十二人の死にたい子どもたちの紹介:2018年日本映画。集団安楽死を望んで廃病院に集まった少年少女12人が死体を見つける。死体は何者なのか、自殺?他殺?殺人犯がこの12人の中にいるのか。疑心暗鬼に陥りながら、12人の死にたい理由が明かされていく。直木賞の候補になったことでも知られる「十二人の死にたい子どもたち」は、様々なジャンルの作品を生み出すことで知られる作家 冲方丁初のサスペンス。その傑作小説を「SPEC」シリーズや「人魚の眠る家」の記憶も新しい堤幸彦監督がメガホンをとり、当代きっての若手俳優たちによる息つく暇もない密室劇に仕立て上げた。ここ数年の活躍もめざましいイケメン俳優たち、美少女の面影残る女優たちの濃密な演技バトルが繰り広げられ、特に5台のカメラによる40分の長回しシーンは圧巻。
監督:堤幸彦 原作:冲方丁 キャスト:高杉真宙(サトシ – 1番)、渕野右登(ケンイチ – 2番)、古川琴音(ミツエ – 3番)、橋本環奈(リョウコ – 4番)、新田真剣佑(シンジロウ – 5番)、黒島結菜(メイコ – 6番)、杉咲花(アンリ – 7番)、萩原利久(タカヒロ – 8番)、北村匠海(ノブオ – 9番)、坂東龍汰(セイゴ – 10番)、吉川愛(マイ – 11番)、竹内愛紗(ユキ – 12番)、とまん(ユウキ – 0番)、ほか
映画「十二人の死にたい子どもたち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「十二人の死にたい子どもたち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
十二人の死にたい子どもたちの予告編 動画
映画「十二人の死にたい子どもたち」解説
この解説記事には映画「十二人の死にたい子どもたち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
映画「十二人の死にたい子どもたち」のキャスト
映画「十二人の死にたい子どもたち」のネタバレあらすじ:起
集団安楽死の舞台となる廃病院に、サトシ(1番 高杉真宙)が裏口から入っていきます。次に来たケンイチ(2番 渕野右登)は待合室で雑誌をめくっています。ゴスロリのミツエ(3番 古川琴音)はトイレで片方のスニーカーを見かけ、ニット帽とマスクで顔を隠したリョウコ(4番 橋本環奈)は走る黒い人影を見ました。
自動ドアの前にはシンジロウ(5番 新田真剣佑)。外ではメイコ(6番 黒島結菜)に黒い服のアンリ(7番 杉咲花)が声をかけ、室内では金髪のセイゴ(10番 坂東龍汰)がノブオ(9番 北村匠海)に話しかけ、降りてこないエレベーターを調べに二人で階段を登っていきます。屋上から戻ってきた吃音でうまく喋れないタカヒロ(8番 萩原利久)と出会い、エレベーターの扉にイスがはさんであるのを見つけます。
その頃、1階ではギャルのマイ(11番 吉川愛)が到着し、最後にユキ(12番 竹内愛紗)が12の番号札を手に取りました。
集いの部屋に入ったケンイチは1番のベッドに男の死体を発見します。参加者たちは続々と集まり、死体を含めて合計12人が揃いました。しかし、最後にサトシが入ってきて死体を確認して言います。「彼はどなたですか?」
「ゼロ番」と呼ばれることになった13人目の人物が死体となって発見されたことで、12人の安楽死計画は狂い始めます。
映画「十二人の死にたい子どもたち」のネタバレあらすじ:承
サトシはこの集団安楽死の集いの主宰者であり、すべて一人で準備したと言います。死体が見つかるという不測の事態に、このまま安楽死を実行するかと問うとケンイチが、謎が解明されなければ実行できないと反対します。
警察官を両親にもつシンジロウは鋭い観察眼で疑問点を見つけていきます。あるはずのない車いすが置いてあること。死体[ゼロ番]が飲んだと思われる薬は致死量には少なすぎること。それを服用したら嘔吐するはずだがその痕跡がないこと等。つまり死体[ゼロ番]は自殺ではなく殺されたのだ、と。
今度はセイゴが反対します。母親に保険金を掛けられているセイゴは殺される前に自殺する必要があり、ここに他殺体があっては困るのです。
参加者たちはグループに分かれ、今まで見かけた不審物を確認しに行きます。そんな中、徐々に明らかになる12人の死にたい理由。
