配していました。一見いい加減な先生なのですが、零が少しでも暗いトンネルから抜け出るようにアドバイスします。そのアドバイスを聞き、零は初めて自ら仲間と師を求め、島田の研究会に入ります。島田の研究会には幼い頃から将棋で対決していた二階堂がいました。零は知らず知らずに彼と友達になります。獅子王戦は島田が後藤を破ります。一方、新人王トーナメントも行われ、二階堂は山崎という技士と対決することになります。二階堂は慢性の腎臓病を抱えており、対局中に体調を崩します。山崎は自身の力を尽くさず、千日手に持ち込んで二海堂を棄権に追いやります。その行為に零は怒りを燃やし、山崎を倒すべく挑みます。仲間の言葉を思い出しながら、零は山崎を倒します。島田の方は、宗谷名人と対決しますが、ストレート負けをしてしまいます。その勝負で解説を担当していた零は、一人だけ宗谷を打ち破る一手を盤上で示し、観衆を驚かせます。宗谷は静かで吸い込まれそうな闇を抱えた人物で、零は彼にとても興味を持ちます。それは宗谷自身も零に感じ、彼を一瞬見つめます。少しずつ棋士としても、人間としても少しずつ成長していく零。後編に続きます。
以上、映画 「3月のライオン 前編」のあらすじと結末でした。
⇒3月のライオン 後編のあらすじはコチラ
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