トイレのピエタの紹介:2015年日本映画。手塚治虫が死の間際に遺した原案メモを元に映画化した作品で、野田洋次郎(RADWIMPS)の俳優デビュー作にして初主演作です。余命わずかなフリーターと女子高生の純粋で切実なラブストーリーです。
監督:松永大司 出演者:野田洋次郎(園田宏)、杉咲花(宮田真衣)、リリー・フランキー(横田亨)、大竹しのぶ(園田智恵)、宮沢りえ(橋本敬子)ほか
映画「トイレのピエタ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「トイレのピエタ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
トイレのピエタの予告編 動画
映画「トイレのピエタ」解説
この解説記事には映画「トイレのピエタ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
トイレのピエタのネタバレあらすじ:起
園田宏(野田洋次郎)は画家の夢を諦め、窓拭きのアルバイトで生計を立てながら何となく日々を過ごしていました。ある日、美大時代の恋人だった尾崎さつき(市川紗椰)と再会した園田は、彼女から今度開くという個展に誘われますが、宏は今更絵画など見る気にもなれませんでした。そんな時、宏は仕事中に突然倒れ、病院で精密検査を受けます。検査結果の告知は家族の同伴が必要だと言われた宏はさつきに頼んで姉のフリをしてもらおうとしますが。途中で口論となって帰られてしまいます。宏はやむなくその場に居合わせた宮田真衣(杉咲花)という女子高生を妹に仕立てます。検査の結果は、胃の悪性腫瘍で余命3ヵ月というあまりにも残酷なものでした。放心状態に陥った宏に真衣は明るい声で「今から一緒に死んじゃおうか」と語りかけられます。宏は真衣をバイクの後ろに乗せてスピードを出してはみますが、やはり死ぬ気にはなれず、真衣からはいくじなしとなじられてしまいます。
トイレのピエタのネタバレあらすじ:承
入院した宏は抗がん剤治療の副作用に苦しんでいました。故郷からは父(岩松了)と母(大竹しのぶ)が見舞いに訪れ、帰郷を勧めますが宏はそんな気にはなりませんでした。漠然とした不安の中、宏は同じ病室で食道ガンと闘うちょっとスケベな横田亨(リリー・フランキー)や小児病棟にいる拓人(澤田陸)、拓人の母・敬子(宮沢りえ)らと交流を持ちます。宏は副作用に苦しむあまり病院を抜け出しますが、仕事復帰もままならず街で揉め事を起こして再び病院に連れ戻されます。ある日、宏は拓人が持ってきた塗り絵を誤って捨ててしまいます。拓人に謝った宏は、真衣に頼んでノートとヒーローの本を買ってきてもらい、手作りの塗り絵を拓人にプレゼントします。
トイレのピエタのネタバレあらすじ:転
真衣は家事や認知症の祖母の世話の合間を縫って病院に行き、宏を外に連れ出すようになります。ある日、真衣と一緒にいた宏は偶然にさつきと再会します。さつきは個展で世話になったという男を連れており、真衣は嫌味を言います。やがて横田が退院する日が来ました。宏は横田に生きる意味を問うと、横田は「死にたくないから」と答えました。度々真衣に付き合って外出する宏は二人でプールに飛び込んで戯れていました。ある日、宏は拓人とその母に連れられてある教会に行きます。そこには、死んだ我が子を抱えた母をモチーフとした「ピエタ」の像がありました。拓人は余命半年と宣告されていましたが、次の手術が成功すれば退院できると言われていました。自身も手術を控える宏はお互いに励まし合います。しかし数日後、拓人は帰らぬ人となってしまいました。拓人の母は宏に我が子の絵を描いてほしいと頼みますが、宏には描けませんでした。かもしれない状態です。宏も間もなく手術で、お互い頑張ろうと言います。
トイレのピエタの結末
ある日、いつものように病院に来た真衣が宏を食事に誘おうとしますが、外に行く気分ではない宏は喧嘩になってしまい、真衣は「病気はずるい。自分だけがつらいと思うな」と口走ってしまいます。やがてガンの転移を告げられた宏は、故郷の病院に転院すると決め、真衣に別れを告げます。納得しない真衣は宏を連れ出し、最初で最期のキスを交わします。結局、宏は東京のアパートで残りの日々を過ごすと決め、再入院することになった横田にペンキを買ってきてもらい、トイレの壁に集大成となる絵画を描き始めました。なぜトイレに描くのかと問われると、宏は「浄化と昇天」をテーマにしているのだと答えます。横田はカメラを取り出し、宏が人生を賭けて描く姿を記録に残していきます。最期の作品は真衣をモデルとしたものでした。ある日、いつものように病院に来た真衣は受付に宏の転院先を教えるよう要求していました。それを見かけた横田は、真衣に宏の最期を伝えると彼のアパートに連れて行き、「トイレのピエタ」を見せます。真衣は衝動的に死のうとしましたが、死ぬことはできませんでした。
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