弥生、三月 -君を愛した30年-の紹介:2019年日本映画。『同期のサクラ』『家政婦のミタ』『過保護のカホコ』など数多くのヒットドラマを手がけた脚本家・遊川和彦が自ら監督と脚本を務めた完全オリジナルのラブストーリーです。激動の昭和・平成・令和にまたがる約30年間の3月を背景に、運命に翻弄されながらも一途に互いを想い続けてきた二人の男女の壮絶な人生を描きます。
監督:遊川和彦 出演者:波瑠(結城弥生)、成田凌(山田太郎)、杉咲花(渡辺サクラ)、岡田健史(あゆむ)、小澤征悦(白井卓磨)、岡本玲(太郎の妻)、夙川アトム(教師)、矢島健一(弥生の父)、奥貫薫(弥生の母)、橋爪淳(サクラの父)、黒木瞳(山田真里亜)ほか
映画「弥生、三月 君を愛した30年」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「弥生、三月 君を愛した30年」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
弥生、三月 君を愛した30年の予告編 動画
映画「弥生、三月 君を愛した30年」解説
この解説記事には映画「弥生、三月 君を愛した30年」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
弥生、三月 君を愛した30年のネタバレあらすじ:起
1986年3月1日、宮城県。
通学のバスに乗り遅れた女子高生の結城弥生(波瑠)は、必死にバスを追いかけていました。やっとのことでバスに追いついた弥生は、親友の渡辺サクラ(杉咲花)と合流しますが、サッカー部を辞めたばかりの同級生・山田太郎(成田凌)を見つけるなり痛烈なビンタをくらわし、サッカーを続けるよう檄を飛ばしました。これが弥生と太郎の最初の出逢いでした。
サクラは実は薬害HIV患者であり、このことがきっかけで学校でいじめられていました。弥生はサクラを庇い、彼女をいじめる者たちに対してHIV感染についての正しい知識を教えたあと、サクラにキスしてみせました。弥生の正義感の強さに心を打たれた太郎は、彼女やサクラと友情を育んでいきました。
1987年3月。
弥生と太郎は病状の悪化したサクラを見舞いに訪れました。サクラの太郎への想いに気付いていた弥生は、彼女に想いを伝えるべきだと促しましたが、サクラは本心を明かさずに今の三人の関係が幸せだと言いました。それから程なくして、サクラは最後まで太郎に打ち明けることのないまま息を引き取りました。
1988年3月。
弥生と太郎は高校卒業の時を迎えました。弥生は教員になるため大学に通うことにし、太郎はサッカー選手を目指し、二人はそれぞれ別々の道を歩むことになりました。別れ際、太郎は弥生に「40すぎても独身だったら、俺が結婚してやるよ」と告げました。
弥生、三月 君を愛した30年のネタバレあらすじ:承
数年後、太郎はプロのサッカー選手になり、上京した弥生は苦労しながらも何とか教職免許を得ることができました。太郎は交際していた女性(岡本玲)を妊娠させてしまい、父になる覚悟もないまま「できちゃった結婚」をしました。結婚式で生まれて間もない息子あゆむを抱く太郎の姿に、出席した弥生は複雑な心境になりましたが、太郎の母・真里亜(黒木瞳)は弥生に「太郎は弥生ちゃんと結婚してほしかった」と慰めました。
1998年3月
弥生は晴れて教師となりました。やがて弥生は歯科医の白井卓磨(小澤征悦)と結婚しましたが、そんな最中に仲違いしていた故郷の父(矢島健一)が倒れたとの知らせが入りました。弥生は父を施設に入れようとしましたが、白井は介護のために一緒に宮城県に引っ越そうと提案しました。
一方、プロのサッカー選手となった太郎でしたが、結局花開くことなく戦力外通告を受けてしまいます。それでもまだプロへの未練を残していた太郎でしたが、息子あゆむにサッカーを教えていた時にボールを追って路上に出たあゆむが危うくトラックに撥ねられそうになりました。あゆむを庇った太郎は自分がトラックに撥ねられ、怪我を負ってサッカー選手への夢が完全に断たれてしまいました。
弥生、三月 君を愛した30年のネタバレあらすじ:転
2011年3月10日。
故郷に戻ってきた弥生が目の当たりにしたのは、離婚して引きこもりとなり自堕落な生活を送っている太郎の姿でした。弥生は無理矢理太郎を離れて暮らすあゆむの元へ連れて行きました。束の間の親子交流の時間を持った太郎は帰り際に思わず弥生を抱きしめ、二人は太郎の部屋で一線を越えて愛し合ってしまいます。
明けて2011年3月11日。
弥生はもう二度と太郎と会うことはないと告げ、太郎を振り切って部屋を去っていきました。そして弥生は白井に嘘をつき、そのまま仕事に向かいました。
同日14時46分、宮城県を東日本大震災が襲いました。何とか母の無事を確認した太郎は弥生の姿を探しましたが、その時太郎の脳裏をよぎったのは数年前、多額の借金を抱えた父の事情で好きでもない金持ちと結婚させられそうになった弥生の姿でした。弥生は気乗りしないまま式場に入りましたが、現れた太郎の「そんな判断をするなら子供のままでいい」との言葉に我に返った弥生はウェディングドレス姿のまま式場を飛び出し、そのまま結婚話も破談になっていたのです。
数日後、弥生は白井の遺体を発見しました。白井の親族から厳しく責められた弥生はすっかり落ち込んでしまい、教師も辞めて引きこもってしまいました。
弥生、三月 君を愛した30年の結末
数年後、太郎はジュニアサッカークラブのコーチとして再起していました。元の明るさを取り戻した太郎の前にサクラの父(橋爪淳)が訪れ、太郎にカセットテープを託しました。それは、サクラが生前吹き込んでいた、弥生と太郎への感謝を込めたメッセージでした。サクラはいつか弥生と太郎が結婚してくれることを望んでいたのです。
2020年3月。
成人したあゆむ(岡田健史)は教師となり、父の母校で教壇を振るっていました。しかし、あゆむはクラスのいじめ問題に悩まされていました。太郎からサクラのメッセージを受け取り、再起を決意した弥生は太郎と共にあゆむの学校に駆け付け、窮地に陥っていたあゆむを助けると生徒たちに人を思いやることの大切さを呼びかけました。
翌日、弥生と太郎は一緒にサクラの墓参りへ向かいました。太郎はやっとあの頃の正義感に溢れたまっすぐな弥生が戻ってきてくれたことを喜びました。そして二人は満開の桜の木の下で、静かに手を取り合いながら歩き出しました。
以上、映画「弥生、三月 君を愛した30年」のあらすじと結末でした。
この映画が公開されたのは2020年3月、新型コロナウイルスの影響で新作映画が公開されないためこの映画はロングランとなりました。
「見上げてごらん夜の星を」の曲とウォークマン、お墓の近くの桜の木が印象に残っています。