ケンイチはイジメ、タカヒロは治らない吃音と大量の服薬。そんなタカヒロは屋上で、さっきノブオに初めて会ったとき彼が屋上の様子を知っていたことを思い出し、「君が殺したの?」と問いかけます。ノブオはあっさり認め、みんなの前で話すと言いました。
映画「十二人の死にたい子どもたち」のネタバレあらすじ:転
外に解体業者の車が現れ、慌てるアンリたち。その隙にノブオは走り去ってしまいます。集いの部屋ではノブオが戻らないまま、シンジロウにより謎解きが行われます。
室内外で見つかった吸い殻はリョウコのもの。マスクをとった彼女は芸能人“秋山莉胡”だったのです。偽りの自分を葬りたいリョウコに、今度はミツエが猛反発。ミツエは大好きなバンドマンの後追い自殺をしようと参加したので、“秋山莉胡”ファンが同じことをしないよう、リョウコに死ぬべきではないと主張します。
とりあえず準備だけでも進めようと、再び分かれて道具を取りに行く参加者たち。そこでユキの左手が事故の後遺症でうまく動かないことが判明。シンジロウは末期の病気、マイはヘルペス、ファザコンのメイコは自殺して保険金を父に残そうとしています。
サトシの父はかつてこの病院の経営者で、医大受験に失敗した兄と母が無理心中騒動を起こして一家離散、その後鬱になり自殺してしまったと。するとそのとき、ノブオが現れます。ノブオは自分をいじめていた同級生を階段で突き落として殺したと言います。そして同じようにさっきメイコに突き落とされたと。
映画「十二人の死にたい子どもたち」の結末
メイコを責めるつもりはない、とシンジロウにすべてを託すノブオ。シンジロウはノブオの協力者がアンリだということを見抜いていました。誰よりも早く病院に着いていたアンリとノブオは屋上から、実行の妨げになるものを排除しようと出入口を見張っていました。すると車いすを押す黒い人影を見かけ、手伝おうと1階に降りていきます。しかし押していた人物は消え、車いすの死体[ゼロ番]だけが残されていました。
この死体[ゼロ番]にも参加意志があったはずだと考えた二人は、集いの部屋に運び込もうとしますが、まだ鍵が開いていないのでひとまず女子トイレに隠します。でも女子の参加者をみかけたアンリは、別の場所に移すようノブオに指示、イス2脚に乗せて運び出す途中でスニーカーが脱げてしまったのです。
そのとき突然死体[ゼロ番]から音が!よく調べるとそれは死んでいなかったのです。ということは、このまま実行すると殺人犯になってしまう…。そもそもゼロ番は誰なのか? ゼロ番を連れてきたのはユキでした。
ユキは兄ユウキと二人で自転車に乗っている時に事故に遭い、ユウキは植物状態に…。ユキは自分を責め、もう楽にしてあげたいと申し込んだものの、1名分しか空きがなく、仕方なくユウキ[ゼロ番]を車いすに乗せて二人でやってきたのです。でも車いすのせいでうまく入れず、様子を見に来たアンリとノブオから隠れていたら、二人が運び入れてくれたと言います。
そのアンリが最後に告白します。幼い頃ネグレクトの母のタバコの火の不始末で火事にあい、弟を亡くしたと。自分には何の価値もない、生命を否定するためにここに来たと。でもシンジロウは言います。「中止を提案したい。みんなの決をとってほしい」
シンジロウ、ノブオ、タカヒロ、ケンイチ、マイ、セイゴ、リョウコ、ユキ、ミツエ、泣きながらメイコ、そしてアンリ。「全員賛成なので中止にします」とサトシ。
晴れやかに病院を出ていく参加者たち。集いの部屋にはサトシとアンリ。この集いが初めてではないと気づいたアンリは「次も必ず参加する」とサトシに言うのでした。
「また会いましょ」
以上、映画「十二人の死にたい子どもたち」のあらすじと結末でした。
「十二人の死にたい子どもたち」感想・レビュー
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小説で見ました。
まず12人の死にたい子供達という題名からは想像できない数々のミステリー。
それらが最後に繋がって謎が溶けたときのあの感覚が忘れられません。
キャラクター達の考え方が交差していく所がとても面白かったです!
最初はなんか衝撃的な内容なのかな?とタイトルを見て気になりました。
実際に映画を観てみると衝撃的な内容というよりは群像劇、推理サスペンスって内容が近いと思います。
いろいろ伏線が回収されるのが面白かったです。