のみとり侍(蚤とり侍)の紹介:2018年日本映画。徳川家治、老中田沼意次の時代に賄賂が横行し、お金になることは何でも許されていた。そんなある日、長岡藩のエリート侍小林は歌の会に出ていたのだが藩主牧野忠精の作品が盗作であると正直に言ってしまう。みんなのいる前で恥をかかされた忠精は逆ギレして「猫の蚤とりになって無様に暮らせ。」と左遷されてしまう。生真面目な小林は猫の蚤取りをするものと思って蚤取りの親分甚兵衛とその妻お鈴に会いに下町に行くと何か勘違いされて貧乏長屋を紹介されてそこで暮らすようになる。猫の蚤取りとは名ばかりで実際はセフレの仕事だった。
監督:鶴橋康夫 出演:阿部寛(小林寛之進)、寺島しのぶ(おみね/千鶴)、豊川悦司(清兵衛)、斎藤工(佐伯友之介)、風間杜夫(甚兵衛)、大竹しのぶ(お鈴)、前田敦子(おちえ)、松重豊(牧野備前守忠精)、桂文枝(田沼意次)、ほか
映画「のみとり侍」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「のみとり侍」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
のみとり侍の予告編 動画
映画「のみとり侍」解説
この解説記事には映画「のみとり侍」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
のみとり侍のネタバレあらすじ:起
江戸時代、徳川家治将軍の治世、老中、田沼意次(桂文枝)の賄賂が横行している時代に長岡藩のエリート侍だった生真面目な小林寛之進(阿部寛)は歌の会で忠精の作品が盗作だと言ってしまう。逆上した忠精は小林に「猫の蚤りになって無様に暮らせ」と言い放った。左遷された小林は蚤とりの親分の所に連れて行かれる。そこで甚兵衛(風間杜夫)とその女房のお鈴(大竹しのぶ)から猫の蚤をとる仕事という名のセフレの裏稼業をすることになった。そして下町の長屋で住み貧しい人々と共に生活するようになる。そこでは貧しい子供たちにボランティアで学問を教える優しい友之介(斎藤工)がいた。友之介は両親を亡くしていたが、親から譲り受けた名刀だけは形見として大切に守っていた。
のみとり侍のネタバレあらすじ:承
蚤とりの仕事を始めてから初めての客が亡くなった妻千鶴と瓜二つのおみね(寺島しのぶ)だった。おみねを見て妻を思い出しワクワクするのだがもとは男社会のエリート侍だった為に、女慣れしてなかったために、結局おみねに「この下手くそが」と言われ、愕然としてしまう。そんな頃に小間物問屋の「近江屋」の若旦那清兵衛(豊川悦司)が道で絡まれているのを助ける。それを機に女慣れしたイケメンの清兵衛から性愛の技法を教えてもらうかわりに浮気隠蔽の協力をするようになる。清兵衛の妻やきもちやきのおちえ(前田敦子)は婿養子のフェロモンムンムンの清兵衛が自分の目を盗んで浮気を繰り返すので色々考えて今はうどん粉を下半身に塗りたくり、毎日家に帰るたびにチェックしていた。しかし、ある日うどん粉に塩が入ってないのがバレて「唐かさ一本持って出ていけ」と追い出されてしまう。それから清兵衛も小林と同じ蚤とりになり長屋で暮らすようになる。真面目で仕事熱心な小林は清兵衛から技法を学び次第に上達していく。早くに夫を亡くした未亡人や老女の冥土の土産にという人やあるいは日頃のストレスを晴らしたい女将の捌け口にされたりしながらもテクニシャンの清兵衛からの伝授によりお客も増えていった。
のみとり侍のネタバレあらすじ:転
ある日、佐伯が猫に噛まれ、生死をさまよう。長屋では貧しい子供たちや大人たちがなんとか誠実で優しい佐伯を助けられないかとみんなで集めたお金で医者を呼んで治してもらおうとする。医者は駆けつけてきてくれたが長屋で集めた金を見て「こんなんじゃ診れねえ。」と言ってさっさと帰ってしまう。今にも息を引き取りそうな佐伯を心配して一生懸命祈る子供たちや長屋の大人たちを見ていると居ても立ってもいられなくなった清兵衛は「人の生き死に以上に大事なことがありますか」と言い、佐伯が大切にしていた刀を持って医者のところに行く。宋庵医師は値打ちのある刀を見て態度を一変し、長屋に戻り治療する。佐伯は回復して元気になる。しばらくして宋庵医師が刀を持って戻ってくるが、この刀は値打ちは無かったが男気のある清兵衛の 情熱と子供たちの佐伯を思う気持ちに打たれて治したのだと言う。長屋ではこのように貧乏ながらも人情味のあふれる暮らしが続いていた。そんなある日、田沼意次が失脚となり、蚤とり業禁止令が出される。今まで女性たちに奉仕していた蚤とりたちが犯罪者にされ、殺されそうになるのだが、甚兵衛とその妻お鈴は必死で蚤とりの仲間たちを助けようと尽力する。
のみとり侍の結末
奉行所に連れていかれた小林は長屋での人々の人情味や暮らしぶりを全く知らない武士たちに蚤とりがどんなに素晴らしい仕事かとか長屋のささえあって生きている素晴らしい生活や極貧の子供たちの美しい心や子供たちに学問を無償で教える青年がいることを訴えた。また蚤とりがたくさんの女性たちに必要で大切な仕事だということを訴えた。さらしばから、連れていかれるときに迎えに来たのが小林のいた長岡藩主だったのでてっきり打ち首か切腹になると思っていたのだが。しかし、本当は1命を狙われていた小林を機転を効かせ左遷することによって命拾いさせてもらったのである。そして失脚後は元の身分の侍に戻ることができた。最後に小林とおみねが一緒に歩いていく。プレイボーイのイケメン清兵衛と独占欲の強いおちえが並んで歩いていくのだが、そのすぐ後ろをお仙も相変わらず歩いていた。
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